2025年01月12日

◆ 米国の山火事(LA)

 米国の山火事が猛威を振るっている。(ロサンゼルス)
 その短評。

 ──

 状況は報じられている通りだ。しかも、今なお収まらずに、大炎上している。














 まさしく地獄の状態と言える。ハルマゲドンだとも言われている。まったくひどい。
 住宅地は燃え尽きて灰となったようだが、まだ火がくすぶっているところも多いようだ。
  → 米LA山火事、高級住宅地パシフィック・パリセーズがほぼ完全に焼失 人工衛星画像 - CNN.co.jp

 ※ ネットでは、「飛行艇 US-2 を米国に派遣するべきだ」という声もある。なるほど。

 ──

 さて。この山火事をどう評価するべきか? 
 私の見解はこうだ。
 「地球の異常気象は もはや臨界点を超えた!」

 その背景は、次のことだ。
 2024年の世界の平均気温は産業革命前より1.6度高かったと、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」が10日、発表した。気候変動対策の国際ルール「パリ協定」は気温上昇幅を1.5度に抑えることを目標にするが、その基準を単年で初めて超えた。
 同機関が地球の大気、陸、海の気象情報を時間単位で解析したデータによると、24年の世界の平均気温は15.10度で過去最高だった。産業革命前のデータとして一般的に用いられる1850〜1900年と比べた上昇幅は1.6度で、これまで最高だった2023年の1.48度を大きく上回った。
 パリ協定のもとで各国が対策を進めているのは、産業革命前からの気温上昇が1.5度を超えれば猛暑や豪雨の頻度が高まるという研究結果があるからだ。
( → 世界の平均気温、産業革命前より1.6度上昇 抑制目標超え危機進む:朝日新聞

 「気温上昇が1.5度を超えれば猛暑や豪雨の頻度が高まる」とある。なのに、その1.5度という値を超えて、1.6度になってしまった。上限値を超えてしまった。
 となれば、世界各地で気象異常が起こってもおかしくない。その一環で、ロサンゼルスの山火事も起こったのだ、と理解するべきだろう。
 つまり、こうだ。(再掲)
 「地球の異常気象は もはや臨界点を超えた!」

 ──

 これを聞いても、「どうせアメリカのことだし、他人事さ」と思っている人が多いだろう。しかし異常気象は決して他人事ではない。次のことがある。
 「 2024年の日本は史上最高の猛暑だった。これまでは年に数日しかなかった猛暑日が、延々とずっと持続した。35度どころか、37度の日も多かった。さらには、農産物の生育が大幅に悪化して、秋や冬に実る野菜も大幅に減収・減産となった。そのせいで、秋や冬の野菜が大幅に値上げした。日々の食費を直撃した」

 それでも、これが1年限りのことなら、まだ我慢ができる。しかし、そうではないらしい。2025年の夏も、前年と同じぐらいひどくなりそうだと予想されている。
 2024年の猛暑は、事前に予想されていた。その意味では予想通りだったが、猛暑の規模は予想を大幅に超えた激甚たるものだった。2025年も、その二の舞になる可能性はある。
 また、ただの猛暑ぐらいならばいいが、能登半島や山形では、(異常気象による)豪雨もあって、猛暑と水害のダブルパンチとなった。他の地域もそうなりかねない。

 異常気象や猛暑は決して他人事ではないのだ。あなたの生活そのものを直撃するのだ。
 「山火事が来ないので大丈夫」
 なんて思っていると、とんでもない大幅値上げが起こって、家計が火の車になりかねない。

 「まさか」と思うかもしれない。だが、その兆しはある。国民民主の「所得税減税」だ。これが実現すると、もらった金額以上に、物価上昇の値上げ量がひどくなるだろう。
 比喩的に言えば、所得が1%増えて、物価が2%上昇して、差し引きして1%の損になるだろう。……なぜなら、所得税減税というのは、そういう制度だからだ。
( ※ 所得税をいっぱい払う富裕層ばかりが大幅に得をして、富裕層以外の大衆は少しずつ損をする。大衆が少しずつ損をした分、富裕層が一挙にガッポリと得をする。そういう制度が、所得税減税だ。……その点では、一律減税とは正反対だ。)

 2025年の日本は、夏には猛暑となり、その後には家計が火の車になる。そういうふうになりそうだ。



 [ 付記 ]
 参考記事。
 《 11月の実質賃金、前年比で 0.3%減 4カ月連続マイナス 》
 物価の影響を考慮した働き手1人あたりの昨年11月の「実質賃金」は、前年同月より0.3%減り、4カ月連続のマイナスとなった。
 名目賃金」にあたる現金給与総額は3.0%増の30万5832円で、35カ月連続のプラス。一方、実質賃金の計算に使う消費者物価指数が3.4%上がり、この物価上昇分を差し引いた実質賃金は0.3%減となった。
( → 朝日新聞




  【 関連サイト 】
 こういう状況にあっても、トランプは「異常気象を解決する」どころか、それとは逆に、「再エネの推進をやめる」と言っている。
  → 気候変動対策に後ろ向きなトランプ再選、米国の脱炭素化はストップ? |日経
  → トランプ氏、次期政権下で風力発電所の建設認めない方針示す - Bloomberg
  → トランプ氏復帰で再エネに明暗、洋上風力には逆風!? : 日経BP
 
posted by 管理人 at 23:31 | Comment(2) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 関連サイト 】 を加筆しました。
 トランプは「異常気象を解決する」どころか、それとは逆に、「再エネの推進をやめる」と言っている……という話。
Posted by 管理人 at 2025年01月13日 14:40
 英語版の動画がリンク切れになったので、別の動画に差し替えました。  
Posted by 管理人 at 2025年01月13日 23:17
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