2024年10月08日

◆ 被災地を復興するな .3

 ( 前項 の続き )
 被災地の事例として、山形の水害を取り上げる。

 ──

 山形の水害……警察


 山形の水害もある。もう忘れてしまった人も多いだろうが、先の7月に、線状降水帯による大水害があった。この件は、本サイトでも言及した。
  → 山形の洪水の教訓: Open ブログ

 特に、パトカーで救助に向かった警官2名が死亡した件にも言及した。
  → 救助する警察官が死亡: Open ブログ

 その後、本日になって、この件について調べた報告が出た。
 山形県の最上地域などを襲った7月の豪雨で、救助要請を受けて現場に向かった新庄署の警察官2人が殉職した経緯などについて、県警は当時の状況の詳細を明らかにした。冠水した現場に到着してわずか5分後には、2人がパトカーごと流されていたことなどが、調査結果から浮かび上がった。
 午後11時31分ごろに現場へ急行。同33分ごろ、冠水した現場近くの道路にパトカーで進入した。その5分後の同38分ごろ、冠水した道路に入らないよう新庄署から無線で指示があり、バックして脱出を試みていたが、パトカーごと流されていたことが回収したドライブレコーダーから確認された。水位は約80センチだったとみられる。
 同43分ごろ、玉谷警部補から「パトカーごと流されている」と110番通報があった。
 2人が乗っていたパトカーにはライフジャケット(救命胴衣)が装備されていなかった。これを受け、県警は署外活動を行う可能性のある警察官1241人分のライフジャケットや水難救助時に使うヘルメットを追加配備する方針を決め、……
( → 「パトカーごと流されてる」 豪雨で殉職の警察官2人、状況明らかに [山形県]:朝日新聞

 死亡事故を防ぐ対策はライフジャケットだという。呆れる。これではまたしても死者が出るだろう。
 では、どうすればいいか? 前出項目ではこう述べた。
 そもそも、結果を見れば、警察が出る必要はまったくなかった。何もしないで放置しておけばよかった。そうすれば、豪雨の終了後に、救助隊が助けてくれて、何事もなかったはずだ。(実際、そうなった。)
 仮に状況が最悪の場合(今にも水没しそうな場合)であっても、専門装備をもつ救助隊が向かえばいいのであって、それまでは警察は何もしないで待機しておくべきだった。「警察が何もしないと、死んでしまうかも」という心配は不要だ。このような豪雨の中にわざわざ出向くような民間人は、自殺志願者と同じなのだから、死んだとしても、構わずに放置すればいい。自業自得というものだ。
 一方で、警察が現場に出向くというのは、絶対にやってはならないことだ。すでに気象庁が「危険なので出向かないでください」と訴えて、NHK が何度も放送していた。こういう警告が専門家から出ていたのだ。なのに、その警告を無視して、警察が出向いた。
 ここで、出向いたのが警察官の個人の判断であるならば、「愚かな判断だ」ということで済む。しかし、警察の本部が「救助に出向け」と指令したのだとすれば、これは、警察という組織全体が狂っているということだ。そのせいで、警察自身が人を死なせたことになる。
( → 救助する警察官が死亡: Open ブログ

 まとめて言えば、こうだ。
  ・ 豪雨のときには、警察は出向くな。(二次災害になりがち。)
  ・ 救助はすべて、救助隊に任せよ。
  ・ 警察にはそもそも災害救助の能力はない。


 このうち、最後の点は重要だ。つぎのことによる。
  ・ 警察は災害救助の訓練を受けていない。
  ・ 消防署員よりも、はるかに素人だ。
  ・ 装備も圧倒的に劣る。


