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あちこちで大ニュースになっている。
それにしても、寝耳に水で、ビックリした。決まるとしても、まだ先のことだと思っていたので、急変にビックリだ。
実は、私はもともと次の話を書く予定だった。
「一発の銃弾が、次期大統領を左右することになった。もともとは接戦だったが、トランプがやや優勢という見通しだった。バイデンは、ろれつが回らなくなって、圧倒的に不利だと判明したが、それでもバイデンは撤退しないので、次期大統領はトランプになると見込まれていた。
そこへ一発の銃弾が襲った。その銃弾は、トランプをかすめたが、トランプは立ち上がって、拳を掲げた。その英雄的な写真を見て、人々は喝采を浴びせた。これでもう次期大統領はトランプになることが確実になったな、と誰もが思った。
すると、バイデンもまた、そう思うようになった。これまでは決して自分の敗北を認めようとしなかったのに、ようやくにして、自分の敗北を認めるようになった。そこで、撤退を決めた。
一発の銃弾が、バイデン撤退を決めた。これで、トランプが次期大統領になるのが確実だという情勢は、一転した。
一発の銃弾が、大統領選を左右したのだ」
その銃弾は、トランプには当たらなかったが、バイデンには当たったようだ。影のような形で。