2024年08月10日

◆ 津波で遊泳禁止に?

 地震で海水浴場が遊泳禁止になったが、これは津波の原理を理解できていない誤解による。

 ──

 地震で各地の海水浴場が遊泳禁止になった。
 南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)が発表されたことを受けて9日、各地の海水浴場で遊泳を禁止したりビーチを閉鎖したりする動きが相次いでいる。
 宮崎市の青島海水浴場では遊泳禁止を決めた。青島ビーチセンター渚の交番の小玉順規センター長は「余震も続いているため、安全を最優先にした。10日以降の対応は検討中」と話す。
( → 各地で遊泳禁止、ビーチの閉鎖相次ぐ 「巨大地震注意」の臨時情報で:朝日新聞

 専門家でもない交番が勝手に自己判断で決めたらしい。そのせいで地元の業者や観光客は大混乱だ。
 「海岸に爆弾を設置した。大被害が出るぞ」
 と嘘をついて、地元に大迷惑をかけるのと同様である。ほとんど犯罪級の被害をもたらしている。それも、交番の警官が。

 ──

 しかし、科学的に考えれば、このような遊泳禁止は必要ないとわかる。

 津波は、遠くて深いところから寄せるものが、高い津波になる。近くて浅いところから寄せるものは、低い津波になる。
 高い津波ならば、津波が来るまでに 15分〜30分の余裕がある。低い津波ならば、来るのは短時間だが、高さは 30cm ぐらいにしかならないし、波長も長いので、危険性はない。

 それでもどうしても心配ならば、こうすれば良かった。
 「沖合の遊泳は禁止です。すぐに砂浜に戻れるように、足の届く範囲内でのみ、遊泳してください。最大深度は 1.8メートルまで。その範囲の浅瀬でのみ、遊泳してください。いざとなったら、警報を鳴らすので、その場合には、すぐに砂浜に戻ってください」

 これならば、砂浜や浅瀬で遊ぶことができる。そのくらいのことは、許可してあげれば良かった。

 ──

 なお、津波の原理は、科学的に解明されている。
  → 津波の基本知識 (気象庁)
 津波の波長は数キロから数百キロと非常に長い。このため津波の速度は水深に比例し、深海ほど速く、浅瀬になるほど速度は遅くなるが、津波の高さは深海ほど低く、浅瀬になるほど高くなるという特徴を持つ。このような特徴は、周期の長い波がもつ特徴して知られており、浅海効果と呼ばれている。

 そもそも、津波とは何か? 
 地震が起こると、活断層に沿って、長さは数十キロメートル、、幅は数キロメートルぐらいで、地盤が上がったり下がったりする。それにともなって、水が数十センチ〜数メートルほど、上下する。これは、周期が数分間ぐらいの、非常に広範囲の波となる。ただし、範囲は広いが、高さはあまり高くない。
 この波は、水深が深いところではそのまま進むが、やがて水深が浅いところに達すると、水の量が減るのにともなって、波の変動が拡大していく。
 下図を参照。
  → https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/image10-20.png
 津波は深海では速く進む性質がありますが、水深が浅くなると速度が遅くなり、その結果、波の高さが増すことがあります。

 こうして、深いところにあった浅い広い波が、浅瀬に達すると、高い狭い波になって、人に襲いかかる。

 ──

 これを現実に当てはめると、こうなる。





 (1) 宮崎の海岸では、さほど心配することはない。近くに震源があるなら、浅いところにある波なので、津波が来るとしても、広くて浅い津波となる。実際、今回も、(震源が近かったので)広くて浅い津波が来ただけだった。何の危険性もなかった。

 (2) 遠くの深いところから津波が来たら、宮崎にも高い津波が来る可能性はある。だが、宮崎からは距離がとても遠いので、30分以上の時間的余裕がある。だから、砂浜の近くにいれば、心配しなくていい。

 (3) 和歌山県の南端あたりだと、南海沖の津波が襲来する危険はある。このあたりは地形が険峻で、震源から陸地までの距離が短い。短時間で到達して、短時間で高い津波になる危険がある。だから、和歌山県の南端あたりでは、遊泳禁止にしてもいい。ただし、和歌山県の南端あたりは、もともと険峻な地形で、砂浜はごく限られている。対象となる海水浴場は、ごく少ない。





 ──

 ともあれ、津波に対する対策は、科学的に決めるべきだ。津波のことを知らない交番の警官あたりが、勝手に決めるべきではない。日本は科学に基づく規制ができていないようだ。やたらと過剰に規制すれば、それで済む、と思い込んでいるようだ。

