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国民民主の「所得税減税」という案が多くの支持を集めている背景には、「若者の生活が苦しい」ということがある。
「高齢者は年金で楽をしているのに、若者は結婚もできないで苦しい。不公平だ。高齢者の金を削ってでも、勤労世代に金をもたらすべきだ。それには所得税減税をすればいい」
というわけだ。
現実には、所得税減税をすると、金持ちばかりが得をして、若者も高齢者もともに損するだけなのだが、それでも愚かな若者が多いので、「高齢者に損をさせれば自分たちが得をする」と勘違いして、国民民主の「所得税減税」という案を支持するわけだ。
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ただ、その錯覚(所得税で解決する)は別として、「若者の生活が苦しい」というのは事実だろう。彼ら自身がそう実感しているのだから、間違いない。では、その理由は何か? これについて考えてみた。
いくつかの理由が考えられる。以下に列挙する。
非正規雇用率が高い
「若者の非正規雇用率が高い」ということがある。そこで調べてみた。次の結果を得た。

出典:内閣府男女共同参画局
全体の非正規率はどんどん上昇しているのだが、20代に限っては非正規率がどんどん低下している。意外なことに、改善しているのだ。
ただし、改善しているとはいえ、昔(高度成長期)に比べれば、非正規率は大幅に高い。というか、小泉純一郎と竹中のころの非正規推進の政策(2004年ごろ)よりも前なら、非正規率は低かった。
この意味では、「非正規率が高いから」という理由は、おおむね成立する。改善しているとはいえ、いまだに率は高いからだ。
従って、「非正規率を下げるべし」「正規雇用率を上げるべし」というのが、対策となる。この件は、前にも述べた。「生産性の向上」の関連で。
→ 日本の生産性低迷の理由: Open ブログ
→ 解雇規制緩和の議論 .3: Open ブログ
社会保険料が高い
「低所得者を虐待して、高所得者を優遇する」という安倍内閣以来の方針(自民党の方針)がある。
「高所得者については課税を免除し、企業には法人税を減税する。こうして高所得者や企業が豊かになれば、その おこぼれをもらって、大衆も豊かになる。だからまずは、高所得者と企業を優遇すればいい」
という理屈だ。で、その結果は? 当然ながら、こうなった。
「高所得者と企業ばかりが冨を蓄えて、大衆は貧しくなった」
そういう結果が、「低所得者の貧困化」である。特に、所得がまだ上がっていない若者ほど、貧困化がひどくなる。
その実態は、下記のグラフでもわかる。(再掲。何度も掲載した図。)

出典:Twitter
低所得者には社会保険料が過大な負担となる。こういう制度のせいで、若者は貧困化していくのだ。
所得税が高い(?)
「所得税が高いから、所得税を下げろ」
というのが、国民民主の主張だ。それを支持する若者も多い。(所得税減税なら、高齢者には恩恵が及ばないので、自分たちだけが儲かる、と思い込む。)
だが、上の図を見ればわかるように、中低所得者の所得税はもともと低い。納入する金で多いのは、社会保険料と住民税なのだ。所得税はもともと割合が低い。なのに、所得税の減税をしても、得にはならないのだ。むしろ、所得税の比率の高い高所得者ばかりが得をする。
ならば、どうせなら「社会保険料の引き下げ」を訴えればいい。なのに、「所得税の減税」を唱える国民民主なんかを支持しているから、結果的に、所得税の多い高所得者ばかりが得をして、社会保険料の多い低所得者は損をするのだ。
要するに、国民民主にだまされて、「所得税の減税」という見当違いのことをやることになるから、その愚かさゆえに、若者は貧困化する。若者の貧困化の理由は、自分自身の愚かさだ、とも言える。つまり、自分で自分の首を絞めているわけだ。「これで大儲けするぞ」と勝手に勘違いしながら、自分の首を絞めるわけだ。馬鹿丸出しである。
※ 詐欺師にだまされる方が馬鹿なのか、詐欺師そのものが悪なのか。……まあ、両方でしょうね。
家賃が高い
若者の住む家賃の額は大幅に高まっている。これが決定的な要因ではないか、という気がした。そこで調べてみる。
Perplexityの回答
東京都内の大学に通う学生の平均家賃は約6万9,466円です。関東地域の男子学生の実際の家賃は67,791円、女子学生は71,755円となっています。
東京都内の会社に通う独身者の平均家賃は約8万1,001円です。東京23区内の1Rの平均家賃は約7.1万円、1K・1DKは約7.8万円です。
一方で、手取額はこうだ。
Perplexityの回答
20歳の平均手取り月収は約18.6万円です。
25歳の平均手取り月収は約20.1万円から22万円程度です。
男性の場合、25~29歳の平均手取り月収は20.7万円です。
女性の場合、25~29歳の平均手取り月収は19.3万円です。
