(人々の行動とは別に)マスコミ報道はどうだろうか?
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報道は?
前回は、「ガザで虐殺するイスラエルを批判しない欧米の人々に対して、世界の人々が鏡となれ」という点について、「それは世界の人々が声を上げることだ」と示した。
さて。世界の人々が声を上げるのとは別に、「大きな声」の持主であるマスコミが自発的に報道することもあっていい。では、現状では、マスコミはどうか? きちんと虐殺を報道しているか?
(1) 新聞社
新聞社の報道は、まったく足りない。そもそも、「現地特派員は、イスラエルのエルサレムに1人いるだけ」という新聞社が多い。ガザは危険なので、ガザには入らないことが多い。(たまに入ることもある。)
イスラエルにいても、現地の市民にインタビューをして、「ハマスの攻撃が怖いです」というような市民感情を報道するぐらいで、お茶を濁している。ものごとの真相に到達するには、程遠い。もちろん、イスラエルの軍隊がガザでひどい虐殺をしている現場の報道などは、皆無である。
それでもまあ、ガザで被害を受けた(最中でなく)事後に、市民の声を拾い上げた記事もある。
→ (市民の声 ガザ戦闘半年:上)トラウマ、我が子から笑顔奪った/恐怖に操られない、ここが私の家:朝日新聞
※ 残虐な軍事行動をしているイスラエルの侵略行為をレポートする報道もあるといいのだが、危険なので、記者を派遣することはできないのだろう。しかし、自社の記者では無理だとしても、フリーのジャーナリストに頼むことはできるはずだ。いわゆる戦場ジャーナリストだ。日本人でなくてもいい。外人の書いた英文記事を翻訳して掲載するのでもいい。(日本人は無理でも、外国人ならば、命を賭ける人もいるだろう。)
※ 自社専用でなく各社で共同して一人を雇用するのでもいい。その一人が各社に別々の記事を送信すれば、各社が自社独自の記事を掲載できるから、一人で各社に記事を送れる。また、この場合には、会社が費用を折半するので、費用が安くなる。
(2) NHK のニュース特集
NHK のニュース特集があった。前にも予告・紹介したことがある。
「国際報道2024 ガザ衝突半年 なぜ“戦闘”は止められないのか?」
4月5日(金) 午後10:00 〜 午後11:00 NHK BS
4月6日(土) 午前 4:00 〜 午前 5:00 NHK総合1・東京
→ https://x.gd/WBxUy
これを見たが、たいした情報はなかった。期待して見たのだが、がっかりだ。
基本的には、ガザ側とイスラエル側の意見を同等に扱って、それぞれの言い分を紹介する……という公平な形を取っている。(インタビュー記事。)
だが、これでは嘘つきの嘘をそのまま垂れ流す形になる。特にひどいのは、イスラエルの駐日大使の言い分をそのまま掲載したことだ。イスラエルのガザ虐殺を正当化するために、しきりに自己正当化をしている。
・ ハマスが先にイスラエル市民を攻撃した。(10月7日)。だから反撃は正当だ。
・ パレスチナの2国共存をオスロ合意で決めたのに、パレスチナが崩壊させた。だからイスラエルがオスロ合意を守らないのは正当だ。
このように述べて、イスラエルによる攻撃を正当化している。しかし、これはまったくの嘘八百だ。こういう嘘を垂れ流しているのは、公共放送としてどういうものか。詐欺師の嘘の宣伝を垂れ流して、詐欺師に加担するのも同然だ。
上記の NHK の特集は、あまりにもひどかった。内容の紹介をする気もなくすほどひどかった。呆れるしかない。
NHK スペシャルの話
一方で、それより前には、NHK スペシャルの番組もあった。これは対照的に、実に素晴らしい番組だった。私も知らなかった真実がたくさんあった。番組の内容を、以下で紹介しよう。
(1) 正当化
イスラエルはガザ虐殺を正当化している。正当化の理由は、「ハマスが 10月7日に 1200人の市民を殺したこと」だ。「ハマスが先に 1200人を殺したのだから、イスラエルがガザで莫大な市民を虐殺するのは正当だ」という理屈。
これはまあ、ヒトラーの理屈と同じである。「ユダヤ人を大量虐殺する(ジェノサイド)は正当である。ユダヤ人が先に悪いことをしたからだ」というわけだ。
→ ホロコーストQ & A
ユダヤ人はドイツでは市民権を持たず、流浪の民であり、異教徒だった。存在自体が違法に近かったし、犯罪者も同然の身分だった。もともと生きる権利を持たなかったわけだ。だから彼らは法的に違法と見なされて、収容所に送られ、ガス室に入れられた。