 《 加筆 》
 こういう問題に対処する省庁は、防災庁であるべきだ。(何度も述べた通り。)
 防災庁の必要性については、先日も述べた。
  → 救助する警察官が死亡: Open ブログ



 【 関連サイト 】
 参考記事。津波と数学の話。
──津波も、渋滞と同じ微分方程式で解が求められるようですね。

 微分方程式を応用したソリトン理論を使う。エネルギーの塊がぼーんと勢いよく飛んでいくような現象を表すのに、これが適している。私の専門は数理物理学で、数学と物理との中間のような分野を研究している。わかりやすくいえば流体力学だ。車や人を流体と見なした研究で数学を使う。そこでの有力な理論がソリトンだ。
 津波は、形を変えずに伝わっていく高い波。そのうち崩れる。こういう現象はソリトン理論が出てくる前の数学や物理学では解けなかったが、1960年代にソリトン理論を使って計算された。現在の何分後に津波が来るという警報は、この理論を使っている。先を見越せるのが科学の力だ。中でも数学、特に微分は先を見通す強力な道具になる。
( → 数学のソリトン理論で渋滞、津波を解明--『とんでもなく役に立つ数学』を書いた西成活裕氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)に聞く | 東洋経済






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 【 追記 】
 朝日新聞の記事中の「交番」は、警察の交番ではなく、「渚の交番」という民間施設であるそうだ。よく読むと、「青島ビーチセンター渚の交番」と記してある。「青島ビーチセンター渚の/交番」かと思ったら、「青島ビーチセンター/渚の交番」であるらしい。(まぎらわしいね。記事が注記不足だ。)
 この件については、コメント欄で指摘を得たので、上記のように注記しておきます。
( ※ 本文中で、警察への批判となる部分は、適切ではありませんでした。削除せずに残しておきますが、趣旨としては取り消します。)

posted by 管理人 at 23:07 | Comment(22) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 冒頭の朝日新聞の記事中、宮崎市青島ビーチセンター「渚の交番」とあるのは、警察(宮崎県警)の交番のことではないと思います。ビーチ(海水浴場)の管理組織のひとつで、ライフセーバーさんがいるようなところでは?

 https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/institution/list/item45/

 それと、南海トラフ(あるいは東南海)地震について、地震発生から2〜3分で津波が海岸に達するというシミュレーションはいっぱいありますよね。少なくとも、和歌山県全体、高知県全体、静岡県全体に関しては。本稿で言及されている和歌山県の南端付近だけが、時間的余裕がなく危険というわけではないでしょう。ただし、話題になっている宮崎県の場合は、おっしゃるように、たぶん少し余裕があるはずですが。

 https://www.fnn.jp/articles/-/670609?display=full
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 08:11
 宮崎県各地の「津波浸水開始時間予測について(南海トラフ巨大地震等)」は、以下にまとめられています。しかし、行政がアホなので、色わけが青系統だけでよくわかりません(紫、赤、ピンク、黄、緑にすればいいのに)。宮崎市に関していえば、15分以内の到達というのはないようにもみえます。

 https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kiki-kikikanri/kurashi/bosai/page00182.html
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 08:20
 すみません、これを一番上に貼るべきでした。「宮崎市青島ビーチセンター 渚の交番は、更衣室やコインロッカー・シャワー等の設備を通年利用でき、青島海岸を利用する皆さんが一年を通して安心して青島の海を楽しめるよう、周辺情報集や観光サービス等の情報提供・体験メニューの提供等の活動を行っています。」とのこと。

 https://www.aoshima-bc.jp/
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 08:25
> 「渚の交番」とあるのは、警察(宮崎県警)の交番のことではない

 ご指摘ありがとうございます。最後に 【 追記 】 を加筆して、修正・補足しました。

> 和歌山県全体、高知県全体、静岡県全体に関しては。本稿で言及されている和歌山県の南端付近だけが、時間的余裕がなく危険というわけではないでしょう。

 それはそうだが、そのことから得られる結論は、「それらの各地でも遊泳禁止にせよ」ということになる。
 本項のテーマは「遊泳禁止にするな」ということだから、そいつはテーマの方向性が逆だ。それはまた別の話題。