先に述べたように、社会保険料をいっぱい取られているので、手取りはこのくらいの額でしかない。なのに、家賃に8万円ほどを取られてしまう。これでは生活が苦しくなるのは当然だ。
では、どうすればいいか? 簡単だ。都内に住むのを諦めて、通勤時間に1時間をかければいい。そうすれば、家賃は激減する。3万円以下の家賃のアパートがたくさん見つかる。(埼玉県内)
→ https://x.gd/QlXzv
なのに、そういうふうに通勤時間をかけるのをイヤがる。特に、地方出身者は、満員電車に慣れていないので、満員電車に耐えられないようだ。かくて、都内に住みたがり、そのせいで高い家賃を払って、生活が苦しくなる。
一方、昔の人ならば、はるかに劣悪な住環境で満足した。若者が三畳一間の小さな下宿で暮らしたそうだ。
「三畳一間なんて嘘だろ。ありえそういない」と疑う現代人もいるが、実体験した人が「あったよ」と答えている。
→ 三畳一間の下宿なんて本当にあったの... - Yahoo!知恵袋
「三畳じゃ家具も何も置けないと思うんですけど。お布団もはみ出ませんか?」
という疑問を出しているが、その点は大丈夫。当時はどの部屋にも、押し入れが付属していて、そこに布団を入れたんだ。着替えや荷物も置けたから、最低限の暮らしはできたわけだ。
昔の人は、そういうふうに貧しい生活をしていた。マンション暮らしなんて、特別な富裕層にしかできなかった。
若者たちは、「高齢者は楽をしている」と思い込むが、実際には、高齢者が若いころには、ずっと貧困な生活をしていた人が多い。
その一方で、今の若者たちは、「自分たちは貧しい」と思いながら、はるかに ぜいたくな住環境に過ごしている。金がないのに、王様のようにぜいたくをしている。都内の鉄筋マンションに住むという形で。(郊外の木造アパートを拒否して。)
要するに、「住宅費が高い」のではなく、「住宅費を高くしている」のだ。金がないのでなく、身の程知らずに住居費に金をかけすぎているのだ。昔の人に比べて、住宅費ではるかにぜいたくをしているのだ。高齢者が若かったころのような、「三畳一間」どころではないのだ。そんな高齢者を「楽をしている」と思い込むのが、若者だ。だったら、自分たちが今から三畳一間で暮らせば、「楽をしている」ことができるだろうに。それもできずに、高齢者を批判するばかりだ。馬鹿丸出し。
だから今の若者は貧困化しているのである。
※ 貧困化がイヤなら、家賃2万円の部屋に住めばいいのだ。特に、男女二人で暮らせば、家賃は半額になるので、家賃は1万円で済む。昔ならば、そうしていただろう。(手鍋提げても、だ。)
[ 付記 ]
ちなみに、物価はあまり上がっていない。
・ 食品価格は、昔よりもはるかに買いやすくなっている。これは農業の生産性が大幅に高まったからだ。(昔は牛肉やジュースは超高額で、なかなか買えなかった。)
・ 家電や自動車の価格は、実質的には大幅に低下している。昔のクラウンに相当する自動車が、今は軽自動車やリッターカーで買える。パソコンは嘘みたいに劇的に価格が下がった。テレビも同様だ。
・ ガソリン代も下がっている。燃費が向上して、ガソリン消費量が大幅減になったからだ。また、ガソリン価格そのものも、昔からほとんど変わっていない。
・ 電車賃は、初乗り料金ばかりが急上昇したが、中距離はあまり上がっていない。新幹線料金もほとんど上がっていない。
・ 郵便料金は大幅に上がったが、使用頻度は激減した。無料の電子メールで済むようになったので、通信コストは激減した。
・ 雑誌やレコードや映画などに投じる費用は、激減した。すべてネットで安価で入手できるからだ。
・ 衣料品価格も、昔に比べれば、はるかに安くなっている。(外国からの輸入品があるので。)
結局、住居費以外のコストは不変または大幅減となっている。住居費ばかりがやたらと高額になったのだ。
[ 余談 ]
「地方出身者は、満員電車に慣れていないので、満員電車に耐えられないようだ。かくて、都内に住みたがり、そのせいで高い家賃を払って、生活が苦しくなる」
と述べたが、これへの対策はある。
「地方出身者は、東京に住まずに、名古屋に住めばいい。そこは車社会だから、自動車通勤ができる。満員電車に揺さぶられることもない。名古屋の郊外に住めば、住居費も安いし、車も持てる。地方民にはぴったりだ」
簡単に言えば、「田舎者は名古屋の郊外に住め」「地方出身者は東京に来るな」ということだ。これで生活の苦しさは解決できる。
都心に住むなら7万円は安すぎます。大学が都心にあるからいけないのです。一時大学が郊外に移転する流れがあったのですが、最近は地心に戻ってきました。
都心の8万円の下宿に住み、学費と家賃を稼ぐために授業に出ずアルバイトし、卒論は書かなくても卒業はできるが特に何のスキルもないから非正規になる。これが今の日本の若者です。社会のシステムを変えないといけませんね。あ!やっぱり老人ぽくなりました。
これは片道ですか?だとすると1日2時間、一ヵ月に20日出勤だとして40時間。
時給1000円だとして4万円に相当する時間なんですが。
そんなことを提案するより、管理人さんが都心で三畳一間の木造アパートでも作ってみたらいかがですか?
