二律背反だ。これをどう解決する?
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出産後の早期復職には、次の二律背反がある。
・ 母親にとっては、早期復職できると都合がいい。
・ 赤ちゃんにとっては、母親がいなくなると都合が悪い。
後者については、昼間ならば「ベビーシッターで母親の代用とする」という手が利く。しかし夜間には、その手は利かない。夜間専用のベビーシッターなど、たやすく雇えないし、雇っても超高額になる。解決の方法がない。
一般に、赤ちゃんは夜泣きして、母親を求める。とすれば夜間には、赤ちゃんのために、母親が必要だ。一方、母親が夜間に夜泣きの対処をすると、睡眠不足になって、体がくたくたになって、仕事がまともにできなくなる。
あちらが立てば、こちらが立たず。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。以下、順々に考える。
まず、「赤ちゃんの夜泣きを無視する」というアイデアを思いついた。そこで、AIに質問して、「赤ちゃんの夜泣きを無視していいか?」と尋ねたら、「生後3カ月は駄目」という回答が来た。赤ちゃんは、腹を空かせたり、オムツが汚れたりする。そこで、お乳を与えたり、オムツを取り替えたりする必要が生じる。どうしても、手間がかかるのだ。それがおよそ3カ月間ほどかかる。……というわけで、「赤ちゃんの夜泣きを無視する」ということは、生後3カ月間ほどは無理なのだ。
そこで新たに、「乳児保育園に預ける」というアイデアを思いついた。そこでググってみたが、乳児保育園には期間の制限がある。「出産後 57日目以後でないと、保育園には預けられない」という法的規定があるのだ。
なぜか? その前に、「出産後 56日目までは、妊婦は産休を取らないといけない」という法的規定があるからだ。(医師の許可によって 42日目までに短縮することも可能だが。)
ではなぜ、こんな法的規定があるのか?
ちなみに、米国の事情を調べると、「出産後、2週間で職場復帰する女性が多い」という情報を得た。
アメリカの産休育休事情はかなりシビアであることがわかりました。衝撃的なことに、制度の条件や経済的理由から4人に1人は出産後2週間以内に職場復帰しているそうです。
アメリカの産休育休事情は非常にシビアであり、FMLA休暇自体が利用できなかったり、休暇中は無給のために早期に職場復帰せざるを得ない方たちが多くいることがわかりました。私もアメリカの病院で出産し産後3日で退院しましたが、生後2週間の時はまだ体が痛みました。そういった体調の中で働かざるを得ないのは本当に過酷だと思います。
( → 在米薬剤師 SAKINAのアメリカ子育て体験談|HAP )
「無給のために早期に職場復帰せざるを得ない」とのことだ。なるほど。
出産後2週間で職場復帰する人も多いが、その時点ではまだからだが傷んで、体に負担がかかるようだ。
上の情報からすると、日本で「56日間もの産休が認められている」というのは、「母体の保護」ということが目的だ、とわかる。そのために2カ月弱という長い時間を産休として義務づける。
とはいえ、「母体の保護」が目的だとしても、出産そのものから回復するには2週間あまりがあれば足りるようだ。一方で、赤ちゃんの夜泣き対策のためには、3カ月(13週)ぐらいの日数が必要であるようだ。
日本の制度は、母体保護のためには優れているようだが、「職場から解雇されてしまう」とか「自主的に退職する」とか、そういう形で「出産退職」という形に結びつきやすいというデメリットがある。
一方、米国の制度は、母体保護のためには不適切であるようだが、「出産退職」という形に結びつきにくいというメリットがある。
両者は一長一短だと言えよう。
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では、両者の良いとこ取りをする方法はないか?
・「出産退職」という形に結びつきにくいように、早期復職を促す。
・ 母体の健康に悪影響を及ぼさないように、対処する。
この双方を、ともに成立させる方法はないか?
