2024年03月04日

◆ 武力と平和主義 .2

 ( 前項 の続き )
 平和主義とはどういうものであるかを、朝日新聞の社説から読み取る。

 ──

 平和主義とは何か? 戦争を嫌い、平和を好む、優しい心のことか? 違う。(なぜなら、戦争とは、自分が攻めて戦うことではなく、自分が攻められて戦うことだからだ。)
 比喩的に言えば、暴漢にナイフで刺されそうになったときに、抵抗して生きるかわりに、無抵抗で死ぬことである。つまり、敗北主義のことである。それが平和主義だ。

 ただし彼らはそのことを理解できない。かわりに、こう思う。
 「何もしないで無抵抗でいれば、殺されることはあるまい。だから無抵抗でいよう」
 と。あまりにも、お気楽主義である。しかしながら、現実にはそれが成立しない例が多い。そのことは、ウクライナやガザの例を見ればわかる。
 ……ここまでは、前項で述べたことだった。

 ──

 さて。朝日新聞が平和主義を唱えているので、その主張を見てみよう。
 まず、日本の武器輸出に反対する社説がある。同盟国やウクライナに武器輸出することを批判する。
 殺傷能力のある兵器の輸出は、戦前の反省を踏まえ、平和国家として歩んできた日本への信用を揺るがしかねない。
 戦闘機という殺傷能力の高い兵器にまで対象を拡大するなら、国際紛争を助長する武器の輸出国にはならないという原則の一層の空洞化は避けられない。
 今回の戦闘機に限って認める案も浮上しているという。しかし、一度道を開けば、他の共同開発品、さらには日本の単独開発品と、なし崩しに広がっていく恐れは否定できない。ここで立ち止まり、平和主義の原点に戻るべきだ。
( → (社説)戦闘機の輸出 平和国家の信用揺らぐ:朝日新聞

 「平和主義の原点に戻るべきだ」というが、その論拠は何も示していない。
 「ウクライナはロシアに侵略されて滅びるべきだ」
 というのが朝日新聞の立場だが、そういう敗北主義を平和主義の美名で隠蔽するべきではない。むしろ「朝日の唱える平和主義はただの敗北主義に過ぎず、侵略を是認するだけだ」と自認するべきだ。

 ──

 次の記者解説もある。
 ・ウクライナ侵攻でロシアのプーチン大統領は自信を取り戻し、妥協する気配がない
 ・米国の支援が滞ったままなら、首都キーウが再び大規模に攻撃される事態もあり得る
 ・停戦・終戦の議論を始めるためには、侵略を許さないルールを明確にする必要がある
( → (記者解説)ウクライナ、揺らぐ支援 終戦への道筋、侵略許さぬルール前提に 国際報道部・喜田尚:朝日新聞

 いろいろと述べているが、眼目は次のことだ。
 侵略は許さないという最低のルールは明確にしなければならない。

 「許さないルール」という。それだけで戦争が止まるという主張だ。だが、そんなことで戦争が止まるなら誰も苦労はしない。
 そもそも、国連の五大国には、拒否権というものがある。これは、「五大国は決議事項を守らなくていい」という原則だ。要するに、「五大国はルールを守らなくていい」ということだ。ルールを守らなくてもいいということが、もともと原則の内に含まれているのである。
 これは、一種のジャイアニズムだ。特定の大国だけがルール逸脱を認められる。そういう不平等の原則がある。
 「侵略は許さないというルール」と朝日は唱える。しかし、そんなルールがあろうとなかろうと、五大国には「ルールを守らなくていい」という特権があるんだ。だから、どんなルールがあろうと、侵略は容認されてしまうのだ。
 実際、ロシアのウクライナ侵略を非難する決議は、ロシアの拒否権で葬られた。イスラエルのガザ虐殺を非難する決議は、米国の拒否権で葬られた。……いずれにしても、「侵略は許さない」という方針は、拒否権によって葬られてしまうのだ。それが現実である。

 こういう国際政治の現実も理解できないまま、「侵略は許さないというルール」と唱える朝日は、現実無視の書生論議をしているにすぎない。あまりにも青臭い。
 
 ──

 上の記事では、平和主義とは別の観点からも主張が述べられている。
 「米国と欧州は、ウクライナに武器を支援せよ」
 ということだ。最近では、米国と欧州が武器支援を減らしていることを憂慮して、このままではロシアに負けてしまいそうだ、と懸念している。

