世界が悪に支配されたあとでは、どうすればいいか?
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やるせない思い
前項で述べたように、この世界は歴史上初めて、悪が支配する世界となった。こういう現実を見ても、自民党や立憲民主党のような政党の人は、アメリカべったりなので、イスラエルを支持する。( → 前々項末 )
だが、良心のある人は、やるせない思いになる人が多いだろう。たとえば、朝日新聞・夕刊(2024-04-11) の漫画には、こうある。(わざと低解像度にしてある。著作権の制限で。)

1〜3コマ目では、「イスラエル ガザに侵攻」というふうに、ガザの惨状を伝える報道が次々と示されている。
4コマ目では、ひどい惨状を聞き続けて、心が耐えきれなくなって、「いいかげんにしろ!」とブチ切れる。
罪のない人々が次々と殺される報道を聞けば、良心が耐えきれなくなるのは、当然だ。平然としてイスラエルを支持するような、自民党や立憲民主党の人々の方が、人間としておかしいのだ。良心のある人ならば、心が切れてしまって、当然なのだ。
とはいえ、切れるだけでは、どうにもならない。悪の支配する世界のなかで、われわれはどうすればいいのか?
力を合わせる
それについては、私は前に述べた。「声を上げよ。歌え」と。
→ 武力と平和主義 .12: Open ブログ
→ 武力と平和主義 .25: Open ブログ
悪の支配する世界を変えるには、悪に対抗するしかない。しかし悪はあまりにも巨大である。では、巨大な悪に対抗するには、どうすればいいか? それは、力を合わせることだ。一人一人は小さくて微力でも、大勢が力を合わせれば、大きな力を生み出せるからだ。
それが民主主義の発想だ。民主主義とは、上から与えられた制度ではない。一人一人が自ら動く行動原理だ。そこではまず、一人一人が動く必要がある。
たとえば、「 Openブログはもっと頑張ってほしい」というふうに他人に望むのではなく、自らブログを書いたりツイートしたりして、自ら行動する必要がある。
そのような一人一人の行動は小さくとも、多数の人々が行動を変えれば、世界を変えることができる。巨大な悪に対抗するには、大勢が力を合わせて、大きな力を生み出せばいいのだ。
それは「協力」とも「協調」とも言える。
覚醒させる
では、力を合わせるのは、何のためか? 力を合わせて、何をしようとするのか?
それは、悪魔と化した人々の心を、覚醒させることだ。
だからこそ欧米に向かって告げるべきなのだ。「おまえたちは悪魔だ」と。
それはつまり、鏡となれ、ということだ。欧米の人たちは自分たちの姿が見えない。自分たちが悪魔であることに気づかない。だから、人々が鏡となって、彼らに本当の姿を教えるべきなのだ。「おまえたちは悪魔だ」と。「自分を天使だと自惚れているのは錯覚だ。本当の姿は悪魔なのだ」と。
人々は鏡となるべきだ。それはつまり、「声を上げよ」ということでもある。ただしその声は、歌を歌うだけではない。平和を賛美するだけではない。そんなことだけでは不十分だ。もっと大切なことがある。それは、真実を告げることだ。
真実とは? 「おまえたちは悪魔だ」ということだ。その真実を告げることこそが、何よりも大切なのだ。
そのために、人々は声を上げるべきなのだ。
( → 武力と平和主義 .19: Open ブログ )
こういう状況を改めることが必要だ。「平和を拒む」というイスラエルを方針転換させるには、イスラエルを支持する欧米そのものを方針転換させることが必要だ。
現状では、平和はなかなか進まない。それは、イスラエルを方針転換させることが困難だからではない。欧米を方針転換させることが困難だからだ。
だから、まずは、欧米そのものを方針転換させることが必要だ。
※ その手段が、先に述べた「声を上げよ」「歌を歌え」ということだ。
その声を上げる先は、イスラエルではなく、欧米だ。
( → 武力と平和主義 .16: Open ブログ )
私が欧米に向かって「悪魔だ」と告げよ、と言っているのは、彼らにいくらかは恥の意識があると期待しているからだ。「悪魔だ」と言われたとき、彼らに残っているわずかな良心が覚醒して、自らの姿に恥じて、正気を取り戻すかもしれない。そう期待しているからだ。
( → 武力と平和主義 .29: Open ブログ )
イスラエル自身の心を覚醒させることは難しいだろう。彼らの良心が目覚めることはないだろう。
しかし、欧米の心を覚醒させることはできるだろう。彼らにはまだいくらか良心が残っている。その良心は眠っている。だから、眠った良心を目覚めさせて、濁った心を覚醒させて、悪魔から脱させることはできそうだ。かろうじて。
だから、彼らの心を覚醒させるように、世界の人々が声を上げればいいのだ。