これと同様の屁理屈で、イスラエルはガザの市民を虐殺する。百歩譲って、「ハマスが悪いから報復する」という理屈を認めるにしても、相手はハマスに限るべきだろう。女子供を虐殺していい理屈にはならない。なのにイスラエルは女子供をも虐殺する。これは兵士だけがそうしているのではない。イスラエル市民の大部分が「女子供を虐殺してもいい」と見なしている。「ハマスの攻撃に対する報復として」という名分で。
かくて、「1200人のテロに対する報復」という名目で、ガザ市民の大量虐殺を正当化する。それがイスラエルの論理だ。……これはもう、ヒトラーの屁理屈と同様である。
※ 死者はすでに3万人。さらにはラファで 100万人を殺そうとしている。最終的には 200万人の全員を抹消しようとしている。
→ 武力と平和主義 .17: Open ブログ
ともあれ、イスラエルは大量虐殺を正当化している。止めるつもりはまったくない。やっていることはヒトラーとまったく同様である。ただのジェノサイドだ。
※ 「イスラエルは何てひどいことをするんだ!」と呆れる人が多いだろうが、イスラエルに共感する人もいる。「ハマスの攻撃が怖いので、ハマスの攻撃を止めるためには、ガザ市民を大量虐殺するしかない」というイスラエル市民の恐怖心に共感して、「なるほど。その通りだ。ハマスが怖いから、(ハマスではない)女子供を大量虐殺すればいい。そうすれば、ハマスはもう二度とイスラエルを攻撃してこないだろう。イスラエルの市民の恐怖心を和らげるためであれば、ガザで大量虐殺するのは当然だ」と言う人もいる。
※ 「そんなことを言う人は少数だろ」と感じる人もいるだろうが、実は、アメリカでは、そんなことを言う人が多数派となる。アメリカの過半数はイスラエル支持なのだ。つまり、虐殺支持なのだ。
(2) 入植の事実
イスラエルによる入植とは何か? 「単にパレスチナの内部に、勝手に住むことだろう」と思っていたが、その認識は甘かった。入植とは何かを、この番組は明らかにしている。(西ヨルダンにおける入植の実態。動画あり。)
・ 軍人ではなく一般市民が、パレスチナの内部に住み着く。
・ その際、もともとある重要な土地や農地を奪い取る。
・ 奪われた市民が抗議すると、殴られ、銃撃され、火を付けられる。
・ 周辺には治安維持のために、イスラエルの兵士が配備されている。
・ パレスチナ人が被害を訴えるデモをすると、兵士に銃撃される。
・ イスラエル人が暴行するときは、兵士が暴行を擁護する。
要するに、兵士ではなく侵略でなく、市民による侵略である。そういう市民による侵略を擁護するために、イスラエルの兵士が介入する。市民と市民が争えば、イスラエル市民が負ける可能性もある。そこで、市民と市民の争いが成立しないように、イスラエル兵が介入して、パレスチナ市民を銃撃する。
このようにして、パレスチナの土地は、次から次へと奪われていった。最初は少しの土地だけが虫食い状に取られるだったが、今では非常に多くの土地が奪われるようになった。農業のために有利な土地も奪われて、農業生産もできなくなっていった。
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なお、このような「市民レベルの侵略」「市民と軍が協力する侵略」としての入植は、明らかに国際法違反であり、国連でも「駄目だ」と決議されている。
しかし、それにもかかわらず、米国はイスラエルを支持しているし、ドイツもイスラエルを支持している。国際法違反の入植を容認しているわけだ。
これでは、ウクライナを侵略するロシアを批判する資格はない、と言えるだろう。どちらかと言えば、ウクライナの東部しか奪わないロシアの方が、はるかにマシだ、と言える。また、兵士を殺すだけで、女子供を殺さないロシアの方が、はるかに人道的だ、と言える。
少なくともロシアよりはイスラエルの方が圧倒的に悪質であり、そのイスラエルを支持しているのが米国とドイツなのだ。(ついでだが、日本もその仲間だ。)
(3) 共存の否定
イスラエルの駐日大使は「2国家共存を否定しているのはパレスチナの側だ」と述べた。しかしこれは歴史的事実にも反するし、現実にも反する。
歴史的事実については、どの文献でも明らかだが、オスロ合意を先にホゴにして、パレスチナに入植を始めたのは、イスラエルの側である。こうしてパレスチナ側は蹂躙される状態になったので、オスロ合意を結んだ PLO はパレスチナの支持を失った。すると、「合意は守られず、奪われるばかりではないか。これでは駄目だ!」。このように主張して、それまでの平和の方針を廃棄して、反攻の方針を取ったのが、ハマスだった。