 ※ ただし、よく考えると、それらの地域で「遊泳禁止にせよ」というのは、十分に成立するね。「やらなくてもいいところでやっていないで、やるべきところでやれ」という話になりそうだ。
Posted by 管理人 at 2024年08月11日 08:46
千葉県の銚子の海水浴場では津波防災訓練を予定していたようですが、今回の南海トラフ巨大地震注意情報を受けて、津波防災訓練を中止したようです。千葉県は震源域から距離があるし、津波が襲来するまでにある程度時間があるし、避難する時間的余裕があるから、中止する必要はないと思うが。むしろこういう時だからこそ、訓練を実施すべきだと思いますが。
Posted by 通りすがり at 2024年08月11日 08:55
何か今回の南海トラフ巨大地震注意情報の趣旨・意味合いを理解していない人が多く、過剰反応を起こしているケースが多いですね。買い占め行為もそうですし。
Posted by 通りすがり at 2024年08月11日 09:05
 Posted by 管理人 at 2024年08月11日 08:46
> それはそうだが、そのことから得られる結論は、「それらの各地でも遊泳禁止にせよ」ということになる。本項のテーマは「遊泳禁止にするな」ということだから、そいつはテーマの方向性が逆だ。それはまた別の話題。

⇒ 本稿テーマの結論は、本文の(1)、(2)、(3)に書いてあることだと思うのですが、私は、「これらの内容はあまり正しくない(不正確だ)」と、やんわりとではありますが、ハッキリ指摘したつもりなんですがね……。

 本文中に転載されている Google の海底地形図を見ると、南西から北東にかけて延びている黒い溝、これが「南海トラフ」で、筆者(管理人さん)のいう「深いところ」ですね。それで、筆者は、「遠くの深いところから来る津波は、高くなるので危険だ」と述べています。すると、宮崎県と南海トラフの位置関係も、それにあてはまります。

 いっぽうで、宮崎県は、和歌山県の南端に比べれば、南海トラフからやや遠いというのは確かです。ですから、例えば、和歌山県の潮岬沖を震源とする巨大地震が発生した場合は、「宮崎県への津波到達は、和歌山県や三重県への到達に比べて時間的余裕がある」というのもそのとおりでしょう。筆者のいう「30分以上の時間的余裕がある」かどうかはわかりませんが。

 しかしながら、宮崎県と南海トラフとの距離は、高知県や静岡県のそれと大差がないようにみえます。その高知県や静岡県で、地震の状況によっては「2〜3分以内に津波が到達する」ことが科学的に$яェされているのに、宮崎県だけが、「南海トラフ地震の場合でも30分以上の時間的余裕がある。だから、その間に海から上がって海岸から避難すればいいのだから、遊泳禁止にする必要はない」とする根拠がわかりません。日向灘沖、つまり、先週木曜日の震源地のさらに南東にあたる南海トラフで、M8〜9クラスの巨大地震が起これば、この宮崎市青島ビーチに数分で高い津波が到達してもおかしくはないのでは? 少なくとも、本稿では、そこをきちんと説明しきっていないように思えます。
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 09:46
 Posted by 管理人 at 2024年08月11日 08:46
> ※ ただし、よく考えると、それらの地域で「遊泳禁止にせよ」というのは、十分に成立するね。「やらなくてもいいところでやっていないで、やるべきところでやれ」という話になりそうだ。

⇒ あれ、このコメントの最後のところ、後で書き足されました? そうです、私もそういう話になると思います。
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 09:50
>【 追記 】「青島ビーチセンター渚の/交番」かと思ったら、「青島ビーチセンター/渚の交番」であるらしい。(まぎらわしいね。記事が注記不足だ。)

⇒ 朝日の記事には、「青島ビーチセンター渚の交番の小玉順規センター長は〜」とあります。
 この「センター長」というワードで気づいてほしいですね! 交番の責任者が「センター長」ということはないでしょう 笑。交番なら「ハコ長」でしょう(新聞にはそう書かないでしょうが)。永野芽郁主演のドラマ「ハコヅメ」ではムロツヨシがハコ長を演じていました。本ブログでも、「ハコヅメ」の話が連投でありましたね(余談としてですが)。

 http://openblog.seesaa.net/article/483300086.html
 http://openblog.seesaa.net/article/483238322.html
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 10:36
> 気づいてほしいですね!

