日本政府の方針は、結果的に、亡国の方針となった。
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非正規推進による非婚化
すでに述べたように、経団連が(自己利益のために)非正規雇用に邁進して、同時に、政府はそれを推進するために、非正規雇用をする企業を優遇した。「非正規雇用における企業負担を免除する」という形で。
その際、それにかかる費用は、「低所得の正社員の社会保険料を値上げする」という形で、低所得の労働者に転化した。
かくて、日本では、(空前とも言えるほどにも)企業の利益が増えた。それにともなって株価は急上昇した。安倍政権では「株価急上昇はアベノミクスのおかげ」と自画自賛した。
しかしその一方で、所得を奪われた低所得層はどんどん貧困化した。
さて。このような状況(企業ばかりが儲けて、国民は貧困化する状況)は、結果的に、何をもたらしたか? それは、非婚化だ。
「若い年齢層で所得が低下しすぎたせいで、結婚することが困難となり、非婚化が進んだ。それは一時は『晩婚化』と見なされることもあったが、年を取って結婚するようになったのではなく、単に結婚できない人が増えただけだった」
つまり、「金がないせいで結婚できない」という形で、非婚化が進んだのだ。
非婚化ゆえの少子化
そして、非婚化の結果は? ご存じの通り、少子化である。
結局、非正規を増やすという方針は、「非婚化にともなう少子化の推進」という形で、少子化の結果をもたらすようになったのである。
この件は、前にも詳しく述べたとおり。いくつかのグラフとともに詳しく解説している。
→ 少子化の対策 .2(企業責任): Open ブログ
少子化ゆえの亡国
話はこれで終わりではない。少子化という状況は、「生産年齢人口の減少」という形で、国全体の生産力を低下させている。この件は、下記で示した。
→ 経済成長と少子化対策: Open ブログ
ここからグラフを転載すると、こうだ。(クリックして拡大)
別項:日本のマイナス成長はなぜ?
出典:総務省|平成28年版 情報通信白書
2000年には、生産年齢4人で、高齢者1人を支えた。
2025年には、生産年齢2人で、高齢者1人を支える。
2050年には、生産年齢1人で、高齢者1人を支える。
↓
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こういうふうになっていくのだ。これではもはや、まともな社会は維持できなくなる。
そして、これほどにもひどい結果をもたらす「少子化」を推進したのが、政府なのだ。「非正規労働の優遇」という形で。
まとめ
結局、「企業利益の拡大」を狙って、「非正規雇用の推進」をめざしてきたのが、歴代の自民党政権であった。その結果として、日本はまさしく「非正規雇用だらけの社会」となったが、同時に、金を奪われた国民は貧困化して、結婚もできなくなり、子供も産めなくなり、少子化が進展した。
政府が亡国政策をとったおかげで、日本はどんどん亡国に至る道を進んだ。レミングのように。
レミングの集団自殺(想像図)
ともあれ、その結果として、日本は地獄に落ちることとなった。
地獄へ至る道は政府によって舗装されている。だから日本は亡国の道を進んで、奈落の底に落ちていく。
これはいわば、ハーメルンの笛吹きにも似ている。
いずれにせよ、国民は地獄に落ちるしかない。
それはまさしく地獄と言える。それはもはや人間の生き方ではないのだ。
→ 非正規生活を20年くらいやったから分かるけど、あんなの普通の神経の人は耐えられん→自営業や個人事業主もそうだし正社員でも不安
自業自得
ただしそれは、初めからわかっていたことだ、とも言える。企業にとって労働者とは、自分の利益を増やすための道具であるにすぎない。労働者がどれほど地獄に落ちようと、知ったことではないのだ。企業は単に自分の利益が増えさえすればいいと思っているのだ。
そのことは、ユニクロの柳井の発言を見てもわかる。彼がめざしているのは企業の収益だけであって、社員の幸福ではないのだ。社員はあくまで、収奪・搾取される(食い物にされる)ための存在なのだ。
「人を不幸にすることによって自分が利益を得るボタンがあります。このボタンを押しますか?」
たいていの人は、良心があるがゆえに、押すのをためらう。しかし、ユニクロの社長を初めとして、たいていの企業の経営者は、ためらいもなく、このボタンを押す。
同様に、政府もまた、この方針を取る。
だから日本は全体として、亡国の道を進んで行くのだ。
(2)ITなどを積極的の導入して正規雇用を減らして利益率を上げ外国に勝つ。その代わり非正規や失業者が増えて格差が拡大し、少子化も加速して亡国につながる。
(1)が日本の多くの企業が直面している課題で、(2)が管理人さんが心配されている亡国への道ですが、(1)の方が大きな問題だと思います。(2)の問題は韓国が良くも悪くも先例を作ってくれています。米国も(2)の型ですが常に技術の最先端を走っているのと、強大な軍事力を背景にしたパワーで世界を牛耳っています。中国がそれらを脅かしかけているので少し焦っている感じですね。
「技術立国日本!」の声が聞かれなくなったのが一番さみしいです。
そんな会社はありません。とっくに潰れて、消滅している。
馬鹿とアホの道以外に、まともな道もあります。
まともな道とは? 世界中のどの国もやっている。普通に働くことです。日本だけができない理由がない。
なのに現実には、日本だけができていない。なぜか? その理由は、本項に記してある。ハーメルンの笛吹きのせいだ。