ハマスは確かに武装の方針を取ったが、それというのも、オスロ合意を無視して、どんどん入植を進めていったイスラエルの側が先に攻撃を仕掛けたからなのだ。
ただし、イスラエルは、侵略を認めなかった。なぜなら、入植は、正規の軍事行動ではなかったからだ。イスラエル人がパレスチナの土地を奪うのは、あくまでも市民レベルでの暴行であって、軍事行動ではない。イスラエルの軍事行動は、ガザ市民の抵抗を抑止するためにだけなされるのであって、侵略そのもののために軍事行動がなされるのではない。だからイスラエルは(軍事的に)侵略をしているわけではない。なのに、先に軍事的に攻撃してくるハマスの方が悪いのだ……という理屈だ。
比喩で言えば、他人の家に押し入って、銃を向けたら、家の人が抵抗して、殴りかかってきた。だからその家の人を銃で皆殺しにした。抵抗しようとした夫だけでなく、妻も、子供も、赤ん坊も、皆殺しにした。「先に攻撃しようとしたこいつが悪いんだ。相手が攻撃しようとしたんだから、銃殺したのは正しい」。……こういう理屈で虐殺を正当化するわけだ。この際、「そもそも自分が銃を持って他人の家に押し入ったのが悪い」とは、少しも思わない。
「人のものは オレのもの。オレのものも オレのもの」
これがイスラエルの発想だからだ。
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番組では、「パレスチナの土地はすべてイスラエルのものだ」というインタビューが紹介されていた。政府要人や右翼政治家がそう主張している。パレスチナの土地は、旧約聖書で示されているように、ユダヤ人のものだ。だからそれを得るのは当然のことなのだ」という主張。
この件は、本サイトでも前に紹介した。
パレスチナの土地のすべてを奪い取ろうとしている。なぜなら、そのことは、旧約聖書に規定してあるからだ。「パレスチナの土地は神がユダヤ人に与えた土地である」と。
→ https://x.gd/DJXid
こうして彼らは、聖書に従って、正義の美名によって、パレスチナの土地をすべて奪い取ろうとする。そこでは「共存」などはまったく認めようとしない。
( → 武力と平和主義 .8: Open ブログ )
イスラエルはもともと「2国共存」を認めていない。オスロ合意のころには、ラビン首相の下で、「2国共存」の協定が結ばれたこともあった。しかし、この協定はイスラエル国内では不評であり、協定を結んだラビン首相は暗殺されてしまった。
1995年11月4日、テルアビブで催された平和集会に出席した際、和平反対派のユダヤ人青年イガール・アミルから至近距離より銃撃され、死亡した。73歳没。 ラビンの暗殺は、イスラエル国民と世界の他の多くの人々に大きな衝撃を与えた。
この暗殺により ユダヤ人民族間の和平への道は断絶され、その後イスラエル内の言論は右傾化の流れを強めることとなった。
( → イツハク・ラビン - Wikipedia )
上の話では、「この暗殺により」と記されている。暗殺のせいで世界の流れが変わった、という趣旨だ。しかし、そうではあるまい。暗殺があろうとなかろうと、イスラエルという国家全体が(というより多数派が)和平に反対だったのである。
オスロ合意は2国家共存であり、それは「パレスチナの土地をすべてユダヤ人のものにする」という旧約聖書の教えに反する。だからこそ、イスラエル国民の大半は、2国家共存を認めない。
かくて、イスラエルは入植を止めないし、パレスチナ人の土地を奪い続けるし、パレスチナ人の生存基盤を奪い続ける。そして、それに反発したパレスチナ人が少しでも反撃をすれば、その百倍、千倍の規模で、虐殺をする。半沢直樹は、「やられたらやり返す、倍返しだ」と言ったが、イスラエルは「やられたらやり返す、百倍返しだ」というふうにする。それも、虐殺という形で。
相手による報復は、倍返しどころか1割返しも認めない。しかるに自分による報復は、百倍返し、千倍返しでやる。……こんな不当なことは、通常ならば、とうてい認められない。しかし、米国とドイツの支援があれば、それが可能となる。
こうしてイスラエルによる「パレスチナ奪取計画」は進んでいくわけだ。
※ その詳細が、NHK の番組できちんと報道されていた。イスラエル市民がパレスチナ市民を暴行しているところの動画なども含めて。
[ 付記 ]
NHK の番組は下記だ。
衝突の根源に何が 記者が見たイスラエルとパレスチナ
初回放送日: 2024年1月28日
( → 衝突の根源に何が 記者が見たイスラエルとパレスチナ - NHKスペシャル - NHK )
※ 再放送は2月1日。私は録画したものを見た。NHK スペシャルはすべ自動録画する設定になっているので。
