イスラエルの暴走の原因を知れば、その暴走を止める方法もわかる。
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暴走と恐怖への対策
イスラエルが暴走するのは、(民族滅亡という)恐怖のせいだが、その恐怖をもたらしたのは過去のドイツだ……と前項で示した。
さらに、その真実をドイツが理解できずに、単にイスラエルに同調しているせいで、イスラエルの暴走にも同調する結果になっている。しかも、そのことは、ドイツだけでなく、欧米や日本も同様だ……とも示した。
では、ここで、どうすればいいのか? イスラエルが暴走して、ドイツも欧米・日本も、その暴走を止められない。それどころか、イスラエルに同調する始末だ。こういうふうに、どの国もそろって馬鹿丸出しの現実があるときに、人類はいったいどうすればいいのか?
この問題には、論理的答えることができる。人類のなすべきことは、以下の通り。
まず、イスラエルの暴走の原因は、(民族滅亡の)恐怖である。
ならば、その恐怖をやわらげればいい。ハマスにちょっと攻撃されたぐらいで、巨大なゴジラに攻撃されたようにびくついて、やたらと爆弾を大量にぶちかますのであれば、「そんなに怯えることはないんだよ」と諭しながら、イスラエルの恐怖を和らげてあげればいい。
「恐怖を和らげること」
これが大事だ。これが正解となる。この基本方針を取って、イスラエルに対処すればいい。イスラエルに向けて、「おまえは間違っている」とか、「おまえは残虐だ」とか、北風のように非難するのでなく、暖かい太陽のように優しく言葉をかけて、彼らの氷のような恐怖を溶かしてあげればいい。(これなら、親イスラエルの人々にとっても同意できる内容だろう。)
恐怖を和らげるには
では、恐怖を和らげるには、どうすればいいか? それについては、先に示した。
「ガザに PKO軍を駐留させて、そこで武力行使を止める」
つまり、ハマスとイスラエル軍の双方に対して、武力行使を止める。仮に片方が武力を行使すると、その片方が(敵対活動と見なされて) PKO軍によって攻撃される。
こうすれば、武力の行使は強制的に阻止される。先に示し通りた。
→ 武力と平和主義 .33: Open ブログ
→ 武力と平和主義 .36: Open ブログ
このような PKO軍の駐留は、次の二つの効果をもたらす。
・ イスラエルに対しては、これ以上の大量虐殺を止める。
・ ハマスに対しては、イスラエルへの攻撃を止める。
このうち、後者が大切だ。このことで、イスラエルの(民族滅亡の)恐怖を和らげることができるからだ。つまり、冒頭の目的が達成されるわけだ。
「ほんとかよ? ハマスを止めることができるのかよ?」
とイスラエルは疑うだろうが、大丈夫だ。心配ない。そんなこともあろうかと。ハマスにはあらかじめ、宣言させることができるのだ。「今後の攻撃を永久停止する」と。……そのことは、すでに報道されたとおりだ。
イスラム組織ハマスは6日、カタールとエジプトの仲介役に対し停戦案を受け入れると伝えたことを明らかにした。
パレスチナ側の高官は、条件が満たされれば「敵対的な活動を永久に」終わらせることにハマスが同意したと、BBCに語った。
( → ハマス、ガザ停戦案の受け入れ表明 イスラエルは「要求からかけ離れた内容」 - BBCニュース )
この記事は、前にも引用した。
→ 武力と平和主義 .40: Open ブログ
これでうまく行きそうだ。しかし、この提案を、ネタニヤフは拒否した。
なぜか? なぜ「攻撃の永続的な停止」という提案を拒否したのか? それを望まないからか? いや、それを信用しないからだ。
ならば、それを信用できるように、国連などが担保すればいい。いわば手形の裏書きをするように。……それがつまり、PKO軍の駐留という方針だ。
ここで注意。ここでは、大切なことがある。こうだ。
「言葉だけでなく武力の裏付けがある」
PKO軍の駐留をするとき、まさしく武力の裏付けがある。平和主義者は、武力を捨てれば平和が実現すると夢想しているが、そんなことはありえない。むしろ、武力が平和をもたらすのだ。その具体的な策が、PKO軍の駐留なのだ。
夢想でなく現実に平和をもたらすには、武力を用いることが大切だ。そして、その武力を見たとき、イスラエル国民は初めて安堵して、恐怖を和らげることができる。そうしてこそ、イスラエル国民は、「恐怖に駆られて暴走する」ということがなくなる。
北風でなく太陽こそが、イスラエルの氷を溶かすのだ。そのために必要なのが、優しさだ。そして、ここで言う優しさとは、ビーナスのような女性的な慈愛ではなく、アポロンのような男性的な武力なのである。

死者1万人の追加
正しい方策は、上に示した。PKO軍の駐留による平和維持だ。
一方、現実はどうかというと、それとは逆に、惨憺たるものだ。死者数は 3.5万人とも言われていたが、実はそこに1万人の追加があることが判明した。
ガザ当局は11日、発表している死者数とは別に、推定1万人の遺体ががれきの下に埋まっていることを明らかにした。
国連も2日、1万人以上の遺体が埋まっているとの見立てを発表。「遺体の収容に最大3年かかる」とした。
ガザ保健省は12日、昨年10月に戦闘が始まってから少なくとも計3万5034人が死亡したと発表した。
( → ガザ、がれきの下に推定1万の遺体 ラファ侵攻に自制求める国際社会 :朝日新聞 )
3.5万人かと思ったら、4.5万人だ。しかも、それだけでは収まらない。さらにこの先がある。というのは、イスラエルは「ハマス壊滅」を目的としているからだ。
そして、イスラエルの言う「ハマス」とは、パレスチナ人男性全員のことだ。まずはパレスチナ人の成人男性のすべてを殺す。さらには、パレスチナ人の小児男性もすべてを殺す。こうして 200万人のうちの 100万人を殺すつもりだろう。
100万人殺害計画。そして、それを、欧米と日本の誰も止めることができないのだ。というより、止めようともしないのだ。
※ 「止まってほしい」という願望を口にするだけだ。イスラエルに向けて「止めろ」ということは絶対にない。前項で示したとおり。
イスラエルの暴挙は欧州のネオナチ運動に油を注いでいます。ドイツ人も、強制収容所での虐殺はやりすぎとしても、反ユダヤ感情をもつ人は多いはずです。ドイツ東部にドイツ文化を賛美する博物館があります。今は観光ルートに入っていませんが、すごく立派なものです。またミュンヘンには有名な戦争博物館があります。メッサーシュミットのジェットエンジンとジャンボジェット機のエンジンがほとんど同じ形をしているとか、V2ロケットがサターンロケットのもとになっているとかがわかるようになっています。このようなドイツ愛国主義がネオナチと結びつくのが一番怖いことと思います。イスラエルが無謀なことをしないように祈るばかりです。
ユダヤ人がパレスチナ人に恐怖を覚えるのは臆病だからでしょう。ご指摘のとおりです。ナチスドイツのトラウマもあるでしょう。たとえ国連PKOが入っても、ユダヤ人が今後一切殺されることはないと、それを信じ切ることができないでしょう。もしパレスチナ人を殲滅し、パレスチナから誰もいなくなって全てがユダヤ人のものになれば安心するでしょう。
それでも恨み骨髄のパレスチナ人が世界にいるわけだから絶対の安心ではないですが、まあイスラエルが手を打つならそこでしょう。
病気(トラウマ)には困ったものです。