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朝日新聞の調査では、こうなる。
内閣の支持率は29%と前回9月調査の37%から大幅に下落し、発足して2年たつ岸田内閣として最も低くなった。内閣不支持率も60%(前回53%)に上がり、2012年末に自民党が政権復帰して以降の3代の内閣を通じて最も高くなった。
( → 支持率29% )
週末に行われた各社の調査での支持率は朝日に加え、読売新聞34%▽毎日新聞25%▽共同通信32.3%と軒並み過去最低だった。
首相を支えてきた岸田派の中堅議員は「さすがに、ここまでひどいと『岸田では戦えない』との空気が広がりかねない」と吐露した。
2議席を争った15日の東京都議補選で、自民候補は都民ファーストの会と立憲民主党の候補に敗れた。 公明ベテランは「東京で負けた。このあと九州で負け、四国で負ける、なんてことになったら……」と述べ ... (以下略)
( → 最低の内閣支持率、与党に衝撃 回復策不発「解散できない」と悲観論 [岸田政権]:朝日新聞 )
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岸田内閣は圧倒的に不人気だ。安倍内閣が高い支持率を維持し続けたのに比べると、見る影もないほど、ひどい低下だ。発足当初は高い支持率を得ていたのに、どうしてこんなに悪化したのか?
理由はやはり「金」だろう。経済状況の悪化だ。といっても、企業業績は好調だから、景気の悪化が理由ではない。では何かと言えば、「国民の所得の低下」だろう。どうしてかと言うと、物価上昇がひどいのに、賃上げがそれに追いついていないせいで、実質賃金は低下してしまったからだ。10月6日の記事には、こうある。
《 8月実質賃金2.5%低下、物価の伸び鈍化でマイナス幅縮小》
厚生労働省が6日公表した8月の毎月勤労統計(速報)によると、実質賃金は前年比2.5%低下し、17カ月連続で減少した。マイナス幅は消費者物価指数(CPI)の上げ幅が鈍化したことが影響し、7月の2.7%から縮小した。
( → 毎月勤労統計 | ロイター )
実質賃金(実質所得)が低下するのだから、国民の生活は貧しくなるばかりだ。国民が頭にくるのは当然だ、と言える。支持率低下は当然だろう。
一方で、別の記事もある。
→ 日本のGDPは世界13位から27位に転落 「先進国のグループから転落しかねない」
記事から一部抜粋しよう。
2022年は、日本が貧しくなったことが痛感される年になった。急激に円安が進んだため、様々な指標で日本の国際的地位が下がったからだ。
10月に公表されたIMF(国際通貨基金)のデータによると、2022年には、台湾の一人当たりGDPは4万4821ドル(世界第24位)となり、日本の4万2347ドル(27位)を超えた。ただし、2023年に公表されたIMFのデータでは、台湾は、日本をわずかに下回った。
10年前の2012年をみると、日本の一人当たりGDPは、韓国の1.9倍、台湾の2.3倍だった。
2013年に異次元金融緩和が導入されて円安が進み、日本の地位は顕著に低下した。それが2019年まで続いたのだが、2020、21年に、韓国、台湾が日本に急迫したのだ。
アベノミクス・異次元金融緩和が始まる前の2012年には、日本は先進国の中で第13位だった。いまは第27位だから、この10年間に大きく順位を落としたことになる。いま日本は、先進国のグループから転落しかねない状態に陥っている。
どうもひどい状況だ。こんな状況をもたらした政府が支持率を下げるのは、当然だ。
だけど、選挙になると、自民党が勝つんだよね。支持率 40%でも、議席は 60%を取れる。歪んだ選挙制度のせいで。
日本は民主主義じゃないね。独裁政党が政権を握る、半民主主義だ。(半独裁国家だ、とも言える。)
だから、どんなに支持率が低下しても、自民党政府は安泰だ。その点では、カンボジアやラオスや北朝鮮みたいな独裁国家と、大同小異である。
[ 付記 ]
一人当たりGDP については、以前のデータもある。
→ 一人当たりGDP( nandoブログ )
これは 1992年 〜 2006年のデータだ。この間に、(ルクセンブルクに次ぐ)世界2位から、世界 17位まで、一挙に転落した。
グラフは下記。

出典:MONOist
ところが、違うんだな。自民党の比例区の得票率は、ずっと 40%か、それ以下になっている。過半数を大幅に割っている。つまり、国民は自民に入れるより、自民以外に入れている。
自民党が圧倒的多数議席数をもっているからといって、国民が自民党を支持していると思うのは錯覚だ。
国民は自民党を支持していないのだが、歪んだ選挙制度のせいで自民党は圧倒的多数の議席を持っている。ここを勘違いしてはいけない。あなたはだまされているね。