2024年12月09日

◆ 選挙とネット規制

 兵庫県知事選では、ネットが大きな影響を振るって、選挙結果を左右した。そこで、「ネットを規制せよ」という声がある。

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 兵庫県知事選とネット 


 兵庫県知事選では、ネットが大きな影響を振るって、選挙結果を左右した。それだけならまだしも、そこでは虚偽の内容が多かった。結果的に、虚偽が選挙を左右した。虚偽が真実に勝利したのである。
 これはゆゆしきことだ。そこで、「選挙ではネットを規制せよ」という主張が生じた。たとえば、下記だ。
  → 兵庫県知事選挙見てたけどネットって規制すべきじゃね?

 SNS の種類


 ネットを規制をするとして、どういうふうに規制するべきか? これについて、次の記事が興味深い。
  → 〈疑惑の兵庫県知事選〉1500人超の斎藤支持者のオープンチャットで「立花さんのポスター貼りました!」百条委県議の自宅前の街宣も“参集の呼びかけ” | 集英社
 SNS の効果が大きかった、と示している。ただし、記事では曖昧だが、SNS というのは Twitter のほかに、LINE もある。特に、複数人でグループ会話できる「オープンチャット」というものがある。ここから周辺ににじみ出る形で、LINE を通じた拡散効果があったようだ。
 さて。ネット規制をするというと、たいていの人は Twitter の規制を思い浮かべるだろう。だが、上記のように、LINE も使われている。そして、そのような形の私的通信までも規制するのは、弊害が大きすぎるとも言える。

 ネットと立花


 そもそも、ネットを使った人の全体が悪かったわけではない。悪かったのは、ネットを使った人ではなく、ネットを使って虚偽を振りまいた人だ。それは、立花だ。
 だから、ネット全般を規制する必要はなく、嘘つきの悪人である立花をうまく処罰すれば、それで済むのである。
 立花一人をつぶすためにネット全体を規制するのは、筋悪だと言える。そんなことをするよりは、もっと簡単な解決策がある。それは、立花逮捕だ。
 立花は、「百条委の委員長の自宅に押しかけて、拡声器を使って、辞任させた」という犯歴がある。これは、脅迫罪だ。有罪になれば、執行猶予取り消しになる。このような形で、あっさり逮捕できるのだ。だから、いちいちネット規制なんかをしなくても、さっさと立花を逮捕する形で、問題は解決可能となる。

 とはいえ、現実には、それがなされていない。その理由は、警察と検察が知事におもねっているからだ。ここを解決するのが本筋だと言える。
 ※ 前項を参照

 立花の収益停止


 立花の悪行を止めるには、別の方法もある。彼は「YouTube で莫大な PV を稼いで、それを収益化する」という手法をとっていた。しかし、これが犯罪的だということで、Google から収益化を止められてしまったそうだ。
 Feloの回答 を示そう。( https://x.gd/5LVNc
 立花孝志氏のYouTubeチャンネルは、現在収益化が停止されているという情報が確認されています。彼のチャンネルは、過去に高い収益を上げていたことがあり、2019年8月には月収が1247万円に達していましたが、その後収益化が停止された模様です。
 収益化が停止された理由については明確な説明はされていませんが、YouTubeの自動システムによる判断が影響している可能性があります。立花氏は、収益化アイコンが黄色になっていることを指摘し、YouTubeに対してその理由を尋ねたところ、YouTube側は「収益化アイコンは自動的に適用されるため、誤って判断されることもある」との回答をしています。
 これにより、立花氏のチャンネルが「不適切」と見なされている可能性があると考えられています。
 また、立花氏のチャンネルに関連する他のYouTuberの動画でも、立花氏が登場することで広告がつきにくくなる傾向が見られるとの指摘もあります。
 これは、立花氏の政治的な活動や発言が影響している可能性があるため、彼のチャンネルだけでなく、関連するコンテンツ全体に影響を及ぼしていると考えられます。
 結論として、立花孝志氏のYouTubeチャンネルは現在収益化が停止されており、その理由はYouTubeの自動システムによる判断や、彼の政治的な活動に起因している可能性があります。

 Genspark の回答:
  立花孝志氏のYouTubeチャンネルは、現在収益化が停止されています。彼のチャンネルは、過去数年間にわたり広告収入がなくなっており、特に選挙運動に関連するコンテンツが広告掲載に適さないと判断された可能性があります。このような状況は、AIによる自動判断が影響していると考えられ、立花氏や彼の政党「NHKから国民を守る党」に関連する動画が不適切と見なされていることが原因とされています。
 立花氏自身は、収益化停止についてあまり気にしていない様子で、他の収入源があることを示唆しています。彼は「YouTubeの収益がなくなっても大丈夫」と発言しており、政党助成金などで活動を続けているとされています。このため、YouTubeからの直接的な収入は限られているものの、彼の政治活動には大きな影響を与えていないようです。

