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元の発言はこれ。(文字画像のみ)
→ https://x.gd/1qY73
いろんな意見があると思いつつも家族同然の動物たちを機内に載せる時、ケージに入れて機内に持ち込めることを許して欲しいです。災害時、非常時には、モノとしてではなく家族として、最善を尽くす権利を…。生きている命をモノとして扱うことが私にはどうしても解せないのです。
これに対して、「ペットを優先して人命をないがしろにするのはけしからん」というような非難が、大量に押し寄せた。
ついでに尻馬に乗って騒ぐ有名人も出てきた。
→ バカ発見器として有能な機内ペット連れ込み論争 | 山本一郎(やまもといちろう)
尻馬に乗るのが大好きは、はてなブックマークでも、賛同者が多数出た。
→ はてなブックマーク
しかし、大騒ぎをする世間を尻目に、元の女優は勘違いを指摘した。
人命より動物が大切なのかといわれたり、
アレルギーが、と言われても
その点も考慮しながら少しずつ、解決していけたらとほんとに思っているのです。
誰かを批判したり
何かを押しつぶしたりして
自分の意見を通そうなんてぜんぜん思っていません。
どうかそんなに怒らないで。
考えを書いているだけ。
( → Instagram )
「誰かを批判したり、何かを押しつぶしたりして、自分の意見を通そうなんてぜんぜん思っていません」
とある。つまりは、ただの「つぶやき」だ。人が何をつぶやこうが、それは人の勝手である。日本には思想信条の自由があるし、表現の自由もある。人が何をどう思おうと勝手だ。特に、他人に害をなそうとするわけでもなく、単に「ペットの命を守りたい」と思うぐらいなら、別に不思議でも何でもない。「猫好きならばありえそうだな」と解釈できる。
「猫は人間のご主人様であり、人間は猫の下僕である」
というのは、猫好きならば、たいていの人が思っている。これをいちいち批判するのは、猫好きを理解できない人だけだ。くだらん。
( ※ ここまではジョーク込みです。念のため。)
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さて。真顔に戻って、ここで本質を示そう。大切なのは、こうだ。
「この女優には何の権力もない。何をつぶやこうが、社会の構造は1ミリも変動しない」
もともと権力はない。したがって、何をつぶやいても構わないのだ。ツイッターというのは、勝手につぶやく場なのである。ただの つぶやきに、いちいち めくじらを立てる方がどうかしている。
ひるがえって、重要なのは、首相の公式発言だ。では、首相の公式発言は、どうだったか?
「人命よりもペットの方が大事だ」
と首相は発言したか? さすがに、そうは発言しなかった。しかし実は、もっとひどい発言をした。
「人命よりは、自民党の金儲けの方が大事だ」
こういう趣旨の発言をした。というか、そういう政府方針を立てている。その方針は、こうだ。
「地震の被災者の命を助けることなんか、どうでもいい。それよりは、公共事業をすることを優先する。人命を救うために水や食料を送ることなどは、二の次だ。そんなことは後回しでいい。人命を救うことは後回しだ。今は何よりも急いで、公共事業として建物を建設することが優先される」
これが政府の方針だ。
→ 岸田首相、仮設住宅の建設準備を指示 能登半島地震 | 毎日新聞
→ 岸田首相 避難所の衛生環境改善や仮設住宅など建設準備を指示 | NHK
仮設住宅を建設するというのは、何を意味するか? こうだ。
「たった1世帯の建物を建設するために、重機や建材などを大量に運び込む。莫大な金と機材を、たった1世帯のために投入する」
こういうことを、数十世帯ぐらいの数で実行する。その結果、どうなるか? それを理解するには、現状を見るといい。
「道路が寸断されているさなかで、水や食料や燃料が不足して、各地では人命が危険にさらされている。水がない。食料がない。燃料がなくて寒い。病人の薬もない。新たに病人も発生する。すでにインフルエンザやコロナの患者も出現した。人命は危機にさらされている。水や食料や燃料の投入が必要だ。さらには道路や電力や断水の復旧も必要だ。被災者救済のため、多大な援助が必要だ」
これが現状だ。なのに、岸田首相の方針では、そのすべてが二の次にされる。ごくわずかな人のための仮設住宅建設が優先されるので、死にかけている人命の救済は後回しにされる。道路の通行量は限定的だが、仮設建設の機材の運搬が優先されるので、水や食料や燃料の運搬は後回しにされる。
また、被災者を外部に脱出させるという方針は、検討さえされていない。
要するに、「人の命を救う」という発想は、まったくない。単に「現地にずっと残れ。そこで待て。いつまでも待て。死ぬまで待て。脱出はまかりならぬ。ただし死んだら、外部に出てもいい」という方針があるだけだ。
岸田首相には、日本を救うための権力がある。なのにその権力を行使せずにいる。人の命を救わないでいる。単に公共事業で自民党の金を増やそうとしているだけだ。
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「猫の命を助けたい」とつぶやく女優がいる。
「人の命を救うよりは、公共事業の方が大事」という方針を取る首相がいる。
前者は一人も殺さないが、後者は莫大な数の人を殺す。
ここで、騒ぐべき対象は、後者の方なのだが、前者のことばかり騒いでいるのが、ネット民だ。
愚民がいるから、愚民政治が起こるのか。愚民政治があるから、愚民はさらに愚民になるのか。
