──
岸田首相は減税をする予定だ。
岸田総理大臣は衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、新たな経済対策をめぐり、物価高の負担を緩和するための一時的な措置として税収の増加分の一部を国民に還元すると強調し、所得税の減税を念頭に具体策の検討を進める意向を示しました。
急激な物価高に賃上げが追いつかない現状を踏まえ、負担を緩和するための一時的な措置として、税収の増加分の一部を国民に還元すると強調し、所得税の減税を念頭に「近く政府与党政策懇談会を開催し、与党の税制調査会での早急な検討を指示する」と述べました。
また、◇各自治体で低所得者世帯への給付措置などに使われている「重点支援地方交付金」を拡大することや、◇ガソリン価格を抑える補助金や電気・ガス料金の負担軽減措置を来年春まで継続する方針も示しました。
( → 岸田首相が所信表明演説 所得税減税を念頭に具体策検討の意向 | NHK | 国会 )
ただし、皮肉っぽい目で見る向きもある。
《 「経済」三唱に込めた首相の決意 「所得減税」は演説に盛り込めず 》
演説では、その覚悟をこう訴えた。「成長による税収の増収分の一部を公正かつ適正に『還元』し、物価高による国民の負担を緩和する」。還元措置の具体化に向け、「近く政府与党政策懇談会を開催し、与党の税制調査会における早急な検討を指示する」とも語った。
しかし、見せ場であるはずの「国民への還元」に、議場で与党側からの拍手はまばらだった。
そもそも減税に対する首相の決意とは裏腹に、演説の分かりにくさや物足りなさを指摘する声が与党内から相次いだ。首相が20日午後に与党幹部に検討を指示した「所得減税」が、一言も触れられていなかったからだ。演説の内容は首相指示の前にはすでに閣議で内容を固めており、盛り込むことができなかった。
( → 朝日新聞 )
肝心の所信表明で明言できないというカッコ悪さは別として、減税の意思だけはあるようだ。
だが、減税をするなら、その財源が重要だ。先にも述べたが、「物価上昇にともなう歳入増」を財源としているようでは、「物価上昇にともなう歳出増」で相殺されてしまうので、減税の財源とはならない。では、どうすればいい? 困った。
──
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「財源は、法人税と配当分離課税の是正による」
詳しくは以下の通り。
(1) 法人税の増税
法人税は、そもそも税率が低すぎる。消費税の増税で増えた税収を、法人税の減税に費やしてしまったからだ。前出のグラフを再掲しよう。

出典:財務省
このせいで、国民負担が増える一方、企業負担はどんどん減っていった。だから、これを是正する形で、法人税を増税するべきだ。
さらに、別の理由がある。さまざまな控除措置(投資減税や研究開発費減税など)のおかげで、実質的な法人税負担が低下しているのだ。

出典:税理士|全国商工新聞
こういうインチキによって、企業は企業は法人税の負担を大幅に免れている。これを是正することで、法人税の税収を引き上げることができる。
※ 実は、さらに他の原因もある。企業は所得を海外の子会社に移転することで、海外の子会社からの所得を無税で利益にすることができる。その分、海外で法税を払っているが、海外の法人税率は低いので、実質的にはタックスヘイブンを使っているのと同様の効果が生じる。この件(からくり)は、前に説明した。
→ 日本もタックスヘイブンだ: Open ブログ
(2) 配当分離課税
配当所得の分離課税(所得税 15%、住民税5%)の制度がある。このせいで、高所得者は税負担が著しく低下している。(下記グラフは 前出・再掲)

