いよいよ解決策を示そう。平和を実現するには、こうすればいい。
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平和を実現する方法
前項の話によれば、善意の社会ができることはある。そこにあるのは利己主義でも利他主義でもない。相互的な助け合いだ。そういうことが起こるのは、全体の総和が増えるような状況だ。
では、そんな状況はあるか? 「雪道のぬかるむで自動車を脱する」というような状況では、相互的な助け合いによって、全体の総和が増えるようになっていた。
一方、戦争と平和の場では、そういうことは起こらないのが普通だ。なるほど、戦争は双方が大損をする状況なので、戦争をやめて平和にすれば、「大損からゼロになる」というふうには改善する。しかし、平和そのものは、「損も得もない」という「プラスマイナスゼロ」の状況である。特にメリットはない。総和がプラスになることはない。だから、自然に平和になることもない。
困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう……と言いたいところだが、実は、新たに案を示すまでもない。その案は、実はとっくの昔に示していた。
→ 戦争とタカ・ハトゲーム: Open ブログ
ここでは、平和を実現する具体的なアイデアを示している。イスラエルとパレスチナの紛争を例にして、ここに平和をもたらすアイデアだ。話は1項目全体に渡るので、かなり長いが、そこから一部抜粋すると、次のアイデアだ。
・ 双方が攻撃しなければ、どちらも得。
・ 双方が攻撃すれば、双方が損。
・ 一方が攻撃すれば、攻撃しない側だけが得。
これが、あるべき姿だ。とはいえ、現実には、そうなっていない。なぜか? ここに関与するのが、双方だけだからだ。
そこで、ここに関与するものとして、第三者を入れる。第三者の富を、双方に分配する。上記のように。
具体的には、次の通り。(イスラエルとパレスチナを、双方と見る。)
・ 双方が攻撃しなければ、どちらも得。 (第三者が双方に援助する)
・ 双方が攻撃すれば、双方が損。 (第三者が援助を全廃する。)
・ 一方が攻撃すれば、攻撃しない側だけが得。(第三者が被害者側だけに援助する)
以上によって、「平和が得、戦争が損」という形にする。
これは、「平和をもたらす状況を構築する」ということだ。そういう状況がなければ、そういう状況を構築すればいいのだ。人為的に。
ゲーム理論を理解すれば、タカ・ハト・ゲームの理論で、どういうふうにして戦争が起こるかがわかった。特に、ブルジョワ戦略によって、戦争を回避しやすいとわかった。
ただしそれは、双方の戦力が拮抗している場合だ。その場合には、双方がタカになるのが最悪なので、最悪を回避するという形で、戦争を回避することができる。
一方、一方が圧倒的に強い(他方が圧倒的に弱い)場合がある。この場合には、強者が弱者を蹂躙する動機が生じる。かくて戦争が起こりがちだ。ロシアや中国は、しばしばその方針を取ってきた。イスラエルもまたそうだった。特に欧米はイスラエルのその方針を容認してきた。
( ※ イスラエルの入植という侵略を、欧米はずっと容認してきた。ロシアや中国には経済制裁をしたくせに、イスラエルには経済制裁をしなかった。)
こういうふうに力の差がある場合には、どうすればいいか? 解決策は見出しがたかった。しかし上では、新たな方法を示した。経済制裁と援助をともに組み合わせることで、「平和が利益をもたらし、戦争が損をもたらす」という状況を構築すればいいのだ。
なお、この方法では、特にイスラエルには、「攻撃に対する経済制裁」という罰が科されることになる。
一方で、イスラエルがパレスチナの入植をやめて、撤退すれば、諸外国からイスラエルが援助金をもらえる。

さらに追加で、次の方法も示した。
「イスラエルには、現状の土地の使用権を認める。ただし、地代として、毎年かなりの額をパレスチナに支払う」
(中略)
パレスチナとしては、戦争をしない限り、イスラエルから莫大な金をもらえるので、戦争をしない方が得だ。また、金を支払わせることによって、相手に土地を渡すことに我慢できる。
経済学的に言えば、同じ土地を所有するなら、上手に効率的に所有するイスラエルが所有した方が効率的である。だから、イスラエルが土地を所有して、そこから得た利益をパレスチナに配分するのが、最良の策だろう。
この方法は、パレスチナ側に対する損得をもたらす。
・ イスラエルを攻撃すると、イスラエルから金をもらえない。
・ イスラエルを攻撃しないと、イスラエルから金をもらえる。
こういう損得が生じるので、イスラエルを攻撃しないことが自分にとって利益になる。イスラエルを攻撃することは、自分の味方(援助者)を攻撃することになるので、自分で自分の首を絞めるのも同然だ。そんな馬鹿げたことはしないだろう。
