2024年11月12日

◆ ハリスの敗因(大統領選)

 米国の大統領選では、トランプが勝利し、ハリスが敗北した。では、その理由は何か?

 ── 

 論調


 今回の大統領選の結果については、「トランプが勝利したわけ」というのが、あちこちで分析されている。たいていは、次のようなことをトランプの勝因とする。
  ・ 経済政策が低所得者の心に響いた
  ・ 移民排斥が白人の心に響いた
  ・ アメリカ第1を唱えた。(外国排斥)

 単純に言えば、米国人のエゴイズムに訴えた。「あなたは現状では損をしている。私の言う通りにすれば、あなたは損しないで、得をするようになる。お金をいっぱいもらえるようになる。だから、お金を得るために、私を支持しなさい」と。

 まあ、それはそれで成立するだろう。しかしそのような理屈は、4年前も8年前も変わらない。なのに、8年前では僅差(票数はヒラリーの勝ち)で、4年前はバイデンの勝ち。一方、今回は大差でトランプの勝利だ。だったら、その差の理由を示さなくてはならない。
 ところが、上の3点のような理屈は、前回、前々回との差を説明しない。ゆえに、上の3点のような理屈は、今回の大統領選の結果を説明しないのだ。

 もう少し説明しよう。
 上の3点は、ただの政策だ。それは、支持者にとっては魅力的だが、不支持者にとってはどうでもいいことだ。大事なのは、支持者が支持した理由ではない。もっと別にある。それは何か? 

 ハリスの敗因


 大事なのは、何か? それは、トランプが支持者に訴えた数々の政策ではない。そんな政策は昔と代わり映えしない。そんなことは理屈にならない。
 大事なのは、トランプが支持を得た理由ではなく、トランプが選挙で勝った理由だ。換言すれば、ハリスが選挙で負けた理由だ。

 では、勝ち負けの観点で見た場合、どうか?
 トランプの側に決定的な勝因はあったか? 特に何もなかった。上のような3点は、決定的な勝因ではなかった。
 ハリスの側に決定的な敗因はあったか? あった。とんでもない敗因があった。決定的な敗因があった。それは、候補者としてハリスを選んだことだ。
 このことは、次の3段階で説明される。

 (1) ハリスは無能

 ハリスは政治家として無能である。このことは多くの米国人が指摘している。根本的に頭が悪い(知能指数が低い)ようだ。政策論議もまともにできないありさまだ。

 Felo の回答
コミュニケーションの問題
ハリス氏は、特にメディアインタビューや討論会での発言がしばしば批判の対象となっています。例えば、彼女があるインタビューで「思い当たることは一つもない」と答えた際には、現職のバイデン大統領との違いを示す質問に対して無反応だったことが、政治的逆風を象徴するものとして取り上げられました。この発言は、彼女の支持者やメディアからも失望を招き、彼女の能力に疑問を持たれる要因となりました。

政策の不明確さ
ハリス氏は、彼女自身の政策についての考えを明確に打ち出せていないとの指摘もあります。特に、彼女が大統領候補としての資質をアピールする際に、具体的な政策提案が不足しているとされ、これが「頭が悪い」との印象を与える一因となっています。

 Genspark の回答
  ・ 評判: カマラ・ハリス副大統領の評判は、ホワイトハウス内であまり良くないとされています。
  ・ 評価: 彼女は“使えない”人物として評価されており、バイデン大統領自身も彼女を当てにすることはほぼないとされています。

 次の意見もある。
 トランプ氏は選挙のうまさはありますけれども、本来ならば勝てないんですよ。もうめちゃくちゃな人だから。有罪判決もあって。それ乗り越えて勝ったっていうのは、やっぱりハリス氏の魅力不足が一番でしたね。
( → 米大統領選 ハリス副大統領の敗因は「魅力不足が一番」…デーブ・スペクター氏|ニフティニュース

 このようなハリスの能力不足・魅力不足を訴える米国人や米国在住者は多い。特に、8年前のヒラリー・クリントンと比べると、圧倒的に魅力が劣るのがわかるだろう。ヒラリー・クリントンでさえ勝てなかったのだから、それより大幅に劣るハリスが勝てるはずがなかったのだ。
 つまり、ハリスを選んだ時点で、負けは確定していたのである。