 片腹痛いとはこのことだ。自分ではさんざん平和主義を主張していながら、欧米には武器供与を促すというのでは、自己矛盾も甚だしい。
 上の記事にはこうある。
 日本が武器支援できないことはウクライナでも広く知られている。にもかかわらず感謝されているのは、日本政府が支援の姿勢を揺るがせていないからだろう。

 「日本が武器支援できない」ということはない。武器輸出禁止三原則は、ただの閣議決定だから、閣議決定を変えるだけで、容易に武器支援はできる。国会の議決も必要ないのだ。(もちろん憲法改正はまったく必要ない。)要するに、首相の一存で、明日にでもウクライナへの武器支援は可能なのだ。上記記事の「武器輸出否定論」は、まったくの無根拠な虚偽である。

 上の記事は、さらにこう続く。
 欧米と比べれば、「他国を支援するお金を国内経済にまわせ」といった自国第一主義的な主張は幅をきかせていない。
 
 それは当たり前だ。欧米は、ウクライナに武器支援をしたから、「支援をやめて、その金を国内に回せ」という批判論も出る。
 日本はどうかというと、ウクライナに武器支援をしていないから、「支援をやめて、その金を国内に回せ」という批判論が出るわけがない。
 比喩的に言えば、能登地震に 100万ドルを寄付した大谷ならば、「その寄付金を自分のために回す」という別案も考えられるが、能登地震に1円も払っていないケチ野郎ならば、「その寄付金を自分のために回す」という別案は考えられないのだ。もともと1円も払っていないのだから。

 ウクライナに支援しながらも、「支援をやめよう」という声もある。そういう国について、「自国第一主義」と批判する。一方で、ウクライナに支援しないで見殺しにしながら、「支援を最初からまったくしない」という声もある。そういう国について、「平和主義の素晴らしい国」と賛美する。
 自己矛盾とはこのことだ。恥を知れ。

 それほどにも無責任でいながら、批判している欧米について、「もっと武器支援をしてロシアの侵略からウクライナを守ってくれ」と願望する。言っていることが支離滅裂すぎる。
 どうせ平和主義に徹するなら、あくまで平和主義という名の敗北主義を採用して、ウクライナをロシアに手渡すべきだ。なのに、そうしない。
 要するに、朝日新聞が唱えているのは、こうだ。
 「自分自身は、武器に手を付けたくないが、他人には、武器に手を付けてほしい。自分は武器のために1円も払いたくないが、他人は武器のために巨額の金を払ってほしい。他人が武器を購入して、奉仕してくれれば、ウクライナは武器を得て、ロシアに抵抗できる」

 あまりにも自分勝手な妄想に、呆れはてるしかない。「他人が金を出してくれればいい」という妄想である。「空から金が降ってくればいい」という妄想よりはマシだが、どっちみち、ただの妄想だ。狂気の沙汰とも言える。
 そういう妄想が、平和主義の本質だ。ほとんど幼児の発想と言っていい。

 ──

 さらに、次の社説もある。戦争を止めるためには、こう語ればいい、という言葉を提案する。
 NATO側は、侵略は断固として認めないという決意とともに、ロシアを攻撃する意図がないことをプーチン氏に理解させる必要がある。
( → (社説)NATO拡大 ロシアと意思疎通図れ:朝日新聞

 こういうふうに言葉で語ればロシアは攻撃をやめるだろう、と主張している。
 しかし、これはとんでもない勘違いだ。ロシアは「自分が攻撃されるから」という理由で、ウクライナに侵攻したのではない。だから、「ロシアを攻撃する意図がない」と教える必要はない。「プーチン氏に理解させる必要がある」というが、相手を馬鹿にするのも、ほどほどにするべきだ。そんなことぐらい、プーチンは最初から理解している。いちいち教えられないとわからないほどの馬鹿ではない。馬鹿なのは、その現実を理解できない朝日新聞の方だ。現実無視がひどすぎる。

 ロシアが攻撃したのはなぜか? ウクライナが NATO に加盟しそうになったからだ。それだけは何としても阻止したかった。……そのことは、プーチンが何度も何度も警告していた。「ウクライナが NATO に加盟するのを止めないと、戦争になるぞ」と。
 なのに、その警告を無視したのが、欧米の側だ。だからこそ、ロシアはウクライナに侵攻した。それが真相だ。
  → https://x.gd/41NmM (サイト内検索)

