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先に述べたことはこうだった。
・ 現地では、食料や衣料品は足りている。救援物資などは不要だ。
・ 必要なのは、道路補修の機材や、(断水した地点への)給水だ。
・ 緊急度の高いものが優先されるので、他の物資はなるべく減らせ。
・ 輸送可能量は激減しているので、不急の物資はなるべく減らせ。
特に、次のことを宣伝するべきだ。
・ 宅配便などで、勝手に救援物資を送るな。
・ 海保機などで、勝手に救援物資を送るな。
( → 災害時は救援物資を止めよ .1: Open ブログ )
ところがその後、現地では「食料不足」の声も出ている。
そこで、あらためて評価し直そう。
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あれこれと情報を調べた末に、まとめて言うと、次のように言える。
・ 食料不足の声は、避難所で出ている。避難所に食料がない。
・ その理由は、非常食の備蓄が尽きたからだ。
・ 今回、倒壊数が多く、避難所に行く人が多い。(人口の5割)
・ 炊き出しをして、しのいでいる例もある。
・ 珠洲市では、寺の備蓄米を使う例がある。
・ 輪島市では、スーパーなどが全部焼失した。
・ 政府は、食料や非常用品を救援物資として送る。
・ 民間の宅配便は、麻痺状態。(交通不可)
・ コンビニなどの物流は、優先されて通る。
以上を簡単に言えば、こうなる。
「政府・自治体の救援物資は、公式ルートで運搬されている。民間の救援物資は、ルートが遮断されているので、送付が不可能。スーパーやコンビニなどの通常物流が優先されている」
つまり、陸上交通のルートは、寸断されているが、かろうじて生き残っているルートを使って、必要度の高いものが通行しているわけだ。
救援物資は、政府・自治体の公式ルートを通じて送られているが、避難所に来る人数があまりにも多いせいで、通常以上に需要が高まっていて、物資不足が生じているようだ。
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以上の実状を踏まえた上で、私の見解を述べると、次の通り。
(1) 一般人は救援物資を送るな
救援物資を送るのは、公式ルートに任せればいい。一般人は民間ルートで救援物資を送るべきではない。理由は二つ。
・ 宅急便のルートは遮断されている。通行不可だ。
・ 政府も受付を停止している。分類が大変だからだ。
つまり、救援物資は公式ルートのものだけでいい。それ以外の民間ルートでは送るべきではない。邪魔になるだけだ。
ヤマト運輸は3日午後5時時点で、石川と富山両県の一部地域で荷物の引き受けや配達を停止している。佐川急便も、石川県の一部地域を発着する荷物の集配を見合わせている。被害が特に大きかった珠洲市や輪島市などでは、影響が長引くことが懸念される。
日本郵便は3日、石川、新潟両県の一部で、郵便物や宅配便の配達が大幅に遅れているほか、一部の郵便局が窓口業務を休止したと発表した。4日と5日も、石川県輪島市や珠洲市など県内の計7市町にある全ての郵便局で窓口業務を休止する。
( → 物流寸断、半導体工場など操業停止…コンビニやスーパーは食料品供給不足の中で営業再開店舗も : 読売新聞 )
(2) 炊き出しの組織を構築せよ
外部から食料を送らなくても、現地に食材はたくさんあるはずだ。
・ 田んぼや農家が多数あるので、米の備蓄はたくさんあるはずだ。
・ 漁港があるので、魚の漁獲もあるはずだ。
・ 外部の漁船に寄港してもらうこともできるはずだ。
以上のことから、食材はたくさんあるはずだ。ただし食材を料理にまで加工するルートがないようだ。とすれば、料理人と調理器具(大鍋や加熱器具や食器)を用意することが大事だろう。
現在では、炊き出しは一部の有志によるボランティア活動に任されているようだが、もっと組織的に「炊き出しの組織」を構築する必要がある。救援物資なんかよりも、こちらの方がはるかに重要だ。
※ 非常食は、まずくて、栄養価が低くて、すぐに飽きる。それとは逆に、炊き出しはとても好評だ。「温かくて、おいしい」と。
(3) 学校の給食設備を使え
炊き出しのためには、学校の給食設備を使うといいだろう。
ネットで調べたところ、珠洲市では小学校も中学校も、自前の給食を実現している。
→ 珠洲市 小学校 給食
もともと自前で料理している。ならば、その設備を使って、炊き出しをすることができるはずだ。
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ちなみに、横浜市は「給食弁当の配達」をしているので、こういう地域では、いざ地震が起こっても、「給食設備を使って炊き出しをする」ことはできない。それでは災害時に住民が困る。
給食設備は災害時には有効なのだ。その意味でも、自前の給食設備を使う給食方式は有益なのだ。このことを理解しておくといいだろう。
[ 付記 ]
救援物資を全国各地から送るのは馬鹿げている。なぜなら、すぐそばに富山市と金沢市があるからだ。そこからいくらでも運搬できる。
特に、羽田から飛行機を飛ばすのは馬鹿げている。富山市と金沢市から、簡単に陸路で送れるのに、なんで羽田から飛行機で送るんだ。馬鹿馬鹿しい。
そもそも、飛行機で小松飛行場まで飛んでも、そこから先は陸路なんだから、もともと飛行機を飛ばす意味がない。
何らかの意味があるとしたら、ヘリコプターで小学校の校庭にでも着陸する場合だろう。飛行機の出番ではないのだ。
例の海保機は、まったくわけのわからないことをやっていたね。そのせいで、事故が起こったのだから、滅茶苦茶すぎる。
※ 全体を統括する「防災庁」がないと、こういうことになる。
【 関連動画 】
「救援物資を送っているボランティア」
という話もある。本項の私の記述とは、内容が食い違うが、まあ、多少の食い違いはご容赦ください。
災害が起きるたびに当該自治体で住民の支援策を考えること自体に限界があり、
あらかじめ管理人様が提唱されている防災庁が研究・準備しておく必要があると思います。
岸田総理には、防災庁の創設を期待したいです。