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(1) ホンダの技術
日産は、社長が退任の予定があり、今後は改善の見込みがある。一方、ホンダは状況が悪くて、お先真っ暗だ。これは、前項で述べたとおり。
では、ホンダのどこが問題なのか? それを指摘しよう。
ホンダがダメなのは、技術面で劣っていることだ。それも、全面的に劣っている。
日産がダメなのは、CVT とエンジン直結モードの二点だけだ。そこだけが問題なので、そこを解決すれば立ち直れる。解決することは難しくない。二年ぐらいで大幅に改善することは可能だ。(次の新社長がまともならば。)
一方、ホンダはもっと深刻だ。簡単に問題を解決することはできない。
(2) ホンダのハイブリッド技術
第1に、ハイブリッド技術だ。ホンダのハイブリッド技術は、てんで見当違いだ。
そもそも日産は、ずっと前から e-POWER というシリーズ方式を採用して、それに磨きをかけてきた。一方、ホンダは最初はパラレルを取って、それでうまく行かないので、日産のように、シリーズ方式を採用した。そこではエンジン直結モードも併用したことで、「日産方式よりも優れている」「日産方式よりもこっちが上だ」と自画自賛した。
ところがその方式は、エンジンの負担する領域がかなり広くて、エンジンの雰囲気が色濃く残るものだった。日産の e-POWER が「発電機付きの EV 」という感じで、なめらかにモーター駆動するものなのに、ホンダのハイブリッドは、エンジンの雰囲気がなかなか抜けないものだった。
「その方が従来のエンジン車に慣れた人には馴染みやすい」
というふうにホンダの技術者は考えたらしい。しかし、このような方式は、時代の流れをまったく理解できていない、時代錯誤的な大馬鹿野郎の発想である。
もう少し正確に言えば、「知能指数 120の小利口な技術者」の発想である。そのせいで、世界の最先端の人々とは正反対の方向に進んでしまう。頭のいい人(知能指数 130以上)は、みんなそろって右の道を選ぶのに、頭の悪いホンダだけは、「オレは利口だ」と利口ぶって、唯我独尊で左の道を選ぶ。その道がどん詰まりだとは理解できないまま。
正しいハイブリッドとは何かという問題は、詳しい解説を必要とするので、次々項当たりで、独立項目で述べる予定だ。そちらを参照。
(3) ホンダのEV 技術
ホンダが立ち遅れているのは、ハイブリッド技術だけではない。EV 技術も立ち遅れている。これが致命的だ。
そもそも、ホンダの EV 技術はひどく遅れていた。燃料電池車(FC V)に経営資源を投入していたので、電気自動車(EV)の開発はひどく立ち遅れることになった。かろうじて EVの Honda e を投入したが、他社に比べて生産コストが 100万円以上も高くて、「売れば得るほど大赤字が出る」というありさまで、結果的には生産中止にするしかなかった。その後は、 EV 開発の提携先として頼っていた GM も開発が難航して、GM から技術をもらうという当ても外れた。それでは仕方がないので、トヨタから技術をもらえばいいのかもしれないが、トヨタも自社では技術開発が難航していて、中国の BYD と提携して技術支援してもらうありさまだ。
結局、ホンダが頼れる相手は、日産しかない。だから昨夏には日産と技術提携した。しかし日産としてはライバルのホンダに技術を与えるメリットが何もない。だから提携はしても技術の出し渋りをした。ホンダは「EV 技術をもらえる」という当てがすっかり外れた。がっかり。……ところがそこへ、日産が「身売りします」というふうに持ちかけてきた。ならばそのまま日産を買収してしまえばいいのだが、ホンダは無能なので、買収して運営するだけの経営力がない。かくてホンダは尻尾を巻いて逃げ出した。(前項)
で、結局、どうなったか? EV 技術を持たないホンダは、身売りしてきた日産を買うこともできず、千載一遇のチャンスを自ら捨ててしまった。となると、日産の EV 技術をもらい受けることもできないから、この先、どうしようもない。お先真っ暗である。
それでもホンダには、強力な武器がある。それは「自分は優秀だ」という自惚れだ。この自惚れだけは、業界屈指である。世界最高かもしれない。その証拠が、これだ。
ホンダはこれを「カッコいい」と思って公開したようだ。しかし、あまりにも低レベルすぎて、涙が出るほどだ。デザイナーの技術が幼稚すぎる。(入社したばかりの若手が作ったようなデザインだ。)
