2023年10月26日

◆ 札幌で鹿が増えすぎ

 札幌で鹿が増えすぎて、困っているそうだ。シカたないのか?
 
 ──
 
 朝日新聞が報じている。
 札幌市中心部でエゾシカの出没が相次いでいる。24日には、北海道庁近くの北海道大学植物園に侵入し、同園が休園する事態に。道内ではシカによる交通事故も急増している。都心部への出没が続けば重大事故につながりかねない。
 市街地で目撃されるシカは、里山から迷い込んだ事例が多いとされる。だが、市の担当者は「侵入を防ぎきることは難しい」。札幌市内は森林に囲まれ、入り組んだ河川がシカの移動経路になっているとみられる。
 懸念されるのは交通事故だ。道警によると、シカが絡む事故は2004年は1170件だったが、22年には4480件まで急増。

 ■個体数が増加

 酪農学園大学の伊吾田宏正・准教授(狩猟管理学)は交通事故や都市部への出没の要因にシカの個体数の増加傾向をあげる。道の推計では11年度に77万頭だった生息数は、捕獲が進み、18年度には65万頭まで減少。だが、熟練のハンターが減ったことなどから22年度には72万頭まで増えた。
 伊吾田准教授は「個体数は過去最多の可能性もある」と語る。道内では年間約10万頭以上が捕獲されているが、被害を抑えるには「それでも捕り足りていない状況」と指摘する。
( → シカ出没、札幌困惑 植物園休園、都市部での重大事故懸念:朝日新聞

 これを「シカたない」と諦めるわけにも行かない。困った。どうする? 

 ──

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
 「鹿が増えすぎたのは、オオカミが絶滅したからだ。ならば、オオカミを復活させればいい」

 これには、次の記事が参考になる。
 北海道ではオオカミの絶滅も要因となり、増えすぎたエゾシカを年間10万頭以上殺処分しています。その多くは産業廃棄物として処理されています。
( → エゾオオカミ絶滅の悲劇を忘れないために - 日本経済新聞

 成功の実例もある。米国だ。
 イエローストーンではオオカミが絶滅したため、シカを狩る動物がおらず、そのために激増したシカはほとんどの植物を食べ尽くしてしまったそうです。そこで、オオカミの再導入によって、わずかな個体数でもシカの天敵であるオオカミが生息するようになったことで、シカはオオカミに狩られるようになったことに加えて、オオカミに追い詰められやすい場所を避けてシカが生息するようになりました。
( → オオカミが自然の生態系をよみがえらせたというイエローストーン国立公園の伝説とは? - GIGAZINE

 さらに、それに続いて、連鎖的にあれこれと生態系が回復した……という主張もあるが、「それは誇張だろ」という批判もあるそうだ。それでもまあ、シカについての説明だけは、だいたい正しいと見てよさそうだ。

 というわけで、「オオカミの導入で増えすぎた鹿の数を抑制する」という案は、成立しそうだ。

 ※ オオカミが鹿を食べていると、それを熊が襲って、熊が鹿を食べるので、熊が餓死しなくなる……という説もある。その分、熊が人里に降りてくる回数は減りそうだ。



 [ 付記 ]
 オオカミを外部から導入すると、外来生物が在来生物を駆除するので自然破壊になる……という懸念もありそうだ。沖縄のマングースの例が思い浮かぶ。
 だが、この懸念は不要だ。なぜなら、オオカミは外来生物ではなく、もともと地元に繁殖していた生物だからだ。そのあと人間がオオカミを狩ってしまったので、絶滅しただけだ。
( ※ もう一つの理由は狂犬病だが、これも人間がペットといっしょに持ち込んだようなものだ。)





吠えるオオカミ


吠えるオオカミ


吠えるオオカミ


吠えるオオカミ


吠えるオオカミ


吠えるオオカミ


吠えるオオカミ

BingAI Prompt:Create colorful images of a howling wolf with its whole body in daylight.


posted by 管理人 at 23:15 | Comment(2) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
クマの出没でさえ困っているので、より知恵があり群れでも行動するオオカミが復活すると、さらに困ったことになるかとう気もするのですが、再導入に関する論文もそれなりにあるようですね。
Posted by けろ at 2023年10月27日 14:33
 昔はオオカミが家畜を襲うのが嫌われて、オオカミが駆除されました。
 今は、鹿の数が増えすぎたので、オオカミはわざわざ牧場に入って家畜を狙わなくても、山の中で好きなだけ鹿を捕獲できる。

 ──

 オオカミは、オスの鹿には負けるが、メスや子鹿には圧勝する。だから、メスや子鹿は、オスのそばから離れられない。そのせいで、鹿の自由度が下がり、鹿の繁殖率が下がる。鹿の増加率が低下する。
 今は年間十万頭を捕獲しても、まだまだ鹿は増加するが。
 
Posted by 管理人 at 2023年10月27日 14:54
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