2023年12月29日

◆ 保険証にマイナンバーを印刷

 健康保険証にマイナンバー(番号)を印刷するといい。これで、健康保険証とマイナンバーの問題は解決する。

 ──

 健康保険証をマイナンバーの問題がある。これに対して、「顔写真なし・暗証番号あり」のマイナカードを使う、という方針を示した。(前項)

 これはこれでいいのだが、マイナカードが「顔写真あり・顔写真なし」という2種類になってしまうので、ちょっと混乱するかもしれない。
 そこで、もっとうまい方法を思いついた。こうだ。
 「健康保険証にマイナンバー(番号)を印刷する」

 このことによって、健康保険証の利用者も、マイナンバーを使うことができるようになる。マイナカードを使わないで済む。今まで通り、健康保険証を使うことで片付くので、「普及率が低いままだ」という問題も一挙に解決する。あらゆる問題が一挙に解決するので、これぞ名案だろう。

 具体的な手法は、以下の通り。

 ──

 (1) 健康保険証には、マイナンバーを印刷して、その番号のバーコード or QRコード も印刷する。

 (2) 利用者は今まで通り、健康保険証を提出するだけでいい。これによって、健保の利用権を得る。(それ以上の ICカード利用権は得られない。)

 (3) 病院は、バーコード or QRコード を機械で読み取って、患者のマイナンバーを取得する。以後はマイナンバーを通じて事務手続きする。

 (4) 病院は、患者のマイナンバーを取得したときに、オンラインを通じて、ホストコンピュータから、患者の顔写真データを取得する。

 (5) この顔写真データと現物(本人)との照合は、次のいずれかで。
  ・ 機械による顔認証
  ・ 看護師が人の目で同一人物だと確認する
 ※ 現状では前者だけだが、後者も容認することが望ましい。

 (6) 顔写真のデータを持たない患者については、病院が顔写真を撮影すればいい。1回 2000円ぐらいで撮影すればいい。(健保適用なし)……ここで撮影した顔写真のデータは、ホストコンピュータに登録される。

 (7) この (6) の後、顔写真入りのマイナンバーが自動作成されて、本人に交付される。受け取りは近くの郵便局で。

 ──

 以上で、問題は解決される。
 特に、現行のマイナンバーの利用だと、「毎度毎度、機械で認証される手間がかかる」という面倒がある。その面倒がなくなるのが大きい。この面倒さが、マイナ保険証の利用率を低くしていると思えるからだ。
 本人認証の手続きには、顔認証と暗証番号とのどちらかを選択できる。そこで、顔認証を選んだが、これがまた面倒だ。カメラの位置が低いので、顔の位置を下げるために、なかばしゃがむような感じにして、腰を低くしないといけない。不自然な姿勢になる。腰が痛くなる感じだ。また、すぐに認証してくれるわけでもないので、頭の位置を変えたりして、面倒な動きを強いられる。マスクを取ったり、メガネをはずしたり、余計な手間もかかる。
 これは、券を手渡すだけで済む健康保険証に比べて、圧倒的に面倒臭い。マイナカードは「健康保険証のかわり」になっていない。「健康保険証よりも圧倒的に不便」となっている。

myna-card2.jpg
出典:パナソニック

( → マイナカード推進の逆進: Open ブログ


 こういうふうに無駄な手間がかかる。
 なのに、わざわざ国民に面倒な手間を押しつけて、「利用率が低い」と嘆く。それは、政府が自分の無能さを棚に上げているだけだ。
 国民の利用率が低いのには、それなりの理由があるからだ、と理解するべきだ。その上で、
 「顧客満足度の低いシステムには、理由がある。その理由をきちんと突き止めよ」
 という経営的な判断が必要だ。そういう判断があれば、物事の真実に気づくはずだ。

 政府には「顧客満足度」という概念が欠けている。だから「健康保険証を強制的に廃止してしまえばいい」という強権的・独裁者的な発想ばかりが生じる。(河野太郎がそうだ。)
 大切なのは「デジタル化において(理屈で)何が正しいか」ということではない。政府は国民との間で、理屈の正しさを競う論争をしているのではない。政府がなすべきことは、顧客満足度を上げることだ。
 その基本を理解できていないのが、根本的な間違いだ、と言えよう。



 [ 付記 ]
 現行の紙の保険証では、「他人による保険証の不正利用があるので、それを阻止したい」という狙いがあるようだ。
 その狙いはわかる。だが、その狙いのためには、マイナカードは特に必要ない。顔写真による照合があればいい。そのためには、本項で述べた方法でも足りるのだ。
 つまり、カードに写真を印刷しておかなくても、ホストコンピュータから顔写真のデータを取得すれば足りるのだ。これで人間が目視で確認すれば、他人による不正利用は阻止できる。
 むしろ、暗証番号だけで利用を許可する現行方式の方が、よほど信頼度が低い。暗証番号を教えれば、他人が不正利用できてしまうからだ。
 
 なお、将来的には、健康保険証にも顔写真をカラー印刷してしまえばいい。これによって、他人の不正利用を抑止する効果が高まる。
 
  《 加筆 》
 「将来的には」と述べたが、「今すぐやればいい」というコメントが来た。なるほど。そうかもしれない。その旨、返信したので、コメント欄を参照。
 なお、この提案に従うとしたら、タイトルを直す必要がありそうだ。
 「保険証にマイナンバーと顔写真を印刷する」
 というふうに。(字数が増えすぎるが。)
 
posted by 管理人 at 23:43 | Comment(6) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>(4) 病院は、患者のマイナンバーを取得したときに、オンラインを通じて、ホストコンピュータから、患者の顔写真データを取得する。

⇒ ちょっとよく理解できないのですが、現在のマイナンバーカードのシステムには、顔写真データをダウンロードするような機能は備わっていませんよね?