ところで、筆者はご存知だと思いますが、いま若い世代には「狭小物件」(6畳一間以下で3畳程度も普通にある)が人気だそうですね。部屋の広さよりも、家賃・駅近・できれば都心部を優先した結果だとか。ただし、3畳だからといって木造アパートではなく、RC造の築浅マンションタイプで、オートロック、防犯カメラ、モニター付きインターホンは完備なんでしょうね。ただし、あまりモノは置けませんから、実家に預けるか、この部分で「郊外の」トランクルームを利用する人もいるとか。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000038669.html
そして非正規社員数も増加傾向にありましたが、2020年以降、横ばいとなっています。
これは、失業率が減ったためです。(経済学の常識にフィリップス曲線というのがあり、インフレ率が上がると失業率が下がります。日本もインフレ率と失業率の相関係数は常に9を超えています。)
正規雇用「率」は、就業者の雇用形態で表されるため、100%-非正規雇用率で計算します。
つまり失業者を含んでいません。
以下、AIの答え。
日本の正社員(正規の職員・従業員)数は2013年以降、概ね増加傾向にあります。
具体的には:
2013年以降、正規の職員・従業員数はおおむね増加しています。
2015年から2019年まで正規雇用労働者数は増加傾向にありました。
2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響にもかかわらず、正規雇用労働者数は前年差35万人増の3,529万人と増加を続けました。
2022年の正規の職員・従業員数は3,597万人で、前年に比べ1万人の増加となっています。
ただし、注意点として:
増加の程度は年によって異なり、2022年のように微増の年もあります。
男女別でみると、近年は女性の正規雇用が増加傾向にある一方、男性は2019年に減少がみられるなど、変動があります。
したがって、アベノミクス開始頃から正社員数は全体的に増加傾向にあるという statement は、概ね正確であると言えます。
1990年以降の正社員数、正社員率、非正規雇用者数(人口減関わらず、正社員数はバブル期付近に戻している)
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20190412zu3.png
以上のことから、雇用形態よりも、賃金が上がらないことをクローズアップしなければなならないでしょう。
そんな机上の計算をしても、ナンセンス。
(1) マンション暮らしの通勤時間をゼロだと見なして比較しているが、通勤時間がゼロなのは、職場に寝泊まりしている人だけだ。東大の駒場寮ならばそれが成立するが、他は寮の管理人でもないと、無理です。
普通はマンションでも通勤に 30分はかかる。それなら差は半分になる。
(2) 通勤の時間は、仕事をしているわけではない。スマホを見ているだけだ。頭や体が疲れるわけでもないし、負担にもならない。
当然ながら、時給発生の対象にはならない。「通勤時間の分の時間で、稼げたはずだ」と思うのかもしれないが、スマホを見ているだけで稼げるはずがないでしょ。場合によっては、席に腰掛けて居眠りしている。居眠りで時給がもらえるわけがない。
あなたの計算は、ひとことで言えば、こうだ。「捕らぬタヌキの皮算用」
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> 都心で三畳一間の木造アパート
誤読している人が複数いますが、私の推奨は三畳一間ではなく、「郊外で 6畳、2万円」の物件です。リンク先に物件を示してある通り。
都心でなく郊外から通うことで家賃を大幅に下げる、というのは、庶民にとっては当然のことなのだ。身の程知らずではなく、分相応に暮らせば、生活苦にはならないのだ。
p.s.