出典:Twitter
億円単位の超高所得者の税負担率が著しく低いことがわかる。これは配当分離課税のせいだ。こうなったのも、安倍首相の投資優遇の方針のせいだが、もうアベノミクスにこだわる必要もないし、トリクルダウン理論 (金持ちのおこぼれに預かるという理論)に頼る必要もない。馬鹿げた主張はさっさと捨てて、配当分離課税を是正するべきだ。
・ 源泉徴収課税を 30〜40%程度に引き上げる。
・ 1000万円以上は総合課税を義務づける。
というふうにするべきだろう。
以上のようにすれば、減税の財源となるはずだ。
※1 分離課税を引き上げた場合には、法人税の基本税率を引き下げてもいいだろう。
※2 ただし、先には「消費税増税時の法人税引き下げを取り消す」という方針もあったので、引き上げと引き下げが相殺することもありそうだ。
[ 付記1 ]
「法人税と配当課税は、税の二重課税だ」という批判がある。確かに、この批判には一理ある。したがって、すぐ上に述べた ※1 のように、「分離課税を引き上げれば、その分、法人税を引き下げる」という考え方も成立する。
だが、それは必ずしも妥当ではない。なぜなら、その課税は二重課税ではないからだ。
二重課税というのは、本来の課税を2回にわたって課税することを言う。つまり、2倍の税を取ることだ。これはもちろん妥当ではない。
一方、二つの行程で半分ずつの税を取るのは、課税段階は2段階でも、税額は1回分だ。これは、「二重課税」ではなく、「二層課税」と呼ぶのがふさわしい。こういうのは、何も問題はない。
たとえば、次の比較をするといい。
・ 法人税 30%、配当課税0%。
・ 法人税 5%、配当課税5%。
合計は、前者では 30% で、後者では 10% だ。後者は2回の課税があるが、「だから二重課税でけしからん」ということになうか? その理屈だと、「税負担が 10% よりも 30%の方がありがたい」ということになって、増税歓迎になってしまうが。
以上からわかるだろう。課税の過程の回数が問題なのではない。課税の合計額が問題だ。ここにおいて「二重課税はけしからん」なんている理屈は成立しない。どうしてもその理屈を言うなら、「法人税は0%にして、配当課税を 70% にする」というふうにしてしまえばいい。あるいは、「法人税は 70%にして、配当課税を0% にする」というのでもいい。いずれにせよ、それで満足だろう。「二重課税が一重課税に減った。これで税負担は半分だ。嬉しい」と喜べばいい。(猿以下だが。)
[ 付記2 ]
日本では中小企業の法人税率が低すぎる、という問題もある。ここも是正すれば、かなりの税収増が見込める。
また、赤字の中小企業には、もっと大幅に課税してもいいだろう。中小企業のオーナー社長が税金も払わずにぜいたくばかりしているのを見ると、腹立たしくなるね。
[ 補足 ]
政府は所得税の減税を考慮していると言うが、1人あたりでは5万円以下だろう。共働きならば、倍額( 10万円?)になるが、パートの主婦の家庭では、そうも行かない。結局、たいした額にはなるまい。
一方、物価上昇の額は、とても大きい。食料品では 5〜10%になる。全体でも、2〜3%だ。ここには値上げ率の低い家賃や教育費が含まれているので、持ち家があって子供がいない家庭だと、大幅値上げが直撃する。若干の減税では、まったく物足りない。
では、どうすればいいか? そこは、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。というか、出してある。
→ 物価上昇は日銀のせい: Open ブログ
日銀の低金利政策で、円安となり、物価上昇が起こる。だから、日銀の方針を改めれば、円高となり、物価上昇は解消する。大幅な物価下落が起こりそうだ。この場合、所得の 2%ぐらいの所得増の効果がある。年収 500万円なら、10万円の所得増だ。下手な減税よりも、こっちの方がずっと効果がある。
物価上昇に悲鳴を上げる女性
【 追記 】
企業は円安で増益、という話。
→ 主力企業、円安増益効果2兆円 トヨタは8900億円 - 日本経済新聞
「主要20社で2兆円近い増益効果」とのこと。
もちろん、労働者には還元しないで、株主で独り占め。

今はウクライナ戦争のせいで輸入品インフレではありますが、それがなければ日本は30年来のデフレです。
通貨発行によるインフレ効果はありますが、新型コロナ不況の中、安倍晋三が100兆円超の新規通貨発行してもまだ不況(インフレしたのはマスクだけ)でした。
もちろん、管理人さんの主張する法人税をしっかり徴収するすることも賛成です。経団連が自民党のスポンサーであることから、自民党は経団連にいい顔しすぎです。消費増税と法人税減税がセットだったのはそのせいでしょう。
屁理屈で法人税をまともに払わないGAFAMからはしっかり徴収しないといけないです。でも米国の圧力がかかるんでしょうけど。でも、きっしーはそううところやんなそう。
今は物価上昇で、インフレ状態なんですよ。物価上昇を止めたい。(そのためにはインフレ政策は厳禁。)
最後の [ 補足 ] を参照。
100兆の新規通貨発行しても全くインフレにならなかったので、数兆程度ならたいしたインフレ効果は無いって考えられて、法人税増税の範囲内にとどめないで、一般庶民の可処分所得を増やすくらいの減税やんないと、日本経済は良くならないだろうってことを言いたかったです。
そもそもインフレは需要と共有の関係で発生します。新規通貨発行は、やりすぎなければたいした影響はないはずです。
管理人さんの主張する法人税増税は賛成です。
なのでまとめると、イチに法人税増税、不足分を新規通貨発行ですかね。
いずれにせよ、一般庶民の可処分所得を増やす方向にもっていかないと、失われた30年は失われた40年になります。増税クソメガネがこれを確定的にしなければいいんだけど、雲ゆきは怪しいです。
打ち出の小槌はありません。あるように見えるのは、デフレのときの一時的効果だけ。デフレでもないときに、その狙いでやれば、田中角栄の二の舞になります。
企業は円安で増益、という話。