 そういう歴史的な経緯も理解できないまま、「ロシアは自国が攻撃されそうだと妄想した。だから戦争が起こった」と誤認する。そういう幼稚な発想をするのが、朝日新聞だ。呆れはてるしかない。戦争が起こった理由さえ理解できないのだ。
 ── 

 平和主義というのがどういうものであるか、以上からわかるだろう。簡単に言えば、「黙って何もしないでいればいい。すると、ママとパパがお菓子を与えてくれる」という、幼稚なタナボタ主義なのである。(他者依存と言ってもいい。)
 そういう幼稚な無責任体質が、現実に何をもたらすかは、歴史上で滅びた各国の例を見ればわかる。(ただし朝日新聞は歴史に学ばない。)





yoko-girl5.jfif

posted by 管理人 at 23:16 | Comment(13) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> ウクライナやガザの例を見ればわかる。

ガザでは、事情が違うと認識しています。ハマスは何年にもわたり何千発もミサイルを打ち込み続けて、しまいには町を襲って手当たり次第に市民を殺害し拉致しているので、一方的に侵略を受けているわけではないですから。
イスラエルはガザ一般市民の犠牲もやむなしと考えているし、ハマスはそもそも市民など盾としか捉えていないので、イスラエルが撤退しても平和にはなりません。
ウクライナは、ロシアが撤退すればとりあえずウクライナからロシア国内を攻撃することはなくなるでしょうから、ひとときの平和は訪れます。

「平和主義」を声高に叫ぶ人に限って、違う意見を持つ人たち(防衛力強化とか)に対して攻撃的で実力行使も辞さないという自己矛盾があったりしますね。
Posted by けろ at 2024年03月05日 09:30
> ハマスは何年にもわたり何千発もミサイルを打ち込み続けて、しまいには町を襲って手当たり次第に市民を殺害し拉致しているので、

 まるでハマスが先に攻撃を仕掛けているような口ぶりですが、事実は正反対です。
 今回の戦争は突然起こったわけではなく、長らくイスラエルがパレスチナに入植して、すでにパレスチナ領の多くを侵略して奪ってしまった、という事実があります。パレスチナ人の占める領域は、国土の半分になってしまいました。
  → https://www.tokyo-np.co.jp/article/26515

> 一方的に侵略を受けているわけではないですから。

 パレスチナ人は領土の半分を奪われましたが、パレスチナ人はイスラエルの領土をまったく得ていません。つまり、領土的にはイスラエルがパレスチナを一方的に侵略しています。

> 手当たり次第に市民を殺害し拉致している

 ハマスがこれまでに殺害したイスラエル人の数(数十人〜数百人)と、イスラエルがこれまでに殺害したパレスチナ人の数(数十万人)を比べれば、どっちが問題かわかるでしょう。
 自分が千発殴ったあとで、相手に一発殴られたら、「一方的に殴られている」と喚くのは、認識がおかしいでしょう。

> イスラエルが撤退しても平和にはなりません。

 平和になります。イスラエルが入植という侵略をしてこない限り、ハマスがイスラエルを侵略する理由はない。

 けろ さんは、イスラエルがパレスチナ人を先に大量殺害して、国土の大半を奪い取っている、という歴史的事実を理解できていません。「ハマスだけが残虐に攻撃してくる」と思っている。
 そのような偏向メガネの理屈だと、ロシアがウクライナを侵略するのも正当化されるでしょう。
 自分が勝手にウクライナを侵略したあとで、ウクライナが反撃したら、「ウクライナが侵略してくる」と批判する。あげく、「ロシアが撤退しても、ウクライナに平和が来るはずがない。だから、ロシアはウクライナを侵略していい」と主張する。
 イスラエルを正当化する けろ さんの論理では、ロシアのウクライナ侵略もまた正当化される。

> ロシアが撤退すれば

 ロシアが撤退することはないし、イスラエルが撤退することもない。侵略する側が自発的に侵略を止めることはありえない。だから戦争になるんです。

 けろさんの主張は、要するに、「侵略する側が正しいので、侵略される側は無抵抗で絶滅すればいい」というわけ。侵略される側の抵抗権を認めないわけ。自分が先にぶんなぐったあとで、相手がほんの少しでも抵抗したら、「こいつは暴力をふるった」と大騒ぎして、大量虐殺する。
 
