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結論はすぐ上に述べた通り。以下では詳細を述べる。
世界の GPT 開発
世界の先端大企業は、 GPT 開発に注力している。Google 、OpenAI、Microsoft が有名だったが、最近ではメタ(旧 Facebook )や、X(旧 Twitter )も、GPT 開発に注力している。
イーロン・マスクは、 Twitter では暴走しているが、GPT 開発ではまともに力を入れている。
→ イーロン・マスク氏のAI新会社「xAI」、最大1500億円調達へ OpenAI対抗 - 日本経済新聞
→ イーロン・マスク氏、真実を追求するチャットボットAI「TruthGPT」を開発中と発表
直近では、Google の新開発したAIが話題になっている。
→ 電撃発表、グーグルが「全力開発」した生成AI「Gemini」の全貌…ChatGPT超えするか | Business Insider Japan
日本の GPT
日本の GPT 開発はどうか? Copilot に質問してみたところ、次の回答を得た。
日立製作所、三菱電機、東芝、シャープ、パナソニックホールディングス、NTTデータ、日本電気(NEC)は、生成AIに関する取り組みを行っていますが、ソニーと富士通については、公式発表がありませんでした。
https://newswitch.jp/p/37235
https://diamond.jp/articles/-/327804
https://diamond.jp/articles/-/327804
一部では(小規模参入の形で)取り組みをしているようだが、大規模な事業参入をしているところはないようだ。ソニーと富士通は取り組みもしていないようだ。
だが、つい最近になって、ソニーの GPT 参入の記事が出た。
→ データ偏るAI、ソニーCTOの懸念 「誰一人取り残さない」ために [ChatGPT]:朝日新聞
→ メタやIBMなど50社超が「AI連合」発足 ソニーや東大も参画:朝日新聞
この二つの記事を見る限りでは、ソニーは本格的に GPT 開発に注力しているとは思えない。「とりあえずやってみます」という感じでやっているとしか思えない。イーロンマスクが本気で注力しようとしているのとは正反対だ。
半導体支援
一方で、日本政府はどうか? ( GPT でなく)半導体産業の推進のために、とんでもない巨額の税金を投入する。「補助金で支援する」どころか、「事業の資金の大半を国家資金でまかなう」という形だ。おんぶにだっこ。しかもその金額は数千億円単位で、総額は兆円規模に達するという巨額だ。
Copilot に質問すると、下記の回答を得た。
具体的には、以下のような補助金事業があります:
・ 「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発基金」
・ 「特定半導体基金」
・ 「安定供給確保支援基金」
これらの基金により、次世代半導体の国産化を目指す国策会社「ラピダス」に6千億円弱、半導体を受託生産する世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)の日本第2工場に9千億円、ソニーのイメージセンサーなどの従来型半導体にも7千億円強の補助金が、それぞれ必要だとされています。
この情報の出典は、下記だ。上の話がそっくりそのまま掲載されている。
→ 半導体基金に3.4兆円要求 経産省、ラピダスやTSMCの補助金で:朝日新聞
3.4兆円! これは企業の事業規模ではない。国が民間会社にプレゼントする額だ。滅茶苦茶に気前がよすぎる。お大尽(遊郭で豪遊する富豪)みたいだ。金の無駄遣い。しかもその金は国民の金だ。国民の金を使って、遊郭で豪遊するようなものだ。経産省というのはお気楽な役所だな。呆れる。(お大尽は自分の金を費やすが、経産省は国民の金を費やす。)
NTT 支援
一方で、自民党は「日本企業を GAFA のようにしたい」という思惑で、 NTT を支援しようとする。だが、これは「方向違いだ」という批判がある。
→ NTTをGAFAの対抗軸にしたい自民党、難しいと首をひねる競合3社--NTT法廃止の提言に透ける思惑 - CNET Japan
一部抜粋しよう。
自民党や一般のメディアでは「NTTはIOWNによって、アメリカのIT大手であるGAFAに対抗できる」と期待しているようだが、通信業界では「それは違うのではないか」と多くの人が首をひねる。
KDDIの橋誠社長は「(NTTとGAFAでは)レイヤーが違うので、どうやって対抗するのかは非常に疑問」と釘を刺す。ソフトバンクの宮川潤一社長も「そもそもNTT法を廃止したところでGAFAには勝てない」と切り捨てる。
自民党はGAFAを敵視し、NTT法を廃止することで、NTTをGAFAの対抗軸に押し上げようとしているが、そもそも、そうした考えた方は根本的に間違っていることに気がついてはいないのだろうか。
確かに自民党の方針は見当違いだ。では、かわりにどうすればいいのか?
