基本以外の周辺的な話を述べる。パレスチナの戦争など。
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弱者は選択肢がない
力に差があるときには、「強者が弱者を蹂躙する」と述べた。(前々項、前項)
では、このとき、弱者の側は何ができるだろうか? パレスチナにおけるパレスチナ側(ハマス)の取るべき策を考えよう。
イスラエルは「ハマスがイスラエルを攻撃するのが悪い」と述べた。では、ハマスがイスラエルを攻撃しなければ、パレスチナの紛争は解決するだろうか?
答えは「ノー」である。なぜなら、オスロ合意における「双方の共存」と「入植の停止」という合意を、イスラエルは反故にしたからだ。なぜ反故にしたかと言えば、イスラエルの基本方針による。
イスラエルの基本方針はこうだ。
・ 共存は認めない。パレスチナ人は出ていけ。
・ 入植は停止しない。パレスチナの領土はすべて奪う。
これは一方的な「タカ」戦略である。典型的な「タカ」戦略だとも言える。ヒトラーのドイツや、プーチンのロシアと同様だ。(ブルジョワ戦略とは違う。)
では、相手が一方的な「タカ」戦略を取ったときには、パレスチナ側には何ができるか? 次の二通りだ。
・ ハト戦略を取り、侵略を受け入れる。おとなしく領土を奪われる。
・ タカ戦略を取り、侵略に反抗する。できる限りの反攻をする。
後者はいわば「ハチの一刺し」だ。「黙って殺されるくらいなら、ハチの一刺しをしてから死ぬ」という方針だ。
ハマスはこの方針を取った。そして多数のロケット弾を発射したが、そのほとんどはアイアンドームによって防がれた。ときどき壁を越えてイスラエル領内に入って民間人を殺すこともあったが、その規模は小さくて、あくまで「ハチの一刺し」にすぎなかった。
ただし、2023年10月7日の攻撃は違った。このときには、1200人を殺害し、240人以上を人質にとった。これまでとは桁違いの規模の被害をも垂らした。それは「ハチの一刺し」どころか「ハチの十刺し」ぐらいの被害をも垂らした。かくてイスラエルは大々的な報復に踏み切った。
これではパレスチナとしては困る。ハマスとしては「こんなことなら、ハチの一刺しをやめておけば良かった」と後悔しているかもしれない。
では、ハマスはやはり、攻撃しなければ良かったのか? その場合には、イスラエルによってすぐに殺されることはなかっただろう。しかし、どっちみち、入植によって土地を奪われる運命にある。最終的にはイスラエルにすべてを奪われるしかないのだ。奪われるのが今であるか将来であるかという違いしかない。
つまり、パレスチナには、もともと選択肢がない。「平和に生きる」という選択肢はもともと与えられず、次の選択肢があるだけだ。
・ ハトの戦略を取り、将来的に領土をすべて奪われる。
・ タカの戦略を取り、今すぐ大量虐殺される。
常識的に考えれば、後者よりは前者の方がマシだ、とも言える。
とはいえ、今回の攻撃の前には、ハマスはそのつもりはなかった。むしろ、こう狙った。
「イスラエルは、入植に反撃されることで、パレスチナ人の痛みを知り、入植をやめるだろう。これほどの痛みを受けてまで、入植をするのをやめるだろう」
このとき、今回のような大規模報復を予想していなかった。なぜか? こう思ったからだ。
「イスラエルが大規模報復をする可能性もあるが、まさかそんなことはするまい。なぜなら、一般市民を大量虐殺することは、悪魔の所業であるからだ。ユダヤ人市民を大量虐殺されたイスラエルが、そんな悪魔の所業をするはずがない。また、そのような大量虐殺は、国際法違反であり、欧米が黙って見過ごすはずがない」
こう予想した。しかし、その予想はハズレた。なぜか? イスラエル人は悪魔の所業をするからだ。また、欧米は黙って見過ごすからだ。
つまり、起こるはずのないことが起こった。ここには「計算違い」があった。前項で述べた「錯覚」のように、「計算違い」があった。
では、この「計算違い」をしたのは、ハマスが愚かだったからか? 違う。欧米が悪魔であったからだ。仮にハマスに錯覚があったとすれば、欧米を「良心のある人間」と見なしたことだ。現実には違った。欧米は「良心のある人間」ではなく、悪魔だった。だから欧米はイスラエルによる大量虐殺を見過ごすことにした。かくてパレスチナ人は大量虐殺をされることになった。