 引用した4行の記事を読むだけなら、気づきやすいが、元の記事はかなり長い長文なので、細部の異同には気づきにくい。

 引用した4行の記事だけを読んで、「おれは気づいたぞ。えっへん」と威張っても、仕方ない。

 そもそも、警察か民間化は、どうでも言い違いだ。プロ(防災庁)ではなくて、素人だ、という点だけが問題だ。
Posted by 管理人 at 2024年08月11日 10:58
 Posted by 管理人 at 2024年08月11日 10:58

> 引用した4行の記事だけを読んで、「おれは気づいたぞ。えっへん」と威張っても、仕方ない。
 そもそも、警察か民間化は、どうでも言い違いだ。プロ(防災庁)ではなくて、素人だ、という点だけが問題だ。

⇒ ホント、そういう人がいたら仕方ない≠ナすよね。私は別にいばってなんかいません。読んでわかるとおり「ヘタなジョーク」を言っただけで。

 また、ジョークでなくいうと、今の「臨時情報」の段階で、警察が「民間の経営」に介入するわけありません。もしそんなことがあったら、当の「アサヒ」がもっと騒ぎますよね。要は、最初に、民事不介入についての常識と、アサヒについての常識、そのふたつの常識があればよかったですよね、ということです。

 さらにいうと、このビーチは公営施設ではなく「民間」ですよね、たぶん。ひょっとすると、宮崎市あたりが経営に入っているかもしれませんが。それで、ほぼ民間ならば、1週間くらいは閉鎖して様子をみることくらいは、自由にすればいいと思いますよ。公営施設でも、ライフラインや公共交通機関でもありません。もし営業を続けるなら、海の家などの飲食施設はともかく、最低限、ライフセーバーを出勤させたり、トイレ・更衣室くらいは開けておかなければならない。だったら、それに係わる人たちの心情にも配慮して、採算性も考えて、数日間は全面自粛という判断は、十分アリだと思います。

 管理人さんのいう「民間の素人」が公的なものの運営に口を挟んだり、何かを決定していたら問題ですが、民間企業が自分たちの営業をどうするか決めただけですよね。それなら、別にこのブログで、「科学的に決めるべきだ」とか威張っても、仕方がない≠ナすね。その科学的内容とやらも、私が指摘したとおり、かなり怪しいですしね。
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 12:08
 青島海水浴場は、宮崎市の管理下にあり、入場無料で利用できる公的施設であるらしい。

 青島ビーチパークと渚の交番は、民間施設。後者は日本財団(笹川)の管理下にあるようだ。
  https://www.aoshima-bc.jp/about-2/

 問題点。
 (1) ただの民間団体が、遊泳禁止という公的権限を駆使する。
 (2) ただの民間団体が、交番という役所の名称を使用する。官名詐称に近い。

 法的には大いに問題がありそうだ。日本財団だから、役所と つるんでいるのかもね。


Posted by 管理人 at 2024年08月11日 12:32
かつて運用していた、東海地震の警戒宣言と、今回の南海トラフ巨大地震注意情報を混同して勘違いしている人が多いのでしょうかね?意味合いとか全然違うってのに
Posted by 通りすがり at 2024年08月11日 13:04
 Posted by 管理人 at 2024年08月11日 12:32
> 問題点。
> (1) ただの民間団体が、遊泳禁止という公的権限を駆使する。
> (2) ただの民間団体が、交番という役所の名称を使用する。官名詐称に近い。

⇒ ご主張にムリがありすぎます。ほとんど言いがかりですね。
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 16:53
> さらにいうと、このビーチは公営施設ではなく「民間」ですよね、たぶん。

 この前提が誤りだ、とまず理解しないと。
 ここは私営ではなく、公営であるはずです。入場無料だし。

 https://iko-yo.net/facilities/36913

 ──

 比喩的に言えば、どこかの民間人が、公道の通行禁止を勝手に決めて、「おれたちは道の交番だ」と自称するようなものだ。

 ちなみに、能登地震のときには、あちこちの公道が通行止めになったが、それを決めたのは国土省や県などであって、民間の任意団体ではない。
Posted by 管理人 at 2024年08月11日 17:56
 Posted by 管理人 at 2024年08月11日 17:56
>> さらにいうと、このビーチは公営施設ではなく「民間」ですよね、たぶん。

> この前提が誤りだ、とまず理解しないと。
> ここは私営ではなく、公営であるはずです。入場無料だし。
> 比喩的に言えば、どこかの民間人が、公道の通行止めを勝手に決めて、「おれたちは道の交番だ」と自称するようなものだ。
> ちなみに、能登地震のときには、あちこちの公道が通行止めになったが、それを決めたのは国土省や県などであって、民間の任意団体ではない。

