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マイナカード割引
マイナンバーカードの普及促進策として、「マイナンバーカードの利用者には、お金をプレゼントする」というふうにすればいい。つまり、マイナカード割引を導入するといい。金額はこうだ。
・ 病院で受診するたびに 100円引き。
・ 薬局で薬を買うたびに 200円引き。
こういうふうにお金を払えば、国民は「お金が欲しい」と思って、どんどんマイナンバーカードを使うようになる。
その財源
単にお金をプレゼントするのは無理なので、財源が必要だ。どこから財源を得るか?
・ 病院が負担する
・ 薬局が負担する
・ 健保組合が負担する
以上の三通りがあるが、いずれも無理だろう。しかし、誰も負担しないとなると、実現はできない。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
(1) 病院向け
病院向けには、マイナンバーカードの認証機を導入するときに、機械の補助金やレンタル料の補助金など、あれこれとお金を給付した。だから、その給付した分を、回収する形で、病院の取り分を減らす。
具体的には、処方箋の料金を 330円引き下げる。これで3割負担の分は 100円安となる。かくて患者が払う金額は 100円引きとなる。
マイナカードの顔認証機の導入により、病院は受付の手間が減って、人件費の負担が減るようになったのだから、その分、病院の受け取る金額が減るのも、当然なのだ。
※ 病院の受付を見たが、マイナンバーカードの導入で、ずいぶん楽になっている。患者が勝手に顔認証機で認証を受けるので、受付は無人でも、次々と来る患者の受付が次々と完了していく。受付の無人化が可能だという点で、すごくコストカットになっている。
(2) 薬局向け
薬局にも、マイナンバーカードの認証機を導入するときに、機械の補助金やレンタル料の補助金など、あれこれとお金を給付した。だから、その給付した分を、回収する形で、薬局の取り分を減らす。
ただし、病院の患者数はとても多いが、薬局の患者数はあまり多くない。機械の料金を回収するのは、なかなか難しい。その意味で、「マイナンバーの導入を名分とした、処方箋の処理の料金の引き下げ」は、ちょっと無理筋だ。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「薬局はもともと処方箋の処理料金が馬鹿高い。この馬鹿高い料金を是正するという名目で、料金を 700円ほど引き下げるといい。そうすれば、3割負担で 210円ほど安くなる」
ここでは、「薬局はもともと処方箋の処理料金が馬鹿高い」ということが前提となっている。この件は、前に話題にしたことがある。薬局の乱立という話題だ。
医療の分野で改善するべき点があるとしたら、病院よりも、薬局だろう。薬局で薬を出すように改革したあと、薬局が雨後の竹の子のごとく、にょきにょきと生えてきた。よほど儲かるらしい。
( → ケータイと寡占: Open ブログ )
なぜ多いのか? 上では「よほど儲かるらしい」と推定した。医薬分業のあとで、(病院の儲けは減ったが)薬局はすごく儲かるようになったらしい。
このときは推定しただけだが、その後、AIに質問したところ、具体的な数字を得た。
ChatGPT の回答
大型薬局チェーンの場合
調剤技術料:約1,000円(処方箋枚数が多いため単価は低め)
薬学管理料:約500円
薬価差益:約300円
→ 合計:約1,800円(1枚あたり)
5分ほどかけて薬を袋詰めするだけで、1800円ももらえるのだ。ボロ儲けと言っていいくらいだ。
それでも昔は、処方箋の文字をいちいち人手をかけて入力する手間が大変だったから、その金額も仕方なかった。しかし今では、QRコードの利用で、一瞬で処理が完了するようになった。手間は大幅に減ったのだ。(これは、マイナンバーとは関係ない。健康保険証を使っても同様である。)
というわけで、薬局では(処方箋の QRコード化にともなって)、手間が大幅に減っている。また、マイナンバーカードを使って電子処方箋を使うこともできて、その場合も同様だ。
→ 処方箋と QRコード: Open ブログ
かくて「もともと儲かりすぎて、雨後の竹の子のように、薬局が大幅に増加した」という状況があったところへ、さらに輪をかけて、「処方箋の処理のコストダウンで、大幅にコストが低下した」というふうになった。こうして薬局はメチャクチャにボロ儲けできるようになった。
ならば、その分、薬局の取る金を減らせばいいのだ。1800円から 700円安にするくらいなら、実現可能だろう。
立憲民主党の政策
本項では「マイナカード割引の導入」という方式を提案した。
これを導入すれば、老若男女のすべての国民が「お金が儲かる」と思って喜ぶ。だから、立憲民主党は、本項の方式を政策として提言すればいいのだ。
そうすれば、「紙の保険証の存続」なんていう後ろ向きの提案をして失笑を買うよりも、はるかに好評で受け入れられるだろう。また、「所得税減税」なんていう筋悪なことを提案する国民民主党よりも、ずっと賢明だな、と称賛を受けるだろう。「同じようにお金を配るにしても、この方式ならば財源が完全に確保されているので、弊害がない。国民民主党の方式では、減税した分、物価上昇が起こるので、減税してもちっとも得しないのだが、こちらの方式ならば、弊害もなくて、ちゃんと得するね」と。
しかも、何より大切なことは、本項の方式で、マイナンバーカードの普及率は大幅アップが見込める、ということだ。
「毎回の受診で、病院では 100円、薬局では 200円を得する。そう理解すれば、多くの国民がマイナンバーカードを取得するようになる」
これぞ太陽方式だ。これによって、マイナンバーカードの普及率は大幅アップが見込める。
※ さらに前項の「マイナーバーカード給付金」(毎年5万円を給付する)を導入すれば、いっそう効果的だ。
こと医療に関することは前近代的なことがまかり通っていて気に入りませんね。
・2024年11月まで
オンライン資格確認の手数料は、6ヶ月に1回に限り、健康保険証での受付時は3点(30円)、マイナ保険証での受付時は1点(10円)だったので、マイナ保険証では半年に20円お得(3割負担で6円お得)でした。
・2024年12月以降
健康保険証・マイナ保険証のいずれかに関わらず、12ヶ月に1回に限り1点(10円)なので、マイナ保険証の割引は廃止されました。
ですから、マイナ保険証の場合に限り1点の請求をなくせば、1年に10円お得(3割負担で3円お得)になります(薬局ごとに)。
ま、いずれにせよ、現状はこのくらいのシブチンの割引で、しかも昨年12月からはそれもなくなっているので、本稿で提案されたようなもっと大きな割引が必要かもしれませんね。
https://pharmacist.m3.com/column/dispensation_point/5688
病院・クリニック:+3点(+30円)
歯科 :+3点(+30円)
薬局 :+3点(+30円)
です(3割負担だと+9円)。なお、不思議なことに、マイナ保険証などの利用率が低い医療機関はこの加算ができず、必要な実績を有すると認められるとまずそれぞれ2点の加算が可能になり、十分な実績があると認められると上のようにそれぞれ3点の加算が可能になります。ですから、医療機関で(とくに薬局で)マイナ保険証への切り替えをしつこく進められるのには、こういう事情があるのです。(私の記憶では、歯科だけ+2点:+20円だったような気がしたのですが、これは記憶違いだったかもしれません。)
つまり、現状は割引どころか逆の施策を進めているのですから、まずそこを世に知らしめたほうがいいでしょうね。
※ 詳しくは、下の厚労省のPDF資料、8ページのところを参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001302116.pdf