2025年01月14日

◆ ロサンゼルスの防火建築

 大火事のあったロサンゼルスでは、建築は防火建築になっていたのか?

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 大火事のあったロサンゼルスでは、建築はコンクリートでなく木造であった例がほとんどだ、と報じられている。
  → 「これは奇跡ではなくコンクリートと呼ばれている」

 現実にはほとんどが木造だから、ほとんどが焼け野原となった。
  → 米LA山火事、高級住宅地パシフィック・パリセーズがほぼ完全に焼失 人工衛星画像 - CNN.co.jp

 では、どのくらいが木造なのかというと、AIに質問したら、こうわかった。
 米国では 2022年には94%の新築住宅が木造だった。

 一般的にこうなのだから、ロサンゼルスでもこうだったと言えるだろう。
 さらに調べると、カリフォルニアでは平屋の率が高い。豪邸でさえも平屋の率が高い。これはどうしてかというと、ニューヨークみたいな大都会ではなく、高層ビルが林立するほど土地代が高くないからだ。豪邸では、十分な土地面積が得られるので、多層階のコンクリ住宅より、平屋の木造住宅の方が好まれるのだろう。

 ──

 さて。コンクリよりも木造が多いとなると、問題が出る。防火建築や準防火建築になっていたかどうかだ。この点について、AIに質問してみた。

Feloの回答
ロサンゼルスの耐火構造規制
  • 耐火基準: ロサンゼルスでは、特に火災リスクの高い地域において、耐火構造が求められています。建物の構造は、火災に対して一定の耐火性能を持つことが義務付けられています。特に、古い建物や木造住宅に対しては、耐火性の向上が求められています。
  • Dorothy Mae Ordinance: 1984年に施行されたこの条例は、1943年以前に建設された3階以上の住宅に対して、耐火構造を義務付けています。この規制は、特に火災の危険性が高い地域での安全性を確保するためのものです。
  • 火災防止対策: ロサンゼルスでは、火災の発生を防ぐために、建物の材料や設計に関する厳しい基準が設けられています。特に、山火事の影響を受けやすい地域では、耐火性の高い材料の使用が推奨されています。

 一応、それなりに準耐火構造ができているようだ。
 つまり、コンクリート構造の耐火建築にはなっていなくても、木質構造が剥き出しになった非耐火建築にはなっていなくて、モルタルとか耐火外壁などの外装をもつ準耐火建築になっていることが多いようだ。
 実際、現地のストリートビューを見ても、そういう外壁を持つ家がほとんどだ。

 では、それで済むか? もちろん、済まない。そのことは、現実に燃え尽きてしまった例を見ればわかる。ではなぜ、準耐火建築が役立たなかったのか? 私見を言えば、こうだ。
 「準耐火建築が役立つには、隣家からの距離が十分にあることが必要だ。また、自分の隣家が燃えていて、それが自分の家に燃え移るまでの1時間を堪えることだけが目的だ。その間に消防車が来て、隣家を消火してくれることを期待する。隣家がずっと燃え続けることは想定されていない。
 ところが現実には、隣家が火事になるだけでなく、あたりの一帯がすべて火事になった。こうなると、周囲の高熱のせいで、自分の家の内部は乾燥してしまう。そのせいで、家の内部から発火しやすくなる。かくて自分の家も発火して、火事になる。そのせいで、周囲の家もどんどん火事になる」

 となると、木造の準耐火建築では、どうしようもないわけだ。かといって、コンクリート建築は、費用が高すぎて、現実的でない。どうにもならないわけだ。

 そこで、「困ったときの Openブログ」と言いたいところだが、さすがに、打ち出の小槌みたいに、莫大な富を生み出すことはできない。知恵で工夫することぐらいならばできるが、無から有を生み出すように、莫大な富を生み出すことはできない。




 では、どうしようもないのか? なすすべはないのか? いや、ある。比較的低い費用で可能なことはある。それは、山火事の発生そのものをなくすことだ。
 その案は、次の二通り。

