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出生率を高めるには、出産後に退職率を下げないことが必要だ。(前項・前々項を参照。コメント欄を含む。)
そこで、まずは現実を知るために、出産後の退職率を調べてみた。
とりあえず、Gemini と Perplexity に聞いてみた。
Gemini
**出産後の退職率は、近年減少傾向にあり、2015年〜2019年の間に第1子を出産した女性のうち、**53.8%がその後も就労を継続しています。
厚生労働省の「出生動向基本調査」によると、第1子出産後の女性の継続就業率は、以下のようになっています。
- 2010年〜2014年: 51.2%
- 2015年〜2019年: 53.8%
内閣府の調査によると、第2子・第3子出産前後の女性が就業を継続する割合も上昇していますが、いずれの段階においても約2割が出産退職を選択しています。
雇用形態別に見ると、正規職員は育児休業制度を活用して継続就業する割合が高いことが分かっています。
- 正規職員: 68.3%
- パート・派遣: 25.2%
一方、パート・派遣の離職率は依然として高く、74.8%となっています。
近年、出産後の継続就業率が向上している背景には、育児休業制度の普及や、企業における仕事と育児の両立支援策の充実などが挙げられます。
しかし、依然として多くの女性が出産を機に退職しており、さらなる支援策の充実が求められています。
参考資料
- 厚生労働省「第16回出生動向基本調査(夫婦調査)」
- 内閣府「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び 出産・育児と女性の就業状況について
- リクルートワークス研究所「出産離職(2020年11月版)」
Perplexity
日本における出産後の退職率は近年低下傾向にありますが、依然として高い水準にあります。 最新のデータによると、第1子出産前後の女性の就業継続率は53.8%となっており、逆に言えば出産退職率は46.2%です。これは2015-2019年に第1子を出産した女性のデータに基づいています。 過去の推移を見ると:
- 1985-1989年: 出産退職率は約70%
- 2010-2014年: 出産退職率は46.9%
- 2015-2019年: 出産退職率は46.2%
(以下略)
別サイト
出産・育児は、大きな節目です。内閣府が2018年に発表した資料新しいウィンドウで外部サイトを表示します。 (PDF形式:572KB)によれば、第1子出産前後に女性が仕事を続ける割合は年々高まっているとはいえ、それでも第1子出産を機に離職する女性の割合は46.9%に上ります。
( → 育休後の女性の離職・退職を防ぐには? 制度の前に復帰を助ける信頼関係 | ツギノジダイ )
結論
そこで、出産後の退職率を調べてみたが、現状はお寒い限りである。ほぼ半数の女性が退職してしまう。非正規社員に至っては 70%も退職してしまう。
さて。出産後の退職率が高いと、世帯所得は大幅に減少する。結果的に、日本全体の生産性も大幅に低下する。(なぜなら、再就職後に、正社員が減ってパートタイマーが増えるからだ。時給が下がる分、生産性も下がる。)
こういうのはイヤだから、たいていの女性は出産をしたがらない。(出産をすると損だからだ。)
かくて日本は少子化が進む。1人ぐらいは産むとしても、2人ぐらいを産もうとは思わなくなる。出生率はダダ下がりだ。このままでは日本は滅びてしまう。
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こういう状況で、岸田内閣や小池都知事は、「児童手当の引き上げ」という方策を打ち出した。「金をばらまけば、少子化対策になるし、票を買収することもできる」というわけだ。
「これで一石二鳥の政策だ、頭いい」
と思ったのだろうが、実は、頭悪い。なぜなら、児童手当を増やしても、少子化の解決策にはならないと、すでに判明しているからだ。実際、これまでにも効果がなかった。検証しないから、わからないままだが。
( ※ 言ったことの検証をしないから、詐欺師は口から出任せばかりを言うようになる。)
そこで、検証をすると、「現実には少子化はちっとも改善していない」とわかる。
出典:毎日新聞
すると、新たに謎が生じた。「現実には少子化はちっとも改善していないのは、どうしてか?」と。
それに対する回答として、候補になったのが、冒頭のことだ。
「現実には少子化はちっとも改善していないのは、出産後の退職率が高いからだ。出産後の退職率が高いから、出産をしたがらない意向が高まったのだ」と。
この説明の是非を確認するために、統計データを調べたが、結果は「イエス」だった。つまり、
「少子化の理由は、出産後の退職率が高いことだ」
と言えるわけだ。
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このことから、なすべき対策もわかる。
「少子化解決のためになすべき対策は、児童手当をばらまくことではなく、出産後の退職率を引き下げることだ」
と。
