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台風 10号の大雨で、地下神殿が稼働したのが、ネットで話題になっている。
#江戸川河川事務所 は、#台風 第10号接近に伴う降雨により8/30(金)午前2時に注意体制に入りました。
— 国土交通省 江戸川河川事務所 (@mlit_edogawa) August 30, 2024
動画は午前5時10分頃、首都圏外郭放水路調圧水槽に増水した川の水が流入する様子です。地下放水路を通して #洪水 の一部を江戸川へと流すことで流域の被害を大きく軽減することができます。#地下神殿 pic.twitter.com/kUwLBLl1rz
今回の #台風 第10号では、#首都圏外郭放水路 の第2・第3・第5立坑に増水した川の水が流入しています。
— 国土交通省 江戸川河川事務所 (@mlit_edogawa) August 30, 2024
この動画は第3立坑で、中川方面を向いたカメラから撮影した、倉松川からの流入の様子です。第3立坑では不要な抵抗を発生させない、渦流式ドロップシャフトを採用しています。#地下神殿 pic.twitter.com/oFEfMrul57
このおかげで助かった、と歓迎する声もある。
今めっちゃ稼働して首都圏守ってます??
— Yuji Shibasaki@Photo (@Yuji_48) August 30, 2024
→ 台風に伴う大雨であの埼玉の地下神殿 “首都圏外郭放水路” が稼働した「これは凄い」「ちょっと感動してる」
だが、このような理解は間違いだ。地下神殿は、東京を水没させないためにあるのではなく、東京を水没させるためにある。
詳しい話は、下記で示した。
→ 地下神殿(首都圏外郭放水路): Open ブログ
ここで、こう解説している。
つまり、江戸川よりも西側の地域で洪水が発生するのを防ぎ、その水を東側の江戸川に流し込む。
結果的に、春日部周辺の田畑は洪水から救われるが、江戸川に入る流水量は増えるので、江戸川の下流域はかえって危険になってしまう。
以上をまとめて言えば、次のようになる。
「中流の田畑を洪水から防ぎ、江戸川下流域の都市部で洪水を増す」
これは、「下流の都市部を救って、中流の田畑で洪水を起こす」という私の方針とは正反対であり、ほとんど狂気的だ。
この地下神殿は、基本的には、人間の命を犠牲にして、田畑の農産物を祀り上げようとするものである。いかにも古代の神殿っぽい。だが、人身御供にされる江戸川下流域の人々は哀れである。
先のツイートでは、国交省はこう語る。
「地下放水路を通して #洪水 の一部を江戸川へと流すことで流域の被害を大きく軽減することができます」
なるほど、それは事実だが、舌足らずだ。正確には、こうなる。
「地下放水路を通して #洪水 の一部を江戸川へと流すことで、埼玉流域の農地被害を大きく軽減することができますが、東京流域の市街地水害を大きく増大させます。人のいない地域における農地を守るかわりに、都会の住居や人命に大被害を与えます」
では、都会における被害とは、どのようなものか? 過去の例では、昭和 22年のカスリーン台風による堤防決壊の例がある。このとき、堤防決壊の結果、江戸川流域では、大きな被害が生じた。死者1,100人にも及んだ。
決壊。その濁流は、江戸川・中川沿いに広がり、埼玉県東部および、下流は葛飾区、江戸川区にまで達しました。
この台風による被害は東京、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木において、死者1,100人、負傷者2,420人、流失した家屋23,736戸、浸水した家屋は303,160戸にもおよび、壊滅的な被害となりました。
( → もし、利根川や江戸川で水害が起きると… | 江戸川河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局 )
これほどにも巨大な被害が生じた。
そして、その被害の再来をもたらすのが、地下神殿だ。地下神殿のせいで、大量の水が江戸川に流れ込んで、江戸川が氾濫するからだ。当然、その流域は水没する。
江戸川の右岸が水没したらどうなるかは、前に言及したことがある。
→ 氾濫で千葉を犠牲にする?: Open ブログ
ここで、こう記した。