論理的に考えれば、「ある」とわかる。次の方法だ。
「早期復職をするが、同時に、母体の健康に悪影響を及ぼさないようにする」
つまり、双方を同時に成立させる方法を見つければいい。
では、その方法は? こうだ。
「出産後2週間は母親が面倒を見る。だが、それ以後は、24時間の乳児保育園に預ける。昼間は乳児保育園に預けて、しっかり働く。夜間は乳児保育園に預けて、夜泣きの管理を任せる。ものすごく負担になる乳児の保育を、すべて保育園に任せる。その間、母親は普通に働くだけでいい」
この方法ならば、母親に体の負担はかからない。
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ただし、上の方法だと、金銭の負担はかかる。
24時間の乳児保育園に預けるとなると、そのコストはかなり多額になる。ざっと見て、月額 100万円ぐらいか。これで2カ月間を預けると、総額で 200万円となる。
しかし、200万円ぐらいの額ならば、高所得のワーキング・レディには十分に払える額だ。生涯で2回、400万円がかかるとしても、十分に払えるだろう。
だから、当初は高所得の女性向けに、24時間の乳児保育園を設置すればいい。たぶん、「預けたい」という高所得女性が殺到する。そこで、少しずつ新たな施設を増設していけばいい。施設が 10個ぐらいできたら、需給が緩和しそうだから、そうなったら、中所得社向けに、月額 50万円(総額 100万円)で「24時間の乳児保育園」を開設すればいい。
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さて。このような「24時間の乳児保育園」という方法を推奨するのは、なぜか? 理由は、こうだ。
「1人の母親が1人の子供の面倒を見るのでは、非効率である。むしろ、1人の保育士が5人の子供の面倒を見る方が、効率的だ。1人の母親が赤ちゃんの夜泣きの面倒を見るよりは、1人の保育士が5人分をまとめて赤ちゃんの夜泣きの面倒を見る方がいい。それなら効率が5倍になり、効率アップとなる」
こうすれば、女性は日中も十分に働くことができて、女性労働力を十分に生かすことができる。結果的に、国全体の GDP も増加する。国全体が豊かになり、大人も子供も金が増えてハッピーになる。高齢者も年金が増えてハッピーになる。
というわけで、「24時間の乳児保育園」を設置して、そこで赤ちゃんの夜泣きに対して、まとめて面倒を見ればいいのだ。これで誰もがハッピーになる。困ったときの Openブログ。
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※ 本項の情報調査では、AIを多用した。本項内の記述に、根拠不足を感じたなら、各人が自分でAIに質問するといいだろう。そうすれば、妥当な根拠を教えてもらえる。
[ 付記 ]
「1人の保育士が5人の子供の面倒を見る」
と述べたが、これはあくまで比率の話だ。現実には、最低でも2人の保育士が必要だ。(トイレ交替などの必要性があるので。)
この場合は、「2人が 10人の子供の面倒を見る」という形になる。これなら何とかなるだろう。
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なお、現実には、「1人の保育士が5人の子供の面倒を見る」というのは、数字がちょっと甘すぎるようだ。既存の保育園の設置基準で言うと、こうなっている。
2024年4月から施行された改訂基準は以下の通り。
0歳児: 保育士1人に対して 3人 の子供
1歳児: 保育士1人に対して 6人 の子供
ただしこれは昼間の数字だ。夜間だと、赤ん坊は寝ている時間が多くなりそうなので、保育士の必要数は少なめで足りそうだ。そう思って、5人という数字を掲げた。
ただし、この数字はあくまで目安なので、この数値にこだわるつもりはない。現実には、3人や2人であってもいい。1人よりも多ければ、それでいいのだ。
【 関連画像 】
→ ベッドの並ぶ保育園
https://mama.smt.docomo.ne.jp/conobie/article/14105
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全身がとにかく痛くて、2週間は普通に座ることもできないなんて。
出血(悪露)が1ヶ月以上続くなんて。
あんなに情緒不安定になるなんて。
ほてりとめまいで体が思うように動かないなんて。
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ということなので、早期復職ができない状態です。休むべきでしょ。無理しちゃ、駄目です。
本項の話はあくまで「産後の体調が軽快な人」の場合。それ以外は対象外。
記事を読むと、本人は無理をしたことに対して、大いに反省しているようだ。失敗談。「他の人は私みたいな馬鹿な失敗をしないでね」という報告。
産後1カ月ぐらいでは、まだ親を認識できないでしょう。目をつぶって泣いているだけだし。2カ月目ぐらいだと、親を認識して、ニコニコするが。ただし、保育士を母親と誤認することで、解決しそうだ。
> 嫌と感じるお母さん多い
イヤならイヤで、そうしなければいい。あくまで母親が自分で決めることです。他人が強制するわけじゃない。
本項では選択肢を増やすだけです。「働くのは禁止」という禁止条項を緩和するだけ。無理やり復職させるわけじゃない。「好きにしろ」というだけです。
方針はいいのだが、実務が追いついていない。優先が絶対的なところもあり、優先がごくわずかなところもある。保育士ならば必ず保育所に預け入れが可能なところもあるが、ほとんど差がないところもある。
頭に手が追いつかない。そこが問題。
↓
早期復職を促す … ではないうまい解決策がないものでしょうか。
まあ、そんな職場は、早々に見限ってしまう方が、長期的には幸せになれる道かもしれませんが。