⇒ 筆者(管理人さん)は、今回のことについても社会全体に対しても、いろいろ誤認識があるみたいですね。

<誤認識1>
 海岸法でいうと、海岸には「公共海岸」と「その他海岸」があります。海水浴場は「公共海岸」のほうに属し、漁港や港湾は「その他海岸」に属します。それで、公共海岸の場合、公共の福祉を害さない(例えば堤防や護岸に悪影響を与えない)ならば、「公共海岸」という名称通りに、誰が利用しても自由です。だから、管理者が公的機関だろうが民間だろうが、遊泳や日光浴の行為、あるいは砂浜などへ立ち入ることそのものに対しては、お金を請求できません。つまり、一般に無料なのは当たり前です。無料だからイコール公営なんだろう(公的機関が管理しているはずだ)、とはなりません。ただし、もちろん、海水浴場する施設や駐車場には利用料金が発生するかもしれませんが。なお、これらのこと(法の立てつけ)については、海岸だけでなく河川についてもほぼ同じのはずです。

 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001707646.pdf

<誤認識2>
 下のPDF資料(の1頁目の下のほう)によると、宮崎市青島ビーチセンターは、平成8年3月に設置され、平成22年度に改修工事を行って日本財団の「渚の交番」事業の取組みを開始したそうです。そして、平成22年度からは「指定管理者制度」を導入し、現在(資料は令和3年度ですがたぶん今も)は渚の交番青島プロジェクト実行委員会(公益社団法人宮崎市観光協会とNPO法人宮崎ライフセービングクラブのJV)が管理運営を行っているそうです。
 ですから、大元には宮崎市がいて、これら2法人に管理を委託しているかたちなのかもしれませんが、現在ここを実際に管理しているのは、公益社団法人とNPO法人です。これらは、公的か民間かといわれたら、明らかに民間の機関(組織)ですよね?

 https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/fs/7/2/2/1/8/8/_/525751.pdf

<誤認識3>
 上で書いた2法人は、民間機関ですが、宮崎市から管理運営をまかされています。ということは、市に(取り決め上は宮崎市長に)お伺いを立てる必要はあるかもしれませんし、実際にそうしたと思われますが、その管理にかかるビーチを閉鎖したり立ち入りを禁止する裁量は、それら法人に当然にあると考えられます。これがダメだというならば、例えば、市役所にあるような公営駐車場の管理が民間業者にまかされていた場合、その駐車場が地震で損壊を受けて倒壊しそうであっても、その業者が市民にその駐車場の使用を制限するのはけしからん! 市の職員が入り口に立ってそれを制限しなければならん! ということになりますね。フムフム、そうだったんですか〜。 
 それと、「能登地震の時には、あちこちの公道が〜それを決めたのは国交省や県」といわれますが、だってそれは、公道の管理は民間にまかされていないからでしょう? 今回のビーチの場合とは、前提からして異なります。

<誤認識4>
 一番最初の朝日の記事に立ち戻ると、記事中の写真では、ビーチの入り口?に「海水浴場閉鎖」の看板が立っていますね。これに対して文章では、「宮崎市の青島海水浴場では遊泳禁止を決めた」となっていますよね。筆者(管理人さん)が文句をいわれるなら、そこですよ。つまり、民間が、その管理をまかされているビーチの使用や砂浜への立ち入りは制限できても、海岸から海に入って泳ぐことは制限できません。だから、「遊泳禁止」が本当に強制されていたら、これは法の拡大解釈になるのかもしれません。まあ、実際には、砂浜への立ち入りができなければ、空を飛んでいかない限り、海へ入ることもできませんが。
 ところで、私の知り合いが今日、和歌山県の白良浜海水浴場(ここも「渚の交番」関係かも)の写真を Facebook に上げていて、砂浜全体にひとっこひとりいない状態でした。その知り合いは、後で自分だけでも泳いでやろうかしらん、などと書いていましたが、私はぜひそうすればいいと思いますね。だって、泳ぐこと自体は禁止されていないのですからね。
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 19:08
> つまり、民間が、その管理をまかされているビーチの使用や砂浜への立ち入りは制限できても、海岸から海に入って泳ぐことは制限できません。だから、「遊泳禁止」が本当に強制されていたら、これは法の拡大解釈になるのかもしれません。

 ほらね。だから、私の言った通りでしょ。問題点は

>> (1) ただの民間団体が、遊泳禁止という公的権限を駆使する。

 という点だったのだから。

 ──

 というか、そもそもそれは枝葉末節であって、どうでもいい。本来の話題は、
「津波に対する対策は、科学的に決めるべきだ。津波のことを知らない交番……あたりが、勝手に決めるべきではない。」
 ということだ。交番が警察であるか民間団体であるかはどうでもいい話。プロ(防災庁)ではない、という点だけが問題だ。
Posted by 管理人 at 2024年08月11日 20:17
 Posted by 管理人 at 2024年08月11日 20:17
> ほらね。だから、私の言った通りでしょ。
>問題点は(中略)という点だったのだから。

⇒ ほらね???
  だったのだから???

