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1名の死亡が判明したが、残りの1名も絶望的だ。(1日たっても、その人から返事が来ないからだ。たぶん近辺に水没しているものと思える。)
今回の経緯はこちらにある。救助要請を受けてパトカーが出向いた、という話。
→ 山形 パトカー流された:NHK
最新ニュースでは、動画はこちら。
救助を要請した人たちは、無事に助かった。
消防によりますと、救助要請した一般人の男性3人は救助され、命に別条はないということです。
( → 山形で記録的大雨 出動の20代警察官2人が不明 救助要請の一般人3人は救助され命に別条なし|日テレNEWS NNN )
これに対して、警察はどう応じたか? 上の NHK の記事の最後(最古部)には、こうある。
大雨で救助に向かっていた警察官2人の安否が不明になっていることについて、山形県警察本部の鈴木邦夫本部長は「痛恨の極みだ。行方不明になっている一般の人もいるとみられ、全力をあげて捜索をしている。発生して間もないので、細かい状況については現在確認中だ」と述べました。
「痛恨の極みだ」と他人事か自然災害みたいに言っているだけだ。自分の責任には言及しない。
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ネットでは、「痛ましいことだ」という声が多い。ただの自然災害だと思っているのだろう。
だが、私の考えでは、これは完全な人災である。愚か者の判断ミスゆえに、やってはならないことをやったから、貴重な人命が奪われたのだ。
そもそも、結果を見れば、警察が出る必要はまったくなかった。何もしないで放置しておけばよかった。そうすれば、豪雨の終了後に、救助隊が助けてくれて、何事もなかったはずだ。(実際、そうなった。)
仮に状況が最悪の場合(今にも水没しそうな場合)であっても、専門装備をもつ救助隊が向かえばいいのであって、それまでは警察は何もしないで待機しておくべきだった。「警察が何もしないと、死んでしまうかも」という心配は不要だ。このような豪雨の中にわざわざ出向くような民間人は、自殺志願者と同じなのだから、死んだとしても、構わずに放置すればいい。自業自得というものだ。
一方で、警察が現場に出向くというのは、絶対にやってはならないことだ。すでに気象庁が「危険なので出向かないでください」と訴えて、NHK が何度も放送していた。こういう警告が専門家から出ていたのだ。なのに、その警告を無視して、警察が出向いた。
ここで、出向いたのが警察官の個人の判断であるならば、「愚かな判断だ」ということで済む。しかし、警察の本部が「救助に出向け」と指令したのだとすれば、これは、警察という組織全体が狂っているということだ。そのせいで、警察自身が人を死なせたことになる。
本件は、「業務上過失致死罪」で、警察本部長を訴追するべきだろう。さもなくば、死んだ警察官が浮かばれない。
※ 今回の暴挙は、比喩的に言えば、次の行為に似ている。
・ 日本刀を振り回す暴漢に、素手で格闘する。
・ 火事を消火しようとして、火のなかに飛び込む。
・ 溺死者を救うため、水深 100メートルに潜る。
いずれにしても、死ぬのはほぼ確実だ。行かせた方が悪い。
※ もっと典型的には、次のことに似ている。
・ 大地震で津波警報が出ているのに、あえて警官が海岸に向かう。
(津波警報を無視して立ち往生をした愚か者を救うために。)
・ その結果、警官だけが津波で死亡して、愚か者は生き残る。
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今回の死亡事件では、特筆すべきことがある。
(1) 事前に NHK で危険性を何度も強く訴えていた。私はそれを見て確認した。記事にも同趣旨は残っている。
気象庁は25日午後1時5分、山形県に大雨特別警報を発表した。特別警報が発表されたのは同県酒田市、遊佐町の2市町。同庁は、これまで経験したことのないような大雨になっているとして、最大級の警戒を呼びかけている。
( → 山形県庄内地方に大雨特別警報…「50年に1度」の大雨予想 : 読売新聞 )
(2) その後、現場は実際に、ものすごい豪雨となった。下記の動画でもわかる。
ここで流されたのは、普通のパトカーだとわかる。当然、4WD でもないし、特別な重量もない。氾濫した地域に出れば、車が流されるのは当然だ。川を横切る場所(橋)を通れば、増水した水に流されて水没するのは当然だ。
つまり、今回の事故は、起こるべくして起こったことになる。警察官は自殺したのも当然だろう。というより、警察本部が「死ね」と命じて、それに従って死んだも同然だろう。(警察本部の殺人も同然だ。)
(3) そもそも、自動車は水には弱い。30cm ぐらいの水深で、あっという間に動けなくなる。
こういう危険性があるのに、一般車両であるパトカーを、豪雨のさなかに向かわせた。これはまあ、完全に、「死ね」という意味で送り込んだことになる。ほとんど殺人行為と言えるだろう。(馬鹿すぎたので、危険性がわからないのなら、業務上過失致死罪かもしれないが。)
※ 最低限の装備であるライフ・ジャケットさえもない状態で、現場に向かわせるなんて、とんでもないことだ。災害救助の鉄則に反する。
(4) では、どうすればいいか?
