2024年11月16日

◆ トランプの勝因(私の見解).3

 ( 前項 の続き )
 トランプはいかにして煽動したか? 

 ──

 移民という仮想敵


 前項で述べたように、トランプは国民を煽動した。火のないところに火を付けて、ありもしない経済不安を巨大な不安のように見せかけて、人々の心を乱して、その不安な心のはけ口として民主党政権を攻撃させた。
 ここで、トランプの手法の一つである「移民」という問題が浮き上がる。ここでも、火のないところに火を付ける形で、人々の不安を掻き立てた。
 Feloの回答を示そう。
トランプ大統領は大統領選で移民問題をいかに扱ったか?

トランプ前大統領は、2024年の大統領選挙において移民問題を中心的なテーマとして扱っています。彼の発言や政策提案は、移民に対する厳しい姿勢を強調し、特に不法移民に対する強制送還や国境管理の強化を訴えています。

移民に対する主張
  • 不法移民と犯罪の関連性: トランプ氏は、不法移民が暴力的な犯罪に関与していると主張し、これを選挙活動の一環として利用しています。彼は、移民がアメリカ社会に悪影響を及ぼしているとする見解を繰り返し述べており、これに対しては多くの研究が移民の犯罪率は低いと反論しています。

  • 大規模な強制送還の計画: トランプ氏は、再選を果たした場合、史上最大規模の国内強制送還を実施すると公約しています。彼の支持者であるスティーブン・ミラーは、移民に対する「ショック・アンド・オー」戦略を提唱し、数百万の移民を対象にした厳しい政策を計画しています。

  • 移民政策の具体的な提案: トランプ氏は、移民の権利を制限する政策を掲げており、出生地主義の廃止や、無許可の子供たちを学校から排除することを含む提案をしています。また、難民受け入れの枠を大幅に削減する意向も示しています。

選挙活動における移民問題の影響

トランプ氏の移民に関する発言は、選挙戦の中で大きな波紋を呼んでいます。彼は、特定の地域での移民に対する誤解を助長するような発言を行い、これが地域社会に不安をもたらす結果となっています。例えば、オハイオ州スプリングフィールドでの移民が住民のペットを食べているという虚偽の主張は、地域の緊張を高める要因となりました。

結論

トランプ前大統領は、移民問題を2024年の大統領選挙の重要な争点として位置づけており、厳しい移民政策を強調することで支持を集めようとしています。彼の発言や政策は、移民に対する偏見を助長する可能性がある一方で、移民の権利や人権に対する脅威をもたらすと懸念されています。


 トランプは移民問題をこれほどにも重視した。なぜか? どうしてそれほどにも移民問題を重視したのか? 
 それは、人々の不満のはけ口を与えるためである。トランプが煽り立てた結果として、人々の心には不満が高まるが、その不満の一時的なはけ口を与える。それが、人々にとって社会的劣等者に見える移民なのだ。

 その構造は、ヒトラーがユダヤ人を排除しようとしたのと、同様である。かつてヒトラーがユダヤ人への憎しみを煽ったように、今やトランプは移民への憎しみを煽る。そこにはまったく同様の構造があるのだ。
 ヒトラーは、人々を煽動して、ユダヤ人への憎しみを募らせることで、自己への支持を高めて、国民全体を「隣国侵略・欧州支配」に向かわせた。トランプは、人々を煽動して、移民への憎しみを募らせることで、自己への支持を高めて、国民全体を「民主党打破・米国支配」に向かわせた。
 ヒトラーとトランプの手法はかくも似ている。それはひとことで言えば、「詐欺師の手口」であるが、「悪魔の手口」だとも言える。




 ※ 次項に続きます。
 
posted by 管理人 at 23:07 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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