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投資をやるならオルカンがいい、と言われる。オルカンとは、全世界の株式を対象とした投資信託だ。世界中の株式を平均的に買うので、世界全体に投資したのと同様の効果を持つ。
日本の株式だけに限ると、TOPIX というものがある。それを日本から世界全体に広げたものだ、と言える。ただし、経済規模はアメリカが圧倒的に大きいので、それに従って、オルカンの投資対象もアメリカ企業が大半である。
この投資信託のどこがいいかというと、次の二点だ。
・ 全世界を対象とするので、安全性が高い。
・ 手数料が格安である。
特に、後者が重要だ。「高い利回り」を標榜する投資信託はたくさんあるが、その多くは、業者の手数料がすごく高い。
たとえば、「投資利回りは3%で、手数料は2%」と宣伝したあとで、「実際の利回りは1%だったので、手数料の2%を引いて、結果はマイナス1%の利回りです」なんていう詐欺的な商品は、たくさんある。この場合、業者はボロ儲けできるので、販売の委託手数料を高額に支払える。そこで、銀行が顧客に「定期預金をやめて、投信にしましょう」と勧めた例がたくさんあった。銀行はこれで手数料をたくさん稼いだが、顧客はマイナスの利回りを受けて大損した……という例が続出した。ほとんど詐欺だね。詳細は下記。
→ 地銀で急増、仕組み債 ノックインで元本割れも 金融庁が問題視:朝日新聞
そこで、こういう問題を回避して、誰でも安全に株式投資をできるようにしたのが、オルカンだ。急上昇することもないかわり、急下落することもない。比較的安全度の高い株式投資だとして、人気が出た。しかも、昨今では、これが「儲かる」と言って、とても話題になった。
では、オルカン投資をやるべきか?
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はっきり言おう。
「オルカン投資で儲けた人が多いから、自分もやろう」
と思う人は、柳の下の二匹目のドジョウを狙うタイプだ。そういう人は、投資にはまったく向いていない。だまされやすいので、注意しよう。
昨今、オルカン投資で儲けたという人が多いのは、1ドル= 160円にもなる円安のせいだ。
そもそも、オルカン投資というのは、円をドルに交換することだ。だから、円高から円安になると、130円で買った1ドルが 160円になるので、ボロ儲けした計算になる。
しかしそれは、投資して儲けた金ではなく、「円・ドル」という為替投機で得た利益だ。
そこで、「130円で買って 160円で売って儲けた人がいるから、おれも真似して、オルカンを買おう」とすると、どうなるか? 160円の時点で買うことになるが、そのあと、1ドル= 145円になると、160円で買ったものが 145円に下がってしまう。1割の損失だ。……つまり、「儲けた」という人の真似をすると、大損する結果になるのだ。
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結局、どういうことか?
オルカンは、企業の成長力と、為替相場との、二本立てだ。特に重要なのは、為替相場だ。したがって、次の原則が成立する。
・ 円安になる局面では、買うといい。(売るな)
・ 円高になる局面では、売るといい。(買うな)
今はどうか? 現状はドル高状態なので、将来的にはもっと円高になると見込まれる。こういう状況では、海外投信をするべきではない。つまり、オルカンに投資するべきではない。145円で買ったものが、130円ぐらいに値下がりすることは、十分にあり得るだろう。
逆に、1ドル=130円ぐらいの円レートになったら、オルカンに投資してもいいだろう。
さらに、1ドル=120円ぐらいの円レートになったら、オルカンに投資するのが絶対にいいだろう。120円で買ってから、160円で売れば、ボロ儲けできることになる。
ともあれ、オルカンの購入をするのなら、円レートに着目するべきだ。それが鉄則だ。
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さて。それとは別に、「長期的にはオルカン投資をすることは賢明だ」と言える。その証拠は、次のチャートだ。
→ eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)【0331418A】:チャート - Yahoo!ファイナンス
これを見ると、2019年に 10000円であったものが、2024年には 25000円程度にまで上昇していることがわかる。5年で 2.5倍だ。この間の円安による効果の分を差し引いても、2.5倍の成長率は非常に大きいと言える。すごく高い利回りを得た計算だ。
結論としては、こうなる。
「今は少し価格が上がりすぎているので、オルカン投資をするべきではない。しかし、半年か1年ぐらいしたら、円安も収まり、オルカン投資をしやすくなる。円レートを見て、1ドル=130円 ぐらいになったら、オルカン投資をするといいだろう」
※ ちなみに、円レートは 2023年1月に 1ドル=130円ぐらいになった。このときが最近では最も円高だった。この時期にオルカン投資をして、160円のときに売れば、1年で 20% ぐらいの利回りを得ることができた。円レートを見て、適切に売買することが、オルカン投資のコツだ。数字を見て、「高値になった」と喜んでいるのでは、利益を確定できない。利益を確定するには、まさしく売却する必要がある。「長期投資をしよう」とするより、数カ月〜数年ぐらいの中期的な売買をしてこそ、オルカン投資の達人と言える。
※ 「ならば円高になる局面では、オルカンのかわりに TOPIX をやればいいんだな」と思う人もいそうだが、そうも言えない。円高になると、TOPIX も値下がりするのが普通だからだ。
※ 一般的には、「値上がりしたぞ、儲かったぞ」と人々が騒いでいるときには、値上がりしたものを買うべきではないのだ。むしろ、人々が「値下がりしたぞ、損したぞ」とがっかりしているときこそ、買い時なのだ。逆張りですね。(中期的にはそれが正しい。)
差し当たり使うあてのない金を全て突っ込んで20年以上忘れておくわけです
小惑星の落下か致死率50%のパンデミックあれば知りませんけど 長い時間ならドル円 あんまり影響ないのでは?