──
7月と8月の気温を見ると、近年は7月の猛暑がひどいとわかる。
昨年は7月上旬に猛暑があり、中旬に涼しくなり、下旬からまた猛暑となった……という変則的な形だった。
一昨年はもっとわかりやすくて、7月中旬からずっと猛暑の日が多かった。気象庁のデータを掲げよう。(2023年7月、8月の東京の気温)
7月の気温 8月の気温


ところどころに気温が下がる日も混じるが、7月中旬は 10日、12日、17日、18日、と猛暑日が並ぶ。この時点で相当、暑くなっている。
なのに、夏休みの開始は7月21日からである。7月中旬の猛暑日は、夏休みの形で回避されない。
それでいて、8月下旬は、いくらか涼しくなっている。昨年の8月下旬は猛暑日(35度以上)がなかったし、一昨年の8月下旬もほぼ同様だった。(上図)
そういうことであれば、次の提案が思いつく。
「8月下旬の夏休みを廃止してしまえ。かわりに7月中旬を夏休みにすればいい」
これはこれで一案だ。やらないよりは、やった方がいいだろう。しかしこれは、次善の案だ。もっといい方法がある。
それは次の提案だ。
「8月下旬の夏休みを廃止することなく、7月中旬を夏休みにすればいい。夏休みの日数を、40日間から 50日間に増やせばいい」
これなら、8月下旬の暑さも、7月中旬の暑さも、ともに免れることができる。近年の猛暑への対策として、万全となる。
先の案よりも、この案の方がいい、とわかるだろう。
──
ただし、問題がある。この案をそのまま実施すると、年間授業日数が足りなくなってしまうのだ。だからその分、どこかで埋め合わせる必要がある。
では、どこで埋め合わせるか? それには、次の2案がある。
冬休みと春休みを削減
夏休みを増やした分、冬休みと春休みを削減すればいい。
(1) 冬休み
冬休みは、12月26日から1月7日まで。
このうち、12月26日と、1月4、5、6、7日。その合計5日間、休みを廃止すればいい。
(2) 春休み
春休みは、3月26日から4月5日まで。
このうち、3月26、27、28日と、4月4、5日。その合計5日間、休みを廃止すればいい。
※ 冬休みで5日間、春休みで5日間、合計 10日間を削減する。
7月中の半ドン
7月中は、夏休みではあるが、完全な休みにしないで、短時間の授業をする。休みというより、半ドンみたいにする。次の (1)(2) の併用。
(1) 早朝開始
サマータイムふうに、早朝開始とする。
登校時間は一般的に午前8:00〜8:20だが、これを1時間ほど早める。元が8時登校なら、7時登校とする。
※ 期間は、7月中旬以後の夏休み中に限定で、早朝開始とする。ただし、夏休みの始まる前の7月1日から早朝開始にしてもいいだろう。
(2) 短時間授業
授業は短時間授業とする。7時に登校の後、7時半に始業で、10時ごろに終業となる。45分の授業が3コマある。(通常の午前4コマよりも短い。)
10時ごろの終業の後は、給食を食べて、適当に遊んでから、11時前に下校する。気温があまり暑くなっていないので、暑さゆえの苦しみを避けることができる。
従来ならば、7月の中旬に全日の授業があり、7月の下旬は休みとなった。
新方式では、7月の中旬と下旬に、半ドンの授業がずっと続く。1日の授業時間は半分で、授業日数は倍となる。真の夏休みは、8月中だけ(30日間)となる。
[ 付記 ]
学校の夏休みを増やそうというのは、以前ならば「エアコンがないから」というのが理由となった。しかし今では、ほぼ 100%のエアコン普及率がある。(北海道を除く。)
ゆえに、「エアコンがないから」というのは、今では理由とならない。
午後3時ごろの下校時における健康被害が、主な理由となりそうだ。
・教師にとっては年度替わりの準備に避ける時間が短くなります。
・3月は転勤による引っ越しのシーズンであり、現在でも繁忙期になっていますが、短い春休みに引っ越しがより集中することになります。
・3月は転勤でなくても、子供の卒業を機に引っ越しする例もあります。
後の2者に対しては卒業式だけは早くすることで緩和されますが、そうなると夏休みの増加分を吸収しきれなくなります。
そもそも、昔と違ってエアコンが完備されつつあるのですから、夏休みを長くしなくてもいいのでは?
7月の午前授業はいいアイディアにも思えますが、午後の暑い時間帯に部活を行うことになったら本末転倒です。
4月4、5日がなくなるなら、二日間、早めに引っ越しすればいい。もっと早く、3月20日ごろに引っ越してもいい。学校だって、そのくらいの融通は利きます。病欠みたいなものだ。
ただし、春休みの短縮をやめて、冬休みの短縮だけを残して、(1)と(2) の折衷にする、という案も成立する。
なお、今の春休みは、休みすぎだ。一年で一番気候のいいときを、学業でなく遊びに費やしてしまっては、もったいない。きちんと勉強した方がいい。
私は子供のころから、「春休みはもったいない。無駄だ。減らせ」と思っていた。
それを言い出したら、そもそも夏休みそのものが必要なくなる。夏休み廃止で、長期休暇なしにして、年間授業日数を大幅増にすることになる。
では、そうしたいのか?
まあ、それも悪くないが。
登下校は…真昼に下校させるのをやめれば良い。