2024年11月03日

◆ 連立政権の行方 .3

 ( 前回 の続き )
 河野洋平が政権を取ったのは、譲ったからだ。野田が政権を取れないのは、譲らないからだ。

 ──

 ここ数日間の流れ 


 ここ数日の間に、流れがすっかり定まった。国民党(国民民主党)は、立憲を袖にして、自民党にすり寄ることになった。では、どうしてそうなったか? 
 これは、前回の話と比べると、わかりやすい。首相の座を誰が取るか? 自分が取るか、他人が取るか?
 河野洋平はそれを譲ったから、自分たち全体で政権を取った。野田はそれを譲らなかったから、自分もまた政権を取れない。
 利口な人は、自分の欲を抑えて、部分を得る。欲張りは、すべてを望んで、すべてを失う。





 ギブ・アンド・テーク


 政界やビジネスなどでは、信義上の原則がある。それは「ギブ・アンド・テーク」という原則だ。自分だけが取るのでは駄目だし、相手だけが取るのでも駄目だ。双方が応分に取る必要がある。取る比率は、勢力の比率である必要はなく、むしろ、キャスティング・ボートを握る者が多めに取る。……これが一般的な原則だ。
 こんなことは、いちいち私が解説するまでもない。誰もが知っている。馬鹿でもわかる。……しかし、立憲の野田だけはそれを理解できない。
 野田は何と言ったか? あちこちの記事に書いてあるが、どの党に対しても「首班指名投票では野田と書いてくれ」と要請しただけだ。つまり「票をくれ」と要請しただけだ。これは「ギブ・アンド・テーク」ではない。一方的な「テーク」だけだ。世の中の常識に反する一方的な方針だ。
 しかも、もらうだけならば、乞食か物乞いのような頭を下げるべきなのに、頭を下げることもしないで、一方的に要求する。「それが人にものを頼む態度か」と、どやしつけてやりたくなるほどだ。 
 ほとんど強圧的な強奪にも近い。まるでジャイアンだ。その方針はジャイアニズムだ。「自分がすべてを取る。相手には何一つ与えない」という方針。「おれのものは、おれのもの。ひとのものも、おれのもの」というジャイアニズム。
 これが野田の方針なのだ。呆れるほかない。

 持ち回り制


 野田を批判するだけでは意味がない。かわりに、代案を示すべきだろう。
 では、代案とは? もちろん、「ギブ・アンド・テーク」という方針だ。「得るだけでなく与える」という方針だ。
 では、具体的には? それは、「持ち回り制」だ。首相の座を交替する。二党ならば、かわるがわる交替すればいいが、三党ならば、順番にする必要があるだろう。
 たとえば、こうだ。
 最初は国民党。以後は、4カ月交替で、各党が順に務める次のように。
    国民党 → 維新 → 立憲 → …… 

  ※ 議席数を考慮して、立憲の期間は2倍ぐらいにしてもいい。

 なお、4カ月(首相在任中)以外の期間はどうかというと、前出の「三人の副首相」という制度を取る。したがって、この方式によって、玉木は首相を退任したあとも、副首相の座をずっと務めることになる。
  → 連立政権の構想(2通り): Open ブログ



 「持ち回り制」に対する、各党の方針はどうなるか? 以下では、それを予想しよう。

 国民党


 国民党は、「持ち回り制」に不満はあるまい。自民への協力では、玉木は首相になることはできないが、立憲との連立ならば、玉木は4カ月間は首相になれる。しかも、最初に首相になれるので、今すぐ首相になれる。その点で、優遇される。約束が反故にされる恐れもない。非常にお得である。
 国民党は、首相指名投票で「野田と書くのはイヤだ」と言っている。だが、「玉木」と書くのならば文句ないはずだ。自分が言い分を通したのだから、あとでは立憲に協力してもいい、と思うはずだ。

 ※ 「首相を務めたあとで、約束をホゴにして、自民党の側に寝返るかも」という懸念もあるだろう。たしかに、その懸念はある。玉木ならば、容易に裏切るだろう。とはいえ、寝返っても、首相にはなれない。一方、野党連立ならば、1年後には二度目の首相になれる。また、それ以外のときも、副首相になれる。ゆえに、野党連立の方がお得である。自民の腰巾着になるより、ずっとマシだ。……ゆえに、エゴイストの玉木であるからこそ、得をする野党連立から離れられないことになる。裏切りやすい奴だからこそ、裏切らないのだ。


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 維新


 維新はどうか? 国民党とはちょっと事情が異なる。というのは、代表選が行われる見込みだからだ。(各社報道)
 ここで、新代表が誰になるにしても、その新代表は小物である。世間ではとても名の知られていないような小人物だ。そんな小人物が日本の首相になるというのでは、国民が不安になる。とすると、「三党の持ち回り」は成立しなくなる。
 では、維新を抜いて、国民党と立憲の二党だけで、持ち回りを成立させるか? いや、それだと、維新が不満になる。だから維新は野党連立に加わらない。となると、野党連立が政権を取ることもできない。これでは、どうにもならない。困った。どうする?

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「持ち回り制の順序を変える。2番目は維新でなく立憲とする。つまり、
    国民 → 立憲 → 維新
 とする。
 その上で、参院選後には、参院の新議員のなかから、維新の新代表を選ぶ。それは、吉村か橋下だ。この二人が参議院議員となればいい。そして、この二人のいずれかが維新の首相となり、8カ月後から首相となればいい」


 この場合、吉村や橋下は、次期首相になることが確定済みだ。かくて、次期首相の顔を出して、参院選を戦える。
 「次期首相の吉村です。維新に票を下さい」
 「次期首相の橋下です。維新に票を下さい」
 こう訴えることができる。こうすれば、参院選では維新が大幅に議席増を狙える。それなら、維新としては文句あるまい。大幅な議席増と、維新の首相の、双方を狙える。大満足だろう。
 なお、首相は4カ月交替だから、吉村と橋下の二人がともに首相になることも可能だ。(順番で)

 共産


 共産党はどうか? 「野田と書いてもいい」と言っている。かなり、まともな判断力がある。とすれば、「自公政権よりは野党連立政権の方がマシ」という判断ができるので、「閣外協力でもマシだ」と感じて、野党連立政権に協力することになるだろう。
 私の提案は、「閣内で無任所大臣になる」という案だ。これが現実的だろう。
   → 連立政権の構想(2通り): Open ブログ

 ※ 「共産党を無任所大臣にする」という提案については、国民党や維新が反対する可能性がある。その場合は、こう言えばいい。
 「新たに提案します。そちらの党の担当は、無任所大臣のみとします。かわりに副首相として、共産党を招きます。これで、そちらの党は、無任所大臣のみとなるので、優遇されたことになりますね。あなたがそう言ったとおりにね。だから、文句は言わないでね。なお、(国民党・維新とで)三党連立政権を組むという方針は、取り下げます。あなたが反対したせいです。すべてはあなたの発言が原因です。では、この新たな提案を持って、そちらの党本部にお帰り下さい」
 ここで「待ってくれ」と言われそうだが、「さっさと出ていけ」と追っ払え。後日、頭を下げてきたら、受け入れてあげればいい。雨降って 地固まる。





 ※ 次項に続きます。

 
posted by 管理人 at 23:20 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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