 まあ、そこは、現在のシステムを改変するということでしょうが、問題は、今のシステムが採用する「公的個人認証サービス」は、12桁の個人番号を入力するだけでは動かないですよね。マイナカードのICチップに格納された「電子証明書」が働くことで、個人認証ができるんですよね?(下のリンク先の、総務省の説明サイトを参照。)

 https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/kojinninshou-01.html

 ですから、結局、病院の受付窓口にマイナカードそのものがないと(受診者がカードを持ってこないと)、システムを改変しようが何をしようが、顔写真データの取得はできないのでは?

 それができるようにシステムを改変するんだ、という趣旨のご提案だとすると、そもそも、現在のシステムを改良して利用するのではなくて、まったく新しいシステムをいちから構築するのと同じことになりはしませんか?
Posted by かわっこだっこ at 2023年12月30日 21:00
>[ 付記 ]
> なお、将来的には、健康保険証にも顔写真をカラー印刷してしまえばいい。これによって、他人の不正利用を抑止する効果が高まる。

⇒ 結局、いちばん直接的で有効なのは、上のことを(将来的にではなくて)今すぐ、全ての市町村と健康保険組合がやればいい、というだけじゃないでしょうか?
Posted by かわっこだっこ at 2023年12月30日 21:08
> まったく新しいシステムをいちから構築する

 必要なことは
 「まったく新しい機能をいちから追加する」
 だけです。新機能の追加だけです。

 ただし、そのために使い勝手を良くするという意味でなら、

> まったく新しいシステムをいちから構築する

 というのも「あり」です。別に、どうってことはない。単に、バーコードを読み取ってから、その番号に対応する画像データをダウンロードして表示するだけだ。
 これなら、難しい操作は何も必要ない。既存のプログラムをコピペするぐらいで、あっという間にできる。
 
Posted by 管理人 at 2023年12月30日 21:21
 ↑いやいや、筆者の当初提案は、公的個人認証サービス、すなわち、署名用電子証明書、利用者証明用電子証明書、公開鍵暗号システムなどの、これら全部を使わないということと同義ですから、「まったく新しいシステムをいちから構築する」ことになりはしませんか、と申し上げているのです。

> > まったく新しいシステムをいちから構築する
> というのも「あり」です。別に、どうってことはない。単に画像データをダウンロードして表示するだけだ。難しい操作は何も必要ない。既存のプログラムをコピペするぐらいで、あっという間にできる。

⇒ そんなに、コピペやAIで何でもできるように思い込んでおられるなら、筆者が、政府のシステムを含めて情報システムを、どんどん片っ端から作っていったらいかがでしょうか。きっと大儲けできますよ。
Posted by かわっこだっこ at 2023年12月30日 21:27
> これら全部を使わないということと同義ですから

 その認識は正しい。
 ただし、新機能を実装するには、新しいシステムを構築する必要があるが、「既存の機能を使わない」という目的のためなら、新しいシステムを構築しないで済む。
 新車を買うためには大金が必要だが、新車を買うのをやめるためには大金は必要ない。

 顔写真はもともと機密情報ではない。すでに券面に印刷されている。セキュリティを保持する要件はとても低い。
 ならば、このブログにある画像表示機能と同程度で済む。どこにでもある Web 機能で済む。

> コピペやAIで何でもできる

 何でもできるんじゃなくて、ごく単純な一部分だけなら、簡単にできる、ということです。
 GTR を簡単に作れる、という話ではなく、糸巻き車を簡単に作れる、という話。

 糸巻き車を作って、100億円をもらえるなら、たしかに大儲けできますね。私が引き受けますよ。丸投げするだけで 100億円だ。
Posted by 管理人 at 2023年12月30日 22:08
> 上のことを(将来的にではなくて)今すぐ、全ての市町村と健康保険組合がやればいい、というだけじゃないでしょうか?

 方針を取ることは、今すぐにでも可能ですが、それを実行するのは、今すぐには無理です。というのは、市町村は個人の顔写真のデータを持っていないから。なぜなら、そもそも顔写真の撮影をしていない人(特に超高齢者)がとてもたくさんいるから。
 これらの人の全員の写真を撮らないと、券面に印刷できない。撮影の手間が大変なので、「今すぐ」というわけには行かない。
 その撮影の手間の時間がかかるので、「将来的には」というふうに記しました。

 p.s.

 だけど、あとで考え直したら、超高齢者以外の一般の人には、今すぐにも「顔写真付きの保険証」を実現できますね。それができると便利だ。
 ならば、おっしゃる通りで、今すぐ導入した方がよさそうですね。

 
Posted by 管理人 at 2023年12月30日 23:45
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