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まとめて言おう。
強者が一方的な「タカ」戦略で攻撃しているときには、弱者の側には選択肢がない。平和を選ぶ選択肢はもともとない。あるのは次のいずれかだ。
・ ハト戦略を取り、侵略を受け入れる。おとなしく領土を奪われる。
・ タカ戦略を取り、侵略に反抗する。できる限りの反攻をする。
前者を取れば、民族は滅亡するか離散する。
後者を取れば、紛争になるが、大量虐殺されることもある。ただし、大量虐殺が成立するのは、欧米が人間でなく悪魔であった場合に限られる。そんなことはありえないと思えたが、現実には欧米が人間でなく悪魔であったので、大量虐殺は成立することになった。
要するに、この問題の解決策をとる選択肢は、ハマスの側にはない。選択肢を持つのは、強者であるイスラエルの側だけだ。
イスラエルの側は、平和という選択肢をとることもできた。それが「オスロ合意」だ。しかしイスラエルは、その選択肢を拒否した。かわりに、「パレスチナの全土を奪う」という方針を取った。なぜなら、その方針を取るべきだということは、旧約聖書に記してあったからである。
かくてイスラエルは、「すべてを奪うために入植する」という方針を取った。

出典:東京新聞
そして、そのイスラエルの強欲な方針を、欧米は容認した。なぜか? 欧米は悪魔だったからである。
イスラエルは過剰防衛
では、イスラエルはどうしてこれほどにも「タカ」戦略を取るのか? そのわけは何か?
これに対して、こう思う人もいるだろう。
「それはイスラエルが悪魔であるからだ。というより、ユダヤ人が悪魔であるからだ」
なるほど、このような説明は、一理ある。実際、国連決議を無視して入植を続けることは、あまりにも非道であり、非難されてしかるべきだ。
とはいえ、このような発想は、ヒトラーのユダヤ人差別と同様であって、受け入れがたい。たしかにイスラエルは悪魔であるかもしれないが、その理由を「ユダヤ人であること」に求めるのは合理的でない。民族以外に、もっと合理的な説明が必要だ。
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そこで私がアイデアを出そう。こうだ。
「イスラエルがこれほどにもタカ戦略を取って侵略をするのは、攻撃性があるからではなく、自分を守ろうとして、過剰防衛をしてしまうからだ。その根底にあるのは、自分たちが滅ぼされるかも入れないという恐怖である」
過剰防衛というのは、たとえば、空手の有段者が素人に軽くたたかれそうになったときに、相手を殴り殺してしまうようなことだ。あるいは、料理人が客にぶたれそうになったときに、手持ちの包丁で相手を刺し殺してしまうようなことだ。
これと似た感じで、1200人の市民を殺された報復で、数万人や数十万人(または百万人)を大虐殺しようとする。
このとき、彼らはもともと人殺しをしたいわけではない。「殺さなければ殺される」というふうに思って、過剰に殺してしまうのだ。だから、殺すことを正当視する。「殺さなければ殺されるのだから、殺すことは正当だ。これは正当防衛だ」というふうに思い込む。実際には、赤ん坊や幼児を殺すことが、正当防衛であるはずがないのだが、彼らはそうは思わない。「これは正当防衛だ」と思い込む。一種の錯覚だ。
ではなぜ、彼らはそう思うのか? 怯えているからだ。
「ハマスの攻撃は怖い。1200人も殺された。それ以前にも、何度となく、攻撃を受けてきた。数千発のロケット弾もあった。これほどにも攻撃されていて、いつ殺されるかもしれない。それを防ぐためには、パレスチナを攻撃することは正当だ」
こういうふうに思い込む。だから彼らはパレスチナ人を大量虐殺したがるのだ。いわば、ゴキブリの群れに襲われる恐怖に駆られて、ゴキブリを大量虐殺したがるように。あるいは、ネズミの群れに襲われる恐怖に駆られて、ネズミを大量虐殺したがるように。彼らにとって、パレスチナ人を大量虐殺することは、ゴキブリやネズミを駆除するのと同様のことなのだ。自分たちの身を守るためには、必要であり、正当なことなのだ。