 (2) バイデンの指名

 では、そんなに無能なハリスが、なぜ大統領候補になったか? それは、無能なハリスを候補にした民主党が人材難だからだ、と言えそうだ。だが、それだけではない。
 指名レースの最初に、バイデンの指名があった。バイデンは辞任を発表したときに、同時に、ハリスを後継に指名した。これが決定的だった。バイデンの指名が、ハリスが後継となった最大の理由なのだ。
 もしそうしなければ、どうなったか? バイデンがハリスを指名しなければ、ハリス以外の有力な誰かが決まっただろう。ハリスほど馬鹿ではない誰かが。それはたぶん、黒人女性ではなくて、男性であるはずだ。しかも、頭のいい誰かだ。多くの知事は辞退していたようだが、上院議員と下院議員がたくさんいるのだから、そのうちの一人ぐらいは、ハリス以上の対抗馬になれただろう。それならば、トランプに勝てたかもしれない。
 しかし現実には、そうならなかった。7月21日、バイデンがハリスを指名した。このとき、民主党が勝利する可能性は消えた。この時点で、敗北は確定した。
 実際、バイデンのハリス指名を聞いたときに、私は絶望した。「ハリスでは勝てない。これではトランプに負ける」と覚悟した。民主党の敗北は、7月21日の時点で判明していたのである。

 (3) マイノリティ重視

 さらに根源的な問題がある。
 ハリスは無能であるのになぜ選ばれたか、ということだ。
 もちろん、バイデンの指名があったからだ。ではなぜ、バイデンはハリスを指名したか? ハリスが副大統領だからだ。ではなぜ、ハリスは副大統領になったか? 有能だったからか? 違う。黒人で女性だからだ。マイノリティだからだ。
 このことは、二つの理由がある。
  ・ 黒人票と女性票を期待できる。
  ・ マイノリティに配慮することで、公正さを実現できる。

 この二点を順に考えよう。

 第1に、「黒人票と女性票を期待できる」ということだが、これは理屈の上からは当てにならない。なぜなら、「白人票と男性票を失う」というのと同義だからだ。黒人の人口の方がずっと少ないので、この方針を取るとかえって票は減ってしまいそうだ。のみならず、今回は、黒人票とヒスパニック票が大幅にトランプに流れたので、この方針自体が無効だったとわかる。(白人のバイデンやヒラリーの方がずっと多くの黒人票を得た。)
 第2に、「マイノリティに配慮することで、公正さを実現できる」ということだが、この理念はたしかに立派だ。しかし、マイノリティに配慮しすぎるせいで、マジョリティの支持を失う。そこが最大の問題だ。さらに問題なのは、「マイノリティに配慮する」ということばかりにとらわれて、「ハリスが無能だ」という点に目をふさいでしまったことだ。ここが最大の失敗点だったと言える。

 すぐ前に述べたことが最大の問題だったと言える。端的に言えば、民主党は、リベラルの理念に自己陶酔していたのである。「マイノリティに配慮することは公正だ」と信じて、マイノリティである黒人女性を大統領にしようと目論んだ。このとき、「公正さの実現」ばかりに目をとらわれて、肝心のことを見失った。肝心のこととは? 「ハリスは無能だ」ということだ。
 つまり、「公正さの実現」という点にこだわって、ハリスの無能さに目をつぶった。リベラル的な思想のせいで、真に有能な人を選ぶ道をあえてふさいだ。これは、リベラル思想の弊害だ。

 結局、民主党のリベラル体質そのものが、敗北の根源だったと言えるだろう。理想を唱えながら、その理想に殉じて、現実の勝敗で負ける。理想を追うせいで、盲目になり、判断力をなくして、愚かになる。あまりにも愚かだ。
 それはいわば、韓流スターを追いかけて盲目になる 追っかけファンに似ている。マイノリティ重視というような理想を追いすぎると、結局は、すべてを失うハメになるのである。
( ※ 3年前の衆院選では、立憲がそうだった。共産党もそうだった。)
( ※ マイノリティーを重視しすぎると、マジョリティー[保守派]の反発を招く。米国でも日本でもそうだった。そのことを理解できないと、選挙では負け続けるだろう。)



harisuno3.jpg




 【 関連項目 】
 前に私は、別の候補を推奨したことがある。
 「ミシェル・オバマでなく、オバマ夫妻が大統領候補になる」

 その意味はこうだ。
 「実質的な大統領はオバマ夫妻だが、形式的には、次のようにする。大統領は、ミシェル・オバマ。副大統領は、バラク・オバマ」

 この場合、バラクオバマは副大統領になるだけだから、憲法の三選禁止規定には抵触しない。
( → 大統領にはオバマ夫妻を: Open ブログ


posted by 管理人 at 23:46 | Comment(1) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 関連項目 】  を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2024年11月13日 10:34
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