本項の方法だと、早期復職が可能になるだけです。選択肢が増えるだけです。
当然、早期復職をやらなくてもいい。現状通り、休んでいるだけでもいい。その場合、夜泣きには苦しめられるのは、変わらないが。
一方、昼間は働きながら、24時間保育に預ければ、夜中は(夜泣きに苦しめられないので、)まともな生活を送れます。夜中に眠れない現状よりも、ずっと楽になります。産後の苦しみから解放されます。
そのかわり、莫大な保育費用を払う必要がある。ただしその金を払うのは、旦那に任せれば、女性は1円も払わないで済む。
「私が苦しんで出産したんだから、お金を払うのはあなたがやってね。夫ならそのくらいは当然でしょ」
「はい。支払います。赤ちゃんの価値は無限大だからね。産んでくれて、ありがとう」
というふうになれば、問題は解決。
保育園は「親が働いている間、子供を預かってもらえる所」であり、「親が寝ている間」ではありえないと思います。
【詳細】
東京都ではじめての24時間開所の認可保育園の場合
ttps://abc24.jp/for24hours/
「基本開所時間は、午前11時から午後10時まで、前後13時間の延長があり、24時間開所しています」
とのことでした。
朝10時に子供を預け、朝4時に迎えに行くといった例が挙がっていました。
確かに保育園は24時間開所しており、24時間まで預けることはできますが、預けっぱなしにはできません。
>「昼間は働きながら、24時間保育に預ければ、夜中は(夜泣きに苦しめられないので、)まともな
生活を送れます。」
とおっしゃいますが、そのためには
・昼間は普通の仕事(当然子供は保育園に預けている)
・仕事帰りに子供を迎えに行き、夕食の時間は一緒に過ごす
・子供が寝る前に保育園に預けに行く
といったサイクルになります。
こんなサイクルを送る0歳児の親が3人いた場合、子供を預かるためには日勤と夜勤の2人の保育士が必要になります。
ということは、預ける側3人で、2人の保育士の給与に相当する保育料を支払う計算になります。
実際には国や自治体からの補助があったり、それを理事長が掠め取ったりといろいろあるかもしれませんが、こんなざっくりとした計算からも、昼間働いている時間と、夜中の両方に子供を預けるのは非現実的なように思えます。
保育所の立地の問題もあります。
上述の保育所は新宿にあります。夜の仕事をする親が多いから成り立っているわけです。
この保育園で
・昼間は普通の仕事(当然子供は保育園に預けている)
・仕事帰りに子供を迎えに行き、夕食の時間は一緒に過ごす
・子供が寝る前に保育園に預けに行く
というサイクルを実現できるのは、職場も自宅も新宿の近くにある人だけです。いわゆる富裕層です。
もっと一般的な、郊外に住んで都心の職場に通う人の場合、子供は自宅の近く(=郊外)の保育園に預けに行くはずです。
昼間ですら「保育園落ちた日本死ね」と言われるくらい、需要に対して供給が追い付いていないわけですが、そんな保育園が24時間預かりに踏み出せるでしょうか?
そうですよ。夜間保育は保育所の仕事ではありませんし、そのために公的負担をしろとも言っていません。むしろ個人的に毎月 100万円を払え、と言っています。
本項の提案は、通常の保育所の仕事ではなく、(例外的な一部の)民間の夜間保育サービスです。金持ちだけが個人負担で利用します。公的負担はありません。お間違えなく!
※ ただし昼間の分だけは、公的補助を受けられます。その点は、他と同じ。
※ 昼間の分は、月額 50万円の公的負担がある。それはそのまま受け取れる。さらに追加で夜間の分が 100万円。これが自己負担となる。
> 上述の保育所は新宿にあります。
本項の提案は「24時間いつでもOK」ではなく、24時間預けっぱなしとなるので、設置の場所は原則、地価の安めな近郊です。都心部ではありえない。都心から1時間ぐらいの場所を想定します。
ただし、新宿に設置でも問題ないですね。どうせ全額自己負担なんだから、月額 1000万円ぐらいを徴収してもいい。好きにすればいい。自分の金は好きに使っていい。
「そんなこと、したければ勝手にすればいいだろ」
と思うかもしれないが、現実には、法律で禁止されているので、不可能だ。
そこで、この法的制度を改正して、禁止を外すべきだ、というのが、本項。
24時間保育を社会的に推進せよと言っているわけでもないし、公的補助を多額に出せと言っているわけでもない。法的な禁止をやめろ、と言っているだけだ。
※ 若干の補助はしてもいい。
それよりも、ノイズキャンセリングイヤフォンと搾乳機を買ってお手伝いさんを雇い、夜間のお世話と昼間の家事をしてもらう方がいいのでは?
なぜか? 昼間ならば素人のベビーシッターに任せることもできるが、夜間には素人に任せるのは危険すぎるし、不安だ。だから母親は素人には任せない。任せるなら経験のある保育士か看護師だが、それらの専門家は人件費がかかる。
夜間保育だと、素人ベビーシッターでも時給 2000円。プロならばその倍額程度。時給 4000円で10時間保育だと1日4万円。昼間に1万円なら、合計5万円。月 150万円だ。とても払えない。
というわけで、本項の「保育所」案を示しました。施設費はかかるが、人件費が大幅に安くなる。多人数保育なので。
なお、ノイズキャンセラーは、イヤホンタイプならばただの耳栓で代用できる。空間単位のノイズキャンセラーは、詐欺であり、効果がないので、会社が倒産しました。
> 入所する乳児の数が安定しないと
経営面では、常に需要よりも少なめの供給にして、応募者の倍率が1を上回るようにすれば、経営は安定します。
課題は、需要を見誤らないこと。
ただし、それは経営者の問題であって、行政が心配することじゃない。行政が考えるべきことは、「余計な規制は緩和する」(禁止をなくす)ということだけだ。
行政が個別の会社の経営を心配する必要はない。いやなら、やめればいいだけだ。