このとき、彼らは「自分たちが先に入植をするから、こうなった」というふうには思わない。なぜなら、入植するのは、旧約聖書の記述に従うだけのことだからだ。そこには自分の意思はない。単に神の意思があるだけだ。神の意思に従うだけであるから、特に自分の意思で選択しているわけではないのだ。
また、歴史的経緯もある。ユダヤ人は、二千年ほどの間、長らく流浪の民として世界各地をさまよった。領土を奪われたからである。その苦渋を二度と味わいたくない。だからこそ、この土地を奪おうとするパレスチナ人を、どうしても排除したい。それでこそ安住の地を得られるというものだ。できればパレスチナ人をすべて抹消することで、ここに安住の地を得たい。
こういう理屈で、イスラエルは「共存」を否定した。
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ここまで見ればわかるだろう。イスラエルが「共存」を拒否して、「平和」を拒否するのは、イスラエル人が悪魔性を帯びているからではない。むしろ過去の歴史ゆえに、過剰に怯えているからだ。
ならば、その心理を理解した上で、彼らの怯えを除去することが必要だ。特に、パレスチナ人およびアラブ社会全体から、イスラエルの存続について保証を与えることが必要だ。
その保証を与えなければ、イスラエルは過剰に怯え続けるだろう。「一国が滅ぼされてしまうかもしれない」という恐怖に駆られ続けるだろう。そして、その恐怖ゆえに、パレスチナ人を虐殺し続けるだろう。
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パレスチナに平和をもたらには、方法がある。
それは、パレスチナ人が何かをすることではない。選択肢はイスラエルの側だけが握っている。
イスラエルは現状では、侵略と大虐殺の道を取る。しかしそれは、イスラエルが悪魔であるからではない。イスラエルが極端に怯えているからだ。ひどい恐怖に駆られているからだ。「自分たちは滅亡させられる」という恐怖に。

とすれば、パレスチナに平和をもたらす方法は、一つしかない。それは、イスラエルの恐怖を解きほぐすことだ。そのために必要なのは、「優しさ」だ。怯えて人殺しを続ける凶悪犯に対して、厳罰を加えるのではなく、その頑なな恐怖を解きほぐすような、温かい「優しさ」だ。それを施されたとき、彼らの恐怖はほぐれるので、相手の存在を認めて、相手の共存を認めることができるようになる。
パレスチナ人もイスラエル人も、ひどく傷つけあっている。だが、それは、彼らが悪魔的であるからではない。ひどく怯えているからだ。その怯えを解きほぐすのは、世界の与える「優しさ」だけなのだ。
彼らがなぜ傷つけあうかを理解できるだけの「優しさ」を世界が持てば、そのときようやく平和が訪れる。
そして、世界がその「優しさ」を持たない限り、救いの手を差し伸べられることがないがゆえに、パレスチナでは双方が傷つけあうことになる。特に、パレスチナ人の側は大虐殺をされ続けることになる。
中東がこの世の地獄のようになっているのは、世界に「優しさ」がないせいなのだ。換言すれば、世界が悪魔的であるからなのだ。世界は、中東に「優しさ」を贈ろうとするよりは、自らの手に金を入れることばかりを考えている。(特に日本はそうだ。)
──
《 加筆 》
イスラエルの「過剰防衛」は、「被害妄想」から来る、とも言えそうだ。その意味では、京アニ火災事件の犯人に似ている。彼は「自分の作品を盗まれた」と妄想して、その報復のつもりで、大量殺害した。イスラエルは、「自分の領土をすべて奪われる」と妄想して、その報復のつもりで、大量殺害する。
京アニの犯人は不遇な人生を送っていた。もし彼が社会から優しさを施されていたら、彼は救われていただろう。その場合には京アニ事件は起こらなかっただろう。
ユダヤ人は不遇な二千年の歴史を送っていた。もしユダヤ人が世界から優しさを施されていたら、ユダヤ人は救われていただろう。その場合にはガザ虐殺は起こらなかっただろう。換言すれば、ガザ虐殺が起こるのは、不遇な二千年の歴史をもたらした欧州人のせいなのだ。(白人系の米国人の祖先も含む。)
※ 長くなったので、中断します。次項に続きます。
イスラエルの被害妄想と歴史の話。
(1)ガザ地区の平和は欧米がガザ地区を保護、監督してイスラエルへの攻撃をさせない保証をすることだと思います。アラファトさんはその路線だったように思いますが間違っていますか?
