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今はインフルエンザの患者が急増している。そのせいで「インフルエンザで高熱だから」と救急車を呼ぶ人が多くなり、救急車の出動回数が増えている。かくて、(交通事故や急病などの)救急搬送に支障が出ているそうだ。
全ての救急車が出動して「30人待ち」となる例や、医療機関に外来の患者が殺到し、搬送先が見つかるまで4時間以上かかる事態も発生している。緊急性の高い患者の救急搬送に影響が出かねない
( → 救急車「30人待ち」、搬送まで4時間 インフル猛威、札幌で出動急増 緊急性高い患者に影響も(北海道新聞) - Yahoo!ニュース )
→ インフル急増で医療現場ひっ迫 救急車呼ぶべき“3つの症状”
これに関して、「救急車の有料化」という案も出ている。
→ 救急車の「実質的な有料化」、茨城県で開始 迷わずに呼ぶべき事例は:朝日新聞デジタル
なるほど。金を取ることで、需要を減らして、需給を均衡させる……というのは、経済原理に則った方法だ。
しかし、これは経済的には最適配分かもしれないが、医療的には最適配分ではない。医療的な最適配分は、こうだ。
「医療で緊急度の高い人を救急車に乗せる。緊急度の低い人を救急車に乗せない」
では、そのためには、どうすればいいか? 有料化によって需要を減らす以外に、何かいい方法はあるのか? 困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「需要を減らすのでなく、供給を増やせばいい。救急車の台数を大幅に増やせばいい」
とはいえ、この方法には、莫大なコストがかかる。なぜなら、救急車の価格は、約1,200万円から1,500万円もするからだ。( → 前項 )
そんなにコストがかかるのはまずい。では、どうする? こうすればいい。
「高価な救急車でなく、安価な汎用車(普通のハイエース)を購入して、それを患者の搬送に使う」
この場合、動けない病人を担架で運ぶのではなく、自分で歩けるようなインフルエンザの患者を搬送するだけだ。だから、高価な救急車は必要なく、安価な汎用車で済む。価格は4分の1だから、同じ費用で4倍の台数を用意できる。
こういう安価な車を消防署や市役所に配備して、あとは汎用に使えばいい。インフルエンザのシーズンには、患者の搬送用に使う。他のシーズンには、市役所の別用途に使えばいい。高齢者施設の送迎に使うのでもいい。
一石二鳥みたいなものですね。しかも格安だ。
《 加筆 》
人手はどうするか? → 消防署員(消防隊員)を使えばいい。
消防署員がハイエースで出払ったときに、火事が起こったらどうするか? → ハイエースに乗った消防署員が、現場に集結すればいい。ハイエースがあれば、大丈夫。
ハイエースが火事現場に集結したあとで、インフルエンザの搬送の要望が来たら、どうするか? → 火事の消火が終わるまで、待たせればいい。
[ 付記 ]
他に、「救急タクシー」というアイデアもある。
軽症者(インフルエンザ患者・腹痛・切り傷出血など)なら、救急車を使うまでもないので、代替として、普通の車を使えばいい。
(1) 上記の一般車(ハイエース)
(2) 救急専用の一般車。(救急車そっくりのハイエース)
(3) 通常のタクシー(タクシー会社に委託して使う)
(1) は、先に述べたとおり。灰色(など)のハイエース。
(2) は、白いハイエース。見た目は救急車ふうだ。赤色灯はないが、搬送車の症状が急変したら、屋根に臨時の赤色灯を載せて、赤色灯を点滅させる。
(3) は、タクシー会社に委託するわけだが、いちいち患者が呼び出す必要はない。119番を受けた部局が、自動的にタクシー会社に連絡する。患者は何もしなくていい。(住所を伝えるだけでいい。)
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問題は、料金だ。
(3) は、通常のタクシー料金がかかる。自分で歩けることが条件だ。
(2) と (1) は、通常のタクシー料金よりも高い料金を取ることが妥当だ。このことで、患者を (3) に誘導する。「何だ。タクシー代よりも高いのか。だったら自分でタクシーを呼ぶよ」というふうに促す。これで無駄な 119番コールは減るし、救急車をタクシーがわりに使おうとする人を減らせる。
さらに、有料化することで、次のメリットが生じる。
「必要なコスト(ハイエースの購入費と、同乗する隊員の人件費)をまかなえるので、事業のためにかかる経費が実質ゼロで済む。つまり、コストゼロで、新規事業を実施することができる」
これぞ名案だ。通常の施策は、予算が必要となるので、なかなか新規施策を実現できない。しかし上記の方法ならば、収入で経費をまかなえるので、実質的にはコストゼロで新規施策を実現できる。
※ 国民民主党の「所得税減税」は、財源の裏付けのない空論だが、私の提案は、ちゃんと財源の裏付けがあるのだ。