※ 米国では、ガザ停戦を求めるデモが増えている。
→ 画像・写真:ガザ停戦を求めるデモ:時事
→ 「いますぐガザ停戦を」米欧で市民デモ イスラエル支持の政府に批判:朝日新聞
※ 英国では、ガザ停戦を求めるデモが増えている。
→ ロンドンでガザ停戦求めるデモと対抗デモで暴力、首相批判 戦没者追悼の日 - BBCニュース
※ 日本でも、ガザ停戦を求めるデモはあるが、古い情報が多い。最近の分も、少しはあるが、小規模らしい。
→ ガザ侵攻中止求め各地で市民デモ パレスチナ「土地の日」に合わせ | 毎日新聞
(日本人が夢中なのは、能登地震と大谷ぐらいかな。)

ドイツでデモ
ドイツではどうか? ドイツでデモをするのなら、うまい手がある。
ドイツでは「反ナチス法」というものがある。ナチスやハーケンクロイツを賛美することが禁止されている。もしやれば、処罰される。この法律は国外のサイトにも適用されるそうだ。(たぶんドイツ語だけだろうが。)
→ ドイツ最高裁判決「反ナチス法は国外サイトにも適用可能」(上) | WIRED.jp
そこで、これを逆手にとって、ナチスとそっくりのことを唱えるといい。ナチスはこう唱えた。
「ユダヤ人を虐殺することは正しい」
「ユダヤ人をガス室に送れ。劣等民族を絶滅させよ」
「世界に冠たるドイツ」
これを真似して、こう唱えるといい。
「パレスチナ人を虐殺することは正しい」
「パレスチナ人をガス室に送れ。劣等民族を絶滅させよ」
「世界に冠たるイスラエル」
こういうプラカードを掲げて、デモするといい。
さらに、ハーケンクロイツ の旗を掲げるかわりに、ドイツの伝統的な「鉄十字」の旗を掲げるといいだろう。