それよりももっとダメなのが、車高の低いスポーツセダンタイプの車にしたことだ。今やアメリカも日本も欧州も、背の高い SUV タイプばかりで、セダン型の市場は壊滅状態だ。そこを無視して、背の低いスポーツセダンタイプを選ぶのだから、時代の流れをまったく理解できていない。経営者の判断能力が時代錯誤すぎる。
これほどにも時流に反した車を見せておきながら、「これはすごくカッコいいでしょう」と鼻高々で自慢するのがホンダだ。唯我独尊の極みと言えるだろう。(まるで豊田章男みたいだ。)
ホンダの唯我独尊は世界最高レベルにある。とすれば、この先、誰かにすがって助けてもらう道はない。自惚れながら、難破して沈没していくしかない。オーケストラの響きを聞きながら海に沈むタイタニックのように。それがホンダの運命なのである。
(4) ギガプレス
なお、仮にホンダが生き残ろうと本気で思うのならば、ホンダは日産と提携して、両社共同でギガプレスの技術を採用したはずだ。日産はやりたくても、その金がない。ホンダは金はあるが、新規技術を導入するだけの技術者がいない。
ホンダと日産が共に生きる道は、「両社が共同してギガプレスを導入すること」だけだ。それ以外にはない。たもとを分かつ限り、両社はともにつぶれるしかない。
なのに、両者は たもとを分かつことに決めた。つまり、両社はともに自殺する道を選んだ。とすれば、この先、どちらも沈没するしか、道はあるまい。
(5) 主客交替
では、この先、ホンダと日産は破綻するしかないのだろうか? 日本から二つの自動車会社がともに消えてしまうしかないのだろうか?
いや、そうとは限らない。日産の内田社長が辞任すれば、次期社長はまともな判断のできる人が社長になるかもしれない。もしそうなれば、次の選択肢が生じる。
「ホンダと日産が共同出資して、EV の新会社を立ち上げる。その新会社の社長は関潤であり、日産主導で EV 開発が進む」
これならば、ホンダも日産も共に生きることができるだろう。
※ ただしこれは、ホンダが日産の子会社になるようなものだ。日産に「ホンダの子会社になれ」と要求したホンダが、「日産の子会社になる」ことを、受け入れるとは思えない。となると、ホンダはやはり倒産するしかないのだろう。いったん倒産してから、その後に、日産に吸収されるしかあるまい。それがホンダの生き残るすべだ。
※ とはいえ、現実はそう甘くはない。日産に吸収されれば、日産社員というバッジを付けて、今まで通りに生きていくことはできる。だが、そうはなるまい。自尊心の高いホンダは、日産のバッジを付けることを「よし」としない。結果的には、解体されて、バラバラになるしかあるまい。そのあとは、中国企業に買収される。……それはちょうど、レノボに吸収された、IBM, NEC, 富士通のパソコン部門みたいなものである。あるいは、ハイアールに吸収された三洋電機の白物家電部門だ。あるいは、ハイセンスに買収された東芝レグザだ。いずれにせよ、今では中国企業の一部門でしかない。それが、将来のホンダの姿である。
(1)日産のe-powerは発電機付きのEVだ
(2)ホンダはFCVに力を入れてEVの技術がない
とありますが、どちらも車輪を動かすのはモーターで、その制御はコンピューターでやっているのならあとは電源を電池にするだけでEVになるのではないのでしょうか。電源以外のどこが問題なのでしょうか。
唯我独尊は好きな言葉です。大いにやってほしいですね。
テスラは中国で電池を調達しているのでしょうね。日本のメーカーはうまく立ち回れなかったようです。電池のコストが4割くらいなので、ギガプレスやそのほかのことで頑張ってもなかなか勝てそうにありません。その意味ではHVで押し通しているトヨタの戦略が正しいのかもしれません。
やたら中国をもうけさせ、発言力を強めさせている各国のEV補助金をやめさせると情勢が変わるような感じですね。
電池重量の問題は、将来的には路面からの無線充電によって解決される。そうなれば電池価格も激減して、ガソリン車よりも大幅安になる。ガソリン車よりも 100万円安になるのが普通になる。ガソリン車よりも 30〜60万円も高い HV とは大差が付く。
ネットで見ると全固体電池というのが次世代技術のようです。今度こそ日本の企業に頑張ってほしいです。
HV に求められる燃費もホンダの方がいいので、HV の技術だけならホンダの方が上でしょう。
Evの技術はどっちもあんまりよく無いきがするのでどっちでもいいですが。
(誤)日産の真似をして、
(正)日産のように、
この点は、次々項で述べる予定。HV の話は、次々項でなく、次々々項。