2023年11月22日

◆ 大学病院の賃金カット

 大学病院で賃金カットが進んでいるそうだ。大学病院の医療崩壊が起こりかねない。

 ──

 朝日新聞が報じている。
 名古屋大医学部付属病院(1080床、名古屋市)。男性医師はここに勤めて以来、診療後に深夜まで病院に残り、若手に教えたり、研究論文を書いたりしてきた。
 開業医に比べて薄給で長時間労働の大学病院では、若手医師が専門医資格をとれるよう指導しないと、すぐ辞めてしまう。教授からは、研究費を得るため「あの話は論文にして」とたびたび指示される。
 教育と研究は、診療と並ぶ欠かせない業務だ。
 日中はほぼ診療にしか使えないため、教育と研究が忙しければ、時間外労働が過労死ラインとされる月80時間に及ぶこともある。
 だが5月以降、男性医師は教育と研究について時間外申請ができていない。病院からは、労働時間ではなく、自主的に勉強した「自己研鑽」とみなされている。
 「名古屋大学では、研究と教育は仕事としてみてもらえない。使命感でやっているのに、悔しい」
 病院は4月、このまま推移すれば「病院経営が立ちゆかなくなる」として、時間外労働を減らす方針を打ち出した。やり玉に挙げたのが教育と研究で、区分表から項目をすべて削除した。
( → 時間外申請できず、憤る医師 名大病院、教育・研究は原則「自己研鑽」:朝日新聞

 男性医師は「事実上、教育と研究について一律に時間外申請ができなくなった。『すべて自己研鑽でやれ』と言っているようなものだ」と憤る。
 来年4月から、医師の時間外労働には上限ができる。病院の中には、勤務医に上限を超えさせないため、実態は業務なのに自己研鑽として扱おうとする動きがある。
 神戸市の病院「甲南医療センター」の……勤務医だった高島晨伍さん(当時26)が……
 高島さんは昨年5月に自殺し、長時間労働が原因だと労災認定された。死亡直前の1カ月間の時間外労働は約200時間にのぼった。ただ病院側は、自己研鑽も含まれ、すべてが労働時間ではなかったと記者会見で主張した。
( → 時間外申請できず、憤る医師 名大病院、教育・研究は原則「自己研鑽」:朝日新聞

 病院に金がないので賃金カットする。そのために時間外勤務を労働時間に含めない。その状態でサービス残業を強要する。かくて勤務医は過剰労働で自殺に至る。
 ひどいものだ。困った。どうする?

 ──

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 大学病院に金がないというが、大学病院に客(患者)が来ないわけではない。むしろ逆だ。大学病院は患者が来すぎて困っている。必要度の低い患者がやたらと多く来るので、重要度の高い患者を扱えないほどだ。
 そこで、初診料を 5000円ぐらいに引き上げたり、紹介状を要求したりするが、それでもまだ問題となっているほどだ。
 そこで一案。この状況を逆手に取ればいい。こうだ。
 「初診料を 5000円から、倍額の1万円ぐらいに引き上げる。さらに、毎度毎度の受診料も数倍ぐらいに引き上げる。つまり、初回だけでなく、毎度毎度の、特別加算金を徴収する」
 このことで、二つのことが同時に達成される。
  ・ 病院は、増収となる。
  ・ 患者の数は、減少する。(満員にならない。)


 ※ ただし、制度改正を要するだろう。たぶん。詳しいことは知らないが。


 さらに言えば、追加で、プレミアム・コースを導入するといい。これはディズニーランドで「待たされずに入場できる」という特別チケットがあるのにも似ていて、「待たされずにすぐに受診できる」という特別コースだ。要するに VIP 待遇だ。
 このようなコースを、金持ち向けに用意するといい。そのことで、特別な収入を得ることができるので、病院としては経営状況を改善できる。

 なお、これは別に、違法ではない。診療そのものの料金には関係しないからだ。単に「待たされる/待たされない」という診療外の部分で、特別料金が発生するだけだ。何も問題ない。

 ※ 診療で特別料金が発生するのなら、健保でなく自由診療の扱いとなる。これは「ドクターX 〜外科医・大門未知子〜 」というドラマでお馴染み。





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 【 関連サイト 】

 病院経営は大変だが、ここでさらに病院の赤字を拡大するように仕向けよう……という改定がなされるそうだ。財務省の魂胆で、国の社会保障負担を減らすのが狙い。そのために、病院に渡す金をもっと減らそう、と狙う。
 比喩的に言えば、「金の卵を産むガチョウに、エサをやらなければ、餌代を節約できる」というのと同様だ。それでガチョウが餓死してしまおうと、とにかく餌代の節約を狙うわけだ。……ケチな阿呆というのは、そういう愚行をするものだ。

