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普及率の上限
前日項目では「マイナーバーカードの自動発行」という方策を示した。これで普及率の大幅向上を見込めるが、100%にはまだ届かないだろう。
「自動発行」で交付を受けるのは、「ものぐさなので、発行手続きをする気力が湧かないままだ」というような人だ。「スマホの使い方がわからない人」「ITの能力がない人」も、ここに含まれる。おおむね国民の 10%あまりが該当すると言えそうだ。
普及率は 77%あまりなので、他に 10% 弱の人がいる。これは「もともとマイナーバーカードを取得するつもりがない」という人たちだ。具体的には、次のような例が該当する。
・ 90歳近くなので、余命が短い。カードを使う期間が短い。
・ 15歳未満は、親に代理取得してもらうしかないが、親がサボっている。
つまり、超高齢者と子供だ。
子供の場合、マイナーバーカードがないと、何か困るか? 特に困ることはなさそうだ。病院の利用は、現状でも健康保険証を使える。将来は、資格確認書を使える。マイナーバーカードがなくても大丈夫だ。そのまま数年間を過ごして、15歳になったら、自分で申請すればいい。
とはいえ、超高齢者と子供についても、マイナーバーカードを発行する方が好ましい。しかるに、本人(または親)には、申請する気がない。そういう場合には、どうしようもない。困った。どうする?
紙のカード
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「紙のマイナーバーカードを発行する。まだマイナーバーカードを取得していない人に向けて、これを強制的に交付する。かくて人口の 100% にマイナーバーカードを発行する」
ここで「紙のマイナーバーカード」とは何か? 前に「マイナンバー通知カード」というものが発行されたことがある。ここには番号だけが記されていて、認証機能がない。これと似たものを発行すればいい。そいつを「紙のマイナーバーカード」という。
紙のマイナーバーカードは、次の特徴を持つ。
・ マイナンバーが記述されている。(通知カードと同様)
・ QR コードが印刷されている。(ハッシュ値つきの暗号数字)
・ 暗証番号を自動で割り当てて、登記簿に登録する。
・ 紙のマイナーバーカードといっしょに、暗証番号の書類を添付する。
事例
・ マイナンバーは 123456789012 (12桁の数字)
・ 暗証番号は 9876 (4桁の数字)、 ABCD1234(8桁の英数字)
交付されるとき、紙のマイナンバーには「123456789012」という数字が記載されている。暗証番号の書類には、「9876」と「ABCD1234」という英数字が記載されている。これらが一括して送付される。
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紙のマイナーバーカードを受け取った人は、それをマイナーバーカードと同様に使える。ただし、ICカードの認証機能はないので、一定の制限はある。
・ 暗証番号は使えるので、暗証番号を入力する。
・ 顔写真が記載されていないので、目視による顔認証は不可。
・ 顔認証機による顔認証は、当面はできない。
・ 顔認証機で撮影することで、前日項目の「自動交付」へ移行できる。
(そのあとは正式のマイナーバーカードが交付される。)
※ すでに正式のマイナーバーカードを取得している人には、紙のマイナーバーカードは交付しないのが基本だ。
※ ただし、正式のマイナーバーカードを取得している人にも、紙のマイナーバーカードを交付する、という案もある。この場合、顔写真データがあるので、紙のカードに顔写真を印刷することができる。顔写真を印刷した紙のマイナーバーカードならば、顔写真を用いて、目視による認証が可能となる。(……この案は、可能ではあるが、やるかやらないかは、検討を要する。判断は未定。)

《 加筆 》
顔認証は、初回は実施しない。(元の写真データがないからだ。)
ただし、初回に顔認証カメラで撮影して、顔写真データを取得する。これをセンターに登録することで、2回目以後では顔認証が可能となる。このことで、2回目以後では、他人による不正利用はできなくなる。
カードの表面に顔写真が印刷していなくても、顔認証は可能なのだ。この点で、健康保険証とはまったく異なる。
紙のカードへの懸念
紙のカードには、ICカードの認証機能はない。そのせいで、不正利用の懸念がある。特に、紙のカードを健康保険証のように、他人に貸与することで、健康保険の不正利用が発生する可能性がある。この問題をどう回避するか?