 ※ ChatGPT もほぼ同趣旨。
 ※ Perplexity だけは逆の回答で、「停止されていない」と答える。しかしその結論の出典のページを見ると、「 PV だけで収益を推定する」と記してあり、停止されたか否かは判断されていない。AIの誤読だ。

 以上からして、「収益停止になった」というのは、ほぼ事実らしい。立花本人も認めているらしい。とはいえ、確実な証拠はないので、あくまで推定とするに留めておく。

 ──

 この推定に基づいて、一応、次のように結論できる。
 斎藤知事を応援して、1500万PV を稼いだ。「これで莫大な収益化を達成できる」と目論んだが、あにはからんや、大儲けできるどころか、1円も稼げなくなってしまった。自分で自分の首を絞める形だ。
 欲張りほどかえって損をする、という話。寓話みたいだ。(舌切り雀の欲張り婆さん)

 選挙の掲示板の収益化


 選挙の掲示板のポスターを分割販売することで、広告収益を得る……という方針を取ったのが、都知事選の NHK党だ。「ポスタージャック」とも言われる。
 では、その結果は、どうだったか? ボロ儲けしたか? 実は、逆だった。
 「売却収益は 550万円。供託金は 7200万円(全額没収)。差し引きして、大損だった」
 という結果になったそうだ。
  → NHK党の「ポスタージャック」最終的な「売り上げ」は? 供託金はどうなった? 東京都知事選:東京新聞デジタル
  → NHK党・立花孝志党首がポスター掲示板「売れた」数を告白 不適切ポスター「はがしに行く」 東京都知事選:東京新聞デジタル
 この結果からすれば、同じようなことが起こる可能性はない、とわかる。
 

 政府の対策


 上の「ポスタージャック」は大失敗したのだから、特に対策を取る必要もない、とわかる。
 ところが政府は、この事件の再発を防ぐために、わざわざ法制化の手間をかけるつもりらしい。
 選挙ポスターの掲示板に候補者と無関係な広告などを並べる「掲示板ジャック」問題を受け、ポスターの品位保持を求める規定を新設した公職選挙法改正の要綱案が判明した。 営利的な広告や宣伝をした場合は100万円以下の罰金とする。
 要綱案ではポスターの表面に、候補者の氏名を「選挙人に見やすいように記載しなければならない」と明記。 善良な風俗を害したりする内容の他、特定商品の広告や営業に関する宣伝などを禁止した。
( → 選挙ポスターでの名誉毀損や広告、禁止に 公選法改正の要綱案判明 | 毎日新聞

 これでエロポスターや広告ポスターを禁止できるから問題は解決……ということらしい。まあ、その趣旨はわかる。だが、立花がそれで失敗したのだから、もう同じことを狙う人はいないのだ。
 何もしなくても再発は起こらないのだから、こんなことのためにいちいち立法化の努力をする必要はない。馬鹿げた手間をかける必要はない。

 供託金の引き上げ


 むしろ、「供託金の引き上げ」の方が、ずっと有効だろう。現状では、知事選の供託金が異常に低すぎる。小選挙区に比べて、都知事選の選挙区は非常に広いし、ポスターは枚数が多い。なのに、供託金はどちらも 300万円である。これだと、都知事選の宣伝効果が大きいので、立候補することの売名行為が有利になる。そこで、都知事選では供託金を引き上げるのが妥当だ。
 とはいえ、供託金をあまり高くしすぎると、立候補が困難になりすぎて、民主主義の本質が損なわれてしまう。そこで、うまく塩梅を取る必要がある。

 私の提案は、こうだ。
 「都知事選の供託金を大幅に引き上げる。現状は得票率 10分の1未満で 300万円没収だが、これでは足りない。得票率 50分の1未満で 1000万円没収というのを追加するべきだ」
 具体的にはこうなる。
  ・ 供託金は 1000万円である。
  ・ 得票率 10%以上で、全額返還
  ・ 得票率 2〜10% で、700万円の返還( 300万円の没収)
  ・ 得票率 2%未満で、返還なし(全額没収)


 ちなみに、都知事選に立候補した IT技術者の安野貴博 は、得票率が 2.3% なので、300万円の没収である。これは、現状でもそうだし、改正後でもそうである。(変わりなし。)

 なお、都知事選では 56人が立候補して、53人が供託金 300万円を没収された。没収されなかったのは上位3人だけだ。ここでは当選の当てのない泡沫候補が 50人ほどもいることになる。無駄の極み。
 私の提案をとれば、300万円でなく 1000万円の没収となるので、無駄に立候補する人は激減するだろう。最終的には、候補者数は 10人以下になると見込まれる。