 朝日の「敗北主義」による平和論とは逆で、侵略する側の「殲滅主義」ですね。ジェノサイドの是認。

 ま、それは、けろ さんだけの主張ではなく、欧州や米国や日本政府の立場でもあるので、多数派ではあるが。

 ※ 今の世界では、虐殺容認が圧倒的多数を占めており、虐殺否定をする人は少数派になっている。それを是正しようというのが、このシリーズの狙いだ。
Posted by 管理人 at 2024年03月05日 16:36
このブログの下から3番目の段落に書いてある通りだと思います。キューバ危機の時、ソ連はキューバに置こうとしていたミサイルを撤退し、世界核戦争を防いだ。キューバに米国に向けた核ミサイルを置けば米国存亡の危機であり米が黙っていないのは誰でも分かる。ウクライナが親米になれば同じことが起こると予測するのはプーチンならずとも論理性を持つ人なら誰でもできる。それをプーチンはウクライナやNATOに戦争前に警告していた。小国のウクライナが戦争を避けたいならロシアと仲良くするしか道はなかった。マイダン革命以降、米が巧妙にウクライナを操り、ロシアを罠にかけた。同じことをフセインイラクがクウェートを攻めた時、米国はやった。フセインは世界の悪になり敗退した。ロシアは世界の悪になったが、戦運はロシアに傾くかもしれない。
参考
https://www.youtube.com/watch?v=jgjD9sIK36s

Posted by SM at 2024年03月05日 16:57
私は放送大学高橋和夫教授のビデオでみました。フセインは、許せないと思っていたクウェートに対し、駐イラクの米国大使(女性)に、もし我が国がクウェートに侵攻した場合米はどうするかと聞いたのです。米大使は、アラブ内での出来事に米は関与しないと答えたのです。それでフセインはクウェートに侵攻しました。フセインは世界の悪になり国連軍に敗退させられました。
先に示したYoutubeの一番最後にそれが出てきます。ロシアはウクライナに対して大国ですし、イラクはクウェートに対して大国です。両方とも米の罠にかかったと言えます。
Posted by SM at 2024年03月05日 17:05
> イスラエルが入植という侵略をしてこない限り、ハマスがイスラエルを侵略する理由はない。

ハマス(ファタハもそうですが)の目的は領土保全ではありません。イスラエル国家の殲滅を目指しています。パレスチナ国家の建国や2国共存を拒否したのはイスラエルではなくてパレスチナ側(誰がパレスチナを代表するのかという根本的な問題もありますが)ですし、かつて和平を目指してガザから完全撤退したのに全く平和にならなかった。だからイスラエルも諦めましたよね。
民間人の犠牲者が多数あるのは容認し難くはありますが、じゃあどうすると。単にイスラエルが攻撃をやめればいいという問題ではありません。

ウクライナは、ロシア国家の殲滅なんか目指していません。全然事情が違います。

平和主義は敗北主義だという管理人様の主張には完全に同意します。イスラエルが平和主義を取ると国家が消滅しますから、敗北主義を取るわけにはいかないことでしょう。そこは、ウクライナと一緒。
Posted by けろ at 2024年03月06日 09:01
敗北平和主義は核兵器が使われる可能性がある時には意味があると思います。下手に抵抗して核で殲滅されられるのはごめんです。ロシア、イスラエル、北朝鮮は核保有国で、欧米や中東諸国も奴らには手が出せません。今まで潜在的に認識されてきた事実が今回明らかになったといえるでしょう。
 欧米がウクライナにこれ以上武器を供与しないというのは核の脅威のためと思います。
Posted by ひまなので at 2024年03月06日 09:10
> 敗北平和主義は核兵器が使われる可能性がある時には意味がある

 だったら、核が怖いので、核保有国が攻めてきたら、無抵抗でいるしかないですね。ロシアや中国が攻めてきたら、無抵抗で日本全体を明け渡すしかないでしょう。

 現実には、ウクライナに武器を渡しても、ロシアは核兵器を使っていないので、引用の論旨は成立しないけどね。
Posted by 管理人 at 2024年03月06日 09:42
> イスラエルが平和主義を取ると国家が消滅しますから、