上のページで右の方に [ 詳細記事 ] という項目がある。ここをクリックすると、番組内容の要約が表示される。かなり詳しい内容が表示される。(動画はないが。)
一部抜粋すると、下記。
2023年6月、村は入植者による大規模な襲撃を受けました。隣の入植地から押し寄せた入植者は、突然、車を破壊。斧や銃を手に家々を襲撃してまわりました。その場には軍の姿もありましたが、制止することはなかったといいます。
ウムサファ村住民/アブドラ・アルオバヤットさん「家の鍵を閉めていたが、入植者が火をつけて、ここから燃え上がった。彼らは『アラブ人に死を』と叫んでいたそうだ」
( → NHK 番組紹介 )
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動画は NHK のオンデマンドで見ることもできる。
→ NHKスペシャル 衝突の根源に何が〜記者が見たイスラエルとパレスチナ〜 - 動画配信
※ ただし有料。220円。(金を払う価値はありそう。)
【ただいま放送中】#NHKスペシャル
— NHKスペシャル(土曜夜10時 日曜夜9時) (@nhk_n_sp) January 28, 2024
衝突の根源に何が
記者が見たイスラエルとパレスチナ
放送時間 28(日)夜9時?9時50分[総合]
▼配信
※ログインすると追いかけ再生も可能https://t.co/bvQWHLZvyr
▼番組HPhttps://t.co/UVQlReAXA0
ガザに報道陣を送り込めないのは戦場だから仕方ないでしょうが、仰るようにたくさんの報道陣が現地入りしていろんな角度から事実を伝えることができれば良いと思います。報道ロボットとかあると良いのですが。
> オスロ合意を先にホゴにして、ガザに入植を始めた
西岸地区への入植についての報道はあったかと思うのですが、ガザにも入植していましたか。ガザ領域内の入植者を強制排除し軍を撤退させていたものと認識していました。その結果、結局ガザはハマス他の軍事拠点化してしまった、と。
イスラエル側の酷さ(それは別に否定しません)についてのご認識はかなり持っておられることと思いますが、パレスチナ側(現状で言えば、ハマスなどの組織)に関するご認識がかなり欠けているように思われてなりません。その状態でいくら「虐殺はやめろ」と叫んでも、事情を汲まざるを得ずにいる欧米諸国を説き伏せる力としては弱いのではないでしょうか。
2国共存を認めていないのは、両方です。パレスチナ側は一貫してイスラエル国の存在自体を容認していませんし共存する気は全くありません。自国の存在を認めず自国民を殺すことを奨励している政府を持つ国が隣にできることを容認すべきと言われて受け入れる国があるでしょうか。
普段、片手だけを見て両手を見ない思考に対して苦言を呈しておられる管理人様が、どうも片手側ばかりに意識を奪われているように思えてなりません。その片手はもちろん大変重要なのですが、もう片方を無視あるいは軽視してしまうと、本質から外れてしまうのではないですか。
ロシアもイスラエルも強い方がイチャモンをつけて弱いものをいじめている構図ですが
欧米が味方についているイスラエルには好意的な報道をしてロシアは悪だと。
結論ありきで番組を作るから中身が薄いんですよね。
管理人さんのご指摘はご尤もだと思います
事実youtubeやTwitterを見ると「悪のパレスチナ人とイスラム人をやっつけろ」みたいな
意見が多いですし
ご指摘ありがとうございます。間違えました。ガザには入植していないですね。
https://digital.asahi.com/articles/ASS222PGLS1ZUHBI03P.html
実は、この点には気づいていて、途中で「ガザ」を「パレスチナ」に書き直していたのですが、修正漏れが生じてしまいました。(まだ誤字の校正も済んでいないので。)
ハマスの攻撃性については、番組でも指摘されていたし、本項でも記しています。再掲すると、下記。
──
> オスロ合意を先にホゴにして、ガザに入植を始めたのは、イスラエルの側である。こうしてパレスチナ側は蹂躙される状態になったので、オスロ合意を結んだ PLO はパレスチナの支持を失った。「合意は守られず、奪われるばかりではないか。これでは駄目だ!」。このように主張して、それまでの平和の方針を廃棄して、反攻の方針を取ったのが、ハマスだった。
> ハマスは確かに武装の方針を取ったが、それというのも、オスロ合意を無視して、どんどん入植を進めていったイスラエルの側が先に攻撃を仕掛けたからなのだ。
