この対策として、政府は何をするべきか?
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日本政府の策
日本企業の技術軽視という問題がある。この問題への対策として、政府は何をするべきか?
「政府が産業振興をして、莫大な補助金を投入すればいい」
というのが、これまでの方針だった。MRJ しかり、ラピダスしかり。しかし、そのような方針は間違っている、というのが、これまでの指摘だった。
では、かわりに、政府は何をするべきか?
ここで問題の根源を考えると、ダメなのは日本企業の経営だ。だから、是正するべきは日本企業の経営である。とはいえ、政府が企業の経営を指導するわけにも行かない。個別企業の経営に介入するわけには行かない。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「政府は個別に介入するかわりに、制度を整えればいい。特に、税制を整えればいい」
その具体的な方針は、以下に示す。
法人税の改定
では、税制を整えるとして、どういうふうに整えるか? こうだ。
「企業は技術開発をするために、開発投資をすればいい。その一環で、技術者にも高給を払えばいい。なのに、そうしたがらない。かわりに金を、配当や内部留保に回す。特に、内部留保の多さは際立っている。これは無駄金だ。そのせいで経済も企業も停滞する。
ではなぜ、そうなるのか? 法人税が低すぎるからだ。政府は技術開発減税をしているが、ならば、その分、技術開発をしない場合の法人税を上げるべきだ。つまり、法人税の基本税率を上げるべきだ。そうすれば、企業は技術開発に邁進するようになる」
つまり、正解は法人税の引き上げである。併用して、技術開発減税も整備するといい。(これは「アメとムチ」の政策である。アメだけの減税でなく、ムチである増税も組み合わせる。)
ところが現実には、法人税を上げない。それどころか、法人税を引き下げてきた。だから企業は技術開発をしないで、ひたすら金を貯め込むようになるのだ。そのせいで、企業も日本全体も没落していく。欲の皮が張りすぎているせいで、目先の富ばかりを追うから、どんどん貧しくなっていくのだ。
これが衰退する国家の真相だ。それを推進したのが、法人税減税を推進した安倍晋三だ。彼は日本を衰退させたが、その亡霊の手から、日本はいまだに逃れていないのである。欲の皮が張っているがゆえに。
※ シリーズはこれで終了です。ただし次項以降に、関連する話題がいくつかあります。