実は、この問題は何もしなくても解決できる。紙の保険証と違って、紙のマイナーバーカードの場合には、不正利用は原理的にはありえないのだ。なぜなら、紙のマイナーバーカードを利用するには、暗証番号を使う必要があるからだ。そして、暗証番号を他人に教えると、本人に金銭的な被害が生じるのだ。(本人が金を盗まれてしまう。)
紙のマイナーバーカードを借りた人は、紙のマイナーバーカードの本人の金を盗むことができるのだ。紙のマイナーバーカードの暗証番号を知れば、その暗証番号を利用して、政府からもらえる一時金の口座を書き換えることができるからだ。そのことで、マイナーバーカードの本人の金を、こっそり盗むことができる。
つまり、紙のマイナーバーカードを他人に貸すということは、自分の口座を他人に貸すというのと同じである。銀行口座を他人に貸すのと同じである。「金を盗んでください」というのと同じだ。……そんな馬鹿なことをする人はいない。
健康保険証を他人に貸しても、損するのは国や保険組合であって、貸した本人はいたくも痒くもない。しかし紙のマイナーバーカードを他人に貸した人は、金を盗まれるという大損が発生するのだ。不正をした人自身が自分で墓穴を掘る。
ゆえに、政府がいちいち罰金を科するまでもない。自分で勝手に罰金を科されているようなものだ。かくて、不正が起こるはずもない。
※ それでも念のために刑罰を科するべきだ……と思うかもしれない。しかし、いちいち法律を制定しなくても、既存の法律で足りる。紙のマイナーバーカードや健康保険証の不正利用は、(国や健康保険をだました)詐欺罪に該当する。その罰はかなり重い。法定刑は「10年以下の懲役」だ。
健康保険料の無料化
紙のマイナーバーカードの不正を防ぐために刑罰を科するのは「北風方式」とも言える。
さらに、不正を防ぐために、「北風より太陽」という方針で、「太陽方式」となる方策もある。いちいち不正受診しなくても済むようにするのだ。つまり、誰もが正規で受診できるようにするのだ。
では、どうやって? そのためには、健康保険料を無料にすればいいのだ。無料で健康保険を使える資格を得る。これならば、不正が起こる動機そのものがなくなるから、不正を根絶できる。(罰金を科するまでもない。)
ただし、健康保険料を無料化するといっても、国民の全員がその対象となるわけではない。普通の人は年間で数十万円の健康保険料を払っている。それを無料化することはできない。かわりに、不正をするような特別な人に限って、無料化する。
その手法は、こうだ。
「保険証の不正利用をするような人は、現金収入がほとんどないホームレスである。その年収は極端に低い。すると、現状でも健康保険の保険料は最低ランクである。Perplexity によると、その額は年額2万円前後らしい。この分を、政府が払えばいい。つまり、ホームレス手当を年額2万円、支給すればいい」
まとめれば、こうだ。
・ 政府はホームレスを対象に、年額2万円を支給する。
・ そこから天引きして、その額を健康保険料に算入する。
・ かくてホームレスは全員が正式に健康保険の利用資格を持つ。
・ 不正利用をする動機がなくなるので、不正利用はなくなる。
こうして健康保険の不正受診という問題は根源的に一掃される。刑罰を加える北風方式のかわりに、現金を給付するという太陽方式によって、問題を根源的に解決できるのだ。
全員への支給
「ホームレス手当の支給」という案には、反発も生じるだろう。
「不正をするような奴に限って金を支給するというのは、不正を助長するようなものだ。それはまるで泥棒に限って泥棒手当を出すようなものだ。馬鹿げている」
それは、ごもっとも。そこで、次のように案を修正しよう。
「ホームレス手当を取得できるのは、ホームレスの人だけには限定しない。国民全体に同額(年額2万円)を給付する」
これは国民全体にホームレス手当を出す、ということだ。こうなると、「ホームレス手当」という名前は適当ではない。単に「マイナーバーカード手当」または「マイナーバーカード給付金」という名前にすればいいだろう。
ともあれ、それによって、結果は同様となる。
・ 最低所得者は、健康保険料が実質無料になる。
・ ゆえに健康保険の不正利用はなくなる。
さらに、それに加えて、次のことが追加される。
・ 国民全員が年額2万円の給付を受けられる。
なお、財源はどうするかというと、国民民主党の「所得税減税」という案をぶっつぶしてしまえばいい。こんな馬鹿げた案をやっても、得するのは富裕層ばかりで、一般大衆はたいして得しない。(むしろ物価上昇で損する。)
国民民主党の愚策をやめれば、上記の案は容易に実現できるのだ。