 はぁ、またぞろ、「最初から自分はそれを主張していたんだよ。その主張趣旨を理解しないで、アナタは一生懸命自分と同じことを訴えていたんですね。時間のムダでしたね。ご苦労様」という、印象操作ですか……。毎度々々、そういうはぐらかし(糊塗)ばかりしていて、ご自分でむなしくなりませんか?

 これまでのコメントのやり取り、筆者(管理人さん)の主張の流れ・文脈からして、筆者(管理人さん)が、「遊泳禁止」と「ビーチの使用制限・立ち入り禁止」を混同していたのは明らかです。私は、まずそれらを切り分ける必要があることを、教示して差し上げたんですが?

 そして、私の直前のコメント(それまでのコメントを含めて)では、

> (1) ただの民間団体が、遊泳禁止という公的権限を駆使する。(駆使している)

 という事実があると決めつけていません。また、そこが今回起こった事の問題点だ、とも言っていません。むしろ、逆のことを言いました。「遊泳禁止の強制はないだろうが、あったとしたら問題かもしれない。冒頭の朝日の記事はそこが不明瞭で、遊泳禁止というワードは不正確かもしれない。ただし、ビーチの立ち入り禁止は、それ自体は問題ないとしても、間接的に遊泳禁止につながるだろう」ということを、補足的に述べたのです。繰り返しになりますが、遊泳禁止があったとしたら、という仮定の上で述べたのです。その、仮定の上での話、補足的な話の「一部の文節」だけをつかまえて、「ほらね。私と同じことを主張しているだけだよね」と返されても、はなはだ困るのですが……もう慣れましたがね。

それと、

> 本来の話題は、「津波に対する対策は、科学的に決めるべきだ。津波のことを知らない交番……あたりが、勝手に決めるべきではない。」ということだ。交番が警察であるか民間団体であるかはどうでもいい話。プロ(防災庁)ではない、という点だけが問題だ。

 というくだりも、論点のすり替えですね。プロ(防災庁)が決めるべき云々は、ここで初めて出てきたことで、別に今思いついたのなら、それはそれでいいのですが、筆者の当初主張からすると、例えプロ(未来の防災庁)が「遊泳禁止」を公的に命令したとしても、筆者はそれにも噛みつくだけですよね。「科学的根拠がない」と言って。だって、筆者の科学的℃蜥」は、「宮崎市には、南海トラフ地震の津波は到達までに30分はかかるから、遊泳禁止もビーチの使用制限・立ち入り禁止も必要ない」ですものね。

 これについての私の当初からの主張をあらためてまとめると、それこそ、防災庁でも警察でも民間団体でも、誰が言ってもいいのですが、

@ 今回のような場合、遊泳禁止にもビーチの使用制限・立ち入り禁止にも、それなりの科学的根拠はある。なぜなら、南海トラフの震源地によっては、青島ビーチに、避難するための時間的猶予なく津波が到達することはあり得るからだ。

A 青島ビーチは民営だから、今回の場合に限らず、上位の宮崎市と相談の上で、そこを直接管理する団体(法人)が「ビーチの使用を制限する・立ち入りを禁止する」ことに差し支えはない。彼らの裁量の範囲内であるから、その権限を有する。

B ただし、どのような場合でも「遊泳を禁止する」ことは、民間団体にはできないだろう(それができるとする法的根拠はないだろう)。

 ということです。
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 22:07
> プロ(防災庁)が決めるべき云々は、ここで初めて出てきたことで

 これは私の最重要の結論であり、本文の最後で強調しています。まずは人の話(結論部)をちゃんと理解してください。人の話を理解しないと、対話にならない。
 「防災庁」という言葉は、このページ内を検索するだけですぐに見つかるはず。

 ──

> 例えプロ(未来の防災庁)が「遊泳禁止」を公的に命令したとしても、

 それはあなたがアマだから、そう思うだけ。プロは「遊泳禁止」なんか主張しない。

 「 南海トラフ地震の評価検討会長を務める平田直・東大名誉教授は、……「個人的考えだが、……海水浴をしていただいても特に問題ない」と話した。」
  https://x.gd/5ilGr

