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私は前に別のところで、こう書いたことがあった。
「投票に行かない人は、政治について発言する資格がない。投票に行かないくせに政治について発言するのは自己矛盾だろ。黙っていろ。」
一方、この手の意見に反発する声が話題になった。
《 選挙に行くだけで偉い、選挙に行かない奴は政治に文句言う資格ない ← そんな訳ねえだろ バカがよ 》
投票権を放棄したことのある奴は被選挙権を失くすとか公職選挙法に書いてあるか?
アリバイ作りのためだけに選挙に行くな。てめえがそれで安心するなら行ってもいいけど選挙に行かない奴を見下すな。
( → はてな匿名ダイアリー )
口は汚いが、一理ある。では、これにどう答えるか?
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私の見解を言おう。
投票に行かない自由はある。だから、投票に行かなくてもいい。ただし、投票に行かないのなら、その事実を明言するべきだ。「私は投票に行きませんでした」と。
その上で、政治について偉そうに語れば、人々から軽蔑されるだろう。自民や立憲について批判した上で、最後に「私は投票に行きませんでした」と語る。すると彼の話を聞いた人は「おまえは何を言っているんだ」と、疑いの目を向けるだろう。(ミルコ・クロコップみたいに。)
つまり、「私は投票に行きませんでした」と語ることは、自分の政治的主張のすべてを失墜させる。馬鹿丸出しである。「私は馬鹿です」という看板を首からぶら下げているのも同然だ。人々から軽蔑されるだけだ。
それでもいいのなら、投票に行かなくてもいい。
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まとめて言おう。
投票しない自由はある。
政治的主張をする自由もある。
しかし、投票しないで政治主張をすれば、語り手には信頼性がなくなる。つまり、信頼性の問題なのだ。
冒頭の引用文では、「選挙に行かない奴を見下すな」という反論があった。しかしこれは誤解だ。「選挙に行かない他人」は、批判の対象とならない。「選挙に行かない自分」が、批判の対象となる。自分で自分を許せなくなる。
つまり、「投票しないで政治主張をするな」というのは、他人を見下すための言葉ではなく、自分を律するための言葉なのだ。自分がまともな人間になるための言葉なのだ。
それを失ったとき、人間としての信頼性を失うわけだ。
※ ちなみに私は、近年の国政選挙では投票している。だから偉そうなことを言える。(偉そうなことを言いたいがために、投票に行くわけだ。)
※ そもそも、誰もがみんな投票に行かなくなったら、民主主義は形骸化してしまう。それではまずい。民主主義を守るためには、みんなが自分の意思を明示することが必要なのだ。その意味では、「投票はなかば義務的だ」と言っていいだろう。
( 投票しなかった人に罰金を科する必要はないが、投票した人に ご褒美を与えることはあってもいい。たとえば、缶飲料をプレゼントする。)
※ 投票が義務的であることは、納税の義務に似ている。「おれ1人が納税しなくても、ほとんど影響しないだろ」と思って、各人がみんな納税をサボったら、国家や自治体は崩壊してしまう。その意味で、投票をサボるのは、脱税に似ている。(「ふるさと納税」という「ふるさと脱税」にも似ている。)……要するに、良心の問題なんだよ。
江口 寿史。
選挙、行った? pic.twitter.com/ctLMfHTXTy
— 江口寿史 (@Eguchinn) October 27, 2024
行きました。
— 温泉郷に住みたい青姐 (@365HOTspring) October 27, 2024
帰ったらポストにこんなものが。柏市民で良かった!
ありがとうございます。 pic.twitter.com/NyZnr5KVv6
[ 付記 ]
「白票は白紙委任状と同じだから、駄目だ」
という見解がある。
→ 相手の勝手をゆるすという意味で「白紙委任状」という言葉がつかわれているのだから、「白票」も政治家の勝手をゆるすことにしかならないとは思わないのだろうか - 法華狼の日記
これについては賛否両論があるだろうが、私は「白票でもいい」という立場だ。白票でも、与党支持でも、野党支持でも、それはあくまで個人の自由だ。「投票の自由」は憲法で保障されているからだ。(憲法第15条と第44条)
ついでに上のページ(タイトル)に反論しておこう。
白票であろうとなかろうと、政治家は権力を委任される。白票には依存しない。白票は他の投票者に委譲するだけだ。
また、白紙委任状は、ただの白紙とは異なる。白紙委任状には「委任します」という言葉と署名が必要だ。それがなければ、ただの白紙だ。(なお、白票はただの白紙だから、白紙委任状ではない。)
【 関連項目 】
マイナカードだけでも投票できる……というのが建前だが、現実にはできなかった、という報告。(2021年の選挙で。)
→ マイナカードで投票できるか?: Open ブログ
この時点では、マイナカードリーダーも用意されておらず、すべて手動だ、というありさまだった。
今はどうなったか、再度調べたい気もするが、私はもう面倒臭くなった。かわりに誰か、試してみて下さい。
【 追記 】
投票してきました。
マイナカードの対応は、3年前と同じでした。マイナカードリーダーなし。人力対応。手書き入力が必要。 → 面倒臭いので、さっさと投票券を出して投票しました。「実は投票券はあります」と言って、隠していたのを取り出したら、お姉さんが(呆れて)笑っていた。
典型的なのは北朝鮮で、総書記が1人で奪って、国民は奪われるだけ。国民は次々と大量に餓死する。一部はウクライナに送られて戦死する。……それがあなたにとって理想の国家だ。
北朝鮮に行け。そこで餓死しろ。それがあなたの望みを実現する方法だ。民主主義の逆で、選挙権はないので。