野党連立政権には、難点がある。衆参のいずれも議席数が十分でないことだ。この問題をどうする?
──
問題
野党連立政権には、難点がある。衆参のいずれも議席数が十分でないことだ。
衆院では、三党の議席数を足すと、自公を上回るが、いまだ過半数に達しない。これでは、不安定である。共産党やれいわの協力が必要となるが、離脱する危険があり、安定性が乏しい。
参院ではもっと問題だ。自公が多数派を占めていて、このままでは法案を通すこともできない。国政が停滞しかねない。その意味でも不安定だ。
このように二重に問題がある。困った。どうする?
四党連立
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。あっと驚く、画期的な方法だ。
それは、公明を連立政権に取り込むことだ。先に「野党連立で三頭立て」という案を示したが、それを拡張して、「野党連立に公明党も取り込んで、四頭立て」にすればいいのだ。四党連立政権だ。
このようにして、公明党を取り込めば、先の問題はあっさり解決する。
(1) 衆院では、完全に解決する。自民党は過半数を大幅に割り込み、一方で、四頭連立は過半数を大幅に上回る。もはや、共産党やれいわの協力は必要ない。公明党が三党に加わると、自公の側が(自民単独になって)大幅に減るから、新たな四党連合は安定多数となるのだ。
(2) 参院でも、ほぼ解決する。参院は定数が 248 だが、現状では自民が 113、非自民が 127、欠員が 8 だ。非自民のうち、無所属が 9 だが、その多くは野党系だ。ゆえに、公明党が自公を離れれば、四党連立が過半数をわずかに上回ることになる。これで法案を通すことができる。
以上の (1)(2) で述べたようにして、問題を解決することができる。
なお、裏付けとなるデータは、下記の議席数だ。(2024-11-05 現在)
衆参の会派別勢力は次の通り。
【衆院】
自民党・無所属の会197▽立憲民主党・無所属149▽日本維新の会38▽国民民主党・無所属クラブ28▽公明党24▽れいわ新選組9▽共産党8▽有志の会4▽参政党3▽日本保守党3▽無所属2
【参院】
自民党113▽立憲民主・社民・無所属42▽公明党27▽日本維新の会18▽国民民主党・新緑風会11▽共産党11▽れいわ新選組5▽沖縄の風2▽NHKから国民を守る党2▽無所属9▽欠員8
( → 衆議院、自民党会派 - 日本経済新聞 )
公明党
とはいえ、公明党を取り込むには、そのための材料が必要だ。それは、何か?
相手が国民党ならば、「首相の座」を提供すればいい。「玉木首相を実現する」と言えば、国民党は喜んで連立政権に加わるだろう。
しかしこの方針は、公明党には通じない。なぜなら、公明党の新代表は、中野洋昌 だが、この人はまったく経験不足だからだ。行政の役職の経験がまったくない。党の役職を務めてきただけで、政府における役職は皆無である。(副大臣にすら任命されたことがない。)また、公明党でも、代表になるのは将来のことであって、現時点ではまだ代表になっていない。
このような素人(行政の未経験者)が首相になることはありえない。つまり、公明党としては、首相となる人物を送り出したいのだが、そのような人物がいないのである。「首相の座を与える」と言われても、それを受け取ることができないのだ。(前代表ならば、何とかなっただろうが、前代表は、今回の選挙で落選したので、無理である。)
というわけで、公明党を取り込むための材料がない。困った。どうする?
比例区の拡大
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。
公明党を取り込むための材料を、新たに出す。それは、比例区の拡大だ。現状では、小選挙区289人、比例区 176人だが、これを半々ぐらいの比率に改める。つまり、小選挙区の定数を大幅に減らして、比例区の定数を大幅に増やす。現状では総数で 465 だが、これを 230+230 ぐらいに改定する。
その効果は? 「小党に有利な比例区が増えることで、比例区の議員数が中心である公明党にとっては大幅に有利になる」(議席数が増える)ということだ。比例区が 176 から 230 に増えると、31% 増になる。公明党の比例区の議員数も、それだけ増えることになる。今回は 20議席だから、それが 26議席に増えることになる。一方で、選挙区は現在 4議席だから、これが1議席減ったとしても、たいして損害はない。結果的に、大幅にお得である。
( ※ この効果は、国民党や維新にも及ぶ。ゆえに、この両党にとっても、有利になる話だ。)
さらに、次のことも追加で実施するといい。
「選挙制度で、1票の格差を縮小して、格差を 1.3倍以内になるように、最大限の努力をする。このことで、地方の議席数を減らして、都市部の議席数を増やす」
こうすれば、都市部に強い公明党は、小選挙区でも議席を取れる可能性が増える。
また、参院選でも同様に、1票の格差を縮小すると、参院選でも、公明党の議席数が増える。
以上のようなこと(比例区の定数増・1票の格差の縮小)は、野党三党では実現できないが、公明党を含めた四党連立政権ならば可能である。衆院でも参院でも多数派になるからだ。
このことを材料として提供すれば、それが公明党への餌となるので、公明党を四党連立政権に取り込むことができる。
そして、いったんこのように四党連立政権が実現すれば、このあとは永続的に四党連立政権が続くことになる。自民党政権が復活することはなくなる。なぜなら、自民党政権を成立していた「歪んだ選挙制度」がなくなるからだ。「33%の得票率で 55%の議席を獲得する」という「歪んだ選挙制度」がなくなるからだ。
選挙制度が公正になれば、以後、日本は民主主義が成立するので、これまでのような「自民党独裁」の制度は崩壊するのだ。かくて自民党は永続的に政権から遠ざけられる。
何という素晴らしいアイデアか。ユーレカ!
公明党の名分
公明党が自民から三党に鞍替えすることには、名分が必要だ。単に鞍替えするだけでは、「裏切り」扱いされるからだ。では、どういう名分を取るか?
それは、簡単だ。「三党連立政権は不安定だから、自党が加わる。こうして政権を安定させることで、国民に奉仕する」ということだ。これならば、名分が立つ。
しかも、である。これは前回、野党系から自民に鞍替えしたときの名分でもあるのだ。公明党は長らく野党系に属していたが、自民が過半数にギリギリだったときに、野党系から自民に鞍替えした。かくて自公政権ができた。公明党は裏切ったわけだが、その裏切りの名分が、上の名分だったのだ。「政権を安定させることで、国民に奉仕する」と。
だから今回も、同じ名分で、野党系に鞍替えすればいいのだ。公明党ならば、それができるはずだ。なぜなら、一度裏切った者は、また裏切るからだ。それが歴史の必然なのである。
特に、今は代表が切り替わったときだ。新代表ならば、それができる。時期も熟しているのである。秋の柿のように。
※ 次項に続きます。
女性のイラストのあとで。