こういうときには、素人の出番はない。一般警察官の出番はない。
かわりに、災害救助の専門家の出番となる。こうだ。
・ 消防庁の災害救助隊、特別高度救助隊
・ 自衛隊のレンジャー救助隊
・ 警察の 特殊救助隊 、広域緊急援助隊
これらの専門部隊が、きちんと対策してくれるはずだ。
(5) 今回は、どうだったか? どうも、災害救助隊の出番がなかったようだ。これらの部隊が豪雨のさなかに出動したという報告は何もない。部隊の出動要請があるまで(事故が起こるまで)、東京や大阪に待機していて、山形までは出向いていなかったようだ。
呆れる。ひどい。特別救助隊や、広域緊急援助隊があっても、「宝の持ち腐れ」「仏作って魂入れず」というありさまだ。馬鹿丸出し、というしかない。
(6) では、どうするべきか?
ここでは、「困ったときの Openブログ」の名案などは、必要ない。やるべきことをやる。ただそれだけでいい。なのに、それができていない。ものすごく優秀な部隊があるのに、それがまったく機能不全になっているのだ。
いったい、どうしてか? それは、たぶん、災害の指揮系統が分断されているからだろう。現地では山形県の災害指揮車である知事が全権を担うが、山形県知事は東京や大阪の救助部隊には権限が及ばない。自衛隊にも権限が及ばない。だから事前出動を要請できない。そして、事故が起こってから呼び寄せたのでは、とうてい間に合わない。
ここでは「統一的な指揮系統がない」という点が問題の根源なっている。そして、それに対する解決策は、「防災庁を作れ」ということだ。そうすれば、統一的・広域的な対策が可能となる。
この件は、何度も述べた通り。
→ サイト内検索
(7) 「何をするべきではないか」も大切だ。大規模な気象災害のときには、一般警察は出動禁止を原則とするべきだ。災害救助は専門の部隊に任せる。一般の警察官は素人なので出動禁止。それを原則とするべきだ。
比喩的に言うなら、鬼を退治するのは「柱」に任せるべきである。雑魚の隊員が1人で出向いても、鬼に食い殺されるだけだ。そういうときには、雑魚は引っ込んでいるべきなのだ。「警察官なんだから、市民のために、鬼に食い殺されよ」というような判断は、完全な誤りだ。
※ 今回の救助要請が来たのは、午後 11時20分。こんな時間にわざわざ外出して、立ち往生する馬鹿がいる。そんな馬鹿を救うために、無装備の警察官が出向く必要はない。馬鹿は馬鹿で死なせてやるのが正しい。馬鹿の愚行を助けるために警察官が自分の命を捨てる必要はない。まして本部が部下の命を投げ捨てるなんて、言語道断だ。
【 関連サイト 】
テレビドラマの世界では、「防災庁」に似たものができている。「気象災害専門の救助部隊」というものだ。
・ 気象の変化を精密に予想する。
・ その予想に従って、ドンピシャの場所で、最善の対策をする。
・ それが成功して、見事に人命を救助する。
……という筋書きのドラマだ。山下智久 主演。
テレビ・ドラマではできているのに、現実にはできない。「専門家に任せる」という、ただそれだけのことができない。組織が地域的に分断されていて、指揮系統がつながらないせいで。
かくて、愚の骨頂ゆえに、警察官が無駄に死ぬ。犬死にだ。(竹槍で出陣して、蜂の巣状になるようなものだ。)
※ 現実にはどうだったか? 「精密に予想する」というところまでは、気象庁が何とか頑張った。しかし、現地の警察はそれに従わないで暴走する。警察のかわりとなる災害救助隊は出動しない。(要請がないので、遠くの大都会で待機している。その後、要請されても、すぐには届かない。)……現実はドラマよりも、はるかに遅れている。間抜け。だから人が死ぬ。
→ https://x.gd/LQt5y
現場の情景の写真は、こちら。
→ https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tuy/1322976?display=1
双方で、 く の字状の道が一致していることがわかる。
現場は、橋の上ではなくて、橋よりもかなり手前であるとわかる。
流された車は、パトカー以外に 3台あるとわかる。いずれも、洪水のさなかでは、なすすべはない。警察だからといって、特別にできることはない。単に、どんぶらこと流されることしかできない。
単純に言えば、装備不足。自動車では無理。自動車で向かうのは、死ぬために出向くのと同じだ。
洪水用の特殊車両かヘリコプターかボートでないと。
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もう1人の遺体が発見されたのは、現場から 1.7キロ下流だそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f57a671b46406aa72a28c67029a43c364149eeb
https://www.yamagata-np.jp/news/202407/28/kj_2024072800907.php
宮野橋の近くだという。宮野橋は、下記だ。 S のマークのポイントだ。
→ https://x.gd/dHuxY