ネット上で(統計データなどの)最新情報を調査するときに、ChatGPT は役立つだろうか?
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実例としては、経済統計のデータだ。
「スウェーデンの財政収支について、歳入額、税収全体、消費税額をそれぞれ知りたい」
このようなデータは、普通は、Google で検索をして調べる。
一方、いちいち調べるのは面倒だから、ChatGPT に質問して、一発で回答を得たい……という立場もあるだろう。
では、ChatGPT に質問したら、どうなるか?
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実行した結果を言おう。こうだ。
・ ChatGPT では、正解は得られない。(嘘情報が出る。)
・ ネット検索の機能を併用する Copilot も、正解を得られない。
・ Google の Gemini は、正しいデータを出すようだ。
実際の出力結果は後述するとして、上記の結果について評価しよう。
(1) ChatGPT は、自分で調べた学習データから新規に文章を作成するだけであるようだ。現時点におけるネット上のデータを検証することはないようだ。また、論理的な整合性も考えていないようだ。
下記の回答文では、「税収全体が 2340億、消費税が 5900億」という回答となっている。だが、これでは、「全体よりも部分の方が2倍以上も大きい」という結果になるので、明らかに矛盾する。つまり、このデータは間違っている。
(2) Copilot は、まともな回答を出さない。歳入を「75.19十億」と記すが、単位を「十億」とする表現は、滅茶苦茶だ。また、単位を別々の通貨単位(クローナ、ドル)で表記するのも滅茶苦茶だ。ひどいのは消費税額で、まともに答えずに、消費税率で答えている。馬鹿すぎる。
(3) Gemini は、まともな回答を出しているようだ。真偽の確認はしていないが、ざっと見たところ、特に問題はないようだ。
以下、それぞれの回答文を転載する。
(1) ChatGPT 4o
スウェーデンの財政収支についての情報は以下の通りです:
歳入額: スウェーデンの中央政府の歳入額は2024年には約1,329億スウェーデン・クローナ(SEK)と見積もられています (Regeringskansliet) 。
税収全体: スウェーデンの総税収は2023年に約2,340億SEKでした。この金額には所得税、法人税、消費税などが含まれています (OECD Statistics) (OECD) 。
消費税額: 消費税(付加価値税、VAT)に関しては、2023年には約5,900億SEKの収入が見込まれています (Regeringskansliet) 。
これらのデータはスウェーデン政府の予算案および国際機関の統計から得られたものです。スウェーデンの財政は、強固な税収基盤に支えられ、安定した収支を維持しています。