そのためには、どうすればいいか? 個人の側でなく、企業の側に対策すればいい。こうだ。
「出産後の退職率を調べて、退職率が高い企業は増税にして、低い企業には減税する。それも、大幅な額で」
これで企業は否応なく、出産後の退職率を低めざるを得なくなる。仮にそうしなければ、莫大な税金を払うハメになるからだ。そいつは困る。
かくて、(名探偵のように)物事の本質を探れば、正しい解決策もわかる。
一方、真相を知らずに、やみくもに金をばらまいても、問題は解決しないのである。(首相や都知事がそうだ。)
※ 蓮舫も、下手な対抗策をとるより、上記のような政策を取ればいいのにね。現状では「児童手当の増額」を訴える小池都知事に、負けそうだ。
私は男女差別には反対ですが、区別はするべきだと思っています。女性教授が2年間休職したら誰がその講義や研究をするのでしょうか。工欧米では工学部の女子学生も多いと聞いていますが、大学院に行く学生は少ないです。女性教授もおられますが、たいていは子供を持っておられません。
学生にとって、かわりの講義なんて、いくらでもあります。よりどりみどり。大学教授なんて、半年単位でなら、いくら休んでも、代わりはいます。科目は変わるが、どの科目であっても、学生は単位を取れる。
ついでだが、女性教授が休んだあとのかわりは、女性でなくてもいい。男性教員でもいい。
常勤または非常勤の産休教員を用意してもいい。各大学で使い回しできる。
准教授の講義時間を増やすという手もある。
産休が当り前になれば、対策はいくらでもできる。現状では、産休の交代要員が整備されていないので、今のままでは仕事に差し支えが出るが、そこをきちんと考えるのが、大学運営担当だろう。そのために給料をもらっているんだから。
そうじゃなくて、男性でも女性でも、大学の講義はいくらでもかわりが見つかる、ということです。単位をくれるなら、どんな講義でもいい。
学生としては、立派な講義を求めているわけじゃないんです。単位さえ取れればいい。
また、講義は選択制度があれば、いくらでも好きな講義を選択できるから、一つぐらい欠けても、何の問題もない。ここでは学生の選択制度が重要。普通の職業における配属・配分とは違う。最終決定権(選択権)は学生にある。
低くせざるを得なくなるのですよね。こういうのはAIは校正してくれないのでしょうか。
それはともかく、退職率が高いのは女性の専門性が高くないこともあるかもしれません。知人の経営する会社では専門職女性社員が退職して戦力ダウンしないように、コロナ前から子育て期間中のリモートワークを推進していました。夫の転勤に伴って退職を余儀なくされた社員を引き止めるべく完全リモートも導入していました。
前々項のご提案のように理工系の大学入試において女子枠を導入して専門性の高い女性の割合を増やせば、退職を減らす効果があるものと思います。
税金での誘導も有効と思いますし、何よりこの人手不足・専門職不足の時代において、退職されると企業が困るような人材(まあこれは男女共通ですが)を目指していただきたいものです。
でも本当の問題は、そういう優秀な女性に勇気を振り絞って声をかけようとする男がどんどん減っているような気がするところかも。そして貧弱な男が情けなくてちっとも惹かれないのかも。だとすると退職率が減っても少子化は進行してしまうかも。
だとすると、他の方策も必要になりますね。
ご指摘ありがとうございました。修正しました。
最近、疲れていて、読み返しの校正をしていないので、(しばらくしてから)あちこちで入力ミスを発見して、こっそり修正しています。
まだ、たくさん残っていそうだ。
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下方婚(格差婚)は、最近ではいくらか実行されているようです。たとえば、トリンドル玲奈。菊地凛子。 あと、白石麻衣もそのうち……
中小企業では事態は悪化するでしょうね。女性を雇わなくなるので。
(官公庁と大企業の正社員の未婚女性はせいぜい40万人程度)
それを防ぐ案をお持ちでしょうか。
また仮に中小企業でも出産後の離職率を低下させないようにすると、
その分男性社員の給与は減らされるので、少子化はやはり進行します。
それよりも遥かに効果的な施策がありますよ。
それはリモート勤務を大幅に優遇することです。
リモート勤務の率が高まれば、地方に移住が可能になり、通勤時間がなくなり、
子育てと仕事の両立がある程度可能になり、余暇時間が増えます。
これらは皆少子化の改善に寄与します。
逆にOPENブログの筆者がなぜリモート勤務の
効果を無視しているのか、教えて欲しいです。
その懸念はありますね。
だから同時に、「女性雇用率のアップ」を義務づける必要があるでしょう。(増税・減税で)
それはそれ、これはこれで、別にやればいい。
> また仮に中小企業でも出産後の離職率を低下させないようにすると、その分男性社員の給与は減らされる
そんなことはないですよ。マクロ経済学の概念を理解しましょう。女性の雇用率が上がれば、所得が増えるので、その分、総需要が増えて、GDP が拡大する。
経済全体が拡大するので、男性の職は減りません。どちらかと言えば、女性の収入が増える効果の方が大きいので、男性の職は少し増えます。
> リモート勤務