(2)昨年攻撃したのは、ちょうど欧米がウクライナで手一杯だったのを狙ったのではないでしょうか。これは狙い通りだったといえます。もしウクライナがなかったら、欧米とイスラエルが共同して対テロ活動の名目でガザに入り制圧してしまったかもしれません。ウクライナのためにイスラエル単独で対応せざるを得ず、彼らの過去の被害者意識と合わさって現在の悪魔的行為になっているのではないでしょうか?
以上は私の直感的な考えで裏付けはありません。
「優しさ」、私の言葉ではそれは「理解力」です。相手がなぜそうしてくるのか。それについての理解力です。そこから戦争を避けるための第一歩が始まります。
以前にコメントしましたが、ユダヤ人は政府の中枢に入り込むと考えたのはまず仏で次に英。彼らはユダヤ人を追い出した。米政府がイスラエルに強く反意を示せばイスラエルも今のようにはできないでしょう。でも米の中枢にはユダヤロビーが入っています。仏と英が彼らを追い出した理由そのものが米で生きています。その上、米は戦争産業を容易には閉じることができません。
以下のブログを見てください。
https://peaceforever-realize-by2025.com/2024/03/post-8414/
この難問に比べると、ロシア・ウクライナ戦争はもっと理解が容易です。
過去・・・キューバ危機
このブログで述べられたように「弱者(小国)には選択肢がない」のです。知恵を絞って強国と仲良くするしか道はないでしょう。その小国キューバが米に向けたソ連の核ミサイルを配備しようとした。そりゃ世界核戦争になるでしょう。
現在・・・ロシア・ウクライナ戦争
小国ウクライナが親米になった。米と敵対するロシアは、当然キューバ危機を知っているし、ソ連の核ミサイルを米が許さないことは知っています。ちょうどその逆をロシアは予測したとしても当然でしょう。世界核戦争はロシアも嫌でしょう。そうなる前にどうすべきか。そう考えたと理解ができます。
というかロシアの錯覚が一つの大きな要因でしょう。米が錯覚を起こさせたのです。イラクがクウェートに攻め込む前、フセインは駐米大使にわが国がクウェートに攻めこんだ場合米はどうするかと問うたのです。駐米大使(女性)は、我が国はアラブ内部のことには干渉しないと言ったのです。放送大の高橋和夫教授のビデオで観ました。でもフセインは国連軍に敗退に追い込まれました。フセインは米の言葉で錯覚を起こしたのです。
ロシアも米の言葉で錯覚を起こしました。長くなるので書きませんが、他国に戦争を始めさせるには米の錯覚誘導が大きい役を果たしたと私は思います。
同じことが3度です。
未来・・・台湾、日本 vs 中国
台湾や日本が親米になって、台湾や沖縄に中国に向けた核ミサイルを置いたらどうでしょうか。
3度目の中国は過去の事例からもっと学んでいるから、そう簡単に攻めてはこないでしょう。
でも、そういう状況になることを避けたいです。
過去から未来につながる3度の事例に対する理解力が日本を救うと思います。
10月の大規模テロの前までにも、どれだけの攻撃・大中小規模のテロがあったか、ご存じないでしょうか。
アイアンドームや各家庭の防空壕が作られているのは単なる保険ではなく必要に迫られた結果です。
パレスチナ人の被害者数が多いのは確かでしょうが、ハマスの発表であること、ハマス要因による死者もハマス戦闘員の死者も相当数いるはずであること、ハマスに批判的な報道者は現地入り出来ないこと、そもそもハマスは被害がなるべく大きくなるように努めていること、それらは考慮されているでしょうか。
> イスラエルの恐怖を解きほぐすこと
オスロ合意のあとで、解きほぐすどころか実力行使によって更に恐怖の原因を増やし続けてきたのですから、そう簡単にほぐれるわけありません。ハマスやヒズボラやイランは、イスラエル国の存在自体を容認していません。だから、イスラエルが攻撃を一時的に中止しても、決して戦争は終結しません。そして「欧州人のせい」だと理解しているから、欧米各国も及び腰にならざるを得ないわけで。
戦闘による多大な被害に心を痛める。正常なことだと思いますし、何とか戦争を止めたい、被害を無くしたいと願うことは当然のことだと思います。
じゃあ、どうする?
