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もちろん膨大な敷地が必要となるが、その面積は具体的にはどのくらいだろうか? 日本の平野部の全体に太陽光パネルを敷き詰めたら、人間が住むための場所がなくなってしまうし、農業生産もできなくなる。そうなったら困る。
この件については、前に推定を紹介したことがある。
「耕作放棄地に太陽光パネル敷き詰めるだけで、必要量をまかなえるはずだ」
という趣旨。あらためて調べ直すと、下記項目だ。
→ 太陽光発電の資源量: Open ブログ
ただし、ここで示したのは、「たぶん、できるだろう」という推定だ。ヤマカンとも言える。根拠は、はっきりと示していない。
そこで、もっとはっきりとした根拠を探そう。具体的なデータを求める。
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手っ取り早いのは、AIに聞くことだ。そこで、 Gemini に質問したところ、次の回答を得た。
日本全体の電力を太陽光パネルだけでまかなうには、**日本の国土の約2〜3%**の土地が必要と試算されています。これは、全国のゴルフ場総面積とほぼ同じ広さです。
上記条件で計算すると、必要な土地面積は約200万ヘクタールとなります。 これは、日本の国土面積約3,780万ヘクタールの約5.3%に相当します。
一方、耕作放棄地については、次の回答を得た。
農林水産省によると、2020年の耕作放棄地(主観ベース)の面積は42万3千haです。
太陽光発電に必要な土地は 200万ha なのに、耕作放棄地は 42万ha しかない。これでは足りない! 「耕作放棄地だけでまかなう」という案は、成立しないことになる。
困った。どうする?
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しかし、心配するには及ばない。前に述べたように、中山間地に大量の農地があるので、そのうちの一部を太陽光発電に転用すればいい。AIの Perplexity に質問すると、次の回答を得た。
全国の総土地面積3,729万ヘクタールのうち、中山間地域は2,412万ヘクタールを占めています。これは日本の国土面積の約65%に相当します。
2,412万ヘクタールの5%で 120万ha になる。
42万ha + 120万ha = 162万ha
であるから、これで解決できる。
※ 「それじゃ 200万ha には少し足りないぞ」
という心配もありそうだが、大丈夫。現状でも
すでに1割は太陽光発電だ。その分を使える。
それが 20万ha 分ぐらいある。
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結局、次の組み合わせで足りる。
・ 耕作放棄地 42万ha
・ 中山間地の 5% 120万ha
・ 既使用地 20万ha
合計 182万ha だ。
こうして必要な土地を得ることができる。(それでも足りない分は、水力や風力や地熱発電でまかなう。)
結論。
太陽光発電のために必要な土地は十分にある。「太陽光パネルを敷き詰める場所がない」という心配は、しなくていい。
※ ただし、耕作放棄地や、山間の中山間地の水田や、山の棚田などは、ほとんどが太陽光パネル用になってしまう。農業生産は、かなり制限されそうだ。特に、山間の狭い水田はほとんどが太陽光パネルの場所に転換されるので、稲作は大幅に制限されそうだ。
※ といっても、量的には、たいしたことにはならない。山間の狭い水田における稲作は、非効率なので、すべて廃止してしまっていい。その分、大規模な稲作を推進すればいい。中山間地における稲作の廃止分が 2%ぐらいで、大規模耕作の拡大による稲作増産が2%ぐらいで、増減が釣り合うだろう。
※ 特に、棚田は、無駄の極みと言えるので、すべて廃止してしまうのがいい。太陽光パネルを敷き詰める方がずっといい。(山の斜面は、段々畑として茶やミカンをつくるのならばいいが、稲作は無理だ。耕作用の大型機械を、山面には導入できないからだ。)
@ha_moge_taa #茶畑 #茶原郷 #和束町 #茶 #京都 #宇治 #kyoto #uji ? Suzume (From "Suzume no Tojimari") - Akano
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[ 付記 ]