実地対面コミュニケーションが減ると生産性が下がる、ということが実証されてしまったので、企業はリモート勤務をイヤがります。少しやる程度なら問題ないので、部分的導入がベターだろう。
ただし民間の経営方針には介入できない。各企業が自分で決めることだ。
> OPENブログの筆者がなぜリモート勤務の効果を無視しているのか、教えて欲しいです。
私が言わなくても、それを言う人が百万人ぐらいいるから。
無視しているんじゃなくて、陳腐なことをいちいちいわない、というだけ。
そこで、男性にも女性の辛さを理解するシステムを導入するとよさそうだ。こうだ。
「女性の従業員が1人、出産退職するたびに、同数の男性社員を、道連れで解雇する」
こうすれば、女性の痛みを男性も同じレベルで味わうことになる。誰を選ぶべきかは、ただのクジ引きでいいだろう。女性が退職するたびに、男性がクジ引きで1人退職させられるわけだ。これで、女性の痛みを、我がこととして理解できるようになる。
その後、女性の出産退職率が大幅に下がって、女性の環境が改善されれば、男性が道連れで解雇されることもなくなる。つまり、日本も外国並みになる。めでたし、めでたし。
ただし、女性差別をしたがる守旧的な男性だけは、怒り狂う。自民党系に多そうだ。
→ 出生率1.0割れの東京 少子化・未婚化対策を競い合う知事選候補 :朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASS6Q35WDS6QOXIE05LM.html
ほぼ全員不本意で辞めているという前提に立ってませんか?
(だとしたらその根拠が知りたい)
これは本人の内面の問題なので証明はできませんが、
専業主婦を希望して自発的に辞めている女性も
相当数いるはずですよ。
そもそも辞めてフルタイム就業でなくパートに
就いているのも夫の収入が十分あるからでしょう。
収入が足りなければ絶対にパートではなく
フルタイム労働に就きます。
よくキャリアが断たれて復職できないという
意見がありますが、本当かなと疑っています。
同じ会社ではそうかもしれないが、他の会社も??
本当はフルタイム労働をしないための言い訳なんだと思っています。
あと、育休を取得して育休明けに辞める、
という女性について管理人はどう思いますか?
私はNGだと思います。
やむを得ない理由が無い限り復職して一定年数務めるか、
育休明けに辞めるなら育休時の給与払いを返却させるか。
上記の問題についてどう思われるでしょうか。
という女性について管理人はどう思いますか?
これについてNGと書きましたが、本心ではOKです。
(ガンガン使ってよい)
道義的、社会的にはNGという意味です。
あと現場の社員の士気も下がるので。
なぜOKかというと、育休で払われる人件費なんて
大企業にとっては誤差の範囲だし、
補助金や減税の対象にもなるし、
どうせ厳しくして費用を浮かせても他の社員の
給与が上がることにはならないので。
役員報酬や内部留保に回されるくらいなら、
育休に使われる方が遥かに有意義です。
相当数いるはずですよ。
一時的に退職しても、その後に復帰できるなら、問題ない。日本ではそのシステムがないので、復帰すると非正規になるしかないことが多い。結果的に生涯賃金は1億円以上も減る。本人が損するだけでなく、国全体でも大損だ。生産性の低下。GDP の縮小。
→ 出産後も仕事続けると、世帯収入が生涯で1.7億円プラス 政府試算:朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASS65258CS65ULFA002M.html
あなたの家庭の所得が、夫婦で総額 1.7億円も減る。そうしたいの? そう思うのだったら、あなたがすぐに退職して、失業者になるといい。専業主婦みたいに。そうすれば、お望み通り、大損できる。
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> 育休を取得して育休明けに辞める
育休については、育休手当てそのものについて私は否定的です。無給でもいい。ずっと前にそう論じたことがある。
ただし、その後、育休手当ての大幅増額が実現してしまったので、今さら減額を主張するのも無理っぽい。
外国の女性は、育休は2週間ぐらいで、出産後は早期に職場復帰する。日本の女性も見習うべきだ。
出産の翌日から元気に動いている女性もけっこう多い。日本の産院は過保護すぎる。だから女性の職場復帰が遅れる。
女性保護の方針が、かえって日本の女性の離職や所得減を招いている。こんな馬鹿げたことをやっているのは、日本だけだ。
いらぬ親切、大きな迷惑。
> 育休で払われる人件費
その分、国民全体で大幅な増税になっているんです。雇用保険料の値上げという形で。
金は天から降ってくるわけじゃない。みんなで払う。
> 役員報酬や内部留保に回されるくらいなら、
役員報酬や内部留保は、影響を受けません。最優先で囲い込まれる。そこから余った分だけが、労働者にお恵み(おこぼれ)として配分されて、それを労働者がありがたがっていただく。猿がエサをもらうようなものだ。
この件については、本日の話(労働権やインターナショナルの話)で詳しく論じている。