──
なぜ停電の復旧を遅らせるべきか? それは、停電の復旧よりも、もっと大切なことがあるからだ。

→ TBS NEWS DIG (1ページ)
上には、傾いた電信柱の画像がある。
もっと詳しい画像は、下記の動画で。
現状はこのようにとてもひどい。電柱がたくさん損壊している。(前者の動画の 0:04 〜)
停電を解消するためには、これらの電柱を復旧しなくてはならない。そのためには、電柱の工事車両をたくさん通さなくてはならない。ところが現状では、道路事情がとても悪い。だから、電柱の工事車両をたくさん通すことはできない。
8日現在、約3300人が孤立状態となっており、約1万8000戸が停電している。地震で多数の電柱が倒れたが、道路事情が悪くて十分に工事車両が入れないためだ。
( → 「能登の大動脈」寸断、陸の孤島に 1本の国道が全ての障害に | 毎日新聞 )
こういう状況で、無理にたくさんの工事車両を導入したら、どうなるか? その分、他の車両は通れなくなる。食料、水、暖房用燃料、医薬品などの搬送。病人の移設。……こういうふうに(生命に関わるような)重要度の高い車両が通れなくなる。それはまずい。
→ 医療が行き渡っていない
停電の解消は急がなくてもいい。それよりも先にやるべきことがある。それは、「道路の復旧」だ。今は重機を運ぶこともまともにできていないので、道路の復旧もままならない。だから、重機を搬入して、道路の復旧を急ぐべきだ。そして、道路の復旧が完了したあとで、ようやく停電の復旧の段階となる。
ちなみに、熊本地震との対比ではこうだ。
石川県内ではなお約2万戸が停電したままだ。地震翌日の2日には一時、約3万4000戸が停電した。
他の電力会社から作業員の応援も受けているが、復旧は進んでいない。輪島市や珠洲市などでは、道路が寸断されており、作業にあたる車両が現場に入れないためだ。多数の電柱が倒れたり、電線が切れたりしているという。
2016年の熊本地震は、最大48万戸が停電したが、6日後にほぼ全域で復旧している。
( → 石川県でなお停電2万戸、544の携帯基地局が機能停止…道路寸断で作業車入れず : 読売新聞 )
今回の地震は、熊本地震に比べて、圧倒的に状況が悪い。その理由は「道路の寸断」だ。これが解決しない限りは、復旧工事そのものができないのだ。
このことを理解する必要がある。
そして、そこから得られる結論としては、「復興よりも疎開を急ぐべきだ」となる。
[ 付記 ]
念のために注記しておくと、「あらゆる停電復旧をやめよ」という趣旨ではない。避難所のある地域では、復旧を急いでもいい。実際、電力会社も、避難所を優先して復旧している。それはそれでいい。「人命優先」という方針にかなう。
一方、人のあまりいない遠隔地まで、多数の電柱を直して停電を復旧させる……というような広域の工事は、後回しでいい。本項で言っているのは、そういう話だ。
※ 「そんなのは当たり前だろ」と思うかもしれないが、当たり前ではない。熊本地震のときには、そんな方針は成立しなかったからだ。今回の地震は、かなり特異な地震なのである。
[ 補足 ]
道路の寸断という問題が起こるのは、この地域が山だらけの(平地の少ない)地域であることによる。もともと通り道は、ごく限られている。その限られたもののなかで、あちこちで土砂崩れが起こって、道路が寸断される。
能登半島の地形を知っていたら分かると思うんだけど、口能登から奥能登は山間部が多くて隘路なんよ。そこに車両が集中すると渋滞するし、亀裂が入った道路は通行できないので渋滞が悪化してしまう。物資輸送は陸路がまともに使えなかったら最悪ヘリとか空路しかなくなる。港は……LCACが大活躍やね。 pic.twitter.com/EwwHKXfS4b
— くぅ (@1745accafb5d483) January 7, 2024
[ 余談 ]
余談だが、地震の停電にめっきり弱いのが EV だ。停電になると、EV はエネルギーを補給できないので、動けなくなる。どうしようもない。
一方、ガソリン車なら、ガソリンを補給しながら、何とか移動できる。もともとのガソリンだけでも(補給なしでも)かなりの長距離移動ができる。実際、今回もちゃんと移動に成功した例がある。「8時間の帰還」という例だ。
→ 能登半島地震の話題 .3: Open ブログ
※ 七尾市まで移動すれば、そこでガソリンを補給することもできるだろう。何とかなるはずだ。
EV は停電に弱い……という話は、下記で。
→ EVは災害に強い = 嘘: Open ブログ
なお、下記記事によると、プリウス PHV は停電に強いそうだ。
→ 日産販売会社もリーフ乗りは、招かざる客。 | 電気自動車オーナーのブログ
