2024年11月09日

◆ 連立政権の行方 .8

 ( 前項 の続き )
 補足的な話をいくつか。オマケふうの話。

 ──

 夫婦別姓制度を提出せよ 


 今は国民党の減税案ばかりが話題になっている。国民党と自民との連携ばかりが話題となっていて、立憲は蚊帳の外だ。情けない。馬鹿丸出しである。
 ここで立憲に、なすべきことを指南しよう。それは、選択的別姓制度の法案を提出することだ。このことで、(法案への賛成を通じて)国民党や公明党を同調させることができる。

 詳しく言おう。場合分けする。
 第1に、相手の同調が得られる場合だ。国民党や公明党は、基本的には公約で賛成している。そのことは、下記に記されている。
  → 各党の公約 政策別 ジェンダー 衆議院選挙2024|NHK
 こうして国民党や公明党を同調させることができる。そのことを通じて、反自民の連合を作れる。かくて、国民党や公明党を取り込むことができる。連立政権への一里塚となる。
 第2に、相手の同調が得られない場合だ。この両党は元々保守的であって、選択的別姓制度にはかねて気乗り薄だった。だから、現実には、両党は立憲の提案に同調しない可能性が高い。となると、「両党を取り込む」という狙いは達成できないことになる。困った。どうする?
 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 実は、両党が提案を拒めば、かえって好都合なのだ。「しめしめ、まんまと罠にはまったな」とほくそ笑むことができる。なぜなら、選択的別姓制度の実現は、両党の公約だったからだ。( → 上記 )。ゆえに、もし両党が提案を拒めば、「こいつらは公約違反の嘘つき野郎だ! 公約違反の裏切り者だ! 国民はこいつらにだまされた。嘘つき政党を信じるな!」と批判できる。
 災い転じて福となす。両党が提案を拒めば、両党を悪者にして、さらしあげることができるのだ。そうなれば、次期衆院選では、国民党や公明党は支持を得られない。得に、国民党の議席は激減する。「裏切り者には死を!」ということだ。国民を裏切ったのだから、その報いを得なければならない。

 そして、そういうふうに国民党を追い込む方法が、「選択的別姓制度の法案を提出すること」なのだ。これぞ、うまい方法というものだ。

 《 加筆 》
 新たな記事が出た。
 立憲民主党の野田佳彦代表は8日、党のX(旧ツイッター)の動画で、衆院法務委員長のポストを確保したのは選択的夫婦別姓の実現が狙いだと明らかにした。「野党は協力できると思うし、公明党も多分賛成だ。自民党を揺さぶるには非常に効果的な委員会だ」と語った。
( → 野田佳彦氏「別姓実現が狙い」 法務委員長ポスト確保|47NEWS(よんななニュース)

 これを読むと、「立憲もちゃんとやっているな」と評価する人も出てきそうだが、それは早計だ。
 「自民党を揺さぶるには非常に効果的」と野田は述べているが、これは見当違いだ。目的を間違えている。自民を揺さぶるというのは、負け犬根性だ。最初から負けを前提にしている。愚の骨頂。
 別姓法案を出す目的を理解するべきだ。それは国民党と公明党を取り込んで、四党連立政権を構築することだ。つまり、政権を獲得することだ。……この最終目的を見据えることが必要だ。(野田はそれができていない。目先の小さな戦術にとらわれて、大局的な戦略がない。大敗は必至。)

 若者が国民党を支持したわけ


 今回の選挙分析では、「若者が国民党を支持した」という傾向のデータが判明している。
  → 【速報・出口調査】比例投票先 20代と30代は国民民主党がトップ(2024年10月27日掲載)|日テレNEWS NNN