江戸川区は違う。決壊でなくて越水するだけでも、土地が凹んでいるせいで、水がどんどん溜まる。だから、ただの越水であっても、長時間続けば、あふれる水の量が多いせいで、水深はどんどん深まる。地盤沈下のひどい地域(海水面以下1メートル)で、満潮(2メートル)になれば、水深は3メートルになる。こうなると、溺死者も出るだろう。
水深3メートルの洪水に溺れて、大量の死者が出る。昭和 22年では、1100人の死者が出た。人を多い現在では、もっと多くの死者が出るかもしれない。
( ※ あるいは、2階に逃げて、助かるかもしれない。どうなるかは、何とも言えない。)
とはいえ、数はともかく、大量の水死者が出ることは間違いないだろう。
そして、そういう被害をもたらしたのは、地下神殿なのである。地下神殿が、農地を守るために、東京の人命を犠牲にすることを狙ったのだ。
逆に言えば、こう言える。
「東京の江戸川流域の人命を守るには、どうすればいいか? 地下神殿をぶっ壊せばいい。そうすれば、農地を救うための水が江戸川に流れ込まないので、江戸川が氾濫する危険は大きく下がる。東京の人の命を守りたければ、今すぐ地下神殿を破壊するべし」
そもそも、道具がある限り、道具はいつか使われる。地下神殿があれば、地下神殿はいつか使われる。
そのとき、埼玉の田畑を救うために、多大な水が江戸川に流れ込む。埼玉県民は、これで農地が守られたと、大喜びする。国交省も、大成功と鼻高々になる。しかしその後、大量の水は江戸川を経て、東京で氾濫する。そこで莫大な水死者が発生する。
そうなるのを避けるには、あらかじめ大量虐殺の道具を破壊しておくしかない。原爆があれば、原爆を使いたくなって、広島と長崎に落とした。原爆を使う必要はなくなっても、道具を試したくなって、広島と長崎で使った。
地下神殿もそうだ。道具があれば、道具がある限り、人はその道具を使いたがる。だから、大量虐殺の道具である地下神殿を使って、国交省はいつか東京で大量の人々を溺死させるだろう。それがもともとの目的だからだ。(ユダヤ人を大量虐殺して、その金銀を奪い取ろうとするように、東京都民を大量虐殺して、埼玉農民のもつ黄金の稲穂を守ろうとする。)
ナチスにせよ、国交省にせよ、最も大切なのは黄金なのだ。そのためには、ユダヤ人を大量虐殺し、東京都民を大量溺死させるのだ。それがファシスト国家の方針なのである。
[ 付記 ]
なぜ政府は「東京都民の大虐殺」という馬鹿げたことをめざすのか? それは、先のことを理解できないからだ。
「埼玉で洪水が起こりそうなら、その水を江戸川に捨てればいい。そうすれば埼玉は助かる」
そう思うが、その水(江戸川に捨てられた水)が、そのあとどうなるかについて、何も考えない。その水が下流で何を引き起こすかについて、何も考えない。「中流で洪水が避けられた」ということだけを考えていて、「その水が下流で氾濫する」ということを考えない。
つまり、今現在のことだけを考えていて、将来的にどうなるかという予見能力がまったくない。阿呆というしかない。知能の低い人間に特有の発想法である。
比喩的に言うと、次のことがある。
→ 『貧困が進むと「節約すらできない状態」になる』……節約って、まとまった金&コントロール能力の両方があって初めてできる行為
あまりにも貧困なので、節約ができなくて、かえって損をする道を選ぶ。貧困すぎると、貧困を避ける能力をなくす。
同様に、頭がバカすぎると、国民を救うことができなくなる。目先の農地を救うことばかりを考えて、将来の人命の大損害を見通すことができなくなる。……バカというのは、そういうものだ。
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以上のことを、私は指摘した。しかし、それを理解できる人は、世の中には、半分もいないだろう。たいていの人々は、「地下神殿は素敵」と思い込んでいる。だから、地下神殿を破壊できない。かくて、大洪水のときには、東京では大量の溺死者が発生する。
やはり、人々はそろって自殺したがるものなのだろう。レミングのように。
東京都民の大虐殺ではなく、都民でも区別があるようです。
堤防の北側と南側で高さが違うと聞いたことがあります。
南側が高くそれで港区や千代田区の上級都民は助かり、葛飾区や江戸川区の人々が犠牲になる。
これって差別じゃないの?
→ http://openblog.seesaa.net/article/471027636.html
何が一番人の生命を奪うのか?
何が一番人類にとって損失なのか?という視点が必要ということですね。
仮にそれが冷酷に見えても。