 これはすごい理屈だ。イスラエルが圧倒的な武力を使って、一方的にタコ殴りしている(大虐殺している)状況で、「相手を大量が虐殺するのは、そうしないと相手に大量虐殺されるからだ」と主張する。
 こんな理屈が成立するなら、ヒトラーの大量虐殺も、中国のウイグル人大量虐殺も、ロシアのブチャ虐殺も、アメリカの原爆 50万人虐殺も、すべて正当化されるね。

> パレスチナ国家の建国や2国共存を拒否したのはイスラエルではなくてパレスチナ側

 そんな 80年も前の話を持ち出して、現在の大量虐殺を正当化するというのは、さすがにどうでしょう。
 その理屈によれば、「日本は 90年前に大量虐殺したので、現時点において日本人を大量虐殺してもいい」というふうになる。日本は中国に絶滅されてもいい、となる。

> 誰がパレスチナを代表するのかという根本的な問題もあります

 そうです。そのときイスラエルを攻撃したのは、パレスチナ人ではなく、エジプト軍です。
 けろさんの理屈は、「エジプトがイスラエルを攻撃したから、イスラエルはパレスチナ人を虐殺してもいい」というもの。江戸の敵を長崎で討つ。筋違いも甚だしい。
 
Posted by 管理人 at 2024年03月06日 09:49
80年前? もちろんその時もそうですけど
パレスチナ側の指導者? 代表者? で
2国共存を目指した人なんて、いましたっけ。
現在に至るまでずっと、ひたすらイスラエルの消滅しか言ってないです。
管理人様は、イスラエルが攻撃をやめて入植地をすべて返還しさえすれば平和が訪れるというお考えなのでしょうか。ハマスはそれで納得すると思いますかね。
Posted by けろ at 2024年03月07日 21:23
 けろ さんは事実を正反対に誤認しています。何らかの事実を提示するときには、出典を明記しましょう。あるいは、ググって確認しましょう。そうすれば事実誤認を防げます。

 共存を否定しているのは、パレスチナ国家ではなく、イスラエル政府です。出典は
  → https://sp.m.jiji.com/article/show/3146328

 ハマスは、武装組織であり、パレスチナ国家ではありません。実効支配してはいるが、選挙で選ばれた政府ではありません。

 PLO は、以前は優勢でしたが、イスラエルとの共存を認めようとしました。

> ヤーセル・アラファートが第3代議長になってからはイスラエルとの徹底抗戦姿勢を退け、第三次中東戦争でのイスラエルの占領地の返還および、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が共存する民主的世俗的なパレスチナ国家を独立させることを目標とし(パレスチナの独立宣言)、憲章にあるイスラエル敵視条項の修正にも動いた

  → https://x.gd/nEoSX

 他に、自治政府があるが、下記の通り。

> パレスチナ人民からはイスラエルと結託した腐敗組織とみなされており、支持されていない
 
  → https://x.gd/K1eFF

> イスラエルが攻撃をやめて入植地をすべて返還しさえすれば平和が訪れるというお考えなのでしょうか。

 双方の共存を、双方に合意させることが、新たに必要になるでしょう。バイデン大統領はその方針で動いていますね。
Posted by 管理人 at 2024年03月07日 22:31
 けろさんは事実を正反対に誤認しているようですね。
 ハマスがイスラエルを攻撃しているから、イスラエルは反撃しているだけだ、と思っているようですが、事実は正反対です。ハマスが攻撃するのは、数年に一度だけ。今回の攻撃の前も、何年間か、攻撃をしない時期が続きました。
 その間、一方的にパレスチナ侵略(入植)を続けていたのは、イスラエルでした。それがニュースにならないのは、毎日侵略しているからです。ハマスの侵略がニュースになるのは、数年に一度だけだからです。
 そこで、ニュースになったハマスだけを見て、ハマスが侵略していると思い込み、イスラエルは侵略していないと思い込む。……そういう人が大多数であるようだ。特に米国では。