※ タイトルでは「有料化するよりも」と書いているのに、提案では「有料化する」と書いている。これじゃ看板に偽りありだ……という文句が来るかもしれない。 → だが、さにあらず。有料化するのは、救急車ではなく、準救急車(代替車)だ。ゆえに、「救急車を有料化するよりも」という看板に偽りはない。「救急車を有料化するよりも、準救急車を有料化せよ」となるからだ。「だまされた!」と思うかもしれないが、だましていません。私は詐欺師じゃありません。
《 参考 》
タクシーの場合には、同乗するのはタクシー運転手だけだ。
(2) と (1) では、消防隊員または救急隊員または看護師が同乗して、患者の容態を見る。これには人件費がかかる。救急隊員の平均年収は約635万円。看護師の平均年収は約508万円。ただし高額の夜勤料を含む。……コストを切り下げたいのであれば、(女性の)看護師を同乗させるのが最も低コストだろう。有効性という意味では、力仕事のできる男性看護師の方が好ましいが。ただ、男性看護師は引く手あまたなので、救急車両の同乗者という野暮用には、就任してくれそうにない。「そんなことのために看護師になったんじゃない」と拒否されそうだ。
退職間近の高齢の消防署員が妥当かもね。退職後に再雇用の非常勤ならば、格安で雇える。
《 加筆2 》
コメント欄に寄せられた情報によると、「救急救命士有資格者は非常に余っている」とのことだ。ならば、この人員を用いると良さそうだ。看護師よりは、よさそうだ。
ただし先の 《 加筆 》 では、「消防署員(消防隊員)を使えばいい」と述べた。これだと、火事が起こったときに、消防隊に一変するので、新規の採用が必要ないし、新規の人件費を必要としない。ただし、看護能力がないのが難だ。
看護能力のある救急救命士有資格者が、消防隊員を兼ねると、一石二鳥だ。「準救急車でインフルエンザ患者を運ぶが、いざとなったら消防隊員になる」というふうになる。コストは最小限で済む。
専用の職員(看護師または救急救命士有資格者)を採用すると、インフルエンザのシーズン中しか働かないので、1年のうち2カ月しか働かない。10カ月は無駄になる。それはまずいね。……となると、専用の職員なら、非常勤で2カ月間だけ勤務、という臨時雇用となるね。残りの 10カ月間は、別の仕事で稼いでくれ。(なお、月給は 30万円ぐらいが妥当だろう。ただの同乗ぐらいしかしないからだ。)
それと、ハイエースを軽バンにすれば、最初の車両調達費は半額以下、税金を含む維持費は3分の1以下になると思います。重い機材は載せる必要がないので、それでも十分。そうなると、[付記]にある「救急タクシー」事業に民間が参入しやすくなりますね。
https://toyota.jp/hiacewagon/
インフルエンザの患者をまとめて数人載せる。看護担当者も1名。運転手も1名。患者の搭載数は最大で8名だが、介助者も含めるなら、4組まで搭載可能。
推奨は、左端の座席2席を外して、8人乗りにすることだ。左端の1列が空席になるので、そこは万一の場合に、人を寝かせることができる。
なお、標準配置は下記の通り。
■ ■■■
前 ■■■ 後
■ ■■
新案は下記の通り。
■ ■■■
前 ■■■ 後
■
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
に電話すれば
●急を要する場合は救急車を呼ぶ
●急でない場合は受診機関を案内する
ことはできますね。ここが
●自分でおきあがれないなら介護タクシー
●何とか起き上がれるなら車いす+車いすタクシー
●救急車をタクシー代わりに使おうとする人には一般のタクシー
の案内までしてくれるなら大体の要望はかなうように思います。
問題は、質の悪い人は#7119があっても119に電話してしまうことでしょうね。
かといって、
●すべての電話を#7119にして119を廃止すると、ワンクッション入ることによって助かる命が助からないといったことが起こりそう
●119を前払い、後日返金にしようにも、「持ち合わせがないから救急車に乗れない」ことになりそう
●119を後日徴収にしようにも、街中で倒れた人を他人が119で救急車を読んだような場合にその人の払ってもらうわけにもいかない
結局、
●本当に命にかかわるケースがある以上、無料の119は廃止できない
●その場合、#7119があっても、不要不急の119をかける人はなくせない
ような気がします。
> 荷室タイプも選択可能ですが、基本はワゴンタイプ(10人乗り)を想定しています。
⇒ なるほど、それなら軽バンよりハイエースのほうがいいでしょうね。さすがです。
専門学校などは救急救命士資格取得は就職に有利などと宣伝していますが、消防士採用に救急救命士の資格を持っていることは有利に働くことはないので、資格をとったものの…という人が大量にいます。(救急救命士の国家試験合格者は毎年3000人くらいですが、全国で消防に在籍している救急救命士は28000人程度。他に資格を生かせる職場はゼロではありませんが非常に少なく資格を生かせる人は非常に少ないです)
看護師は普通の開業医のところでも働くことができるのでわざわざさらに労働環境が厳しい救急搬送に来るとは思えません。「運送業」は大変ですよ。
情報ありがとうございました。
これを受けて、最後に 《 加筆2 》 を加筆しました。灰色の文字。