2024年01月08日

◆ 停電を復旧するな

 能登半島地震では停電状態の地域が多いが、停電の復旧を急ぐべきではない。むしろ復旧を なるべく遅らせるべきだ。

 ──

 なぜ停電の復旧を遅らせるべきか? それは、停電の復旧よりも、もっと大切なことがあるからだ。


noto-tbs2.jpg
→ TBS NEWS DIG (1ページ)


 上には、傾いた電信柱の画像がある。
 もっと詳しい画像は、下記の動画で。








 現状はこのようにとてもひどい。電柱がたくさん損壊している。(前者の動画の 0:04 〜)
 停電を解消するためには、これらの電柱を復旧しなくてはならない。そのためには、電柱の工事車両をたくさん通さなくてはならない。ところが現状では、道路事情がとても悪い。だから、電柱の工事車両をたくさん通すことはできない。
 8日現在、約3300人が孤立状態となっており、約1万8000戸が停電している。地震で多数の電柱が倒れたが、道路事情が悪くて十分に工事車両が入れないためだ。
( → 「能登の大動脈」寸断、陸の孤島に 1本の国道が全ての障害に | 毎日新聞

 こういう状況で、無理にたくさんの工事車両を導入したら、どうなるか? その分、他の車両は通れなくなる。食料、水、暖房用燃料、医薬品などの搬送。病人の移設。……こういうふうに(生命に関わるような)重要度の高い車両が通れなくなる。それはまずい。
  → 医療が行き渡っていない
 
 停電の解消は急がなくてもいい。それよりも先にやるべきことがある。それは、「道路の復旧」だ。今は重機を運ぶこともまともにできていないので、道路の復旧もままならない。だから、重機を搬入して、道路の復旧を急ぐべきだ。そして、道路の復旧が完了したあとで、ようやく停電の復旧の段階となる。

 ちなみに、熊本地震との対比ではこうだ。
 石川県内ではなお約2万戸が停電したままだ。地震翌日の2日には一時、約3万4000戸が停電した。
 他の電力会社から作業員の応援も受けているが、復旧は進んでいない。輪島市や珠洲市などでは、道路が寸断されており、作業にあたる車両が現場に入れないためだ。多数の電柱が倒れたり、電線が切れたりしているという。
 2016年の熊本地震は、最大48万戸が停電したが、6日後にほぼ全域で復旧している。
( → 石川県でなお停電2万戸、544の携帯基地局が機能停止…道路寸断で作業車入れず : 読売新聞

 今回の地震は、熊本地震に比べて、圧倒的に状況が悪い。その理由は「道路の寸断」だ。これが解決しない限りは、復旧工事そのものができないのだ。
 このことを理解する必要がある。

 そして、そこから得られる結論としては、「復興よりも疎開を急ぐべきだ」となる。



 [ 付記 ]
 念のために注記しておくと、「あらゆる停電復旧をやめよ」という趣旨ではない。避難所のある地域では、復旧を急いでもいい。実際、電力会社も、避難所を優先して復旧している。それはそれでいい。「人命優先」という方針にかなう。
 一方、人のあまりいない遠隔地まで、多数の電柱を直して停電を復旧させる……というような広域の工事は、後回しでいい。本項で言っているのは、そういう話だ。

 ※ 「そんなのは当たり前だろ」と思うかもしれないが、当たり前ではない。熊本地震のときには、そんな方針は成立しなかったからだ。今回の地震は、かなり特異な地震なのである。



 [ 補足 ]
 道路の寸断という問題が起こるのは、この地域が山だらけの(平地の少ない)地域であることによる。もともと通り道は、ごく限られている。その限られたもののなかで、あちこちで土砂崩れが起こって、道路が寸断される。









 [ 余談 ]
 余談だが、地震の停電にめっきり弱いのが EV だ。停電になると、EV はエネルギーを補給できないので、動けなくなる。どうしようもない。
 一方、ガソリン車なら、ガソリンを補給しながら、何とか移動できる。もともとのガソリンだけでも(補給なしでも)かなりの長距離移動ができる。実際、今回もちゃんと移動に成功した例がある。「8時間の帰還」という例だ。
  → 能登半島地震の話題 .3: Open ブログ

  ※ 七尾市まで移動すれば、そこでガソリンを補給することもできるだろう。何とかなるはずだ。

 EV は停電に弱い……という話は、下記で。
  → EVは災害に強い = 嘘: Open ブログ

 なお、下記記事によると、プリウス PHV は停電に強いそうだ。
  → 日産販売会社もリーフ乗りは、招かざる客。 | 電気自動車オーナーのブログ
 
posted by 管理人 at 22:17 | Comment(0) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
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