 詳しい話は下記にある。
  → トリプル改定さあ|山本一郎(やまもといちろう)

 文章が悪文でわかりにくいので、BingAI に要約してもらうと、こうなる。(最初だけが大事)
トリプル改定の問題点:
 医療費の抑制を目指す財務省が提案した診療報酬の改定案に対して、医療業界や政治家が反発している。改定案の根拠となった機動的調査は、医療機関の利益率を一律に平均化しており、公益性の高い診療科や地域医療を担うクリニックの経営を圧迫するという批判がある。また、コロナ禍でバブルを享受したPCR検査や美容外科などの自由診療を行うクリニックも含まれており、不公平感が強いという指摘がある。

医療費の増加の現実:

 一方で、医療費は高齢化やコロナ対策などで自然に増加しており、国民負担の増加は避けられないという現実もある。財務省も医療費の総額を抑えるために診療報酬を下げるという方針を貫いており、医療政策の着地点をどうするかという議論が必要であるという主張がある。

介護保険制度の危機:
 さらに、介護保険制度もトリプル改定の影響を受けており、介護業界は経営危機に陥っている。介護保険制度は医療保険制度と連動しており、診療報酬の引き下げは介護報酬の引き下げにもつながる。介護保険制度はすでに財政的に破綻しかけており、制度全体の見直しが必要であるという声がある。


 ※ BingAI に要約してもらうための方法は? その方法は、それ自体を BingAI に質問すると、教えてくれる。下記に書いてあるとわかる。
  → Bing AIにサイト・PDFの要約機能が登場(Microsoft Edge)

 なお、私が要約を示すなら、こうなる。(一部抜粋ふう)

> ボロ儲けしている美容外科クリニックは、超絶高い利益率がある。地道かつ真面目にやっている公益的なクリニックは、低利益率だ。両者を一緒くたにして平均を取って、「医療機関は儲かっているじゃないか。だから診療報酬を引き下げるぞ」とやるのは、論理が通らない。そんな理屈で診療報酬を引き下げるのは、間違っている。




 

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posted by 管理人 at 23:14 | Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
教育を自己研鑽というのは無茶です。
 研究については大きな問題があります。診療と研究は分離すべきです。実際、臨床の大先生が最新の医学、薬理学情報に無知なことはよく知られています。そのため各製薬各社が医学情報提供者を配置して先生に教えています。とくに生医学が大進歩しつつある現在、臨床医は最新研究についていけません。臨床医で毎月Nature Medicineに目を通している人はほとんどいません(たまにおられます)。
 工学部や理学部あるいは医学部基礎部門できちんとした物理、化学、分子生物学を学んだ人が研究を担当すべきです。
 過重な勤務時間に話を戻すと、臨床の先生はもう研究はしなくてよいということです。その代わり工学部や理学部でもう研究の種がなくなっている部門(いっぱいある)の講座をつぶして医学研究に回せばよいのです。しかしその実現は大学自治の原則があるので困難です。大学で講座や学科の大幅な再構成はとても難しいです。
Posted by ひまなので at 2023年11月23日 10:34
 臨床医のほかに、研究医というのがあって、臨床をしないで研究だけに打ち込みますが、給料は高くない。

 別途、臨床研究医というのがあります。
  → 医療の最前線に立ちながら、その進歩に貢献する「臨床研究医」
https://yumenavi.info/vue/lecture.html?gnkcd=g008773

> 臨床研究とは、新薬の効果や新たな治療法などを実際に患者さんに対して検証し、実用化につなげる研究です。臨床研究を行うのが、大学病院をはじめ国立病院や医療センターにいる臨床研究医なのです。例えば肺がんであれば、どんなタイプの肺がんにどの薬剤をどんなふうに投与すれば効果が上がるのか、量、投与方法、投与の順番などについて実際の患者さんに参加してもらう臨床試験を繰り返し行い、信ぴょう性の高いデータを収集します。臨床研究のプロセスを経て初めて、さまざまな病気の治療指針がアップデート(更新)されるのです。

 ──

 ちなみに、臨床研究医の賃金は民間よりもかなり安い。大学での臨床研究が認められずに、臨床だけをするようになったら、低賃金の大学病院に勤務するメリットがなくなるので、応募者が一人もいなくなります。

 実は、研究をちゃんとやると、出世して、大学教授になったり、高度な研究所に入れたりする。それが本当の狙いだ。
 だから、研究もさせてもらえないで、低賃金だけが残るなら、最初から民間病院の常勤医になる。かくて、大学病院は医療崩壊。

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 なお、「××大学附属病院勤務の医師」という肩書きがあると、民間の非常勤の勤務で高い賃金を得ることができる。そういうメリットがあるから、大学病院での低賃金を受け入れる。(研究のメリットとともに。)
Posted by 管理人 at 2023年11月23日 11:08
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