支給額の拡大
上記では年額2万円の支給という案を示した。
新たに別案を示す。それは年額5万円の支給という案だ。(同じく、国民全員への支給。)
この場合も、「ホームレスの健康保険料をまかなう」という狙いは達成される。さらに、それ以上の効果を持つ。他の納税等にも、その金を適用できるからだ。具体的には、下記だ。
・ 住民税、所得税
・ 健康保険料
・ 年金料
この順番で、順次、5万円の使途を埋めていけばいい。
(1) 住民税、所得税
住民税、所得税の納税が最優先となる。
ただしホームレスの場合には、この額はゼロとなるはずだ。なぜなら、年額 45万円までは、住民税がゼロで、所得税もゼロだからだ。もう少し所得が増えると、住民税の納税額が発生するが、そのときは住民税を納税すればいい。(たいした額にはならない。)
(2) 健康保険料
5万円のうち、住民税と所得税で1万円程度を払ったとしても、まだ4万円が残る。ここから、健康保険料(最低ランクでは2万円程度)を払えばいい。
(3) 年金料
すでに3万円程度を納付したが、まだ2万円ほど残る。ここから、年金料を払えばいい。(厚生年金だと天引きだが、国民年金ならば天引きではない。)
ただし、高齢者は年金料を取られないので、この分の納付は不要であることもある。
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以上のほか、公的な納入義務のある使途は、他にもいくつかある。
・ 固定資産税
・ 水道料金
・ 公的サービスの利用料(家賃、学校など)
各人の状況の違いで、いろいろと差はあるが、いずれも公的な納入義務がある。これらに対しても、マイナンバー給付金から支出できるようにするといい。(天引きふうの形にする。いったん給付してから吸い上げるよりは、あらかじめ給付金から差し引く。だから口座から現金をもらえるわけではない。)
このような形にすれば、「他人の口座から金を盗む」という危険を最小限にして、お金を給付することができる。
※ この方式の原理は、前に「ID口座」として述べたものだ。
→ ID番号と ID口座: Open ブログ
> 自分で勝手に罰金を科されているようなものだ。かくて、不正が起こるはずもない。
実際には、そういう認識が出来ずに貸し出したり、それをカモにして不正を試みようとする人が多数いることでしょう。刑罰の軽重にかかわらず。各種詐欺の加害者や被害者が後を絶たないのが証左かと。
あとは、「マイナンバーカード」に拒否反応を示して断固抵抗するような人たちもいますね。どうせマイナンバー自体は存在していて紐づけされているので、カードだけ拒否しても無意味なんですが。
仮にいるとしても、それは新制度に関係なく、現状でも起こり得ます。
新制度にすれば、少なくとも現状に比べて、不正を試みる動機が大幅に減ります。
なお、私の「ID口座」の案だと、口座の出費先は、本人の納税等に限られるので、他人は現金を得ることができません。「本人の納税額が減る」だけで、本人ですら現金を得ることができません。つまり、他人による不正は、原理的に不可能となります。
不正を試みた人は、重大な刑罰だけを受けて、利益はゼロとなります。損や被害は発生せず、犯罪者だけが罠にかかって逮捕される。
ここを手当しないと、このやり方は問題になると思いますが・・・
現状では摘発が少ないのは、かわいそうなホームレスが多いから、おめこぼしになっている。それがなくなれば、悪質な外国人だけとなり、逮捕されやすくなる。
技術的には逮捕は容易になるので、新方針のあとではどんどん逮捕できる。外国人の不正は激減する。
本項は、紙の保険証じゃなくて、紙のマイナンバーカードです。お間違えなく。不正対策は格段に向上します。
※ 現状でホームレスを逮捕すると、ホームレスが生活保護または囚人になるので、国や自治体の負担は大幅に増えてしまいます。逮捕しなければ、健康保険組合が少し損するだけだが、逮捕すると、公的負担が莫大になる。逮捕すればするほど大損する。逆に、見逃せば、1円もかからない。
立憲がまともなら、可能です。「マイナンバーの給付金を、一人あたり5万円、年額で給付します」と公約すればいい。国民民主党の案よりもずっとまともなので、大幅な支持を得る。これを取引にして、政府に協力する、といえばいい。
「ズバッと解決」できますね。立憲がまともなら。
立憲議員の誰かが言えばいいのに。一人が言うだけでも、波紋になる。
「初回に顔認証カメラで撮影して、顔写真データを取得する。これをセンターに登録することで、2回目以後では顔認証が可能となる」
という趣旨。