さらに考えたが、耕作放棄地は、今後どんどん増える見込みだ。というのは、高齢の農業従事者が死亡したあとで、相続した子供は農業従事しないからだ。その土地は、近隣の農家に売却されることが多いが、近隣の農家もまた、高齢化で農業を廃業しがちだ。そもそも、中山間地の農業は、非効率なので、事業として成立しにくい。(たいていは高齢者が年金をもらいながら、細々と趣味ふうにやっているだけだ。)
こうして耕作放棄地がどんどん増えるはずだから、耕作放棄地が 42万ha に留まることはないだろう。今後はどんどん増えていくだろう。100万ha ぐらいまで増えそうだ。……となると、その分、必要な土地面積を、耕作放棄地で埋めることができる。その分、中山間地(の農地)から転用する土地の必要性は薄らぐ。
日本の国土の総面積は 37万平方キロ = 3700万ha だ。そのうちの 200万 ha を太陽光発電に転用すればいいわけだが、それは決して難しくはないのだ。
※ 洋上風力が整備されれば、その分、太陽光発電の必要量は減る。将来、洋上風力が半分を担うことになれば、太陽光発電の必要量は減るので、豊作放棄地の 100万ha だけで足りるようになるかもしれない。
※ 太陽光パネルの変換効率も、将来的には向上しそうだ。現行では 20%ぐらいが前提となっているが、将来的には 30% にまで高まるかもしれない。
※ ペロブスカイト太陽電池の普及も見込める。これは建物の窓や壁に塗ることのできる太陽電池だ。これが普及すれば、その分、太陽光パネルの必要量も減る。
【 追記 】
Gemini の回答の一部に、こうあった。(再掲)
**日本の国土の約2〜3%**の土地が必要と試算されています。これは、全国のゴルフ場総面積とほぼ同じ広さです。
つまり、あれこれと土地を探さなくても、ゴルフ場をすべてつぶすだけで、太陽光発電の量は足りる。(すでにある住宅地の屋根やメガソーラーの分も含めると、足りるどころか、大幅に余るほどだ。)
だったら、中山間地の農地をつぶすよりは、ゴルフ場をつぶしてメガソーラーにする方が、よほどマシだろう。ゴルフ場はどっちみち、炭酸ガスの抑制には役立たないから、太陽光パネルでも設置した方がいい。
たとえば、このあたりには、やたらとゴルフ場がある。(北関東)
→ https://x.gd/CoVrT ( Google マップ)
【 関連項目 】
太陽光パネルの設置が進まない理由は、農水省が「農地転用」の不許可をタテに、太陽光パネルの設置を妨害しているからだ、という指摘。
→ 太陽光パネルの設置禁止 : Open ブログ
→ 太陽光発電を増やす妙案: Open ブログ
→ 再エネ軽視の亡国政策: Open ブログ
ヨーロッパの再エネはベース電源がそれほど必要ないらしいです。その理由の一つは風力発電が多いからのようです。ならばどうして日本では風力が盛んでないかを見ると、風きり音がうるさいとか景観が害されるとかで難癖をつけられ、マスコミも同調しているからのようです。洋上発電がその回答になりそうです。昔デンマークに行ったとき洋上に多くの風車が回っていたのを思い出します。あのあたりは風車の伝統があったのですね。
洋上風力ができるのであれば洋上太陽光発電もありでしょう。設置コストが高すぎるかな。
ゴルフ場を使えばいい、という話。
偏西風が常時吹くわけでも無く、台風も来るので色々コストが掛かります。
洋上風力発電にしても、日本は遠浅な海が広がるわけではないのでこれまたコストが掛かります。また島国なので他国と電力線を連携出来るわけでもありません。
現在秋田沖とかで洋上風力等を推進していますが、冬の日本海は大荒れなのでその間は工事出来ません。それによりコストも嵩みます。
日本はなかなか脱炭素に対して厳しい状況です。
それは昔の話。今は、3円/kWh という格安になっています。
→ https://project.nikkeibp.co.jp/energy/atcl/19/feature/00007/00111/
なお、実際の応募価格は3円を下回っていたが、政府は3円を下回ることを禁止して、3円以上にするように強要した。
→ https://x.gd/20go8
これによって洋上発電の推進を阻害して、再エネの拡大を抑止する。太陽光を抑止するだけでなく、風力も抑止する。再エネを邪魔して、火力と原子力の東電だけが有利になるように仕向ける。
なぜか? 火力と原子力の稼働率が下がると、東電の利益が減って、東電が困るからだ。
太陽光や風力は、コストが高いから実現できないのではない。コストは低いが、政府が阻害するから実現できない。
そうすることを強要しているのは、東電だ。(莫大な献金で。献金の原資は、不当利益から。)