決定的な方策がわからないから、各国がその時その時の各国の思惑と状況に応じた対応でお茶を濁すしかないのでしょう。これが解決できたら? 世界統一政府でもできるかもしれませんね。
>>>> イスラエルが極端に怯えているからだ。ひどい恐怖に駆られているからだ。「自分たちは滅亡させられる」という恐怖に。
実際には、ハマスにはそれだけの武力はないので、これは妄想です。アリがゾウを滅ぼせるはずがない。ゾウがアリを滅ぼすことは可能だが。
> オスロ合意のあとで、解きほぐすどころか実力行使によって更に恐怖の原因を増やし続けてきた
それはイスラエルが合意を破棄して入植したからでしょう。
100発ぶんなぐったあとで、1発ぶんなぐられたら、「報復で1発ぶんなぐられたので、自分が先に 100発ぶんなぐったことは正当化される。今後も1000発殴ることは正当化される」という、けろ さんの理屈を取ると、この世の悪はすべて正当化されますね。プーチンも。
> イスラエルが攻撃を一時的に中止しても、決して戦争は終結しません。
そりゃ、当り前です。入植をして相手を絶滅させるという方針は維持しているんだから、一時的に中止しても、相手を絶滅させる基本方針を維持しています。何の意味もない小休止。
「おまえを殺す意図は続けるが、今は一時的に少しだけ止めてやる」
という提案を、正当だと思う人は、イスラエル支持をする けろ さんぐらいでしょう。
> 決定的な方策
方策の問題ではありません。まずは「自分たちは悪魔だ」と認識して反省することが必要です。
換言すれば、「虐殺を正当化する人間は悪魔だ。自分はその一人だ」と認識することです。
そう認識するのが先決であり、方法の問題ではありません。
イスラエルの立場は、「自分が殺されるから、先に相手を殺す」という方針です。正当防衛の理屈。
その理屈自体は間違っていない。間違っているのは「自分が殺される」という信念だ。だから、それが妄想であると教える必要がある。そうしない限り、彼らは自称・正当防衛を続ける。
──
解決の基本原理は簡単で、双方が共存を認めればいい。ハマスはともかく、パレスチナ人の大半は、共存を認めるだろう。相手を滅ぼす意図はないだろう。
しかしイスラエルは違う。共存の意図はない。相手を滅ぼす意図がある。だから、共存を拒否する。アメリカが提案しても、断固拒否する。
共存を認めるのがスタートラインだが、イスラエルはそれを認めないし、欧米はその方針を(容認しないまでも)甘受する。ここが根本だ。
けろ さんもそうだ。共存を否定するイスラエルを支持する。そうである限り、平和をもたらす手段などはない。小手先の手段の問題ではない。
> ハマスにはそれだけの武力はない
だからいくら国民が殺されても甘受せよと?