 このうち、装備は、ライフジャケットのような人的装具だけではない。機械装備がそうだ。自動車は乗用車のパトカーだから、水深 20cm ぐらいで動けなくなる。その後は、どんどん寄せてくる洪水に溺れて、死ぬしかない。(今回がそうだ。)
 洪水のさなかに出向いていいのは、消防車や大型トラックのような大型車だけだ。四駆の SUV でも乗用車タイプは怪しい。軍用車みたいなジープタイプなら、何とかなるかも。ともあれ、普通のパトカーなんて、絶対に駄目だ。
 なのに上記記事によると、警察はまたしてもパトカーを送るつもりらしい。とんでもないことだ。ここでは防災庁がきちんと止めるべきだ。
 「洪水のときにはパトカーを出すな。無謀に外出した愚か者は、見殺しにするのが正しい」
 と述べるのがいい。これは、玄倉川で流された人を放置するべきなのと、同様だ。(無理に救おうとして救助者が死ぬのはいけない。)





 ちなみに、二次災害(二重遭難)を扱ったドラマがある。
  → ブルーモーメント | ストーリー 第2話 - フジテレビ
 崖から落ちそうになった遭難者がいる。それを救おうとして、隊長が危険を冒しても、救助しようとした。遭難者が崖から落ちる寸前で、隊長が間に合ったので、遭難者は見事に救われた。……と思ったが、その直後に、崖が崩れたので、二人とも崖から落ちて、死んでしまった。かくて、二重遭難。

 ドラマでも言われていたが、救助隊員の鉄則がある。
 「救助隊員にとって最も大切なことは何か? それは自分の生命を守ることだ」
 ということだ。遭難者を救おうとして自分が死んでしまっては駄目なのだ。そんなことでは命がいくらあっても足りないからだ。

 警察もまた同じ。救助の要請者を救うことは第一目的ではない。むしろ放置することが第一目的であるべきだ。救うことは、警察がやるべきことではなく、(プロの)救助隊員がやるべきことなのだから。

 《 加筆 》
 「豪雨の中では外出しないでください」と気象庁が警告を発している。なのに外出するというのは、その警告に反することだから、ルールの逸脱であり、違法行為に近い。法を守るべき警察が、違法行為みたいなことをするのは、論外だ。(プロの)救助隊員は別だが、ただの警官がルール違反をするなんて、論外である。警官による犯罪というのに近い。警官がルールを破っちゃ、おしめえよ。

 山形の水害……AI


 山形の水害について、全般的に知るには、AIに質問するといい。回答を得られる。Perplexity の回答を示そう。
質問:山形の水害の特徴は?

回答:山形県の水害には以下のような特徴があります:
地形的特徴
 山形県の河川は、急峻な地形により短時間で洪水が集中しやすい特性を持っています。
  • 山形盆地を中心とする地域は、東西の分水嶺に源を発する急流河川が多く、流路が短いです。
  • 山地の降雨が短時間で平地に到達し、洪水が一時に集中する傾向があります。
  • 最上圏域では、山々が平地部近くまで迫り、河川が扇状地を一気に流下するため、洪水の流出が短時間に集中します。

 地形についても質問する。
質問:山形の水害の場所は?

回答:主な被害地域は以下の通りです:
  ・ 戸沢村: 最上川の氾濫が発生し、蔵岡地区では住宅地一帯が水につかり、約40人が取り残されました。
  ・ 新庄市: 最上川の氾濫による被害が報告されています。
  ・ 遊佐町: 約350件の住宅浸水被害が報告されています。





 内陸部の被害状況については、次の記事に報道されている。(戸沢村、新庄市)
  → 山形 記録的な大雨で被害深刻な戸沢村 川沿いで5.7m浸水か | NHK | 気象
 最上川周辺でひどい洪水があったようだが、最上川のうねる川筋の影響もあったらしい。
 だが、地図と照合すればわかるように、ここでは何よりも重要なことがある。洪水の起こった場所は、いずれも「川沿い」であることだ。
 このような「川沿い」の場所が危険であることは、前出記事でも指摘した。そのことは、前項の最後の (3) に記したとおりだ。「危険地帯の居住は駄目だ」と。

 このことを基本に据えて、上記の3箇所について、個別に論じよう。




 ※ 次項に続きます。

 
posted by 管理人 at 22:43 | Comment(0) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