さらに考察する。
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現行の文字システム
前項では、私の推奨方針を示した。
・ 戸籍は標準漢字に限定する
・ 標準から逸脱した異体字は職権で訂正する
その後、改めて調べたところ、これは基本的には実現しつつあると判明した。
・ マイナンバーのシステムでは、文字は標準漢字に限定されている。
( JIS第一順、第二水準、補助漢字。合計 1.3万字)
・ 新たに作られる戸籍では、異体字は正字に是正される。
以下では詳しく述べよう。
(1) マイナンバーでは 1.3万字。
マイナンバーのシステムでは、文字は標準漢字に限定されている。 JIS第一順、第二水準、補助漢字。合計 1.3万字だ。
→ マイナポータル
ここに収まらない文字は、正字に訂正されるか、カタカナで処理されるそうだ。用語は「代替文字」と言う。( Feloの回答による。)
(2) 異体字の是正
昔は異体字がそのまま使われていたが、その後、法制度が変わり、異体字は正字に是正されることになった。(1) の方針だけがあると、戸籍名とマイナンバーとの食い違いが問題となるが、戸籍名の方を是正することで、マイナンバーの方の文字に一本化されるようになったのだ。
詳しくは下記ページ。
→ 戸籍の漢字の字体を変えるには?苗字・名前の変更手続きを解説 ? 氏名変更相談センター
一部抜粋。
戸籍の取り扱い
@昭和25年〜平成2年
申出のない限り、誤字・俗字はそのまま記載する取扱い
A平成3年〜平成6年
戸籍の変動(婚姻等)があると、誤字・俗字は正字に変更される取扱い
※5200号通達
B平成6年〜現在
戸籍の変動があると、誤字は正字に変更され、俗字はそのまま記載される取扱い
※5200号通達の変更
平成6年(1994年)以後では、戸籍の変動にともなって、誤字が正字に是正されるようになったのだ。だから、姓や名が変な異体字である場合には、結婚して戸籍を作り直すときに、文字が正字に正されるわけだ。
独身の場合には変化がないかというと、そうでもない。家庭裁判所に申し立てると、異体字を正字に変えることができるが、いろいろと手続きや裁判費用がかかるので、お薦めできない。もっと簡単な方法がある。分籍することだ。分籍して、新たに戸籍を作ると、異体字は自動的に正字になる。(俗字でなく誤字の場合。)
※ ここで言う正字とは何か? 常用漢字であることが普通だが、常用漢字の正字に当たる旧字になることもあるそうだ。どうなるかは役所の対応しだいだという。( Feloの回答による)
※ つまり、そこには本人の意向が入ることは想定されていない。システムの欠陥(バグ)だね。ちゃんとシステム化するべきだ。こういうバグを放置すると、ろくなことにならない。
※ 一方、俗字を正字にすることは可能だそうだ。申請すれば、そういう処理をしてもらえるそうだ。(上記サイトに書いてある。はしご高の例で示してある。)

ついでだが、「マイナカードのない人はどうするんだ?」という心配をする人もいそうだが、大丈夫。マイナカードはなくても、マインバーという番号自体は全国民に割り振られている。通知カードで示しておいた番号だ。そこに氏名も印刷してある。その氏名は上記の 1.3万字の範囲で指定された文字だ。
このようにして、1.3万字の範囲でマイナンバーによる国民の文字管理は、遺漏なく処理できている。(一部は別字やカタカナで表示されることもあるが。)
※ これで話は済みそうだが、済まない。何が問題であるかは、次項で示す。
【 追記 】
誤字・俗字を正字に変更するには、家庭裁判所に訴えるか、分籍すればいい、と本文中に記した。
しかし、さらに調べたところ、もっと簡便に済ませる方法があった。上記リンクのサイトには、こういう記述がある。
誤字・俗字を正字に変更するのは、市役所の手続きのみで変更をすることができます。
手続き自体は本籍地の市役所でされますが、受付や書類の書き方などの相談はお近くの市役所でも対応しております。
( → 戸籍の漢字の字体を変えるには?苗字・名前の変更手続きを解説 ? 氏名変更相談センター )
Perplexity にも解説がある。
Q 戸籍の文字を、旧字体や俗字から正字・通用字体に直すよう申し出ることはできるか?
A はい。戸籍の文字を旧字体や俗字から正字・通用字体に直すよう申し出ることができます。この手続きは市役所で行うことができ、比較的簡単に行えます。
具体的な手順は以下の通りです:
(以下略)
意外にも簡単な手続きで済むようだ。
正字に直す手続きは簡単に済む、という話。
いつのまにか簡単に変更できるようになっていたんですね!
良い情報をありがとうございます。
私も数種類の生成AIで調べてはいたのですが、この情報にたどり着けなかったのには、質問の仕方に問題があったようです。
質問の仕方に『家裁に申請するしかないんだよね?』的なニュアンスで書くと、どうも生成AI側がそれに忖度した回答を出す傾向がありました。
今回のような探索系の質問は『ありか、なしか、双方向で調べて結論を出して』と問えば良いということもわかり、2度勉強になりました。