今現在もヒズボラほか、他の組織も連動して攻撃を続けています。テロも相変わらず続いています。武器の最大のスポンサーであるイランは革命後はイスラエル消滅を目指しています。核兵器が完成したら攻撃すると言ってましたね。武器搬入の情報を掴むたびにシリアやレバノンの格納庫を空爆しているのは、「妄想」ではなくて「現実」だからです。
イスラエル側にもパレスチナ側にも共存を求める人は多くいますよね。ただ
> パレスチナ人の大半は、共存を認めるだろう。相手を滅ぼす意図はないだろう。
「だろう」の根拠が疑問なのですね。
ガザ地区では、ハマスの方針を受け入れないパレスチナ人は殺されますしね。
> イスラエルは違う。共存の意図はない。
そこも、ものすごく認識が異なるようですね。
本当に共存の意図が無いなら、とっくにガザの全員200万人を殺してますよ。それだけの軍事力があるんですから。なのに、自軍にも多大な犠牲者を出しながら、これだけ時間をかけている意味がわからないのでしょうか。
そもそも、イスラエルは人数と同じだけ政党があるというくらい多種多様な意見の集合体で、欧米人にとどまらずアラブ、アフリカ、インドその他、「人種」で言えばすごく多様です。「共存の意図はない」と一致できるはずがない。総選挙も一体何回やり直してることか。
管理人様は、現地の情報をどのように得て、いろいろな評価をしておられるのでしょうか。
私にメールをくれる知人は、イ政府の発表をそのまま信るような人じゃないはずですが、架空の攻撃や架空のテロ被害を信じ込まされている憐れな人なんですかね。
そういう認識をするのが、偏っている。殺している人数を比べればわかるでしょうに。「たしかに多数をハマスに殺されているが、その前に自分が何十倍もガザで殺しているし、侵略しているからだ」という事実を見失っている。
なお、そもそも私は「双方の平和」をめざしています。イスラエルのように、「自分は殺したいが、自分は殺されたくない」という方針とは違います。先に殺している人間が「殺されたくない」と言っても、ナンセンス。「おまえが殺すのをやめるのが先決だ」となる。
> イランは革命後はイスラエル消滅を目指しています。
イランの問題は、たしかにあるので、この件は次項で扱います。
とはいえ、イランがそうだからパレスチナ人を殺すというのは、筋違いだ。
> 本当に共存の意図が無いなら、とっくにガザの全員200万人を殺してますよ。
殺すのではなく「追い出す」というのが、入植の方針です。200万人を殺すのではなく、200万人を追い出す。
200万人を殺すのは、さすがに手間がかかりますから、すぐにはやらない。しかし現在、100万人を殺す計画が進行中です。次項で示します。
> 「共存の意図はない」と一致できるはずがない。
イスラエル国民はそうですね。
しかし政権を取ったネタニヤフは、共存の意思がない。イスラエルという国は、そういう方針です。個々のイスラエル人が同罪だとは言っていない。国家の責任のみを論じています。
> 管理人様は、現地の情報をどのように得て、いろいろな評価をしておられるのでしょうか。
これもそうで、個々のイスラエル人の話をしているのではない。国家のふるまいを論じている。
ちなみに、ロシアがウクライナを侵略しているという情報は、ウクライナ経由で得られる情報があれば十分であり、ロシア国内の個々人の思想を知る必要はない。ウクライナ侵略の情報を、ロシア国内のロシア人が詳しく知っているわけではない。むしろ何も知らないだろう。(情報統制で)
けろ さんは、イスラエル市民の声ばかりを重視していますが、イスラエル市民の声を聞く必要はない。イスラエル市民は殺していないからです。殺しているのは、イスラエル兵士と、イスラエル政府です。
その事実を見るべきなのに、「殺さずに被害を受けるだけ」という市民の声だけ聞いても、ナンセンスです。市民はちっとも悪くありません。私はイスラエル市民を非難しているわけではありません。
もともと、やる気がない。平和を構築する気がない。意思があって力がないのではなく、最初の意思がない。
荷物を押そうとして押す力がないのではなく、もともと荷物を押す気がない。
平和の意思がないんです。この件は、本日の項目でも示す予定。
延期します。