たとえば、イスラエルがガザを徹底的に破壊したあとで、その復興のために多額の賠償金を払うとする。その条件は「パレスチナ側がイスラエル側を攻撃しないこと」だ。この条件が満たされる限り、イスラエルはパレスチナに金を払う。
こうして、イスラエルがパレスチナに金を払い続けることで、平和がずっと持続的に続くことになる。それは決して永続的な平和ではなく、「イスラエルが金を払う限りは続く」という有限的な平和だが、「1年また1年」というふうに年数がどんどん積み重なっていけば、それは実質的には永遠の平和と等価になるのだ。
そして、そういうふうに平和が続けば、イスラエルはもはや多額の軍事費を出費する必要もなくなる。イスラエルの軍事費は、GDP 比で 5%を少し下回る程度だ。
→ イスラエルの軍事費の対GDP比率(推移と比較グラフ)
この比率は、日本の1%よりも大幅に高く、欧州の2%よりも大幅に高い。この高額の軍事費を、将来的には大幅に引き下げることが可能だろう。もし平和が保証されるのであれば。
だから、「平和が続く限り、イスラエルがパレスチナに金を払い続ける」ということは可能なのだ。仮に、パレスチナが攻撃をしてきたなら、そのときは、パレスチナに金を払うのをやめて、かわりに、自分の国で軍事費を増やせばいい。
そういう方針を立てた上で、「平和が続けば、パレスチナに金を払う」ということを実施することは可能なのだ。
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以上のアイデアによって、「エゴイズムによって悪魔になる」ということ(人間の本性)を脱するように、状況を整備することができる。
ああしろ、こうしろ、と人の心を操作することはできない。しかし、「こうすれば、こうなる」というふうに、状況を整備することはできる。
状況を変えるということは、容易ではない。ゲームのプレーヤーには不可能だ。
しかし、ゲームのプレーヤーでなく、世界や社会の全体などならば、全員の合意によって、状況を変えることはできる。
戦争というものは、戦っている2国だけでは状況を変えられないが、世界の全体が介入すれば、状況を変えることができる。
そのように状況を整備することで、人の心を悪魔から天使にすることも可能なのだ。
これはつまり、「悪魔を手玉に取る」ことだ。それこそが、本項(というより別項)のアイデアだ。
※ 長くなったので、中断します。次項に続きます。
この理論は双方が互いにリスペクトしているときにだけ成立すると思います。残念ながら欧米人+ユダヤ人はアラビア人やアジア人を一段下に見ています(公式には絶対認めない)。彼らを虫けらのように殺しても正当化できる人たちです。今後何世紀もかけて欧米人以外にも優れた人々が存在することを示していく必要があります。日本人はその先兵になってきたのですが雲行きが怪しくなってきました。これからは中国に期待したいのですが、戦前の日本人のようにならないことを祈るばかりです。
でもそれができるのは、しっかりした監視とそれを強制する権力があるからです。
第三者が他国では真の公正さは保たれないでしょう。その国も都合(私欲)があります。国連でさえ常任理事会がそれぞれの思惑で分かれます。
田坂さんの論考を転句しますが、最後はAI??と言う人も出てきそうです。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/民主主義の自殺-と人類の未来/ar-BB1jJpXT?ocid=msedgntp&pc=LCTS&cvid=1a253fa23a964ffcabc536d1f3235b98&ei=154
当の2国が合意できれば、問題ない。パレスチナとイスラエルが平和条約を結べば、そのとき第三者が金を出せばいい。第三者は判定しないので、何も問題ない。
仮に一方が違約した場合には、相手が反発する。すると、「双方の合意」という前提が満たされないので、「喧嘩両成敗」となって、双方が損をする。
第三者が金を出せばいいって、イスラエルが金を出すんじゃないんですか。
現状はそうなので、イスラエルは平和を拒否します。侵略する方がお得。盗み放題だ。おまけに、殺し放題だ。
ただし、本項の後半のアイデアでは、イスラエルがパレスチナに金を払って、その分、軍事費を減らす。イスラエルは、パレスチナに金を払うと同時に、第三国からは金をもらえる。
差し引きすれば、パレスチナもイスラエルも、平和によって大幅に利益を得る。その利益の幅を拡大するために、第三国が金を出す。
第三国は損するように見えるが、(ウクライナ戦争も解決すれば)小麦価格や石油価格の大幅値上げがなくなるので、第三国も得をする。現状でも、フーシによる紅海封鎖がなくなるので、その利益も生じるだろう。
https://togetter.com/li/2305657