2024年11月24日

◆ 日産没落と CVT

 ( 前項 の続き )
 日産の没落の原因は、経営者が技術を理解できないせいだが、そのことは CVT を見るとわかる。

 ──

 「日産の没落の原因は、技術を理解できない経営のせいだ」と前項で述べた。
 ではなぜ、経営者が技術を理解することが大切か? それは、当たり前のことだろうと思えるだろうが、きちんと考えてもわかる。日産の没落の原因は、技術的無理解に起因するのだ。
 日産の販売不振は、日産の車に技術的欠陥があるからだ。具体的に言うと、CVT だ。日産の CVT は非常に性能が悪い。騒音が出てうるさいし、操作のフィーリングは悪い。その上、やたらと故障しやすいし、故障したあとの修理代は超高額になる。最悪である。
 これらの七難は、小型車に使ううちはまだ何とかごまかせるが、2リットル以上の中型車に使うと、もはや隠すこともできず、目も当てられない惨事となる。だから、日産の中型車はアメリカですごく評判が悪い。大幅に値引きしないと売れない。ゴーン社長は「CVT はコストカットで5万円ぐらいコストカットできる」と思ったのだろうが、性能が悪いので、30〜50万円ぐらい値引きしないと売れない。コストカットの 10倍ぐらいの価値低下が起こった。ひとことで言えば、「安かろう悪かろう」である。韓国車よりも、はるかに低品質だ。
 かくて、大幅値引きを強いられて、大赤字になった。これが真相である。

 なお、日産の問題が CVT にあるということは、私がかねて指摘していた。
  → 日産の CVT をどうする?: Open ブログ(2019年04月26日)
  → 日産の不振の原因は?: Open ブログ
  → ジヤトコとアイシンは合併せよ: Open ブログ
 これらの項目を読めば、CVT について無為無策であった日産の経営者が、いかに技術音痴であったか、わかるだろう。

 ──

 さて。この問題を可決するには、どうすればいいか? そのための策は二つある。
  ・ CVT をやめて、AT にする。
  ・ CVT に代えて、 e-POWER 車を売る。

 そのどちらでもいい。あるいは、両方ともやればいい。
 しかし日産が決めたのは、「どちらもやらない」ということだった。つまり、無為無策だった。……かくて、技術に無知な経営者の下で、「何も変えない」「無為無策」という方針が取られた。いわば放置プレイである。そして、その結果は、大幅な赤字による没落だった。

 ※ 私が CVT の記事を書いたのは、2019年04月26日だ。それから5年間も、ずっと無為無策だった。だから今回の大幅赤字となった。
 ※ 日本では CVT 車の販売が不可能となったので、 e-POWER 以外には売る車がない。他社はハイブリッド以外も売ることができるのに、日産はハイブリッドしか売ることができない。売れない CVT 車しかないからだ。かくて、この結果となった。



 [ 付記 ]
 ただし、5年後の 2024年の秋になって、日産も対処するようになった。ようやくにして、AT車を発売するようになったのだ。
 たとえば、前項の QX80 などは、 9速 AT だ。
 また、新型ムラーノも同様に、 9速 AT だ。




posted by 管理人 at 22:40 | Comment(1) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なるほど記載の通りジャトコ問題が尾をひいてますね、結局ジャトコも本業がおかしくなり自転車や釣りのリールとかに手を出しますね。
ホンダとの提携も日立アステモとジャトコの位置付けで障害になりそうですね。
そういやジャトコの社長(日産天下り)は、最近は業績不安の河西に移られましたね。
Posted by 社員 at 2024年11月25日 23:47
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