 プロの意見は「過剰な規制は必要ない」なのに、アマのあなたが逆の説を持ち込んでも、意味がない。
 本項でもしきりにアマの意見を主張しているが、文句を言いたければ、私に言うより、プロの地震研究者に文句を言うといいでしょう。どうせなら、その方が意義がある。
 「アマチュアの俺はプロよりも正しいんだから、俺の説を聞け」
 と言い張ればいいのだ。

> 青島ビーチに、避難するための時間的猶予なく津波が到達することはあり得るからだ。

 そうですよ。本文中にちゃんとそう書いてあるでしょう。

 該当部分は、下記です。(転載)

 **

 津波は、遠くて深いところから寄せるものが、高い津波になる。近くて浅いところから寄せるものは、低い津波になる。
 高い津波ならば、津波が来るまでに 15分〜30分の余裕がある。低い津波ならば、来るのは短時間だが、高さは 30cm ぐらいにしかならないし、波長も長いので、危険性はない。

 ──

> 彼らの裁量の範囲内であるから、その権限を有する。

 裁量の権限(法的権限)の話をしているのではありません。非科学的なアマチュアの方針を押しつけることの是非を論じている。

 私「非科学的な方針を、押しつけるべきではない。人々を困らせてはならない。プロの科学的な判断で決めるべきだ。」

 You 「民間団体であっても権限があるから、たとえ間違った非科学的な方針であっても、その間違い判断(遊泳禁止)を押しつけて、人々を困らせるのは正しい」
Posted by 管理人 at 2024年08月11日 22:33
 Posted by 管理人 at 2024年08月11日 22:33

> これは私の最重要の結論であり、本文の最後で強調しています。まずは人の話(結論部)をちゃんと理解してください。人の話を理解しないと、対話にならない。

⇒ なるほど、筆者(管理人さん)の考える「最重要の結論」とは《 加筆 》部分で書いたり、コメントで補足したりするものなんですね! 以後、肝に銘じておきます。しかしながら、今回、コメントについても《 加筆 》されることがありましたので、それをイチイチ把握はできません。本文中のその《 加筆 》についても、いつ頃記入されたかは不明です(コメントに書いてありましたか?)。それと、「人の話を理解しないと、対話にならない」のくだりは、そっくりそのままお返しします。まずは、一般的な新聞記事を正しく読めるようになってから、他人に忠告されたらいかがでしょうか。

> それはあなたがアマだから、そう思うだけ。プロは「遊泳禁止」なんか主張しない。

⇒ おやおや、人の属性で相手の意見をバッサリ切り捨てても、筆者のご見識では、相手との「対話」とやらが成り立つのですね。これはお見それしました。そういう筆者は、(地震・津波の)「プロ」としてこの記事やその後のコメントを書いているのですか? アマどうしというのは、筆者も私も同じではないでしょうか。それに、プロ・アマには関係なく、東大の何とか先生の意見にも関係なく、私は、「民営ビーチの管理者が、そのビーチの運営を一時休止するのにあたって、科学的根拠以外の、経営的な理由を考えた可能性はある」とも、別コメントですでに述べていますよ(後述)。

> そうですよ。本文中にちゃんとそう書いてあるでしょう。
> 該当部分は、下記です。(転載)

⇒ ちょっと、言っている意味がわかりません。私は、「青島ビーチに、避難するための時間的猶予なく、高い£テ波が到達することはあり得るからだ」と主張しているんですが。まずは人の話(結論部)をちゃんと理解してください。私は、前のコメントで、「和歌山県南端部だけではなく高知県全体や静岡県の大半で、10m以上の津波が数分以内に到達するというシミュレーションがある(それが常識である)のに、筆者がなぜ宮崎県(宮崎市)だけはそうならないと判断されるのか、その根拠がわからない」と何度もいっているのです。先ほどの、東大の何とか名誉教授は、

>「早いところでは3分くらいで津波が来てしまう。どこに、どういう経路で逃げるかを再確認する必要がある」と言及し「個人的考えだが、それがきちんとできていれば、海水浴をしていただいても特に問題ない」と話した。

と、筆者が提示した朝日の記事中で述べていますね。つまり、筆者は、ここであらたに、「30分ではなく、3分あれば巨大津波からの避難には十分だ」という考えを提示されるのですね。私にはとても、この先生の言っていることが、プロによる科学的な了解性のある内容だとは思われません。だって、同じ記事中に、「津波警報や津波注意報などは地震発生後、約3分を目標に発表される」とも書いてあるんですよ(書いた記者もアホですが、筆者のほうも記事をちゃんと読んでから貼りましたか?)。仮に、沖合で泳がずに波打ち際か砂浜にいる人が、沖から来る津波を自分で目視して、浜辺から数十m以内にある津波避難タワーみたいな施設に逃げ込むという想定ならば、ギリギリ第1波にはのみ込まれずに済むかもしれませんが……。

