2023年12月28日

◆ マイナ保険証の混乱

 マイナンバーカードを保険証にすることで、現行の保険証を廃止する……という方針を政府が強行することで、混乱が生じている。

 ──

 この件は何度も話題になってきたが、あらためて朝日新聞社説が論じている。
 《 (社説)マイナ保険証 強行続ける姿勢 改めよ 》
 「マイナ保険証」に原則一本化するが、「資格確認書」や「顔認証マイナカード」も併用する。現場の負担と混乱を招いた末の見切り発車と言わざるをえない。強引な姿勢を改めるべきだ。
 カードのない人が保険を使えなくならないか。認知症などで暗証番号を使いづらい人や、保険証を預かる高齢者施設はどう対応するのか。疑問が噴き出ると、政府は後出しで「対策」をひねり出した。
 マイナ保険証を取得しない人には最長5年有効の「資格確認書」を申請なしで送る。さらに、暗証番号のない「顔認証マイナカード」を導入し、希望者は誰でも、通常のカードに代えて取得できるようにするという。
( → 朝日新聞 社説

 政府のこの方針がまずいということで、上記ではいろいろと批判している。
 では、かわりにどうすればいいのか? 上記では「現行保険証を残す」という案が推奨されている。しかし、現行保険証を残すことにすると、「マイナカードを使えない高齢者」が使うだけでなく、他の一般の人々も使うことになるので、マイナ保険証への移行が進まない。それはまずい。実際、現状では、マイナ保険証の利用率が5%もないそうだ。
  → マイナ保険証の利用率、10月時点で4.49% 6カ月連続で低下:朝日新聞
  → マイナ保険証、11月時点の利用率4.34% 7カ月連続で低下:朝日新聞

 かくて、あっちも駄目だし、こっちも駄目だ。あれもこれも駄目だ。困った。どうすればいい?

 ──

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう……と言いたいところだが、この問題については、すでに結論を出している。

 基本方針は、カードのみ交付者を対象に、「顔写真なしのマイナカードを強制交付する」だ。これで全員がマイナカードを持つようになる。
  → マイナンバーカードの普及: Open ブログ

 このあとは、顔写真なしのマイナカードを使うようにする。
 正常な能力がある人は、暗証番号を使えばいい。
 正常な能力がない人は、かわりに介護施設がマスターキーを使って、すべての患者について代理で権限を駆使することで済む。(詳細は下記。)
  → 健康保険証を廃止? .1: Open ブログ
  → 健康保険証を廃止? .2: Open ブログ

 こうして問題は解決する。そのための手段は「顔写真なし・暗証番号あり」のマイナカードを使うことだ。
 一方、政府は逆に「顔写真あり・暗証番号なし」のマイナカードを使うようにする。しかし、この方式には問題がいろいろとあるので、不適切なのだ。そこに問題の根源がある。詳しくは下記。
 なるほど。これは一案である。だが、これはやりたくても、実現は不可能だ。なぜなら、本人の顔写真のデータがないからだ。
 そもそも、マイナンバーカードの交付でネックとなっているのは、「顔写真による本人確認」である。ここを何とかすることで、交付率を上げることができる。
 一方、顔写真の撮影は、本人がスマホで自撮りをすればいいのであって、特に面倒はない。そこは行政府が代替する必要はない。なのに、そんなところにまで政府が介入して、政府が強制的に顔写真のデータを取るわけにも行くまい。

 つまり、
  ・ もともと顔写真のデータがない
  ・ 強制的に顔写真のデータを取るわけにも行かない

 というふうになって、どっちもダメだ。
 だから、結局、「政府による強制交付」という方針そのものがダメなのだ。
( → 健康保険証を廃止? .1: Open ブログ

 なお、暗証番号を使うには、どうすればいいか? 先に
 「正常な能力がある人は、暗証番号を使えばいい」
 と述べたが、どうやって使えばいいのか? それについては、こう述べた。
 ※ 暗証番号の指定はどうするんだ? という疑問がありそうだ。その点は、大丈夫。本人が指定するのではなく、役所が勝手にランダムな数字を割り当てればいい。その数字を印刷して、マイナンバーカードといっしょに送付すればいい。
( → 健康保険証を廃止? .2: Open ブログ

 こうして、暗証番号の問題も解決する。

 正常な人であれ、介護施設で寝たきりの人であれ、「顔写真なしのマイナカード」を使うことで、うまく行くのだ。かくて問題は解決した。困ったときの Openブログ。



 [ 付記 ]
 実際の対象者は、高齢者だけでいい。(たとえば、75歳以上の高齢者だけ。)
 それ以下の年齢層には、マイナカードの取得を推進することで、何とかなりそうだ。(例外はあってもいい。)
 75歳以上の高齢者は、時間がたてば、どんどん高齢化する。やがては全員が、死亡して、いなくなる。かくて、「顔写真なしのマイナカードを使う人」も、いなくなる。問題そのものがなくなる。
 


 [ 補足 ]
 「普通のマイナカードを持っている人が、病院でマイナカードよりも健康保険証を使うのは、どう解決するか? 利用率をどうやって引き上げるか?」
 という話題については、前に言及した。
  → 健康保険証はなくせない: Open ブログ

 ※ マイナカードとは別の問題があるので、その問題を解決するべきだ、ということ。





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posted by 管理人 at 23:20 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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