あるいは、キリスト教の黒十字の旗を掲げるといいだろう。

ついでに、顔写真もほしい。ちょびヒゲのヒトラーのかわりに、メルケルの写真を掲げよう。

これらの画像とともに、プラカードの文字を掲げよう。
イスラエルはガザで虐殺せよ!
パレスチナの劣等民族を滅ぼせ!
世界に冠たるイスラエル!
さらにはオマケで、こう記そう。
ユダヤ人によるガザ虐殺を支持しよう!
ガザ虐殺を支持するドイツ政府は正しい!
ガザ虐殺 万歳! ドイツ政府万歳!
ガザで百万人の市民を殺害しよう!
ガス室の大量死を暗示させてもいい。
ガザでは苦痛のない安楽な方法で死を与えよ!
これらはすべて皮肉的な効果を持つ。ドイツ人の二枚舌を赤裸々に暴露する。こういう形でこそ、悪魔の姿を映し出す鏡となれるのだ。
※ これらの文言は、ナチスの文言を生々しく思い出させる。特にドイツ人にとっては、心をえぐられるような痛みのある文言である。そういう文言が、少し変えただけでイスラエルに当てはまるので、イスラエルがナチスの再来であることがはっきりとする。……そのような効果がもたらされるわけだ。
日本政府の方針
日本人のデモは、あまりにも低レベルだ。やる気なし。(上記)
それとは別に、日本政府の方針について論じよう。日本政府の方針については、すでに何度か説明した。
(1) 「腰砕け」「おもねる(イスラエルに)」
→ 武力と平和主義 .31: Open ブログ
(2) 板挟み
→ 武力と平和主義 .28: Open ブログ
→ 武力と平和主義 .30: Open ブログ
(3) 良心を捨てた
→ 武力と平和主義 .30: Open ブログ
以上が、これまでに説明したことだ。
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一方、国連の安保理での票決では、ガザ停戦に賛成票を入れた。米国は拒否権つきの反対票を入れたし、イギリスとスイスは棄権したが、日本は他の国といっしょに賛成票を入れた。この点では、英米とは異なる行動を取った。
ここではなぜ英米の方針に従わなかったか? たぶん、賛成する仲間がいたからだろう。つまり、「自分一人ではできないが、みんなといっしょならできる」ということだろう。
ここから、教訓を得ることができる。
先に述べたように、日本の方針は、こうだった。
「腰砕け」「おもねる」「板挟み」「良心を捨てた」
しかるに、みんなといっしょなら、その方針から抜け出すことができるのだ。「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」というわけだ。
だから、今後は、自分一人でやって目立つことのないように、仲間といっしょに徒党を組んで、「反イスラエル」「親パレスチナ」という方針を取るといいだろう。特に、イスラム系のアジア諸国と連携を取るといいだろう。インドネシアなどが候補となる。バングラデシュ、トルコ、エジプト、ナイジェリアも同様だ。他に、キリスト教でない仏教系の国もいっしょになれそうだ。
これらの国といっしょに、「ガザ停戦」の運動をしてもいいだろう。「根回し」をするのは、日本の得意技だから、何とかなりそうだ。
※ 米国に文句を言われると、あとが怖いので、あらかじめ連絡しておくといいだろう。バイデンは、本音では「イスラエルの言いなりには、なりたくない」と思っているので、日本の方針に文句を言うことはあるまい。
[ 付記 ]
メルケルのイスラエル支持については、下記に典拠がある。
→ 揺れるドイツ イスラエルを守る「国是」がなぜ?どうする? ガザの現状とナチスの負の歴史に葛藤する人々 | NHK
ただし、メルケルはその後、「パレスチナ人の生きる権利を認めよ」とイスラエルに勧告しているので、その意味では、まともである。米国政府や日本政府よりはずっとまともだ。
→ ドイツのメルケル首相、イスラエルにパレスチナ人との関係を「見失わない」よう求める|ARAB NEWS
とはいえ、これは退任時に語ったものだ。イタチの最後っ屁みたいなものだ。どうせなら、辞める前にきちんと言ってほしかったね。(一応、辞める前だけど、辞める直前なので、時期が遅すぎる。)
メルケルについては、功罪なかばするので、何とも評価しがたい。
※ 次項に続きます。このあと2回ぐらい、シリーズは続く予定です。
米国の有力大学で反イスラエルデモが起こっています。もちろん少数派でしょうが。何とかして支援できないでしょうか。
日本のマスコミは冷淡ですね(テレビは見ていないのでわからない)。BBCですら米国の大学のデモは報じています。
ブリンケンさんが訪中して王さんや習さんと会談しているのも朝日は大きくは報じていません。BBCで見るしかないのはどういうわけなんでしょうか。ロシアの先端兵器の主要部品は中国製であり、輸出をやめてくれとブリンケンさんが言ったらしいのですが、中国の存在はそこまで大きくなっているのですね。
これ、妙案じゃないですか。なんとか流れを変えたいですね。