> 裁量の権限(法的権限)の話をしているのではありません。非科学的なアマチュアの方針を押しつけることの是非を論じている。

⇒ 私は前のコメントで、こう書きました。

 Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 12:08
> もし営業を続けるなら、海の家などの飲食施設はともかく、最低限、ライフセーバーを出勤させたり、トイレ・更衣室くらいは開けておかなければならない。だったら、それに係わる人たちの心情にも配慮して、採算性も考えて、数日間は全面自粛という判断は、十分アリだと思います。

 つまり、私は、「民営なのだから、従業員の気持ちも大事だろうし、それをどのくらい優先させるかは経営者の判断しだいだ。また、全然お客が来ないのに営業を続けるのは採算性からみても疑問だ。これも、経営判断になる」といったのです。

 これに対して、

 You「アマチュアの考えに耳を貸すべきではない。従業員の気持ちはどうでもいい。プロの科学的な判断こそが大事だ。アマチュアには3分で逃げるのはムリだ≠ニ思えるかもしれないが、地震学の権威の東大の偉い先生が保証したのだから大丈夫だ。それに逆らうのは非科学民≠セ。できない理由を探すな。信じるものは救われる。足らん足らんは根性が足らん。気合いだ!」
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月11日 23:47
> プロ(防災庁)が決めるべき云々は、ここで初めて出てきたことで

 に対して、「本文中に記載してあるんだから、勘違いする前に、まずは本文を検索しましょう」ということ。いつ書いたかはどうでもいい。すでに記載済みなのだから、ひとまず検索しましょう、というだけ。

> 筆者がなぜ宮崎県(宮崎市)だけはそうならないと判断されるのか、その根拠がわからない

 宮崎沖の近くには、水深の深い場所がないからです。水深が津波の高さに影響します。詳しい理由は、次項を参照。

> 3分あれば巨大津波からの避難には十分だ」という考えを提示されるのですね。

 それは素人の勘違い。3分で来るのは、巨大津波ではなく、浅い津波だけです。

 再掲すると:

 **

 津波は、遠くて深いところから寄せるものが、高い津波になる。近くて浅いところから寄せるものは、低い津波になる。
 高い津波ならば、津波が来るまでに 15分〜30分の余裕がある。低い津波ならば、来るのは短時間だが、高さは 30cm ぐらいにしかならないし、波長も長いので、危険性はない。

 ──

 なお、原理については、次項を参照。
Posted by 管理人 at 2024年08月12日 00:11
 Posted by 管理人 at 2024年08月12日 00:11

⇒ まず、検索については、全部のワードにはやれません。そもそも、「防災庁」というワードが出ていたか否かは、どうでもいいのです。私は、「筆者の当初主張からすると、例えプロ(未来の防災庁)が「遊泳禁止」を公的に命令したとしても、筆者はそれにも噛みつくだけですよね。」と書いただけです。そうではないとおっしゃるなら、それでもういいのではないしょうか。

> 宮崎沖の近くには、水深の深い場所がないからです。水深が津波の高さに影響します。詳しい理由は、次項を参照。

⇒ それなら次項を待ちますが、であるのなら、それこそが、科学的に正しいか間違っているかにかかわらず、「最重要のこと」ではないでしょうかね。またまた、大事なことが後から出てきましたね。しかし、内容は、科学的にはまったくピンときません。水深というのは、震源地の水深なんですね、たぶん。いずれにせよ、アマチュアが(すなわち筆者が)ちょっと考えて思いついたことなら、読んでも仕方がないんですよね? そう、ご自分でおっしゃったように思いました。筆者のいうプロの裏付けを望みます。

> それは素人の勘違い。3分で来るのは、巨大津波ではなく、浅い津波だけです。

⇒ そのご主張も現時点ではマユツバではありますが、まあ、次項を待ちます。しかし、その「素人」というのは誰のことでしょうか? 私は、筆者の提示された朝日の記事内容をほぼそのまま引用しただけなので、それこそ、仮に素人扱いをするなら、記事を書いた記者についてではないでしょうか(東大の先生が話したことを誤解して書いた、あるいは不適切な要約をした、等々)。
Posted by かわっこだっこ at 2024年08月12日 00:34
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