昔の駒場寮の寮費は 2000円。今の三鷹両の寮費は 4700円。物価水準や家賃相場を考えると、両者の寮費はほぼ同等だと言える。
一方で、建物には大差がある。駒場寮は壁が崩れかけている、超オンボロの汚い臭い建築だ。三鷹寮は現代的な優雅な建築だ。月とスッポンぐらいの差がある。
一等地の駒場から、郊外の三鷹に移転するのにともなって、これだけの差が生じた。
ほう。管理人さんは移動時間は疲れないと。頭はともかく体は猛烈に疲れると思いますが。1時間も通勤にかけるような場所に住むと本来なら得られる休憩時間を奪われるんですが。
近くに住むなら今流行りのスキマバイトとかで、もうちょっと労働時間を伸ばせたかもしれないんですがねえ。
飛行機や新幹線での移動を「カネで時間を買う」なんていいますよね。最低でも1時間損することは1000円損することと等価です。(最低賃金で働いてる人は少ないので実際はもっと損になる)時間はそれだけ貴重だという話をしたつもりなんですが。「そんな机上の計算」とおっしゃいますが、机上の空論してるのはどっちなんだか。
そりゃ、あなたの体力が低すぎる。私は電車で 30分ぐらい立っていても、どうってことはないけどね。田舎の人なら 30分も立つことは無理だろうけど、都会の人は健脚なので、30分ぐらい立つことは何ともない。
また、郊外に住むなら、駅から 15分ぐらい歩くのはざらにあるが、そのくらいの距離を歩くのは、足の運動になって、健康に良い。ジョギングするようなものだ。運動不足の解消になる。トレーニングだね。
トレーニングで歩くわけだから、15分間歩いても、実質的に無駄になる時間はゼロも同然だ。(仮に歩かなければ、別途、歩行トレーニングのために同じ時間を必要とする。)
電車に立つのも同様だ。私は若いころは、電車内ではずっとつま先立ちしながら、上下運動をして、足のトレーニングをしていた。(席が空いたら、寝ていたけど。)
都内に住んでも、電車に乗る時間は15分ぐらいはある。郊外に住むと、電車に乗る時間が 30分以上になるが、その差は大きくない。差は1時間もない。20分ぐらいかな。20分だと、 333円になる。
333円×2×20=1.33万円
このくらいの稼ぎしか得られない。それを得るために、都内のマンションで4〜6万円も余分に払ったら、生活は苦しくなるでしょう。
近年ではコロナによるリモート勤務で、需要が激減した。そこからまだ回復していない。ゆえに混雑率はいまだに大幅に低下している。昔のような超混雑は、今では起こらない。
例外は、複々線化ができないまま、新興住宅地が開発された、田園都市線だ。ただし一部は横浜市営地下鉄に逃げているので、その分、改善されている。
親ほど歳の違う先輩方なんて、終電残業務朝帰り当たり前、土日返上の月月火水木金金の凄まじい時代を生きられてる。
リゲインの24時間戦えますかなんて今流したら大炎上。
結局労働量と質で手にできる給料が上下するから、時代関係無く努力が必要。
我々より上の世代はSNS何て無かったから知らずに仕事量なんてこんなもんかと過剰に仕事をさせられていた。
結局努力をしない今の若者が、そんな上の世代の収入だけ聞き齧って、SNSの偏った情報だけ見て、世代分断を狙ったイーロンマスク辺りの狙いか上の世代にヘイトを募らせただけ。
テレビを見るお年寄りと何ら変わらない、むしろタチが悪い、同じ世代ながら恥ずかしい。
私は仕事量の多い大変な仕事を選んだが、結局、今20代でレクサスのLCを新車で買ったしお金に困らない。
資格も技能も無い自称フリーランスのデザイナーやらイラストレーターが仕事中も私服で半ば遊びながら不平不満を述べてるがそんな仕事で飯が食えると思うなよと思うわけです。
大井町線に流すことを狙っているのですね。
なるほど。細かく見ればそうですね。鉄オタみたいに重箱の隅を見ている。 (^^);
あそこは、形の上では複々線だが、もともと別の路線がランデブーしているだけなので、同一路線の複々線とは話が違いますね。田園都市線が複々線になったわけではない。
「田園都市線から横浜市営地下鉄と日吉駅を経由して都心に通勤する人は多いか」
回答は「はい。多いです」だ。どのAIに質問しても、同様の結果だ。
というわけで、この経路がバイパスとなるから、田園都市線の混雑はかなり緩和されているわけだ。