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サッカーJリーグは19日に理事会を開き、開幕を現行の2月から8月に変える「シーズン移行」を2026年夏から実施することを決めた。
「今の日本の猛暑は、自分たちが幼い頃と次元が違う。あの暑さで、質の高いサッカーなんてできない」
Jリーグが算出した走行距離のデータが、その実感を裏づけた。
22年のJ1について、「ハイインテンシティー」と呼ぶ高強度(時速20キロ以上)での平均走行距離を調べたところ、6、7、8月と進むにつれて数値が下がる「谷型のカーブ」を描いた。8月は、2月の開幕時の0.74キロから20%近く低い0.60キロだった。
( → シーズン移行、ようやく進んだ議論の背景 Jリーグが問われる本気度:朝日新聞 )
上の話を読むと、「移行するのはごもっとも」と思える。
だが、二つのグラフを比べると、矛盾に気づく。
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「8月のレベルが低下するから」というのが、移行の理由だった。だったら、移行後は8月を休みにする必要がある。そうでなくては意味がない。なのに現実には、移行後の休みは6月と7月であって、8月が休みになっていない。これでは話が矛盾している。
特に、6月前半は、まだそんなに暑くないのだから、休みにする必要がない。なのに、この時期を休みにしてしまっている。もったいない。
一方で、猛暑と言える8月を休みにしない。さらには、厳冬期と言える2月中旬も休みにしない。選手のコンディションを評価基準にして考えると、前よりお状況は悪化しているとさえ言えそうだ。これでは何のために移行するのか、わけがわからない。本末転倒だとも言える。
「現状では問題があるので、改善します」
と口にしながら、改善する方向が正反対なので、前よりも悪化する、というありさまだ。論理が滅茶苦茶である。狂気の沙汰だ。
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ただし、経営事情を考慮すると、同情できる点もある。
「8月は、夏休みなので、観客が多い。ドル箱だ。ドル箱の時期には、開催をやめるわけには行かない」
ま、それは「大人の事情」だ。納得できなくもない。しかし、それならそれで、「運動強度の低下」を理由にするのは、論理のペテンだろう。運動強度の下がる8月の試合をやめるのならともかく、やめないのであれば、「運動強度の低下」は理由にならない。特に、たいして厳しくもない6月前半をやめることは、まったく理由になっていない。
Jリーグの今回の方針は、嘘と欺瞞にあふれている。デタラメばかりだ、と言える。論理破綻。支離滅裂。詐欺師も同然。……それが私の評価だ。
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とはいえ、まともに「8月開催をやめる」とすると、売上げが減ってしまって、クラブが干上がってしまう。それはまずい。困った。どうする?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「8月開催を認めるが、ただし週2回でなく、週1回の開催とする」
これならば、選手の疲労が減少するので、運動強度の低下を免れやすい。現実的には、「開催数を半減する」というのは、「開催と非開催の折衷案」みたいなものだが、こういう案が、「疲労の問題と収益の問題をともに解決する」という現実的な方針になる。
これで問題は解決する。困ったときの Openブログ。
[ 付記 ]
週1回だけの開催といっても、ひとつのチームが週末と水曜日との間で、行ったり来たりすると、間隔が1週間置きにならない。これでは疲労が取れない。それはまずい。
そこで、週末開催のグループと、水曜開催のグループに、グループ分けをするといいだろう。
このスケジュールで4〜5週間を過ごすと、8月に4〜5試合をプレイすることになる。このくらいならば、グループ分けがどうなろうと、大勢には影響するまい。
なお、開催数が半減すると、観客が来る機会が半減するので、収入が減ってしまうように見える。しかし、その点は問題ない。たしかに8月中の試合数は半減するが、そのかわり、別の月(たとえば6月前半)に、試合数が増えるので、年間を通じての試合数の総数は変わらない。
また、6月前半の試合数が増えると、シーズン末の白熱した時期の試合となるので、観客数は増えるかもしれない。
( ※ ま、予想を言えば、どっちみち、観客数はたいして違いは生じないだろう。8月中の暑い時期だと、来てくれる観客も少なくなりそうだ。どちらかと言えば、8月中の試合数は減らした方がよさそうだ。いくらナイターでも、暑いときには暑いからだ。)