> イスラエルが攻撃をやめて入植地をすべて返還しさえすれば平和が訪れるというお考えなのでしょうか

 その質問はナンセンスです。「イスラエルが攻撃をやめて入植地をすべて返還する」ということは、ありえないからです。それが可能ならば、とっくに実行しています。つまり、それは絶対にありえないことなのです。
 パレスチナで戦争をなくす方法は、たったひとつしかありません。イスラエルがパレスチナ人を大虐殺して、一人残らず全滅させることです。ちょうど、カルタゴを滅ぼしたように。
 その日が来るまで、パレスチナで戦争がなくなることはないでしょう。なぜか? その理由は、8日の項目で。(シリーズ6)
Posted by 管理人 at 2024年03月08日 00:08
> ハマスがイスラエルを攻撃しているから、イスラエルは反撃しているだけだ
なんて、思っていません。
> ハマスが攻撃するのは、数年に一度だけ
イスラエル在住だった知人からは、昨年10月の戦闘以前にもしょっちゅうミサイル攻撃や民間人殺害などのメールが来てましたが、それは嘘だと断定なさっているわけですね。あまりに頻繁だから、ニュースにもならないですよね。北朝鮮のミサイルでは大騒ぎしますけど。
> 一方的にパレスチナ侵略(入植)
それも、その通りだと聞いています。
イスラエルが攻撃をやめることもないし、ハマスもやめない。
イスラエルにしてみれば、オスロ合意でガザの入植地を全閉鎖して軍も撤退したけれど状況はむしろ悪くなる一方。意味ないじゃん、と。
https://ccp-ngo.jp/palestine/gaza-information/
何の理由もなく大規模軍事侵攻があったのだと思っているのでしょうね。じゃあ、仕方がないよね。民間人に犠牲が出るけど、ハマスが盾にしてんだからしょうがないじゃん。自国民が大切だからさ。イスラエル政府としたら、そんな言い分でしょう。
(私はそれに賛成するわけじゃありません)


「ガザ保険当局」つまりハマス側の発表とともに、IDFの発表も見た上で、たぶんどっちからも本当の真実はなかなか出てこないでしょうから、思案するしかないように思います。
https://www.idf.il/en/
8日の項目を楽しみにしております。
Posted by けろ at 2024年03月08日 16:48
> 昨年10月の戦闘以前にもしょっちゅうミサイル攻撃や民間人殺害などのメール

 それは知りませんでした。ニュースにはない現地情報ですね。ご教示ありがとうございます。初めて知りました。

> オスロ合意でガザの入植地を全閉鎖して軍も撤退したけれど状況はむしろ悪くなる一方。

 その理由はリンク先に書いてある。
 「事実上ガザを放棄しました。 しかしその代わりに周囲を封鎖、人や物の出入りを大きく制限しました。」
 領土は返還したが、兵糧攻めにした、と。右の頬を殴るのはやめたが、左の頬を殴った、と。これでは意味がないでしょう。
 上の文書をちゃんと読んでいます? こうもある。
 「2008年、2009年、2012年、2014年、そして2021年と、イスラエル軍は逃げ場のないガザに大規模軍事侵攻を行いました。 2014年の軍事侵攻では、過去2回をはるかにしのぐ激しい攻撃が、空、陸から51日間にわたって行われ、 死者2,251人(うち70%が女性や子どもを含む民間人)」
 これを見て、イスラエルとハマスが「どっちもどっち」と思うのなら、公平な判断というものができていない。
 
 ──

 けろ さんの望むアイデアは、下記にあります。
  → http://openblog.seesaa.net/article/435846681.html

 引用:
 「イスラエルには、現状の土地の使用権を認める。ただし、地代として、毎年かなりの額をパレスチナに支払う」

 (中略)
 パレスチナとしては、戦争をしない限り、イスラエルから莫大な金をもらえるので、戦争をしない方が得だ。また、金を支払わせることによって、相手に土地を渡すことに我慢できる。
 経済学的に言えば、同じ土地を所有するなら、上手に効率的に所有するイスラエルが所有した方が効率的である。だから、イスラエルが土地を所有して、そこから得た利益をパレスチナに配分するのが、最良の策だろう。

 ──

 これで戦争を回避できます。仮に戦争をすると、パレスチナは莫大な収入を失うので、かえって損をするからです。詳細は上記項目。

 逆に言えば、このような方針を取らなかったからこそ、オスロ合意は無効になったのです。

Posted by 管理人 at 2024年03月08日 18:56
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