 (1) 枯れ葉や下草の除去

 今回の山火事では、枯れ葉や下草が大きな原因であったようだ。枯れ葉や下草を除去することは、山火事の防止になる。(AIの回答)
 また、日本でも同様の例があり、実績を上げているそうだ。
 東京の青梅に御岳という山頂の街が有るが、周囲の森は綺麗に枝打ちして下草が刈られ火災を防ぐ努力をしてる → https://bit.ly/42bbNCe 
( → はてなブックマーク


 (2) 伐採する

 樹種は落葉広葉樹だったのでは? と疑ったが、そうではなく、常緑樹が多かったそうだ。(AIの回答)
 なるほど。さすがにそのくらいの対策はできていたようだ。
 
 ……と思ったのだが、Google マップで現地を調べたら、そんな安穏たる状態ではなかった。藪だらけの荒山という感じである。





 こんな感じの荒山が多い。
  ・ 急斜面の凸凹が多い。
  ・ 細い枝だらけの低い樹木が多い。
  ・ 草も多い。
  ・ 湿った葉や樹木は多くない。
  ・ 全体的に水分量が足りない。


 どうも、乾燥した地域らしくて、水分量(降雨量)が少ないようだ。森林資源そのものが不足しているようだ。ここに乾燥した風が来ると、地域一帯が「燃えやすい樹木と枯れ葉だらけ」となりそうだ。やばいね。

 こうなると、いっそのこと、すべてを伐採した方がいいかもしれない。あとには太陽光パネルを設置する。太陽光パネルの収益で、下草の伐採をする。
 こうすれば、とりあえずは、山火事の発生を防げそうだ。



 [ 余談 ]
 実は、現地画像を見るまでは、「ツバキ科の低木(サザンカ)を植えればいいのでは」と思っていた。だが、ツバキ科の低木が育つには、十分な降水量が必要だ。現地を見ると、とてもその降水量はなさそうだ。日本よりもはるかに乾燥している。むしろ乾燥地帯向けのサボテンみたいな草本が適しているかもね。アロエとか。……だけど、よく考えたら、アロエは冬には屋外では枯れてしまうんだ。難しいね。

 
posted by 管理人 at 23:42 | Comment(2) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
延焼の関係では、米国でポピュラーな屋根材がマズいようにも想像しています。燃え移るについては、火の粉が屋根に落ちて燃えていくのが大きいように思うので。これは、関東大震災での大規模火災の燃え広がり方の研究で示されていることからの想像です。次のページのNHK番組から:
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230902/k10014177551000.html
 米国では、アスファルトシングルという屋根材が多いと言われていて、基本的に燃えます。説明の例:
https://maxreform.jp/column/201710271531.html
Posted by 松本 at 2025年01月15日 09:14
一般に米国の高級住宅地では家と家の間隔はすごく広いので延焼の可能性は低いはずです。今回は乾燥した東風が強くてこんな結果になりました。LAは海に面しているのにどうしてこんな乾燥するのかわからなかったのですが、内陸部が寒かったからなんでしょうね。中西部あたりが北極並みに寒くて高気圧が発達し、暖かい太平洋低気圧に向かって東風が吹きます。その東風はシェラネオネ山脈で雪を降らし湿気をなくしてからロスに来るのでしょう。
 LAの消防局の予算が削減されていたそうです。これも原因の一つと言われています。
 あのあたりはお金持ちがおおいので保険に入っているから大丈夫なんだろうと思っていましたが。どうもそうでもないようです。カリフォルニアは地震が多くて保険会社が契約を渋るため、保険に入っている人は意外に少ないと報道されています。LA西部の高級住宅地の家は一戸10億円以上でしょうから大変ですね。ま他人事ですが。
 話がずれますが、東京にはそのうち大地震が来理と言われているのに一応地震保険はあります。でもある程度以上の大規模地震では保険会社は免責されるようです。つまり東京の地震保険は役に立たず詐欺に近いと思います。私は入っていません。
Posted by ひまなので at 2025年01月15日 10:16
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