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空飛ぶ車を万博で実現する、という公約があったが、それは延期された。
→ 空飛ぶクルマ、商用運航断念へ デモ飛行に―大阪・関西万博:時事
(空飛ぶ車の小型版である)「空飛ぶバイク」の会社が破綻した、という報道があった。
→ 空飛ぶクルマ業界、二極化の様相 A.L.I.は破綻、SkyDriveは大型IPOへ | 自動運転ラボ
→ スタートアップの光と影 50億円の投資を集めた「空飛ぶバイク」はなぜ破綻したのか|NHK
では、この先、見通しはどうか?
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2023/11/24 の動画では、試作機らしいものが飛んでいる。
これは6ローターの立派な機構をもつ。(それぞれ上下に二重化されているので、12ローター、12モーターの機構をもつそうだ。)
「これはたいしたものだ」と思ったのだが。……
2024年6月の動画では、4ローターの ショボイ小型機になっている。
静止画
動画
形式認定は、3人乗りの6ローターのタイプなので、生産されるときには6ローターになりそうだ。しかし現段階で試験飛行しているのは、4ローターだ。ずいぶん、遅れているね。
4ローターだと、モーターが一つ故障したとき、不安定になりやすい。すぐに墜落することはないだろうが、安定性は弱いので、可及的速やかに不時着することが好ましい。ところが、現場が会場だと、不時着することもできない。下手をすると、溺れて死ぬ。
ちなみに、大阪万博の空飛ぶ車のルートは、下記だ。
→ 万博に向けて空飛ぶクルマ航路の実現可能性を検証|Beyond Health
近くに陸地があることもあるし、陸地がないこともある。陸地がない場合には、海に落ちて、水没するかもしれない。陸上ででも飛行をすればいいのに、なまじ大阪万博で海上ルートなんかを選ぶから、万一の場合には、水没する……という危険なルートを選ぶことになる。馬鹿丸出しかも。(下手をすると、死者が出るかも。もしそうなったら、知事のせいかも。)
空飛ぶ車は、いつかは実現するだろうが、今のところは、まだまだ実用化の域に達していない。少なくとも、国産メーカーではそうだ。
空飛ぶ車 ならぬ ホラ飛ぶ口車 かも。
※ そもそも、地上を走る能力はないのだから、車じゃないんだよね。空飛ぶ car かもしれないが。
[ 付記 ]
SKYDRIVE 社の公表する製品モデルは、未来的でカッコいい。
→ 空飛ぶクルマ、仕様変更等のお知らせ - 株式会社SkyDrive
《 ※ 以下の記述には間違いを含みます。 》
しかし 23年11月の試作機も、24年6月の試作機も、はるかに規模が小さい試作機だ。上記のカッコいいモデルとは別物だ。
宣伝ではすごくカッコいいモデルを示して、実際の開発中のモデルはショボイ劣悪品。
半年後の万博に飛ばすと標榜しながら、現実にはあまりにもみすぼらしいモデル。
これでは詐欺も同然だと言われても仕方ない。同社は「2025年ごろの事業開始」を目標としているが、全然、無理だろ。試作機さえもできていないのに。ここまでホラを吹くと、詐欺同然というより、本物の詐欺かも。少なくとも、嘘つきであることは確定的だ。
彼らのいう「2025年ごろ」というのは、たぶん、2029年のことなのだろう。
【 追記・修正 】
すぐ上に述べた記述は、不正確だったようだ。
・ 1番目の動画は、他社製の試作機だった。
・ 2番目の動画は、2020年の動画だった。
いずれも私の調査不足で、勘違いがありました。お詫びして訂正します。
詳しくは、コメント欄の3番目を参照。
https://skydrive2020.com/archives/39687
> しかし 23年11月の試作機も、24年6月の試作機も、はるかに規模が小さい試作機だ。上記のカッコいいモデルとは別物だ。
⇒ 筆者のいわれる23年11月の試作機というのがわかりません。どの画像もしくは動画のことですか? 本文(本稿)ひとつめの「2023/11/24 の動画」の機体は、そもそも SKYDRIVE 社のものではないですよ。
また、本文ふたつ目の「2024年6月の動画では、4ローターの ショボイ小型機〜」というのは、2020年8月に公開された「有人機 SD-03」というモデル(下記URLのプレスリリース)ですね。この動画(MBS NEWS)は2024年6月のニュースのものかもしれませんが、そこで取り上げられた本文静止画の試作機体は、今から4年以上も前の試験時のものです。
https://skydrive2020.com/archives/3506
ただ、同社はその後、絵やら構想やらは多数発表しているかもしれませんが、実際の開発中の機体画像や飛行試験の動画は公開していないようですので、同社の現状に対しては、筆者が[付記]の最後でそのように評されても仕方のないところだと、私も思います。
(※ 本稿に限らず、結論はそれなりに正しくとも、そこへ至るまでの情報の取り扱いが雑な場合が多いと感じます。別稿でも、他の読者の方がつい強くコメントしたくなるのも、よくわかります。)
最後に 【 追記・修正 】 を加筆しました。
> そこへ至るまでの情報の取り扱いが雑な場合が多いと感じます。
この手の問題では、私は別に専門家でもないし、ネットでお手軽にちょこっと調べた情報を記述するだけなので、調査ミスもしばしば起こります。
必ず出典情報を記すようにしているので、読者が自分で検証できるようになっています。間違いがあれば、あとで訂正しますので、勘弁してください。
> 結論はそれなりに正しくとも
メーカー公式やマスコミ報道は「2025年の実用化」であるので、結論が大間違いです。
それに比べれば、ずっとマシだし、記事の意味はあるのでは?