日本の GPT 開発
「 NTT では GAFA に対抗できない」と上記記事は批判する。
だが、GAFA に対抗できるかどうかはともかくとして、日本でも何らかの形で GPT を開発する必要がある。このことを強調したい。
「どうせ日本企業にはできるわけがないさ」と思って、戦わずして敗北するような方針では駄目だ。少なくとも中国は GPT 開発をやっている。
→ 「ChatGPTは中国の倫理に合わない」 中国が生成AI開発を急ぐ真の狙いは…:東京新聞 TOKYO Web
米国も中国も、国挙げて GPT 開発に力を入れている。こういうときに、「できっこないさ」と思い込んで、不戦敗で落伍するようなことは、あってはならない。
とすれば、日本もまた、総力を上げて GPS 開発に注力するべきなのだ。このことを強調したい。特に、日本語 GPT を開発するべきだ、と指摘したい。やる前から「無理」とか言うべきではない。
※ 大谷が WBC で言った言葉を思い出すべし。「憧れるのをやめましょう」というスピーチ。
「やるべきだろうが、そんな金はないぞ」と心配する人もいるかもしれない。だが、大丈夫。そのための金はある。半導体開発のために使う 3.4兆円だ。これをそっくりそのまま流用すればいい。
本来、この金の大部分は、台湾や米国などの企業に流れてしまう。新興のラピダスだって、名前は国産だが、実際には米国 IBM やオランダASML の支援を受けて、そっちに金が流れてしまう。
→ ラピダスがEUV露光装置導入…技術者300人年内確保、米IBMなどに派遣|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
こんなふうに外国企業に巨額の金を兆円単位で渡すよりは、国内で GPT 開発のために資金を投じるべきだろう。その金はあるのだ。3.4兆円。
金の使い道
では、その金の使い道は、どうするべきか? 機械設備でなければ、何のために金を使うべきか?
そこをわかっていない人が圧倒的に多い。だから、私が正解を言おう。こうだ。
「金は人件費のために使え。給与のために使え。日本の AI開発やソフトウェア開発が劣っているのは、IT分野の給料が低すぎるからだ。OpenAI や メタのトップ技術者は年収1億円を上回る。Google のトップ技術者は年収1億円を少し下回る程度だ。この年収は、日本の同様の技術者の 10倍ぐらいになる。このくらいの給料を、日本でも技術者に支払うべきだ」
これが私の提案だ。こうすれば世界中から優秀な技術者を雇用できる。もちろん、車内で使う言語(社内言語)は英語だから、世界中から技術者を招くのに支障はない。
3.4兆円という金は、こういうふうに使うべきなのだ。間違っても半導体の機械設備なんかに金を投入するべきではないのだ。
ついでだが、この方針は、イーロン・マスクがテスラでやって大成功を収めた方針と同様である。彼は圧倒的な高給で、世界各国から最優秀の自動車技術者を招致した。だからテスラは圧倒的な大成功を収めたのだ。
(現実の日本は、これまで「賃金カット」ばかりをやってきた。だから日本は衰退する一方なのだ。そのことに気づけ。)
※ 「年収1億円なんて、高額すぎて、非現実的だ。大谷じゃあるまいし」と思う人も多いだろう。だが、大丈夫。ご心配なく。……年収1億円をもらえるのは、トップ技術者だけだ。東大理科3類に合格できるぐらいの知性の持ち主だけだ。この記事を読んでいる読者は、そんなにハイレベルではないだろうから、もらえる額はかなり下がる。「誰もが超高収入」というわけではなく、「超優秀な人に限り、超高収入」になるだけだ。お間違えなく。(ぬかよろこびするべからず。)
※ 東大理科3類に合格できるような人だと、現状では、医者になろうとする人が多い。理系で高収入というと、医者になるのが手っ取り早いからだ。しかし今後、GPT技術者になると年収1億円になるようなら、このレベルの人々も GPT 開発に参入するだろう。さもなくば、米国に移住してしまう。「大谷だって移住したし、オレも移住しよう」と。
※ 「具体的にはどんな人が該当するの?」→ どうでしょうね。AIの欠点を探り出すために、「天井を歩く人の画像」を考えるようなタイプの人かもね? (^^);
[ 付記 ]
Google は GEMINI という高機能な GPT を開発した……と声明した。しかしそこで示した「高性能さ」というのは、実はフェイクだったと指摘された。
→ マルチモーダルAI「Gemini」の性能をアピールするGoogleの公式ムービーはフェイクだったという指摘 - GIGAZINE
Google は詐欺をやっていたわけだ。呆れるね。
「あたし、GPT の技術者と結婚したい!」
これは日本社会全体の問題だと思っています。例えば科学研究費を配分するときにどの研究が1億円の価値があり、どの研究がゴミかいう事を決められる人はいません。実際には多数決でやっているのですが、反対意見の少ない課題が採択される結果になります。小学校からずっと平等教育に慣らされてきた結果でしょう。「出る杭は打たれる」です。
この件では、Google の採用試験をしていた人の話が参考になります。だいたい、数学オリンピックで金メダルを取るような人が対象になるので、東大入試の合格とはレベルが違います。
ついでに言うと、東大入試は、440点満点のうち 220点ぐらいで合格する。優秀な人は 350点以上取るので、220点をボーダーラインとする人々とは、レベルが違う。
関連項目
→ 天才は東大・理3に行くな: Open ブログ
http://openblog.seesaa.net/article/468524938.html
→ https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000306318.html
→ https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-10/RTYP17T0AFB501
他に、東工大も。
→ https://news.mynavi.jp/techplus/article/20231221-2845669/