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夫婦別姓について議論が高まっている。国民の過半数は「選択的夫婦別姓」(やりたい人だけが別姓にする)という方針を支持していて、自民党だけが反対している、という状況だ。
さて。ここで、次の見解が出た。
→ 別姓を選択した夫婦から生まれた子供の姓をどうするのか
→ 選択的夫婦別姓になったら夫婦は別姓を選ぶのがアタリマエ?
この二つを読んだあとで、考え直した。
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私の新たな見解は、こうだ。
(1) 新制度の導入後も、日常的には旧制度と同様にすればいい。つまり、どちらか一方の姓に決めて、家族全員が同じ姓を採用する。通常、妻も子供も夫の姓を名乗る。
※ 日常的に使うので、「通姓」の扱いだ。
(2) 法的には、妻は(結婚するときに)改姓せずに、元のままの旧姓を使う。したがって、改姓にともなう書類上の手続きは、一切必要ない。何もしないでいい。口座も免許も。
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要するに、日常生活の姓(通姓)と、法的な姓とを、分離する、という方式だ。
この場合、法的にはどうであれ、日常的には、夫婦で同一の姓を使う。現状と何も変わらない。その意味で、家族としての一体感は失われない。「家族の一体感が失われる」という自民党の危惧は不要だ。
一方で、法的には旧姓を使うので、書類の書き換えは不要になる。
なお、マイナンバーには、夫の姓(通姓)を付記してもいいだろう。戸籍や住民票にも、付記する欄を追加するといい。
これは、前に述べた「副姓」という案にも似ている。
→ 選択的夫婦別姓を諦めよ: Open ブログ
> 私の新たな見解は、こうだ。
> (1) (前略)通常、妻も子供も夫の姓を名乗る。(中略)
> (2) 法的には、妻は(結婚するときに)改姓せずに、元のままの旧姓を使う(後略)
⇒ (1) 通常、夫、妻、および子供の家族全員が、夫または妻どちらかの姓を名乗る。
⇒ (2) 法的には、夫と妻ともに(結婚するときに)改姓せずに、元のままの旧姓にとどめる。
> なお、マイナンバーには、夫の姓(通姓)を付記してもいいだろう。
⇒ なお、マイナンバーには、家族の姓(通姓)を付記してもいいだろう。
と、それぞれなるでしょうか?
他にも、
> なお、マイナンバーには、夫の姓(通姓)を付記してもいいだろう。戸籍や住民票にも、付記する欄を追加するといい。
とありますが、戸籍や住民票はともかく、マイナンバーに相手の姓(通姓)を記してしまうと、その人が結婚しているか否かがカードを見てわかってしまうので、少しまずいかもしれません。それと、戸籍や住民票の表記は、夫婦の片方だけでなく双方それぞれに、通性を名乗っているか否かの覧を作らないと、混乱するかもしれません。
<表記例>
夫:山田太郎(通性:なし)
妻:佐藤花子(通性:山田)
さらには、下のような、「夫婦双方とも通性を使わない選択もできるようにしろ」と、法案にケチを付ける人が出てくるかもしれません。この場合、見てのとおりに夫婦の共通項がなくなってしまうので、せっかくの筆者の案の本質が損なわれて、自民党がまたぞろ「家族の一体感ガー」と言ってくることになるので、たぶん却下ですね。
夫:山田太郎(通性:なし)
妻:佐藤花子(通性:なし)
それと、夫婦どちらか(あるいは夫婦両方)に結婚前からの連れ子がいた場合、その連れ子の法的な姓をどうするかの規定も必要ですね。旧姓のままにとどめるのか、親の結婚相手の姓に変更するのか、その2つを選択できるようにするのか。
以上、結局また長くなってすみません。
説明上の都合なので、実際の法制化の際には、男女平等の記述を取ることになります。
通姓の扱い(処理)をどうするかは、実務上のことなので、細部は突き詰める必要がありそうです。本項は、テーマを掲げるだけに留めておきます。
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/通名
によると
「在日外国人の通名は一つに限り、居住する区や市町村への登録を条件として法的な効力を持つ」
となっています。
同じことを日本人に対しても認めればいいような気がします。
通名制度が適用されるようになったと仮定して、適用前に生まれた、通名を持たない人(およびその子供)のライフイベントを考えると以下のような感じでしょうか?
結婚:自分は
1.相手…相手の姓に変更する(通名なし)
2.相手(自分)…相手の姓に変更する(自分の姓を通名にする)
3.自分(相手)…自分の姓のまま(相手の姓を通名にする)
4.自分…自分の姓のまま(通名なし)
出産:子供は
1.相手…相手の姓にする(通名なし)
2.相手(自分)…相手の姓にする(自分の姓を通名にする)
3.自分(相手)…自分の姓にする(相手の姓を通名にする)
4.自分…自分の姓にする(通名なし)
離婚:自分は
1.相手…相手の姓のまま(通名なし)
2.相手(自分)…相手の姓のまま(通名も自分の姓のまま)
3.自分(相手)…自分の姓に戻る(通名も相手の姓のまま)
4.自分…自分の姓に戻る(通名なし)
離婚時には通名を捨てるべきなのかもしれませんが、結婚後に通名でパートを始め、離婚しても通名のまま続けたいと言ったニーズはあるかと思います。
離婚:子供は
1.相手…相手の姓のまま(通名なし)
2.相手(自分)…相手の姓のまま(通名も自分の姓のまま)
3.自分(相手)…自分の姓に戻る(通名も相手の姓のまま)
4.自分…自分の姓に戻る(通名なし)
親が通名の利用を続ける以上、子供も通名を使い続けるという選択肢はあってしかるべきと思います。
子供が小さければ「親権を持った親と同じ姓および通名にする」のが妥当でしょうが、成人していれば自分の意思で選べてもいいのかもしれません。
例えば、離婚した妻は夫が嫌いなので自分の姓に戻り、通名として夫の姓も使用しないが、子供は夫妻の子である証として夫の姓を通名として使い続けるといった具合です。
通名制度が浸透した結果、通名を持っている人同士が結婚/再婚すると
結婚/再婚:自分は
1.相手…相手の姓に変更する(通名なし)
2.相手(自分)…相手の姓に変更する(自分の姓を通名にする)
3.自分(相手)…自分の姓のまま(相手の姓を通名にする)
4.自分…自分の姓のまま(通名なし)
となり、自分も相手も、再婚前の通名を捨てることになろうかと思います。
以上は「通名は夫婦いずれかの姓とする」という前提ですが、それとも
5.自分の通名を相手の通名にする
6.相手の通名を自分の通名にする
7.新たな通名とする
8.お互いの通名を維持する ※家族の一体性が失われる
のような選択肢を加え、通名を相手の姓に縛られない、もっと自由なものにすべきとお考えですか?
別に何も問題ないので、私の許可を得るまでもありません。著作権法に違反しない限り、転載は自由です。
p.s.
メールならば、転載にも該当しない私信なので、大幅に認められます。
ただし、メールに大量に記載しても、読んでもらえないでしょう。要点だけをまとめして、あとはリンクだけ記すのが、お薦めです。