機械屋さんはやることがなくて困っているのかなあ。
住宅地の飛行は原則、禁止です。正確には、その土地の所有者の許可が必要です。現実には、ほぼ無理。小型ドローンも規制がかかっているほどだし。
空飛ぶ車というのは名前だけで、自動車の代替品ではなく、ヘリコプターの代替品でしょう。つまり、電動ヘリコプター。騒音が低くて安全性が高いのが利点。今のヘリコプターは、しょっちゅう墜落するので、墜落しにくい電動ヘリコプターは有益だ。
> メーカー公式やマスコミ報道は「2025年の実用化」であるので、結論が大間違いです。
> それに比べれば、ずっとマシだし、記事の意味はあるのでは?
⇒ 誤解をさせてしまったようですみません。私が「それなりに正しい結論」と書いたのは、筆者の出した(本稿本文と本稿[付記]での)結論がそれなりに正しいという意味です(下の@・Aのご主張のいずれにについても、私も同じような印象を抱いている、という意味です)。ですから、本稿記事の意味は、当然にあります。
>@ 空飛ぶ車は、いつかは実現するだろうが、(中略)ホラ飛ぶ口車 かも。
>A 宣伝ではすごくカッコいいモデルを示して、(中略)彼らのいう「2025年ごろ」というのは、たぶん、2029年のことなのだろう。
UFOみたいに無音で自由に浮かぶ・・・みたいなものは未来永劫物理的に不可能という認識でよいのでしょうか。
なるほど。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「宇宙エレベーターで、一挙に高空まで引き上げる。そのあとはグライダーで滑空する」
動力源として、位置エネルギーを使うわけだ。これは化石エネルギーも電力も磁力も必要ない。唯一のクリーンエネルギーだ。
これでうまく行くはず……と思ったが、ダメだった。この方式だと、カウンターウェイトがどんどん下がってしまうので、やがてはシステム全体が使い物にならなくなる。それを防ぐには、カウンターウェイトを引き上げる必要があるが、それだと、グライダーを航空に打ち上げるのと同じことで、莫大なエネルギーを要する。失敗。
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ただし、それで話が終わってしまっては、つまらない。うまいアイデアを出そう。こうだ。
「宇宙エレベーターを上がるときに、電力エネルギーを給電して、小型プロペラで上昇しながら、高い位置にまで上がる。その後、グライダーで滑空する」
これなら、何とかなる。ただしロープが消耗品となるので、重量物を使うのは、ちょっと無理かも。
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どうも、原理的には、地上を走るのに比べると、エネルギーロスが多すぎるというのが、根本的に問題であるようだ。主たる用途は、道がない場合だけだろう。たとえば、海を渡るとか、山を越えるとか。
> (842km)の長距離試験飛行に成功した
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02892/071600003/
東京・小笠原間が 1000km 弱なので、小笠原まで行くことが開発の射程内に入る。
この区間は以前、既に解体されましたが高速船のテクノスーパーライナーが就航を計画するも、燃料費が嵩み過ぎて採算が取れず、実現しなかったところですね。
テクノスーパーライナーも船ですが、確か空気を吹き付けて船体を浮かすような仕組みだったと思います。いずれにしても浮かすのは莫大なエネルギーが必要で、簡単なものではないのですね。
> 高速船のテクノスーパーライナー
時間の節約よりも、コストを安くすることの方が、たいていの人には大事ですからね。
現行料金は、一番安いランク(雑魚寝)で 24000円。これが2倍以上の価格になると見込まれたので、計画は頓挫したそうだ。
24時間が 12時間に半減するが、料金は2倍。ベッドつきの個室なら、5万円が 10万円に。夫婦で二人なら、20万円だ。12時間、一泊するために、20万円。高すぎるね。
やっぱり、普通の船が最強だろう。ま、それでも高すぎるけどね。小笠原は遠すぎる。