いずれにせよ、「裸の王様」の状況で、誰も「王様は裸だ」と指摘しない。ペットの猫の話ばかりに夢中になっている。かくて日本は地震のさなかで、集団自殺に向かっていく。集団自殺するレミング(の伝説)のように。

レミングの集団自殺(想像図)
間違っているのは、ペットをかわいがる女優ではない。女優のつぶやきなんかに めくじらを立てて、首相の無為無策の発言については放置している、ネット民の方だ。
地震時の日本において、被災者を救済する権能をもつのは誰か? ……それを理解できているネット民は、ほとんどいない。政府が民主党政府ならば、ここぞとばかりたたくくせに、政府が自民党政府ならば、首相よりも女優をたたくことに熱中する。……それがネット民だ。
ささいな女優の発言ばかりに目を奪われていて、首相の無為無策については何も考えない。そのせいで、現地では被災者の命がどんどん危険にさらされる。
地震の危機的状況で、肝心の被災者のことを放置して、女優を批判することに血道を上げる。……そういうネット民の方が、よほどイカレているのである。げっ歯類のレミング並みだ。
[ 付記1 ]
仮設住宅はなぜ駄目か? 「ないよりは、ある方がマシだろ」と思う人がいるだろうから、解説しよう。
第1に、仮設住宅にはメリットがない。仮に住宅ができても、できるのは住宅だけであり、電気・水道・食料などがないのだから、どうにもならない。地獄のなかで家を建てても、解決にはならないのだ。地獄から救われるには、地獄から脱するしかない。地獄のなかで家を作ることは、何の解決策にもならない。
第2に、規模の問題がある。小規模の被害なら、被災者の全員に仮設住宅を作ることもできる。しかし被災者が3万人以上もいるときに、仮設住宅を 100軒ぐらい作っても、焼け石に水だ。大部分は見捨てられる。
第3に、救援活動の邪魔になる。道路・電気・水道・食料などの不急工事が大事なのに、それが阻害される。「おまえは邪魔だから、引っ込んでいろ」と言われる場面だ。
他にも、効率面などで、さまざまな問題があるが、それは別項で述べたので、割愛する。
[ 付記2 ]
道路情報の報告がある。
→ 緊急車両も妨げる驚きの大渋滞、県は7日から一般車両を通行止めに
→ 写真情報(画像)

この「写真情報」を見ると、こうわかる。
「ものすごい渋滞が生じているが、往路の車線だけであり、帰路の車線はガラガラである。また、一般車両(乗用車・軽自動車)が大半を占めており、緊急用の物資トラックは少ない」
自称ボランティアみたいな人が わんさと押しよせるせいで、肝心の食料や水を積んだ物資トラックは、現地に届きにくくなっているようだ。
→ 道路渋滞が救助・救援の遅れに直結 馳浩知事「緊急車両が最優先と理解を」:東京新聞
具体的な報告もある。
輪島市で給水車1台を活動させた愛知県岡崎市によると、道路の状況が悪く、大渋滞が発生。補給やガソリン確保の移動に時間がかかり、給水に充てる時間が十分に確保できないという。
派遣する複数の自治体によると、特に輪島市や珠洲市で給水がままならないという。
( → 「何をするにも厳しい」水も電気も届かず、長引く避難生活に募る不安 :朝日新聞 )
道路状況はとても悪い。
そこに輪をかけて、さらに道路状況を悪化させようとしているのが、「仮設住宅を」と唱える岸田首相だ。住民を殺しにかかっているね。無為無策の方が、どれほど好ましかったことか。
[ 付記3 ]
仮設住宅なんかよりも、はるかに重要なものがある。「衛星通信」(スターリンク)だ。
現状では、電力が不通なせいで、無線通信も光回線も不通になっているところが多い。NTT などは海上経由の通信も努力しているが、十分ではない。
→ ドコモとKDDI「船上基地局」を輪島沖に 携帯電話の復旧目指す
仕方がないので、住民はラジオに頼るしかない。
→ 情報はラジオだけ、抱えた孤独感 輪島・町野地区の避難所:朝日新聞
こういう状況で圧倒的に強みを発揮するのが、「衛星通信」(スターリンク)だ。とすれば、政府が契約して、各自治体にどんどん機材を送付するといいだろう。というか、操作に熟練している担当者といっしょに、救援に向かうといいだろう。(機材だけを送っても操作できないので。)
政府がやるべきことは、こういうことだ。それがIT時代の知恵だ。なのに、政府はいつまでたっても「仮設住宅」と唱えることしかできない。頭が前世紀の遺物だ。
《 蛇足 》
せめて民主党政権(菅直人)ならば、これほどひどくはならなかっただろう。だが、東日本大震災のときとは違って、今は自民党政権(岸田)である。国民が「悪夢の民主党政権」なんて騒いでいたから、今は「地獄の自民党政権」になってしまった。かくて現状は地獄となる。
《 加筆 》
本項を書いたあとで、下記の報道を目にした。
→ 能登半島地震の避難所にスターリンク提供 KDDI、無料で利用可能
KDDI が無償提供してくれるそうだ。しかし、こんなことで民間に頼るようでは、情けない。政府が自力でやるべきことだろうに。
これというのも、あらかじめ「防災庁」が設置されていないせいだが。まったく、情けない。政府が乞食状態だ。「恥を知れ」と言いたくなる。
※ よく読んでみたら、無料提供は避難所の分だけだ。政府の利用は含まれていない。「それじゃ政府は自分で購入するんだね」と思った人は、甘すぎる。「政府や自治体は、スターリンクを使えないまま、通信途絶状態が続く」というふうになる。無能による無為無策とは、そういうものだ。……しかし政府がいくら愚かでも、政府は安泰だ。なぜなら政府に輪をかけて、国民はもっと愚かだからだ。国民は、愚かな政府を批判するかわりに、女優の猫の話をしている。
【 関連項目 】
仮設住宅が駄目だとして、ではどうすればいいのか……という話は、前項で述べた。「疎開」だ。
→ 能登半島地震の話題 .3: Open ブログ