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イスラエルがオスロ合意を遵守していれば、入植はなかったし、ハマスが出現することもなかった。PLO とイスラエルが共存していたはずだった。
ところがイスラエル国民はそれを認めなかった。共存を主導したラビンを暗殺し、パレスチナに入植し、パレスチナの社会を支配して、植民地化していった。かくて、パレスチナ人はとうとう耐えきれなくなって、武装蜂起した。それがハマスだ。
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これを日本でたとえると、こうなる。
日本とロシアが戦争をしたが、和平条約を結んだ。ところがロシアは和平条約を無視して、日本に入植して、どんどん土地を奪っていく。反対のデモをすれば、虐殺される。とうとう耐えきれなくなって、日本人は平和主義を捨てて、武装蜂起して、ロシア領土を攻撃した。するとロシアは頭に来て、日本人を爆弾と銃撃で大量虐殺した。「日本人が攻撃してきたから悪いんだ。オレたちの入植を認めない日本人が悪いんだ。日本はもともとオレたちのものなのに、それに逆らう日本人が悪いんだ」と。
こうしてロシアは「日本人絶滅計画」を発動していった。
ところが、日本人のなかでも、ロシアに賛同する人がいた。その名は「けろ」という。彼の主張は下記の通り。
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> ロシア側の酷さ(それは別に否定しません)についてのご認識はかなり持っておられることと思いますが、日本側(反攻組織)に関するご認識がかなり欠けているように思われてなりません。
> 2国共存を認めていないのは、両方です。日本側は一貫してロシア国の存在自体を容認していませんし共存する気は全くありません。自国の存在を認めず自国民を殺すことを奨励している政府を持つ国が隣にできることを容認すべきと言われて受け入れる国があるでしょうか。
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もちろん、現実には「日本側は一貫してロシア国の存在自体を容認していませんし共存する気は全くありません」ということはない。日本はロシアの存在を認めているし、パレスチナ人は「2国家共存」という方針の下でイスラエルの存在を認めている人が大半だ。(ただしハマスの強硬派だけは別だ。)
こういうふうに、パレスチナの一部に強硬派がいることを理由として、「パレスチナ人はみんなイスラエルを滅ぼそうとしている」という妄想が生じる。この妄想に基づいて、パレスチナ人を絶滅させようとするのがイスラエルだ。
それを支持するのが、「けろ」論理。妄想による殺害を正当化する。
※ 妄想でなく真実が何であるかは、NHK の番組を見ればわかる。パレスチナ人の多くが望んでいるのは、自分たちが平和に生きることであって、そのためには2国家共存を認める。
ハマスが攻撃をしているのは、「イスラエルを滅ぼすため」ではない。「一方的に侵略されるのには耐えきれないので、侵略を止めるために、部分的に反攻する。そのことで侵略を止めたい」ということだ。
まずは話の前提として、イスラエルの入植を止めることが先なのに、入植を止めもしないで、「ハマスが攻撃するのが悪い」と言う。自分が先にぶんなぐっておきながら、「相手がぶんなぐるのが悪い」と言う。
普通、和平条約を結ぶときには、とりあえずは攻撃の手を休めるのが常識だが、イスラエルにはそれは通用しない。まずは入植という侵略が先にあり、その上でのみ和平を考える。そういう一方的な和平を認めない相手(ハマス)を、悪と見なす。
仮に日本がロシアに占領されたなら、日本もまた抵抗運動を悪と見なされて、日本人は絶滅させられることになる。それが「けろ」論理。
いまガザで起こっていることは国家間の戦争ではなく、イスラエル国が無政府状態に近いガザのテロ組織を殲滅させるために市民の犠牲を無視して攻撃しているということでしょう。イランが昨日攻撃しましたが、どうやらご挨拶のつもりだったのではないかとCNN,BBCは報道しています。
世界貿易センタービルのテロの後で米国は大した証拠なしにアフガニスタンを攻撃し、何万人も市民を殺害しています。今回のイスラエルと同じ構図です。ならば今回の結末も同じになるような気がします。軍事占領したものの統治が嫌になって引き上げ、荒廃が残り、さらに大きなテロ組織ができる、ということになります。
それ、次項で書く予定だったのに、先に書かれてしまった。 (^^);