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ガソリン減税(トリガー条項)が検討されている。
→ トリガー、自公国協議 首相が検討指示 ガソリン税軽減:朝日新聞
→ トリガー再浮上、狙う野党分断 首相と自民には溝「発動なら大混乱」 [岸田政権] [自民] [国民]:朝日新聞
→ 日程も制度も課題 「トリガー条項」 与党税調幹部会合、踏み込まず:朝日新聞
→ ガソリン174.0円、うち税金72円超 どうなる「トリガー」減税:朝日新聞
国民民主党が「党独自の政策」として、トリガー条約を提唱した。すると岸田首相が、補正予算の賛成票が欲しいので、国民民主党におもねって、トリガー条約の検討を党内に指示した。しかし党内の税制担当者は「馬鹿げている」と取り合わない。それでも首相は国民民主党の顔を立てて、「検討します。善処します」というポーズを取り続けた。かくて、国民民主党の賛成票を得て、補正予算案は成立した。(29日に。)……しかし、今後はどうなるかわからない。
昨年はどうか? 同じことをしたあとで、補正予算の成立後は、「国民民主党の票はもう不要」ということで、トリガー条約の検討を放り出した。とすれば、今年も同様の経路をたどりそうだ。
とはいえ、一寸先は闇。このあとどうなるかは不明である。
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以上は政界の事情だが、それとは別に、本サイトの見解を述べよう。
この件は、実は、前にも述べたことがある。
ガソリン補助金は廃止した方がいい。かわりに全国民に一律給付金を与えばいい。1人5万円を給付できる。
( → ガソリン補助金より一律給付金: Open ブログ )
ここでも述べたように、ガソリンの国際価格は指して上昇していない。なのに、ガソリンの国内価格が高いのは、円安のせいだ。だが、円安で物価が上がるのは、ガソリンに限らない。火力発電用の重油や LNG も、家庭用の都市ガスも、小麦などの食料品も、何もかも円安で大幅値上げしている。なのに、ガソリンだけを免税にするというのは、理屈が通らない。どうせやるなら、他のものも同様に減税するべきだ。なのに、そうしない。
たとえば、電気やガスの補助金は、ガソリンと違って、半減される。
→ 【解説】高値続く電気・ガス・ガソリン代… 「補助金」延長も霞が関からは“ため息”…そのワケは?
小麦には、補助金が出ない。まるまる値上げとなる。他にも、さまざまな輸入食品は、みんな補助金が出ない。ガソリンばかりが、ことさら優遇される。
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さて。これで一番割を食うのは、何か? ガソリン車のライバルだ。つまり、EV だ。ガソリン車が優遇されればされるほど、EV は不利になるからだ。
このことは実に時代錯誤である。他の欧米諸国は、ガソリン車に高額の課税をしながら、EV 車を優遇して、EV 比率をどんどん高めている。なのに日本は、ガソリン車を優遇することで、EV 車を相対的に冷遇する。そのことで、EV 比率を下げている。かくて、日本の自動車会社は、EV に傾注しない。そのせいで、時代の流れに取り残されて、EV 競争で敗北・脱落しつつある。
つまり、日本は政府と自動車会社がそろって、「 EV 時代に逆行しよう」としているのである。愚の骨頂だ。
その見本が、時代錯誤の「ガソリン車優遇」つまり「トリガー」だ。
官民そろって、日本の自動車会社をつぶそうとしている。狂気の沙汰だ。

レミングの集団自殺(想像図)