young-vote.jpg


 では、どうしてこうなったのか? これについては、次のように解釈する声が多い。
 「若者は国民党の減税案などを支持したので、国民党に投票した」
 なるほど、いかにもそうであると見える。だが、この説は成立しない。なぜなら、選挙の直前まで、国民党の支持率はおおむね1〜2%ぐらいにすぎなかったからだ。その時点の世論調査でも、常にその程度である。もちろん、選挙の直前でもそうだった。
 つまり、国民が国民党を支持しているというデータはまったくない。若者に限っても、そんなデータはない。ではなぜ、選挙では大幅に票を増やしたか?
 「大勢の国民がいっせいに自民党支持から国民党支持に転化したからだ」
 という解釈がある。だが、そんなことは、ありえない。たったの半月ぐらいで日本人の多くの人々の支持政党が替わることなど、ありえない。
 では何があったか? こうだ。
 「基本的には自民党支持である。だが今回は、お灸を据えるために、一時的に国民党に票を入れただけ」
 これが妥当だろう。つまり、「自民支持だが、国民党に票を入れた」ということだ。
 ここまで見れば、若者が国民党に投票した理由もわかる。それは、若者はもともと自民党支持が多いからである。前から何度も指摘されたように、若者は自民党支持が多かった。特に、安倍支持が多かった。特に若者は、「自民党は若者を支える最高の政党だ。特に安倍首相は最高だ」と信じていた。
  →  https://x.gd/YBF96
 若者たちは自民党を支持する。そういう時代がずっと続いていた。こうして、もともと「自民党支持が多い」という状態が続いたのだ。
 そういう過去があったがゆえに、今回は、「本来は自民党支持だが、一時的に国民党に投票した」という若者が多かったのだ。

 これが真相である。「若者は国民党支持が多くなった」と思うのは、とんでもない勘違いだ。
 比喩。男と女が交際していたが、男が浮気をした。すると女は怒って、他の男にすり寄った。当て馬ふうに。このとき、当て馬となった男は、「おれは急にモテるようになった」と勘違いする。だが、8カ月後には、女と男はよりを戻すので、当て馬となった男は捨てられる。……ここで女に文句を言う。「きみがおれと付きあったのは、おれを好きになったからじゃないのか」と。しかし女は答える。「馬鹿ね。私があなたを好きになるわけがないでしょう。私が好きなのは、昔も今も、ずっと自民ちゃんよ。だけど彼が浮気をしたから、一時的にあなたと付きあっただけよ。本心では、あなたのことなんか、好きになるわけがないでしょう。自惚れないで。あなたはただの当て馬よ」

 ──

 ついでだが、次の記事がある。
  → いったいなぜ自民党はこれほど負けたんだ?
 ここでは「裏金なんてやってるに決まってるだろ?やってないと思うほうがどうかしている」と述べている。つまり、裏金は自民の大敗の理由にはならない、と。
 これはいわば、「浮気なんてやってるに決まってるだろ?やってないと思うほうがどうかしている」と述べるのと同様だ。たしかに浮気をしている人もいるが、していない人も多い。なのに、「誰もが浮気をしている」と強弁したら、そんな奴は女から捨てられるのも仕方ない。少なくとも、一時的には。
 多くの人々はもともと自民支持なので、やがてはまた自民支持に戻るだろう。国民党支持だった票は、やがては離れていくだろう。たしかに、将来はそうなる。だが、そうだとしても、少なくとも先月の時点では、大多数の人々は自民にお灸を据えようとしたのである。

 そして、現実に、自民にお灸を据えたなら? それはそれで、もはや満足だ。だから、選挙のあとでは、「裏金問題を追及しよう」という声はまったく上がらない。国民党の減税案のことばかりを話題にしている。
 このことからしても、裏金問題は本質的ではなかったとわかる。大事なのは、自民党にお灸を据えることだけだったのだ。そして、今回はお灸を据えたが、8カ月後には、ケロリと忘れて、また自民支持に戻るのだ。よりを戻す形で。
 そのとき、自民党は過半数を獲得するだろう。一方、立憲は議席数を激減させるし、国民党は壊滅状態になるだろう。(元の木阿弥ふうだ。いや、もっと悪いかも。)
 なぜそうなるか? それは、そうなることを立憲も国民党も予見できないからだ。つまり、本サイトを読んでいないからだ。(読めばわかるのに。)

 
 
posted by 管理人 at 23:33 | Comment(1) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 真ん中へんに   《 加筆 》  を挿入しました。夫婦別姓に対する 立憲の方針を示した記事の紹介。
Posted by 管理人 at 2024年11月10日 10:27
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