 ※ 都知事選では 1000万円とするが、他の県知事選では、600万円ぐらいにするとよさそうだ。神奈川や大阪なら、このくらいが妥当だろう。一方、地方の県ならば、300万円ぐらいのままでよさそうだ。

 政党助成金の廃止


 ここまで述べてきたのは、県知事選の話だった。
 一方、国政選挙においても、同様のことを実施したい。そこで、次のテーマを掲げる。
 「国政選挙では、獲得した票数によって得られる政党助成金を目的とする NHK党のようなヤクザ政党が出現する。これをどうするべきか?」

 この問題は、次の記事で説明されている。
  → 選挙は「もうかるシステム」? NHK党が多くの候補立てた戦略とは :朝日新聞デジタル
  → 旧NHK党3億円、自民159億円、立民68億円…日本の政治を変質させた「政党助成金」は本当に必要なのか 現職議員は「カネのなる木」

 この問題を解決したい。とはいえ、得票率の低い泡沫政党を比例区から排除するというドイツのような方針を取ると、「少数政党を排除する」ということが民意を反映しにくくなるということで、世論の抵抗が予想される。困った。どうする?
 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「得票率が 5% 以下の泡沫政党は、議席数の配分を得るが、政党助成金を得られない」

 つまり、議席配分の点では政党要件を満たすが、政党助成金の配分では政党要件を満たさない、ということだ。( 得票率が5%に達しない場合は。)
 こうすれば、得票率が5%に達しない NHK党は、政党助成金を得られなくなるので、「選挙で金儲け」という立花の方針を、うまく排除できる。

 こういう方針こそ、立花のような悪党を排除するための、根源的な方針なのだ。

 ※ 現行制度では、10%でなく2%が政党助成金の要件となっている。
 ※ NHK党の比例区の得票率は、参院選で 6%、衆院選で 7.5% である。かなり高い。要件が 5%だと、要件をクリアしてしまう。ゆえに、数字を 10%にまで高める必要がある。しかし、議席数の半分のためには、そこまで高くする必要はない。


 《 訂正 》
 NHK 党の得票率は、AIに質問して得た数字ですが、誤りでした。正しくは、参院選で 2.4%(1議席)、衆院選で 2%未満(議席なし)でした。そこで本文中の数字を 10 から 5 に修正しました。





 【 追記・訂正 】
 記述の一部に誤りがあるという指摘があった。コメント欄(1番目)を参照。


posted by 管理人 at 22:30 | Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>NHK党の比例区の得票率は、参院選で 6%、衆院選で 7.5% である。かなり高い。要件が 5%だと、要件をクリアしてしまう。
違います。
2022年参議院選挙のNHK党は、選挙区合計が2%、比例区合計が2.3%です。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seitoujoseihou/seitoujoseihou02.html
なお選挙区合計でも2%以上ならば、国会議員一人が所属すれば、政党要件を満たします。
NHK党や参政党が参議院選挙で選挙区候補を全国に立てたのはこのためです。

>ゆえに、数字を 10%にまで高める必要がある。
よって10%でなくても5%くらいで十分ではないですか。

>立花は、「百条委の委員長の自宅に押しかけて、拡声器を使って、辞任させた」
違います。
百条委員会の委員長は奥谷氏ですが、辞任していません。

>この推定に基づいて、一応、次のように結論できる。
>斎藤知事を応援して、1500万PV を稼いだ。「これで莫大な収益化を達成できる」と目論んだが、
>あにはからんや、大儲けできるどころか、1円も稼げなくなってしまった。自分で自分の首を絞める形だ。

違います。
この掲示板には立花ファンも多くおられるのでおわかりでしょうが、
立花はとっくの昔に収益化を禁止されています。
それどころか立花は一般ユーザーに「自分の動画を無料で切り抜いてそれを元にそのユーザーがお金儲けしても良い」と言っています。
普通は有料です。
彼はYoutubeで収益を出すのをとっくの昔に諦めていて、そこからお金を儲けるのではなく
自分の行為を無料で拡散してもらうことによって応援する人、資金を提供してくれる人を探しています。
今回神戸県知事選に立候補するための供託金も著名な会社の社長がだしてくれたと言っています。
Youtubeで収益を出すのでなくそこから派生した知名度で資金を得るというやり方です。

管理人さんは憤るかもしれませんがこれが彼のやり方です。
数多くチャレンジして東京都知事選のようにお金も損して評判も地に落ちることもあるが
何回かスイングしているうちに大当たりをだしているのです。
三振かホームランのバッターですね。
Posted by カエル at 2024年12月10日 02:19
追記・訂正ありがとうございました
Posted by カエル at 2024年12月10日 13:56
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