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柔道女子で圧倒的に強いという評判だった阿部詩が敗北した。
→ https://www.youtube.com/watch?v=QFM3Kfh6VXo
事前のオッズでも、圧倒的な評価を得ており、ダントツの1位という評判だった。これまでの戦績でも圧倒的だった。なのに、敗北した。
では、どうしてか? それを分析する記事がある。
あえて敗因を一つ挙げるなら、シードを取っていなかった点だ。詩は様々な事情で昨年 12月のグランドスラム東京に出場しなければいけなかった。
( → 頂上で、妹を待つ 隙無し瞬時の技、詩ならわかる重圧 :朝日新聞 )
これを読んでもよくわからなかったが、続報があった。
柔道女子52キロ級で阿部詩を破ったディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)は、世界ランキング1位の選手。世界ランク9位の阿部はこの大会、シード権を得られず、序盤の2回戦で強敵と対戦することになった。
東京五輪金メダル、2022、23年世界選手権連覇で、この3年間国際大会全勝の阿部がなぜ、ノーシードなのか。特殊なランキングシステムと、日本の地理的条件が絡む。
国際柔道連盟(IJF)は近年、ワールドツアーという形で年間を通じて欧州を中心に国際大会を開いている。欧州の選手は頻繁に試合に出ながら調整することが一般的で、自然とポイントがたまる構図になっている。
渡航に費用も時間もかかる日本勢は出場大会を絞っており、ランキングは上昇しづらい。
( → 複雑な算出法、地理的不利も 柔道・阿部詩、なぜノーシード パリ五輪:朝日新聞 )
要するに、出場することによる出場ポイントを稼げなかったから、ポイント不足で9位となって、そのせいで序盤で1位とぶつかるようになった。それが敗因だ。
仮に、まともに出場して出場ポイントを稼いでいたら、たぶん決勝でぶつかっていただろうし、その場合には負けても銀メダルだから、今回のように「メダルなし」ということにはならなかった。金が銀になるのは惜しいが、そのくらいならば許容範囲だろう。
結局、出場しなかったことが、根源的な敗因だ。
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では、なぜ出場しなかったのか? 記事にはこうある。
渡航に費用も時間もかかる日本勢は出場大会を絞っており、ランキングは上昇しづらい。
要するに(渡航のための)遠征費用がないからだ、ということになる。なるほど、日本のアマチュアスポーツのための費用は、非常に少ない。東京五輪の前に限っては、数年間の強化費が特別に出たが、普段のスポーツ援助費用はとても少ない。たいていが自腹だし、極貧というありさまだ。
ちなみに、バトミントンの桃田賢斗(元・世界1位)が、交通事故で大怪我をして、選手生命を大幅に縮めたことがあった。これも、格安の交通機関を使ったせいで、まともな自動車を借りられなかったことが原因だ。金がないせいで、スポーツ選手の選手生命をも縮めることになる。
阿部詩の場合はどうか? 日本女子選手史上で最強とも言えそうだ。また、兄の阿部一二三も、「平成の三四郎」といわれた古賀稔彦の再来と呼ばれるほどの大物だ。この2人ならば、圧倒的な援助があってもおかしくない。ところが現実には、惨憺たるありさまだ。2人とも、所属は「パーク24」という駐車場会社である。データでは、こうだ。
売上高は、連結:2511億0200万円。営業利益は、116億円の赤字。
会社の存続も危ぶまれるほどの大赤字を出している。いつ つぶれても、おかしくない。こんな会社が、まともな遠征費用を出せるはずもない。
なのに、こんな大赤字の会社が、日本の柔道界を背負っているのだ。
※ 阿部兄妹だけでなく、他にも多くの柔道選手が所属している。
→ 部員紹介 - パーク24柔道部
まるで日本の選手全部みたいだ。
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日本の大企業は、もうちょっと何とかならないのだろうか? トヨタやソニーのような大企業は、もうちょっとアマチュアスポーツ選手を援助できないだろうか? 別に、無名の選手を応援せよとは言わない。世界的に有名な阿部兄妹を援助するぐらいなら、できそうなものだが。宣伝効果だって、十分にある。
トヨタだって、トヨタイムズなんてものを出して、トヨ社のタイムズ(新聞)を出すくらいなら、阿部兄妹を援助してほしいものだ。そうすれば、出場の遠征費を出すことができて、阿部詩が金メダルを取る機会もあっただろうに。
【 関連サイト 】
→ 【柔道】阿部詩は勝っていた? 一本負けの2回戦…審判が見逃した反則≠小川直也氏が指摘 | 東スポWEB
以前ほど、テレビCMキャラクターとしてオリンピック選手が出演することが無くなってきたことがそのあらわれです。
今はスポーツ選手の顔といえば大谷翔平選手です。
東京オリンピックでの大汚職事件も尾を引いているかもしれませんね。
私だって、貧しいなりに社会貢献活動をしているのに、金持ちトヨタは、何をやっているんだ。ソニーも同様。株主還元のことしか考えていない。金の奴隷だな。
なのに、トヨ社なんかをタイムズして、ヨタばかりやっているから、このハメになった。情けないね。
株主中心の社会に持っていったのは当時の小泉純一郎政権あたりからですよね。『小泉の波立ち』にて管理人さまがよく主張されていたことと思います。
あの頃から企業も個人も『金の奴隷』に堕ちていっているように思いますね。(現在進行形)
企業にたかるべきじゃない
一例で、横浜マリノスは、日産自動車の補助金が大きいので、特に公金の支出はなされていないようだ。サイバーエージェントの町田や、楽天の神戸も、親会社が援助しているだろう。
セレッソ大阪は、公金でなく、民間の支援企業が多いようだ。
一方で、田舎のチームだと、地域おこしの名分で、公金が支出されることも多いようだ。
田舎のチームだけつぶすとよさそうだ。
> 企業にたかる
たかるわけじゃなくて、持ちつ持たれつの関係になるでしょう。十分に宣伝効果を得られるので。
社員として雇用して勤務させることもできる。一日中、練習し続けるわけじゃないので。
ちなみに、トヨタ系列にも、警備会社がある。